2011年8月31日

食後すごく眠くなる人は脳卒中の素質あり


Sleeping Soon After Dinner May Raise Stroke Risk
2011  8月  フランス



夕食後から就寝までの時間と脳卒中リスクとの関連を調べたそうな。



250人の脳卒中患者、250人の冠動脈疾患患者、

500人の健常人からアンケートをとって

睡眠に関する習慣を調査、比較した。




その結果、

夕食後 1時間以内に就寝してしまう人に比べ、

食後70分以上経ってから眠るひとの脳卒中危険性は

7割以上も低くなることがわかった。



なぜそうなるのか 理由はわかっていないが、


とにかく 食後すぐに眠ってしまう人は激しく脳卒中になりやすい、



というおはなし。








感想:

これには同感。


もう何十年も前から食後は起きていられない。


すさまじく眠くなる。




写真:食後にすぐ眠る

2011年8月30日

週末に入院するなら "総合脳卒中センター" を選べ


Comprehensive Stroke Centers Overcome the Weekend Versus Weekday Gap in Stroke Treatment and Mortality.
2011  8月  アメリカ



週末は病院スタッフ人数も減り

脳卒中の入院患者死亡率が高くなる 

という報告がいくつもある。



死亡率の評価期間を90日間に延ばすことで週末入院と平日入院での

死亡率の差が小さくなるのではないか…と考え調べてみたそうな。




1996-2007の過去の記録から13万人あまりの脳梗塞患者を選び出した。


分析の結果、


発症90日以内での死亡率は

・週末入院では17.2%、

・平日入院では16.5%

と なり、週末入院の死亡率が明らかに高かった



ただし、総合脳卒中センターに入院した患者については

週末、平日の死亡率の差は見られなかった




さすがは総合脳卒中センター、というおはなし。





常時万全の体制、 ってことなんだと思う。
写真:総合脳卒中センター

2011年8月29日

脳にダメージを負うと自殺率が数倍になる


The neuropsychiatry of depression after brain injury.
2011  8月  イギリス




脳卒中や事故で脳に損傷を負った人の


20-40%が最初の1年間にうつを経験し


50%の人はいずれかの時期にうつを経験する。



また、

脳損傷後に自殺を図る危険性は3-4倍になり、



15年間の長さでみると


脳損傷経験者の1%が自殺を図ることがわかった、



というおはなし。





感想:

日本人の自殺率は年間10万人中24人だから

15年間では 24x15/10万=0.004=0.4%



なるほど 1% はその2-3倍



思っていたほど高くないな… という印象。



写真:神経精神医学

2011年8月28日

80まで生きた人に健康を説き降圧薬を飲ませるバカバカしさ


Treating Hypertension in the Very Elderly (September).
2011  8月  アメリカ
& 
Hypertension in the Elderly: An Evidence-Based Review.
2011 8月 イタリア




高齢者の血圧管理効果について過去の研究を調べたそうな。



80歳を超える高齢者に降圧薬を飲ませて

強引に血圧を下げても、副作用やら なんやらで

かえって死亡率が高くなりかねない状況がある。



また この年齢層での血圧に関する研究自体

件数が少なく、その結論は出ていない。




しかし80歳以上の高齢者を対象にしたHYVET研究
(Hypertension in the Very Elderly Trial)


によると、血圧は150/90mmHg を目標にすることが望ましい、

とは言われている。




80超えたらムキになって血圧を下げてもたいして良いことはありませんよ、


というおはなし。


写真:高齢者の血圧

2011年8月27日

脳卒中患者の4割は慢性疲労を経験する


Fatigue among stroke patients on long-term follow-up. The Bergen Stroke Study.
2011  8月  ノルウェー



脳卒中後慢性疲労(PSF)と死亡率との関連について調べたそうな。



2006から2年間に入院した患者にアンケート調査を行い、

その疲労度を分析した。


・返答のあった377人の患者のうち、42.3%がPSFだった。

・PSFの有無は心筋梗塞、糖尿、疼痛、睡眠障害などとの関連が見られた。

・TIA患者の疲労度は脳梗塞患者のそれよりも低かった。

・PSFがあると死亡率が高いことがわかった、




というおはなし。




写真:疲労

2011年8月26日

たとえ悪玉コレステロールでも 低すぎると脳出血のもと


Cholesterol Levels and Risk of Hemorrhagic Transformation after Acute Ischemic Stroke.
2011  8月  イタリア


コレステロールと脳出血との間には関連があると言われている。



そこで、その関連性をしらべてみたそうな。



240人の血栓溶解療法を受けていない脳梗塞患者240人について、

入院時の総コレステロール、LDLコレステロールの値を記録、分析した。




その結果、

総コレステロールおよびLDLコレステロールの値が低い患者ほど

脳出血を併発する危険性が著しく高まる
ことが判明した。



コレステロールはとても大切



というおはなし。






感想:

集中治療室で、血液検査の結果を見た医者に

『コレステロールが低すぎる。ご飯食べてないんだろ!』

と叱られた思い出。

2011年8月25日

半側空間無視の治療→ 左手運動療法


Rehabilitation of unilateral neglect in the acute recovery stage: The efficacy of limb activation therapy.
2011  7月  イギリス



半側空間無視の治療法として左手運動療法というのがあって、


損傷した右脳と反対側の手(左手)をひたすら意識的に動かすことで

半側空間無視の症状が大きく緩和されるそうな。



空間無視にもいろいろなレベルがあって

この左手運動療法で解決できる範囲も

限られてはいるけれども  将来有望そう、  



というおはなし。







感想:

自分はいまも左半身の皮膚感覚が非常に鈍く、

風呂の温度もほとんど感じない。


おかげで、左側の現実感が乏しく

左方への注意がおろそかになりがちである。



今日も車を車庫から出す際に左から来た車に

気付かずに少々冷や汗をかいた。



こんなとき、意識して左手を動かすなどして

左方への注意を喚起しようとする行為は、


意識していないかも知れない自分を意識するという

非常に高度な認知能力に依っている、 と考える。


メタ認知

2011年8月24日

睡眠呼吸障害:CPAP vs 経鼻吹送法


Effect of transnasal insufflation on sleep disordered breathing in acute stroke: a preliminary study.
2011  8月  スイス



睡眠呼吸障害は急性期脳卒中患者によくみられ、

予後の悪化につながる。


対策として鼻にマスクをかぶせて空気を送り込む装置

シーパップ(CPAP)があるが、運用がむつかしい。



そこで鼻に管を通して直接気道に空気を送り込む

経鼻吹送法(TNI)の効果を調べたそうな。



睡眠呼吸障害の重い患者10人についてTNIを施行した。




結果、

ほとんどの患者でTNIによる睡眠呼吸障害の改善が見られた。

しかしその効果はCPAPのそれと大差無いため、

CPAPに置き換わるものではないことがわかった、


というおはなし。

2011年8月23日

DHAで脳がよみがえる  - 脳梗塞・リハビリ革命 -


Accumulation of Dietary Docosahexaenoic Acid in the Brain Attenuates Acute Immune Response and Development of Postischemic Neuronal Damage.
2011  8月  カナダ
魚を摂ると冠動脈疾患や脳梗塞の予防になると言われている。


そこで、魚の油に含まれる成分、ドコサヘキサエン酸(DHA)の

脳梗塞治療効果を調べてみたそうな。




マウスを

・不飽和脂肪酸のない食事と

・DHAのいっぱい入った食事を摂るグループ

とに分けて、3ヶ月間飼育した。

その後人為的に脳梗塞にし、脳の状態を詳細に調べた。


その結果、
・DHAグループでは梗塞で傷ついた脳組織のグリア化が抑えられ、

・梗塞の大きさが小さくなり、

・組織の壊死を防ぐ分子が増え、

・脳組織の炎症を促す物質が著しく減っていた。

・また、DHA強化食によって脳内の不飽和脂肪酸の構成が大きく変わっていた。


日頃より脳に蓄えてきたDHAによって、

脳梗塞によるダメージから脳組織が保護されることがわかった。


DHAは安全でしかも簡単に入手できるので、

気になる人はDHAサプリメントを摂りましょう、


というおはなし。


写真:DHAで脳梗塞治療

2011年8月22日

デブが脳梗塞に強いは間違い → ヤセが弱すぎるだけ


Body mass index, initial neurological severity and long-term mortality in ischemic stroke.
2011  8月  韓国




肥満は脳梗塞や冠動脈疾患の原因とされている。

一方で、心血管系疾患の予後が

BMI(ボディマス指数:体重/身長2)の高い人ほど良い

という証拠も増えてきている。(→肥満パラドックス




そこで、脳梗塞後の長期的な死亡率とBMIとの関連を調べてみたそうな。




・1592人の脳梗塞患者を4年間追跡調査した。

・この間に23%の患者が死亡した。

・解析の結果、BMIが高いほど発症時の神経症状が軽い傾向が見られた。

・年齢、性別を考慮に入れてもこの傾向は顕著であった。

(体重が軽いほうが症状が重く、肥満で体重が重いほうが症状が軽い)


・しかし、初期症状の軽重も考慮に入れると、

体重が軽い患者で症状が重い、という関係だけが残った。





BMIと脳梗塞症状との逆の相関関係は、

体重の軽い(やせ)患者で顕著
に見られ、


体重が重いと症状が軽いかと言うと

必ずしもそうではなさそうである
ことがわかった、



というおはなし。




写真:ひまん

2011年8月21日

3月の月曜、カラッとした晴天日には脳梗塞に注意


Biometeorological phases influence on stroke morbidity.
2011  8月  セルビア


脳卒中の発生と天候、気温、月、曜日、などとの関連について調べたそうな。



2003-2009に入院した脳卒中患者4700人について

その記録を調査、生物気象学的に解析した。



その結果、

・脳卒中が一番多い月は3月で、2月が一番少なかった。

・週のうちでは月曜日が一番多く、日曜日が最も少なかった。

・6割の患者は市街地に住んでいた。

・男女の割合はほぼ同じだった。

・そのうち約80%が70歳以上だった。

・平均入院日数は12日間だった。

・患者の88%は脳梗塞、9%が脳出血、3%がくも膜下出血だった。

・41%が高血圧、19%が心不全、15%が糖尿持ちだった。

晴れて天気の良い暖かく湿度の低い日

寒冷前線の通過に伴い突然天候が変わる霧で曇りがちな日に起きやすい。


ことがわかった、  

というおはなし。





感想:
Biometeorology:生物気象学っていう分野があって、
気象と生物との関係を学問するらしい。


で、気象状況を表現するために
こんな分類をしている。(メモ)

biometeorological phases
phase 1 CWD: cyclone, warm, dry;
phase 2 CWW: cyclone, warm, wet;
phase 3 CWF: cyclone, warm front;
phase 4 CCF: cyclone cold front; →低気圧、寒冷前線
phase 5 CCW: cyclone, cold, wet;
phase 6 CCD: cyclone, cold, dry;
phase 7 ACD: anticyclone, cold, dry;
phase 8 ACW: anticyclone, cold, wet;
phase 9 AWD: anticyclone, warm, dry; →高気圧、温暖、乾燥
phase 10 AWW: anticyclone, warm, wet



フェーズ9と4で脳卒中が多いとのこと。

おもしろそう。

2011年8月20日

[注目!] NHKスペシャル|脳がよみがえる ~ 脳卒中・リハビリ革命 ~


2011年9月4日(日) 午後9時00分~9時49分 総合テレビ

脳がよみがえる脳卒中・リハビリ革命




4年間リハビリを頑張ってきても動かなかった指が、わずか10分の訓練で動き始めた」。

今、脳卒中の治療で新たなリハビリが次々に開発され、驚異的な効果 を上げている。

約280万人にのぼる脳卒中患者、医療の発達で命を落とすケースは減ったものの、

マヒの問題は深刻で、介護が必要になる原因の第一位だ。

解 決にはリハビリが重要だが、発症後6ヶ月を超えたあたりから効果が落ちるとされてきた。

しかし最近、脳科学の急速な発達により、傷ついた脳が再生するメカ ニズムが次第に明らかになり、

時間を経過した患者でも、マヒを改善する手法が発見されている。

リハビリの効果を上げる誰でも出来る意外な方法や、脳波とマ シンを連動させる最新科学まで、

脳卒中リハビリの最前線で起きている急激な変化を取材、

人間の脳に秘められた驚きのパワーに迫る。…







これ見なくちゃ。


ここまで煽ってくれるのだから

いったい どんな奇跡の治療法が出てくるのか ホント楽しみ。

わたしの感想はこちら(←クリック)

玉子をいっぱい食べて脳梗塞リハビリ対策


Functional outcome of elderly survivors of ischemic stroke: a retrospective study comparing nonhypercholesterolemic and hypercholesterolemic patients.
2011  8月  イスラエル




一般に総コレステロール値が高いと脳梗塞になりやすくなる、

と考えられている。


高コレステロール血症と高齢者の脳梗塞後の

回復具合との関連について調べたそうな。



総コレステロール値が200mg/dl以上を高コレステロール血症とし、


脳梗塞でリハビリ入院した60歳以上の患者551人について

その入退院時での自立度をFIMスケールで評価した。





その結果、

・高コレステロール血症の患者の割合は26.7%だった。

・入院時のFIMスコアは高コレステーロール血症の患者で著しく高かった。

・退院時のFIMスコアも同様に、高コレステロール血症の患者で高かった。

・しかし、回復の大きさを示すFIMスコアの変化分は

 コレステロール値の高い患者も低い患者も同じであった。






コレステロール値が高い高齢の脳梗塞患者は

入退院時の自立度が高い傾向が見られた、



というおはなし。



写真:コレステロールの摂り方

2011年8月19日

人前でタバコを吸うと逮捕される法律が出来ればイイと思う


Regional and Racial Differences in Smoking and Exposure to Secondhand Smoke: the Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) Study.
2011  8月  アメリカ




喫煙、人種と脳卒中の地域間格差の関係を調べたそうな。



2003年からの4年間、

45歳以上の白人およびアフリカ系アメリカ人2万6千人あまりについて、

脳卒中発生率がことさら高い地域を含む周辺地域での

喫煙および間接喫煙の割合を調べ、分析した。




その結果、

・白人では喫煙および間接喫煙の地域間の違いはなかった。


・アフリカ系アメリカ人の場合、脳卒中発生率の高い地域での

喫煙および間接喫煙の割合は むしろ低かった。





喫煙や間接喫煙が脳卒中の地域間格差を生み出している

原因ではなさそうである ことがわかった、



というおはなし。




stroke belt:アメリカの脳卒中発生率が突出している地域
写真:脳卒中地帯

2011年8月18日

便利なCI療法 : tDCSに組み合わせてみた


Neurophysiological and Behavioral Effects of tDCS Combined With Constraint-Induced Movement Therapy in Poststroke Patients.
2011  7月  イタリア


tDCSの効果を検証するためにCI療法を組み合わせてみたそうな。



14人の慢性期脳卒中患者の上肢機能について、

tDCSは頭部の健常側に乾電池のマイナス極を、

病側にプラス極をくっつけた状態で

CI療法を施行した。



その結果、

CI療法単体でも効果はあるけれど、tDCSを組み合わせると

なお良さそうであることがわかった、


というおはなし。




感想:

効果の定かでない新興のリハビリ治療法に

CI療法を組み合わせるという例をよく目にする。



CI療法は、指をある程度開くことのできる

麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。


その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者は

全て切り捨ててしまうため、

必ずトレーニング成果を観測することができるという高い安定性を誇っている。



それ故

rTMSやtDCSのような、研究途上の治療法に対して、

単純にCI療法と組み合わせるだけで

確実に一定の改善成果を得ることができるので、


論文作成のためのデータ収集手段として

CI療法が一時的に採用されることが多い、



と考える。

2011年8月17日

脳卒中にタフな脳に鍛え上げることは可能


Formal Education, Socioeconomic Status, and the Severity of Aphasia After Stroke.
2011  8月  アメリカ




失語症の重症度と学歴、所得との関連を調べたそうな。



発症後24時間以内の脳卒中患者173人と、

年齢、社会経済的状況の近い別の入院患者62人を比較した。



・言語能力に関する9つのテスト(読み上げ、書き取り、その理解、口頭綴り など)のエラー率、

・学歴が12年を上回るか それ以下か、

・年齢、性別、梗塞の大きさ、

・所得額



について、それらの関連を分析した。




その結果、


言語テストのエラー率は、他の要因の違いを考慮に入れてもなお、

12年間以上教育を受けていた患者で著しく低かった



長年にわたりしっかりと頭を鍛えてきた人は、

脳卒中になっても読み書き機能へのダメージを受けにくいことがわかった、


というおはなし。



写真:脳を鍛える

2011年8月16日

脳卒中の女性、男性にありがちなこと


Sex differentiation and risk factor evaluation instrokepatients.
2011  7月  バングラデシュ



2009の1年間に脳卒中で入院した患者177人について

男性、女性に特徴的な点について調べたそうな。



次のようなことがわかった。


*男性に特徴的なこと

・人数比率:58%
・平均年令:61
・喫煙習慣あり
・脳卒中歴あり
・運動機能低下大
・退院時の回復程度の良好




*女性に特徴的なこと

・人数比率:42%
・平均年令:64
・70歳以上で多い
・昏睡しやすい
・入院時の重症
・入院中の高死亡率




*男女共通なこと

・高血圧、糖尿、心筋梗塞、心房細動、脂質代謝異常
・脳卒中の種類
・入院に要した期間




というおはなし。



この病院
写真:Mymensingh medical college hospital

2011年8月15日

うつ経験のある女性は脳卒中になりやすい


Depression and IncidentStrokein Women.
2011  8月  アメリカ



うつと脳卒中発症との関連をしらべたそうな。

59-79歳の女性80574人ついて

うつ症状の有無を隔年で確認しながら6年間追跡調査した。


この間に1033件の脳卒中が発生した。
(538人:脳梗塞、124人:脳出血、371人:原因不明)


分析の結果、


うつ症状履歴があるひとは脳卒中のなりやすさが

3割増しになった。


これはうつの診断状況に関わらず、抗うつ薬を飲んでいる

というだけで脳卒中リスクが上昇することがわかった、


というおはなし。






感想:

以前も似たような話があった。(これ←





そんで 脳卒中の後にも うつになって

また抗うつ薬をもらって 再発して…   またうつになって…




うつから抜け出すためには薬を飲まない

ってことも選択肢にあると思った。

2011年8月14日

奇跡の治療法:rTMSの上肢機能改善効果がついに明らかに…


Baseline severity of upper limb hemiparesis influences the outcome of low-frequencyrTMScombined with intensive occupational therapy in patients who have had astroke.
2011   6月  日本




脳卒中上肢麻痺患者の経頭蓋磁気刺激治療法rTMS)で

日本で一番名の通っている施設での

これまでの治療成績をまとめてみたそうな。



・患者は52名、平均年令57、脳卒中後4~5年経過

・ブルンストロームステージは3-5

・治療のための入院期間は15日

・脳の健常側へ向けての低周波数rTMS刺激を

・1回20分間、加えて120分間の集中的作業療法を、

・合計22セッション施行した。





その結果、

・フーゲルマイヤーアセスメント(Fugl-Meyer Assessment)
のスコアが平均で40.2→43.4著しく向上した。


・ウルフ運動機能検査(Wolf Motor Function Test)の遂行時間が
平均で3.27→2.96(単位不明) 著しく短縮された。


・特にブルンストロームステージ4の患者で改善の伸びが顕著であった。





この15日間の治療コースに参加すれば上肢麻痺を改善できるかもしれない、

というおはなし。





感想:

この効果の素晴らしさについては次のように例えてみるとよく分かると思う。


・100点満点のテストで普段は平均40点しかとれなかった学生が、

ちょっと高額だけど15日間の予備校合宿に参加したところ、

平均43点をとることができるようになった。



・実力の伸び悩む陸上短距離選手が、

ちょっと高額だけど15日間の特別訓練合宿に参加したところ、

自身の持つタイムを0.1秒更新することができた。






これらの成果に価値を見出すことができるかどうかは  

ホント 人それぞれ…  と思う。





なんとなくわかるウルフ運動機能検査 (Wolf Motor Function Test)

直リンク

2011年8月13日

(低収入 OR 失業)+脳卒中 → (死亡 OR 再発)


Socioeconomic Differences in Quality of Care and Clinical Outcome After Stroke: A Nationwide Population-Based Study.
2011 8月  デンマーク




脳卒中患者の社会経済的な違いが、

急性期の治療内容、死亡率などに影響するのかどうかを調べたそうな。



2003-2007の65歳以下の脳卒中患者14545人について、

収入、学歴、雇用状況と治療内容、

30日後、1年後の死亡率、再入院の可能性について解析した。




その結果、


・低所得者と年金生活者は職のある高所得者に比べ、
 必ずしも必要な治療を受けることができていなかった。


・失業状態にある患者の30日後、1年後の死亡率は共に、
 職のある人にくらべて6割増しだった。


・同様に、失業している患者の再入院リスクも高かった。


・これらのリスクの高さは急性期の治療内容を同じにしても変わらなかった。







社会経済的地位の低い患者はなぜか死亡しやすい。

その理由は必要な治療を受けられないから、というわけでもないらしい、


というおはなし。



写真:失業中

2011年8月12日

尖足対策には短下肢装具:水に濡れてもOK


User experiences, preferences and choices relating to functional electrical stimulation and ankle foot orthoses for foot-drop after stroke.
2011 9月  イギリス




脳卒中後の尖足対策としての

機能的電気刺激(FES)と短下肢装具のユーザー体験を比較したそうな。




FES機器と短下肢装具の両方の使用経験のある

9人の患者について面談した結果、


・8人までがFESの方が好ましいと感じていた。

・理由は、足首が自由になり、歩行がより自然で、
安全に感じられる、というものだった。

・それでも短下肢装具には、電源が必要ないので
旅先や水に濡れても大丈夫というメリットがある。

・1人はFES使用時にアレルギー反応が出るために使用を控えている。




ということがわかった。



FESも万能ではなく、両者相補う関係にある、


というおはなし。


写真:短下肢装具

2011年8月11日

tDCSには上肢麻痺改善効果はないことが判明


Combined Transcranial Direct Current Stimulation and Robot-Assisted Arm Training in Subacute Stroke Patients: An Exploratory, Randomized Multicenter Trial.
2011   8月  ドイツ



経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の上肢麻痺改善効果を検証したそうな。

96人の脳梗塞患者を次の3グループに分けた。

・グループA:病側に陽極を貼る。

・グループB:健常側に陰極を貼る。

・グループC:偽の電極を貼る。



各電極には2ミリアンペアの電流を流し、20分間持続させる。

これを6週間繰り返した。


各グループにはロボット支援の2種類の両腕トレーニングを400回繰り返してもらった。


上肢機能はFugl-Meyerスコアで評価した。



その結果、tDCS前後のスコアは

・グループA:7.8→19.1

・グループB:7.9→18.8

・グループC:8.2→19.2



となり、全てのグループで向上していたが、

各グループ間で、意味のある差はまったく見られなかった。



プラスの電極を付けようがマイナスの電極を付けようが

tDCSには上肢麻痺の機能改善効果はありそうにないことがわかった


というおはなし。







感想:

最近、tDCS関連の論文がとても多く感じる。


その理屈は rTMSとほとんど同じで、


乾電池のプラス極を頭皮の梗塞側に貼ると脳機能が亢進して、

マイナス極を健常側に貼ると脳機能を抑制する というものである。



電子が発見される前の時代であればこれでも多少の説得力もあったとは思う。


(プラス極だから脳機能もプラスになる…  わかり易い。)






だれがどんなことを言っても基本的には自由なのだけれど、


どうしても違和感を持ってしまう原因は、

医師免許を持った人たちがこういう説を唱えている点にある、 と考える。

2011年8月10日

尖足にはFES、人生を変える その効果とは


"Functional electrical stimulation (FES) impacted on important aspects of my life"-A qualitative exploration of chronicstrokepatients' and carers' perceptions of FES in the management of dropped foot.
2011   7月  イギリス


機能的電気刺激(FES)の尖足対策効果を検証してみたそうな。

慢性期脳卒中患者13人についてFESを適用し、

その効果について話しを聞いて分析した。


・皆共通して、『FESが人生を変えた』 と言う。

・具体的には、FESで歩行が楽になった。

・FESで生活動作がしやすくなった。

・FESで気分が楽になった。

・FESは完璧ではないが試す価値がある。



と感じていることがわかった、


というおはなし。







感想:

左の靴先の減りが激しいので尖足には関心がある。



この論文はFES機器メーカーの御用学者さんによるものとは思うけれど、

日本ではこの種の機器をあまり耳にしない。


装具屋さんの力が強いのかもしれない。


わかりやすいFESの尖足対策ビデオ(1分)

直リンク

2011年8月9日

脳卒中で かかりつけ医に電話すると手遅れになる


Family Physician Decisions following Stroke Symptom Onset and Delay Times to Ambulance Call.
2011 8月   オーストラリア




脳卒中患者が病院に遅れる原因は家庭医(かかりつけ医)にあるのではないか、

という仮説を検証してみたそうな。




2004年の6ヶ月間に発生した脳卒中患者198人について

その救急車を呼んだ人に面接を行い当時の状況を記録、分析した。




わかったこと、


・発症後まず救急車を呼んだケースは32%、家庭医に電話が22%、知人に相談が37%だった。

・過去に脳卒中やTIAの経験のある患者は家庭医には電話しない傾向があった。

・症状の重い場合に真っ先に家庭医に電話する者はいなかった。

・家庭医に電話したケースでは救急車に乗るまでの時間が著しく長かった。

・電話を受けた家庭医の36%は患者の診察、検査を始めた。

・電話を受けた家庭医が電話口で症状を聞いてすぐに救急車を呼ぶようにアドバイスする例もあった。





脳卒中の症状が出たときにかかりつけ医に連絡すると

『診察するから来てくれ』 とか 『これから往診にいくから』、

『まずは検査してみましょうね』 などと言いだし、

往々にして治療までの時間が著しく遅れることがある。



さっさと救急車を呼ぶように 家庭医を啓発する必要がある、


というおはなし。


写真:かかりつけ医

2011年8月8日

片麻痺はスクワットでバレる


Control of fast squatting movements after stroke.
2011 8月  カナダ



脳卒中後の運動機能低下が

姿勢や四肢動作に与える影響を調べてみたそうな。


片麻痺の残る17人の脳卒中経験者と

同年齢の健常人(17人)について

スクワットの動作を膝や足首、各種筋肉、姿勢などについて

詳細に記録、比較した。




その結果、

・片麻痺があるとスクワット動作が非対称になり、その速さ、機敏さが低下した。

・両膝の動作タイミングが合わず姿勢が乱れ、重心位置のゆらぎが起きていた。

・回復程度の低い人は麻痺していない方の足に代償的に頼り、

・回復の良い人は麻痺足もそれなりに使って動作の対称性を保とうとしていた。





スクワット動作を調べることで筋肉と姿勢コントロールの

評価が出来ることがわかった、


というおはなし。






感想:

自分もよくスクワットをするのでよくわかる。


左右の足がシンクロしないので

走ったりジャンプしたりはもっと苦手。



和式はかなりハード
写真:スクワット

2011年8月7日

脳梗塞入院時のヘモグロビンエーワンシー8.4以上はかなりヤバイ


Prestroke Glycemic Control Is Associated With the Functional Outcome in Acute Ischemic Stroke: The Fukuoka Stroke Registry.
2011 8月  日本



脳梗塞入院時の血糖コントロール具合と回復の見通しとの関連について調べたそうな。


福岡の急性期脳梗塞患者3627人について

その血糖コントロール指標であるヘモグロビンA1cHbA1c)を測定し、

・6.2未満:優良
・6.2-6.8:良
・6.9-8.3:可
・8.4以上:悪い



としてグループ分けし、その後の回復具合を評価した。


その結果、入院時のHbA1cが8.4%以上あった "悪い"グループの患者の多くは

病状が更に悪化し、死に至るか まったく自立できなかった。


入院時のHbA1cの値は回復の見通しを得る上で重要な指標になることがわかった、


というおはなし。




感想:

調べてみるとHbA1cの基準が近々新しくなるようで、

0.4くらい数値がズレるらしい。



この論文がどっちの基準を採用しているのかわからないけど、

気分的に8.0超えたらマズイと思う。

2011年8月6日

緑茶を飲むだけの楽な脳梗塞予防法


Green tea consumption, abdominal obesity as related factors of lacunar infarction in korean women.
2011 8月  韓国




緑茶、肥満と女性のラクナ脳梗塞との関連について調べてみたそうな。


233人のラクナ脳梗塞の女性患者に面談を行い、

食習慣、喫煙、アルコール、病歴、生活習慣などを

聞き出し、健常な人204人の結果と比較分析した。



その結果、

緑茶を飲まない肥満女性に比べ

緑茶を飲む肥満でない女性はラクナ脳梗塞になりにくい傾向が見られた。



しかし年齢や食習慣も考慮に入れると

この傾向は必ずしも顕著ではないので

さらなる研究が必要であろう、


というおはなし。





緑茶の成分と効果・効能 by ITO EN

2011年8月5日

脳梗塞後の慢性疲労は自殺のサイン


Is fatigue associated with suicidality in stroke?
2011 8月   中国




脳卒中後の慢性疲労と自殺傾向との関連について調べたそうな。



急性期脳梗塞患者595人について、

発症3ヶ月時点での心理状態を検査して自殺傾向を評価した。


同時に疲労度についての検査も行い、


年齢、性別、配偶者の有無、病歴、うつ、などの要因も考慮して

疲労度と自殺傾向との関連を解析した。




その結果、

・76人(12.8%)の患者に自殺傾向が見られた。

・疲労度を示すスコアは自殺傾向を示す人々の間で著しく高かった。

・複数の要因を鑑みても疲労度のスコアは自殺傾向を反映していることがわかった。





脳梗塞後の疲労対策をすることが患者の自殺防止につながる

であろうことを意識するべきである、



というおはなし。





感想:

疲労感に悩む自分としては

イヤなはなしを知ってしまった…という感。



しかし脳卒中経験者の多くが10年もしないうちに再発し

人数も半減してしまうことを考えると、

死に急ぐこともあるまいに、 とも思う。

2011年8月4日

部屋が揺れる装置で転倒防止トレーニング


A computerized dynamic posturography (CDP) program to reduce fall risk in a community dwelling older adult with chronicstroke: A case report.
2011  7月  アメリカ



バランス検査機器:computerized dynamic posturography (CDP)(ダイナミック平衡機能測定装置)

を使って脳卒中患者のバランス機能が改善された事例の報告だそうな。



脳卒中後8年経過した61歳の患者について、

CDP装置を使った1日1時間のトレーニングを6週間行ったところ、

種々のバランス判定テストのスコアが急上昇した。

これで転倒のリスクも大いに減ることになるだろう、

というおはなし。




CDP装置はこんな外観
写真:CDP装置

検査時の様子

直リンク


感想:

なんどもなんども同じ検査をしていたら

いつしかそれに慣れてしまいスコアが向上する。


そのことをもって この検査機器はひょっとしたら

治療効果があるんじゃないだろうか… と思い始める。




TMSもただの検査機器だったのに

いつの間にか治療装置になっている。




おなじ匂いがする。

2011年8月3日

マウスの世界ではジジイの方が脳梗塞に強い


Functional recovery in aging mice after experimentalstroke.
2011 7月  アメリカ



脳卒中リハビリの動物実験にマウスが用いられることが多くなった。


若いマウスを使用することが圧倒的に多いので、

老齢マウスについて、その回復具合と評価方法を調べてみたそうな。



マウスを人為的に脳梗塞にしたあと、

棒登りや綱渡りなどの運動をやらせてもマウスはすぐに適応してしまい

回復の違いを評価することが難い。



一方、コーナーテストを行うと回復途上のマウスと

老齢マウス、健常マウスとの違いを明らかにすることができた。



老齢マウスは脳卒中にしたあと

最初の2週間は若いマウスにくらべ確かに回復が遅れる。



しかし最終的には同程度にまで回復することができた。



また、脳梗塞の大きさや脳萎縮の程度は老齢マウスの方が

若いマウスに比べずっと小さい
ことがわかった。



老齢マウスには脳梗塞に対する固有の生体反応があるのではないか、

というおはなし。

2011年8月2日

女性脳卒中患者はなぜか あまりご飯を食べない。


Eating difficulties among stroke patients in the acute state: a descriptive, cross-sectional, comparative study.


2011 7月  スウェーデン


脳卒中後の食事上の問題についてその男女差を調べたそうな。


104人の脳卒中患者について、

・82%に何らかの食事上の問題が見られた。

・66%がお皿の料理をうまく扱えない。

・55%が十分な量を食べられない。

・45%がちゃんと座っていられない。





特に女性では 男性に比べ、

・食べる量が非常に少なく、

・病状も重く、

・身体の機能回復が遅くQOLが低い、



ことがわかった。



女性脳卒中患者の食事にはもっと気を配ってあげる必要がある、


というおはなし。

2011年8月1日

アボカドを毎日食べて脳梗塞を蹴散らそう


Dietary Potassium Intake and Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies.
2011  7月  スウェーデン



カリウムの摂取との脳卒中との関連について

過去の研究を再検証したそうな。



1966-2011の間で信頼の置ける10件の研究がみつかった。


26万人参加、8千件の脳卒中事例の再検証により、


カリウムの摂取が1日あたり1000mg増えるごとに

脳卒中リスクが11%減少することがわかった。



この傾向は 特に脳梗塞について顕著である、


というおはなし。





カリウムの多い食品は何がありますか?
Yahoo 知恵袋

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