2009年12月31日

2009年は記念すべき転換点

面白いテレビもないので今年を振り返って


他人からは未だ同情すべき状態に見えるのかもしれないけれど、


この1年間で身体的には誰も予想しえなかったレベルに復活し、
一部かつての状態を凌駕する域に達している。

また、
この20年来悩みに悩んできた仕事上の問題の解決、
および
ライフワークとして取り組んできたテーマについての
非常に大きな 量子飛躍的な進展が得られた。

その他、いくつかの問題も一気に解決してしまった。



脳卒中のおかげというわけではないけれども、

脳卒中体験のタイミングがこれらの変化にがっちりと一致していた
ことは確信を持って言える。


なによりも 物事を考える というか 捉える 基本的な構造が
大きく変わった。


詳しく書くとおかしくなるので、  そういうことで。

病院で食べた年越しそば

昨年の大晦日、

18時頃、夕食、

ぬるくて
ふやけきった
そばがでた。

箸でつまめないほどにやわらかく
フニャフニャになっていたけれども、


人生ベスト3に入る うまいそばだった。


だしと醤油の香りがなんとも言えない忘れられない味。


こういう何気ない一工夫が入院患者にはありがたいんだろね。

イメージトレーニングと脳卒中リハビリ

イメトレだけでも 脳の必要な箇所が
実際に運動したときと同様に活性化する、という事例。

ここから引用
http://en.wikipedia.org/wiki/Mental_Practice_of_Action



左が実際の運動で活性化した脳の部分(赤いところ)
右が想像だけで活性化した部分
両者の活性化位置はほとんど同じである。



リハビリは寝ながらでもできるでしょ、
という結論。

2009年12月30日

リハビリ病院には不要?インターネット

入院して不便に思ったことのひとつに
インターネットがある。

もちろん使えなかった。


例えばデイルームにビジネスホテルによくある10分100円の共用端末の
1つでも置いてあっても良さそうなものなんだけど、
そんなものはなかった。


パソコンの持込みも禁止されていた。



メールやニュース、流行りの動画のチェックがまったくできない。


社会活動からまったく取り残されてしまった感に苛まれた。


入院している理由に比べたら
ハナクソみたいにどうでもいいことなんだけど、
自分の生活の一部になっていただけに
けっこうこたえた。


もし使えていたら、リアルタイムでブログ日記を更新して
いただろうに…と思う。


iPhoneでもあったらリハビリそっちのけで
のめりこんでいそうで、逆に怖い。


そんなわけで
結果的には、リハビリ病院にネット端末は要らないと思う。

訓練に専念すべし。

ってこと。

2009年12月29日

前兆と最初の異常と例の場所

思い返してみると…


発症1年くらい前から
手の震えがあった。

パソコンの画面を指差すときなど
その振るえを抑えることができなかった記憶がある。

あと、コーヒーを飲んだあとに
軽いめまいを覚えることが多くなった。


不思議なことなんだけど、
通勤途上、いつも目眩を感じる場所があって、
そこでときどき立ち止まったりしていた。


発症して倒れた場所が
その真下にある地下鉄のホームだった。


最初の異常に気付いたのは、
パソコンで文章を打っている最中に
キー入力のミスが連発するようになったときだ。


どうやら左手指の感覚がわからなくなっている
ことに気がついて、
ことの重大さを認識した。


その10分後にはなぜか
例の目眩がする場所へ向かっている自分がいた。

で、そこで力尽きた。


不思議だね。

2009年12月28日

年末は暇だった

ちょうど1年前のいまごろ、

転院したばかりであったが、年末のためリハビリ計画が
決まらず、来年の開始となっていた。

ご飯たべて寝るだけの日々だった。


看護師の目を盗んで、病室の窓枠にあった手すりにつかまり
車椅子から立ち上る練習をしていたのを思い出す。


夜中、暖房が止められるため、
あまりの寒さに眠れないことがあった。

トレーナーを2枚重ね着し、
掛け布団を増やしてもらった。


景色の良い
猿や猪の出没するのどかな場所だった。

一時的に大きく血圧を下げる方法

あっという間に血圧を大きく下げる方法を紹介する。(動画つき)

健康診断で「血圧高め」と指摘されると
再検査や生活指導、生命保険掛金の増加など
いろいろと面倒なことが起きる。

血圧が高めの人は、
この方法を知っていると とても便利である。


概要:
最近ではメタボ検査のため健診時にウエスト長を計測することが多い。
その際に皆、少なからず腹を凹ませる努力をしていると思う。

これと同様のことを血圧検査において実践する。

しかも慣れればバレずにかなりの値を下げることが可能である。

わたしはこの方法をマスターしてから5年以上、
健康診断で常に120/70レベルのスコアを出し続けてきた。


原理:
心臓は肺と横隔膜で囲まれている。
肺と腹のちからで心臓を押さえつけることで一時的に血圧を下げる。
ヨガの行者の間で流行っていた方法からヒントを得た。

注)これは深呼吸や単なる息こらえとはまったく異なる。
心臓の動き自体を抑える方法である。
しかし、この程度では心臓は止まらないので心配は要らない。
図:肺 心臓 横隔膜

方法:
大きく息を吸い込んで、息を止め、みぞおちに向けて吸い込んだ息を
押し込むように、胸とお腹のちからで強く押さえつける。

もちろん計測中は息を止めていることになる。

コツはとにかく目一杯息を吸う事。


効果:
これだけで収縮期血圧は30は下がる。拡張期血圧も10~20は楽勝。
呼吸を再開すればもとに戻る。


練習と実践:
家庭用簡易血圧計をつけたまま練習することができる。

実際には、健診時、席に着いて腕帯を巻かれている最中に
鼻から息をゆっくりと吸込み、胸を急激に膨らませるような
怪しい動作はしないようにする。

『息を吐いてリラックスして』と言われたら、
口の中の息だけを吐く。
測定中、静かに胸の筋肉と腹のちからで 息を吸って膨らませた肺を力強く押さえつける。
測定が終わったら、さり気なく静かに溜めた息を鼻から吐き出す。


注意点
この方法をマスターするとほぼ確実に健康診断を無傷でパスすることができる。

しかし高血圧という問題の重大性の認識が著しく遅れることになる。

大事に至る前に素直に病院にかかるべし。

経験者が言うのだからまちがいない。


ps
成功したら下のフォームからメールちょうだい


さらに追記(2014/06):

反響が大きいので動画を作りました。

この撮影のために降圧薬を4日間止めて、ブラックコーヒーを飲んで5年ぶりに臨みました。iPhoneを右手に持って、一発撮りです。


安静時x3回+[本番]+安静時x2回+[本番]+安静時x1回+[本番]+安静時x1回
の順で記録しています。
特に最後の本番(4:12~)は気合が入っています。


関連記事:
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる

Stroke誌:脳卒中患者の血圧を下げたら死亡者が続出

2009年12月27日

脳卒中リハビリ用ロボットアーム

腕のリハビリ支援ロボ。脳卒中の患者向け。


脳卒中リハビリ関連の情報を調べていると必ずこの種の
上肢のリハビリ用ロボットの開発、ってネタが出てくる。



他にやることないのかな。
他のアプローチが考えられないくらいに問題が深刻なのかも知れない。



ロボットアームを動かせるくらいなら
麻痺は軽度と言えるし、
そんなものに何百万円もかける意義が分からない、
脳卒中リハビリ用ロボットアームの効果は...?
(2016年9月12日)

2009年12月26日

脳卒中リハビリに必要のない?検査

この記事を読んで思い出した。

米国の2007年のCT検査による放射線被曝で、29,000例のがんが将来発生。
http://blog.livedoor.jp/ytsubono/archives/51742792.html




急性期病院からリハビリ病院へ転院する直前に
改善具合を確認するために最新の装置でCTとMRIを撮った。

それらの画像を持参して
リハビリ病院へ転院すると、

その日のうちに医師からなにやら説明があって、
なにか一連の検査をしなければならなくなった。

持参した画像はその医師と一緒に見た。



ところが、翌日になんとMRIとCTのスケジュールが入っていた。



前の病院で画像は撮ったばかりであり、昨日見たばかりである。

しかもそこのMRIもCTも旧型の装置である。
持参した画像以上の情報が得られるとは考えられない。


もう被爆はうんざりなので
文句を言って検査を止めさせようかとも思ったが、

こっちは昨日入院したばかりで指一本動かぬ弱い立場ゆえ
今、医師の方針に逆らうのは得策ではない、と判断した。


で、結局撮らせた。(いまは後悔している)


リハビリ病院としてはとても有名な施設。

保険報酬を得るためだけにやっている検査、としか思えない。

脳内出血直後の医師の見立て

病院の集中治療室に運ばれて
しばらくして
家族がやってきた。


医師が説明している声が聴こえてきた。


『回復しますか?』との問いに


答えて曰く、

…少なくとも6ヶ月以上一生懸命にリハビリをして、
それでも足に装具をつけて杖をつきながらやっと歩けるようになるのが精一杯でしょう。
2度と普通に歩くことはできないと思ってください。


とのこと。


その場の空気があまりに暗く、重いので、

直後に思わず、

今日は人生最良の日だぁ!』と皆に聴こえるような大きな声を上げたのを覚えている。



で、1年後、本当にそのとおりになった。



医師の見立てはあんまりアテにならないかもしれない。


特に急性期病院の医師や病院関係者は、
すべての患者が1,2ヶ月以内に転院してしまうので、
どういう患者がどのように回復するかについて
伝え聞く以外の経験を持たない。


だから、あんまり真に受けないほうがよいと思うね。

2009年12月25日

脳出血はジワジワくる?

いま思うと倒れる前日にシャワーを浴びていた際に、
足元がフワフワする感覚に気づいていた…気がする。


当日は出勤途中、足の運びに明らかな違和感を感じていた。


手足の感覚異常にはっきりと気がついたのが15時ころで、
そこからの展開は速かった。

16時に力尽きた。


太い血管が切れて血がドバっと出るくも膜下出血とは異なり、

脳内出血は、おそらくジワジワと出血が溜まってゆくのだと思う。



30cc溜まってた。

2009年12月24日

リハビリ病院に転院した日

ちょうど1年前の今日、

急性期病院からリハビリ病院へ転院した。

その日のうちに転院できれば、
急性期扱いになるそうで、
是非AM10までにきてくれ、と数日前に連絡が
あったそうな。

当日はタクシーで移動した。

出発前、サンタの格好をしたヘルパーさんだろうか、
見送ってくれた。

3週間ぶりに外の空気を吸った。

気温の低さも感じた。
病院の中は寒さ知らずだから

ひさしぶりで爽快だった。


タクシーには1時間くらい乗った。

あと20分長かったらゲロを吐いていたところだった。

到着すると、
病室にまたサンタが現れ、
クリスマスカードをくれた。

2度もサンタに会う最先の良いスタートだった。

脳卒中治療ガイドラインが5年ぶりに改定

こちらから
http://www.pt-ot.net/forum/2009/12/post_11.html


本文はここに
http://www.jsnt.gr.jp/guideline/index.html


エビデンスレベルⅠ~Ⅳ
推奨グレードA~D

こういうものの存在を初めて知った。


ここの記述が面白かった。

■上肢機能障害に対するリハビリ
麻痩が軽度の患者に対しては、適応を選べば、非麻痩側上肢を抑制し、生活の中で麻痘側上肢を強制使用させる治療法が勧められる(グレードB)。(CI療法の概念が追記)

Robotictherapyは、麻痺側の肩と肘を改善させる。Ib-?b また、近年、縦頭蓋反復磁気刺激(rTMS)による上肢機能の改善の報告(Ib)や、経頭蓋直流電流刺激による上肢運動機能の改善(?b)が報告されているが、症例数は少なく、刺激条件、刺激部位などもまだ確立されていない。 追記


脳卒中後の歩行訓練にはトレッドミルが効果的

ここから
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20026572

患者をランダムに分けて・トレッドミルと・屋外の散歩
の歩行訓練効果を比較したらしい。

6分間の歩行距離、スピード、歩幅、足の運び、いずれも
トレッドミルで訓練したグループの方が優れていたそうな。

しかも短い訓練時間で。




でも、外を歩いて石につまづきそうになったり、
車に接触しそうになったりする経験も必要かな

と思いました。

2009年12月23日

急性期脳卒中病院の行動制限

脳内出血で倒れ、最初の病院でのこと。

そこは急性期専門の病院で、
入院患者の自立よりも
事故が起きない事を最優先にしていたようだった。


集中治療室、高度治療室を経て、
一般病棟に移り車椅子をあてがわれた。


でも、勝手にベッドから車椅子へ移ったり
その逆をしたりすることはズーっと禁止されていた。


ある時、トイレに行きたくて、ナースコールを押した。

しかし何度押しても何分経ってもやってこない。


これは人生の大ピンチと思い、
車椅子に移動し、
トイレへ車椅子を転がしていった。



無事済ませることができたのだが、
そのあとの帰り道、
看護師に見つかり、こっ酷く叱られた。


その後、おれは自走歴のある要注意人物として
看護業務引継の際の申し送り事項に記載されたそうな。



わからないでもないけれど、


看護師さんも大変だ。


週末になると、
フロアに居る数十人の患者をたった2人で看ていたりする。

そりゃ、呼んでも来ない。


そのうちバレないように移動する術を身につけて、
意図せず、次第に自立への道を歩み出していた。

2009年12月22日

麻痺手が動く。 これが幻肢かな?

麻痺になった直後、

左手の指がピクリとも動かなくて
触覚もまったく完全になくなっていた。

指を動かそうとすると、
頭のイメージのなかでは指を動かせる。


親指と人差し指、中指、薬指、小指、
と順にタッチしてゆくことが

あたまの中でならできた。


というのも、
例えば人差し指を親指の腹にタッチさせた時の
爪が食い込む感じを鮮明に遅れる事なく、イメージすることができた。


もっちろん触覚がないので感じるわけもないのだけれど、
感触をはっきりとイメージできるのである。


指は動いていないのに、
動く指があるように錯覚した。


見舞いに来てくれた人に、
別れ際、左手を振っていたつもりだったのだが、

少し間をおいて
それがイメージの中で手を振っている
だけのことに気がつく、


そんなことが初めは何度もあった。


よく本でみる"幻肢"というのも似たようなものかな…と思ったりした。

2009年12月21日

脳梗塞の再発率とは

脳梗塞再発率計算機なるものをみつけた。

http://www.nmr.mgh.harvard.edu/RRE/
(ハーバード大学)

3ヶ月以内に脳梗塞が再発しそうな程度を計算してくれるらしい。

ボタンをいじってみると、
・どうやらTIA(一過性の脳虚血)があった場合と
・太い血管の狭窄なんかがある人の場合にその再発率は高い、
と判断されるようだ。


よくわからないのが、
すぐに撮れるMRIが利用可能か否か
という点が最大の…? リスク要因になっていることである。


急性期脳梗塞を診断できるそのMRIを利用できる環境に居る方が
そうでない場合より再発率が約2倍高い確率が計算される。


これはまったくおかしな話で、


つまり、
病気が起こるのは、診断するからだ
という理屈と一緒である。



診断さえしなければ病気にはならない



そのとおりなんだけど、



奥が深すぎてこれ以上突っ込みたくない。

2009年12月19日

超能力理学療法士

リハビリ病院に入院中に、すごい理学療法士に出会った。


担当の療法士が休みのため、臨時にその日だけ担当してもらったたぶん60代の爺さん療法士。


ちょっと愛想の悪そうな、体格がよい 筋肉モリモリのひと。


どんなにすごい力でマッサージされるのか、と緊張した。


リハビリルームにはその人専用のマッサージ台が設置してあって、
そこへ横向きに寝るよう指示された。


しかし何分経ってもどこかをマッサージする様子がない。


しばらく注意して感覚を研ぎ澄ますと、
どうやらその手を私の尾てい骨の辺りにモゾモゾと這わせているのを感じた。



10分以上 延々とそんなことをやっている。



私も根気の長い方だけれど、好奇心を抑えられなくなって
思いっきって尋ねてみた。

『いまどんなマッサージをされているのですか?』と。


だいたい次のような返答内容であった。

・人間の関節にはすこしばかりアソビがあって、
・そのアソビが無くなると動きに支障をきたすようになる。
・特に腰の先端の方の関節には全身のその種のひずみというかズレが集中しやすくなるから
・その関節をほんの少しばかり動かして調節している。

そんな内容だった。(よくわからなかった)



きっと仕事したくないんだろうな…時間稼ぎかな…

あぁ参ったな…と思った。



さらに10分位 そのさするだけのような よわーいインチキ臭いマッサージを続けた後、
台の上に座るように言われた。



『両手をバンザイできるかい?』

と訊かれた。



その頃には大分腕も動くようになっていたけれど、
左腕を肩よりより上に上げようとすると背中の筋(すじ)がひきつって
痛くて上がらなかった。


『痛くてこれ以上あがりません』と言うと、

『どれどれ』と言いながら右手を私の左肩の上に軽く乗せて
ほんの数秒間 何かを探るように指を動かしていた。

そして

『もう一度バンザイしてみて』というので、

おなじだろ、と思いながら


『バンザーイ』ってやってみると、左腕が天井に向かってまっすぐに
突き刺さるように垂直に 上にあがったのである。

肩はまったく痛くない。

思わず歓声も上げてしまった。


興奮して、『いったいなにをやったんですか?』と尋ねると、


なにかとても嬉しそうに、ニコニコしながら、

『ちょっとね』とか言っていた。



その日は興奮して、リハビリが終わった後、何度もバンザイをしてみた。



するとそのうち肩が再び痛くなってきて、
以前と同じ状態に戻ってしまった。


後日、もう一度だけ同じ理学療法士に同じ施術を受ける機会があったのだが、
その効果はおよそ半日しか持たないことに気がついた。


でも短い間とはいえ、中国の気功師のようなその演出に大いに感動することができた。


他の療法士にその話をすると、どうやらその病院には、
指一本で患者の脊髄と会話をすることのできる重鎮も居る、とのことであった。


脳卒中リハビリって 超能力の世界と紙一重の とても興味深い分野である、と感じた経験であった。

2009年12月18日

便利な用語 "脳の可塑性"

脳卒中になって、頻繁に "脳の可塑性" という言葉を
耳にするようになった。


初めて聞いたのは
理学療法士に
『歩けるようになると思いますか?』
と尋ねた時だった。

するとなにやらムツカシイ顔をして
『のうのかそせいがねぇ…』と考える素振りをしてごまかされた。


おおっ、なにか奥の深いことに思いを巡らせているに違いない!、
と その時は 思った。



しかししばらくすると、この"脳の可塑性"という言葉は、
ただ便利でかつ、なにも説明していない用語であることに気がついた。



"脳の可塑性"というのは、脳の新たな環境への適応能力を
言い換えたものであって、単に学習能力といってもいいかもしれない。

リハビリがうまくゆけば、この方法は脳の可塑性を活性化した、と言い、

リハビリに失敗すれば、あなたの脳にはもう可塑性がないと言う。



これで何かの説明になっているのだろうか?

そもそも可塑性は測定可能な量なのか?

そうではない思う。

これに触れることで意味があるのか?





たぶんこういうことだと思う。


この脳卒中リハビリについての研究は、
流行りの科学分野から置き去りにされている非常に地味な世界である。

遺伝子解析やコンピュータ技術とはまったく無縁で、
運動機能の客観的指標を得ることすらとても難しい世界である。


再現性をもって患者を回復させるなんてとんでもない、

いわば、勘と経験に頼る職人の世界でもある。


関係者はどうにかして そこに学問の匂いをさせたい、と考えていた。


あるときだれかが、脳ブームにあやかって、
単に患者が環境に適応することをもって、
"脳の可塑性" と呼ぶことにした。


するとどうだろう、
会話の中に"脳の可塑性"という言葉を挟み込むだけで、
なにやら自分は最新の神経生理学と脳機能解析技術に多少なりとも通じている、
という印象を漂わせることができるようになったのである!

で、瞬く間に広まった。


そんなとこかな、と思う今日この頃。

麻痺側の足がむくむ理由は

入院直後、

麻痺した足から血栓が飛ぶのを防止するためという理由で、
ひどくキツイ靴下を左足にはかされた。

入浴サービスの際に脱いでみて初めて知った。

パンパンにむくんでいたのである。

なぜか正常な側の足はまったくなんともない。


歩行訓練が始まってしばらくしたころにそのキツイ靴下は履くのをやめた。

しかしはこのむくみは退院後も一向に引く気配がない。


数ヶ月後、

血圧を抑えるための薬を飲んでいるのだが、
しばしば体調が優れないことがあり、
薬が強すぎるような気がして、
処方量を試しに半分にしてもらったことがある。

ちょうどその頃から、足のむくみもすっかりと消えてしまった。



これは因果関係、強いと思う。


でもなんで麻痺側がむくむのだろう?



以来、ずっと当初の半分の処方量で血圧コントロールもうまくいっている。

もちろんむくみはない。

自立歩行とは、その可能になる割合

入院時に神経内科の担当医師が、

『当病院では、入院患者の約8割が自立歩行できるまでになります。』

と自信たっぷりに言っていたので、

あるとき、理学療法士に訊いてみた。

『主治医が言っていましたが、本当に8割もの方が歩けるようになるのですか?』と。



答えが率直で面白かった。


『そんなわけないじゃん、周りを見渡してみな、
歩けるようになっている人がひとりでもいるかい?』

だって。



なるほど、そのとおりであり、
このことからいくつか学んだ。


それは、

・自立歩行の定義がとてもいい加減で、
おそらく、4点支持の杖を使って何歩か歩ける程度の回復をもって、
自立歩行と呼んでいるのではないか、ということ。


・入院時に患者を厳重に選抜し、回復の見込みの高い人のみを
受け入れているらしいこと。
でなければ、8割なんて数字が出ようはずがないと思う。


・療法士と医者は仲がよろしくないであろうこと。
複数の療法士から医者不信を感じさせる反応を得たことがある。



ちなみに、
この病院は世間の評価も高く、検索の仕方では1位に出ることもある
有名なリハビリ専門の病院でした。

2009年12月17日

片麻痺による現実への没入感の低下

左半身の皮膚感覚が麻痺している。

手足が触れた物の質感や温度はさっぱりわからない。


そのせいか、しばしば現実への没入感に乏しい時がある。

没入感はテレビゲームなどで仮想現実の世界に自分自身が
どっぷりと浸かる状態を言う。

それと同じく、現実というゲームに浸かりきれない自分がいる。


頭の上に、カエルの目のように自分の目があって、
自分自身の動きを見下ろしている。


あたかもテレビゲームの主人公を操っている気分がするときがある。


このゲームにもっと感覚が豊かであるならば、
主人公と一体化することができるのであろうが、

この片麻痺を経験するようになってから、
その一体感が欠けるのである。


じつはこの状態を歓迎している自分が居る。

2009年12月16日

脳卒中後うつ は女性が多い らしい

脳卒中後うつになるのは女性のほうが男性よりすこしばかり多くて、

入院患者の方が自宅療養者よりも多いんだそうな。


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19996226


脳卒中でなくても そんなもんだと思う。


男女差が無いってことだろな。


病院なんかに居たら、どんな人でも落ち込むよ。

自宅周辺をリハビリ散歩中に… あやうく声かけ事案

退院して、

自宅療養中のこと。

リハビリを兼ねて平日の昼間に近所を散歩していると、
下校途中の小学生に しばしば

『こんにちは』

と声をかけられた。


そんなに良い人に見えるのかな、
おれって人気者だなぁ、といい気持ちでいた。


ある日、ネットを見ていたら、
どうやら最近の小学校では、不審なひとを見かけたら自分から積極的に
挨拶するよう、指導しているらしいことを知った。

ショックだった。


関連情報:

http://www.mag2qa.com/qa5424648.html

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011212590?fr=rcmd_chie_detail

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213809142



逆に、うっかり小学生にあいさつでもしようものなら
警察に逮捕されかねないことも知った。

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E5%A3%B0%E3%81%8B%E3%81%91%E4%BA%8B%E6%A1%88&lr=&aq=0&oq=%E5%A3%B0%E3%81%8B%E3%81%91

恐ろしい世の中になってしまった。

2009年12月15日

抗うつ剤で脳卒中リスクアップ

老齢の女性が抗うつ剤を摂ると、脳卒中になるリスクが45%増えるとか。

http://www.einstein.yu.edu/home/news.asp?id=445


抗うつ薬を必要とするくらいに厳しい環境に置かれているが故に
そのストレスもハンパなく、脳卒中になってしまう ってことかな。


でも心臓病の発生リスクには影響がないらしい。


まっ、心臓がはタフだからね。


と思った。

2009年12月14日

廃用手という言葉の持つおそろしさ

"廃用手" 問題について再度考えてみた。


"廃用手"という用語を使う人の理屈は、

『廃用という言葉は、単に用をなさないという意味であり、したがって廃用手は
手としての機能を持たない状態を指しているに過ぎない。』

というものだろう。



次の例を考えてみた。


・走行距離30万キロの自動車を査定に出した。
『査定価値がありません。車を勧めます。』
と言われた場合、その車は通常、スクラップになる。


・年老いて乳の出なくなった乳牛について牧場主が
『こいつも廃用だな…』
この場合、牛は殺処分になり、食肉になる。


・競馬牧場で、獣医師が、
『この種馬、廃用ですね。』
といったら、通常、殺処分である。


"廃用"とか"廃"といった言葉には、その文字に続く機能を持たなくなったという意味の他に、
多くの場合、その存在自体を抹消するべく動作や意味が付随する。


そう考える。



だから、

リハビリに携わる方々には、

どうか "廃用手" という言葉の持つ恐ろしさに思いを巡らせて欲しい、

と思う。↓↓↓
リハビリ病院が "廃用手" って言うかな?

2009年12月13日

金属が痛い! 求心路遮断痛?

脳内出血を発症して数週間後、
車椅子で病院の廊下を移動するようになったころ。


車椅子の金属部分に左の麻痺手が触れると
激痛が走ることに気がついた。


指は動かないし、触れた物の質感や温度はさっぱりわからない
ハズなのに、金属に触れるとなぜか痛い。


はじめは痛みの場所が分からなかった。

漠然と左側の方に非常にとても不愉快な感覚を持った。


このあたりをうまく伝えるのはムツカシイ。



水に足が触れても鋭い痛みを感じた。

お茶の入った湯のみも激しく痛いことがわかった。


どうやら刺激の程度と対応する感覚の量的な関係が、

なんというか、
直線的でなくなってしまったようだ。


あるレベルまではまったく感じないが、

それを超えると、

極端に強くその刺激を感じてしまう。



ネットで調べてみると、"求心路遮断痛" というものがもっとも
適した説明に思えた。


鎮痛剤では治らないとのこと。



しかしこの痛みの感覚は半年ほどで消えてしまった。


でも感覚自体が鈍いのは相変わらずである。

2009年12月12日

"廃用手"という言葉に疑問を感じない人々

以前、"廃用手"という言葉に出会った時の衝撃について記録した。


普通、文字のとおりに理解して、

"廃用手"=廃棄するしか用のない手

と思ってしまう。



これは結構深刻な問題だと思う。



例えば、寝たきり状態の人にはなんと説明するのだろうか?


『あなたの場合ですと、廃用手が2本、廃用足が2本です。』
とでも言うのだろうか。


もし、寝たきりの人が"廃用手"という用語の存在を知ったら、

『あなたは社会にとってなんの役にも立ちません。死んでくださった方が良いのです。』
と 遠まわしに言われていると感じないだろうか。



ところが これが病院のなかで普通に使われている。



観察可能な機能評価項目のみにしたがって
他人の腕を勝手に"廃用"と言う無神経さにはただ驚くばかりである。




別の言い方はないのか?



"廃用手" は明らかに不愉快。

2009年12月11日

脳の修復に携わるミクログリアって

下記プレスリリースから引用。
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2009/04/-----.html

「脳梗塞などで障害を受けた神経回路に対するミクログリア細胞の検査・検診の方法はダイナミックに変化することがわかりました。このメカニズムを利用し、障害をうけた脳の中のミクログリア細胞を、薬物や生物活性因子で刺激することができれば、脳の修復を早めたり、脳の機能回復のリハビリテーションに効果的だったりするかもしれません。」




ミクログリアについてまったく知らなかった。


[ミクログリア]の関連記事

脳卒中で倒れるなら人気の多い場所で、

以下の記事、似たような話をよく聞くけれど、

http://www.asahi.com/health/news/OSK200911160100.html


9病院に断られ1時間20分後に搬送 奈良で発作の男性

2009年11月17日3時31分

 奈良県生駒市で7日、自宅で低血糖発作を起こした男性(69)が県内や大阪の9病院に搬送を断られ、通報から約1時間20分後に大阪府の民間病院に運ばれたことがわかった。男性は今も治療中。同市では3月と10月にも患者が6~7病院に搬送を断られ、その後死亡しており、県地域医療連携課は「根本的な救急受け入れ態勢を整備する必要がある」と話している。

 市消防本部などによると、7日午後11時45分ごろ、男性の家族から119番通報があった。救急車は6分後に到着。救急隊員は脳卒中の疑いもあるとみて、2次救急の当番病院や県内、大阪府の病院などに照会したが、「処置中」などの理由で断られた。10回目の照会で大阪府大東市の民間病院に搬送が決まり、8日午前1時6分に収容された。





皆ががんばってもこれだけ時間がかかることがある。



自分が運ばれる当事者になった可能性が高いとき、

時間は無駄にできない。


周囲の人間に、
はたして救急救命の必要度は高いのだろうか、それとも…
と検討させている暇を与えてはいけない。


わたしは帰宅途中、鉄道のホームで派手に倒れたので、
駅員さんや乗客の人たちの素早い対応を受けて
近所の病院にすぐに受け入れてもらえた。

おかげで出血量も少なくて済んだ、

と思っている。

意識的に倒れたかどうかは忘れたが…


だからこういう記事を見るにつけ、

必要なとき、
倒れるなら人目の多いところで、できるだけ派手に、

とアドバイスしたい。

脳卒中後うつ と意欲低下についての記事

以下のホームページの記事を読んでいて
つぎのような記述があった。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02857_04

... 最後に,脳卒中後うつ病(PSD)について濱聖司氏(日比野病院)が発言。氏は,PSDでは抑うつ症状に加えApathy(意欲低下)がよく認められると指摘。リハビリ中の脳卒中患者では,約半数が抑うつ気分,Apathy,両者合併例のうちいずれかを呈したという。さらに脳卒中後の機能回復に Apathyが悪影響を及ぼしているとする調査結果も提示し,注意を呼びかけた。また,脳卒中の好発部位である基底核病変はApathyと強く関連していることから,Apathyの発症が多い分,PSDが大うつ病に比べ治療抵抗性であるという見解も述べた。障害を受け入れるより回復に固執する患者のほうが実は機能回復が早く,脳卒中後の患者に機械的に麻痺などの症状を告知して無理に障害の受容を勧めることはPSDを強める場合があり,氏は,障害の告知にも個人に合わせた対策が必要と提言した。



自らの経験から、その内容に大いに同意した。


アパシー:意欲低下、

勉強になった。

2009年12月9日

リハビリ病院が "廃用手" って言うかな?

リハビリ病院に転院して1週間ほどしたころに、
リハビリテーション計画面談なるものがあった。

家族も立会うように言われた。

その時のこと。


事前に行われた身体機能検査の結果に基づいて
評価の書いてある紙を渡された。

その紙を見てパッと目に入ってきた文字があった。

廃用手

とある。

背筋にゾッとするものを感じた。

紙を渡されてこの間、ほんの0.5秒ほどのことである。


落ち着いてその文字の隣をみると、
補助手、実用手
といった言葉が並んでいることから
どうやら残っている機能で大別した呼び名であることは理解できた。


ただ、頭の中に 
あるはっきりとしたイメージが出来上がってしまい、
振り払うことができなくなっていた。


それは、
切り落とされた血だらけの自分の腕が、
青いビニールゴミ袋に入れられて
部屋の隅の床に捨てられているシーンである。



漢字はひと目でその意味を伝える。



廃用手 という文字を見たら、ふつう、

"廃棄するしか用をなさない手"

と理解しないだろうか?


機能回復への一縷の希望をもって入院してきた者に対して
このような表現を用いることの無神経さに愕然とした。



頻繁に使用されている学術用語なのかも知れないけれど、
利用するというものを考えないのだろうか?



全国的にも有名で、検索すると1位に出てくる事もある
世間の評価の高いリハビリ病院でのことである。



この問題は思い出しただけで非常に不愉快になる
イヤーなテーマなので今日はこの位にしておこ。



似たような事を言っている人がいないか調べてみた。


どれも"廃用身" という本の感想だった。

http://blog.livedoor.jp/cherrybookcafe/archives/22861073.html

http://blog.goo.ne.jp/-wuyue-/e/9e3c7135d119b661b2a44d9cf7546643



この本はフィクションだけど
現実の方が 現場がそれを認識していない分
もっと陰湿で根が深い、と感じた。

2009年12月7日

麻痺した左腕が痛みを感じる位置

車椅子に乗り始めた頃、

もちろん左腕が使えるはずもなく、
かと言って その置き場所を意識していたわけではなかった。


肩幅があるので、意識して膝のうえに置くようにしないと
腕が車椅子の外に垂れ下がってしまう。


そのままだと車輪に巻き込んだりして危険なのはよく分かる。


でも、よく忘れた。

だらんとなったまま車椅子を全力疾走させたりもした。


遠くから『よーださん、ひだりうでっ!』と 何度も注意された。



車輪に巻き込んだこともあった。

もちろん、
感覚が無いので痛くないのだけれども、

そのようなときには、
どこかあたまの上の方のさらに遠くに、
非常に不快な感じを持った。


なんだかよくわからないけれどイヤーな感じがするときには、
まず間違いなく、左の足か手をどこかにはさんでいた。



ひとが何か気の進まないことをするとき、
やっていて心の重い時、
きっと自らの どこかを痛めているのかもしれない。


また、
虫の知らもこのようなしくみなのかも…と思う。



このあたりにフォースを使いこなすヒントがあるような気がして。

2009年12月5日

麻痺側の手足には垢がたまる

リハビリ病院に移ってから、
初めて入浴させてもらったときのこと。

ヘルパーさんがおもむろに
湯船に浸かる私の 麻痺側の 左手を持ち上げて、

ゴム手で、

手のひらをギュッギュッとこすりはじめました。

すると見たこともないすごい量の垢がミリミリと
出てきました。


おかげで湯船は垢だらけです。


次の回の入浴時にも同じヘルパーさんがまた手のひらをこすってくれて、

もう垢なんかないだろう、と思っていましたが、

でるわでるわ


ヘルパーさん得意気でした。

『ねっ、出るでしょう』
って。



同じような経験をしている人がいないか検索してみましたが、
ほとんどでてきませんでした。


http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=144080&log=200508
このページの8月15日の記述に近いものがあります。



足にも同じく、垢が盛り上がるようにたまっていました。


もちろん、
麻痺していない方の手足にはこんなに垢は出ませんでした。


人が普段、如何に垢をまき散らして生活しているのか、
がよくわかったできごとでした。

2009年12月4日

はじめの1件目

今日からブログを始めます。

脳卒中になって1年が経ちました。

この間、いろんなことがあり、
たくさんのことを考えました。


関心のあるうちに記録を残しておきたいのと、
共通の関心を持つ者を引き付ける
ネットの可能性に期待しての実験、
そして指のリハビリを兼ねて。

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