2011年9月30日

隣近所が貧乏人ばかりだと脳梗塞になりやすい


Neighborhood Disadvantage and Ischemic Stroke: The Cardiovascular Health Study (CHS).
2011  9月  アメリカ



住んでいる地域の人々の経済的状態が

脳梗塞に及ぼす影響をしらべたそうな。



65歳以上の、白人3824人、黒人785人について、

居住地域の社会経済的状況を調査し、解析した。



その結果、

社会経済的に恵まれない地域に住んでいる白人は

脳梗塞になる危険性が、

豊かな地域の白人に比べ3割増しになった。



一方、黒人ではこのような関連はまったく見られなかった。





白人のみに見られる脳梗塞と貧困地域との関連は

行動学上の理由というよりは

生物学的な要因によるものと考えられる、   



というおはなし。








感想:

もともと社会経済的に厳しい状況を強いられてきた黒人は

ストレス耐性が高くなっている、 というだけの話と思う。


こういった背景も考慮に入れているんだろうけれども、


それを生物学的要因に帰着させようとする姿勢に 

人種差別を感じる。

2011年9月29日

PTの時間に太極拳教えてくれたらよかった


Community-based Yang-Style Tai Chi is safe and feasible in chronic stroke: a pilot study.
2011  9月  アメリカ



脳卒中リハビリへの太極拳の応用について調べたそうな。


50歳以上、発症後3ヶ月以上の脳卒中患者について、

週3回の楊式太極拳トレーニング(50分/回)に12週間参加させた。


その結果、


途中脱落する者もほとんど無く、

転倒や体調を崩す者もいなかった。


回復具合も悪くなく、参加者の満足度は非常に高かった。




理学療法の代わりに太極拳はいいかも、

というおはなし。



楊式太極拳




感想:

これは現場に取り入れて欲しい、と思う。


科学的根拠に乏しいという点では

促通理論とドッコイドッコイだけど


太極拳にはとても長い歴史がある。

2011年9月28日

話しながら歩くオバちゃんたちが道を塞ぐわけがわかった


Older adults with and without stroke reduce cadence to meet the demands of talking.
2011  9月  アメリカ




歩行しながら会話をする能力の違いを、

脳卒中経験のある高齢者について調べたそうな。



脳卒中経験ある高齢者24人 と、

脳卒中経験の無い高齢者12について、

曲がりくねった道を話しながら歩いてもらった。



その様子をビデオ記録して、

歩行のペース、話すスピード、流暢さ、文法的複雑さ、意味内容、

などについて分析した。



次のことがわかった。

・脳卒中経験の有無に関わらず、話しながらだと歩行ペースが低下した。

・一方、両グループともに 話すスピードは変わらなかった。

・脳卒中経験者では歩きながらだと、話す文法的複雑さと意味内容が低下した。





歩きながら話す必要があるときには、

高齢の脳卒中経験者は 特に、 ゆっくりと歩きなさい、


というおはなし。






感想:

たしかにその通りで、


一度に複数のことに気を配る能力が著しく低下

しているという実感がある。


特に自動車運転中は、他のことがまったくできなくなり、

音楽を楽しむ余裕もない。





面白いな...と思って研究者の名前を見たら睡眠学習のシエングシュコン先生だった。

見直してみると この研究(←)もそうだった。

2011年9月27日

脳梗塞後6ヶ月以内に自殺する可能性について


Case Reports of Unexpected Suicides in Patients within Six Months after Stroke.
2011  9月  日本



脳梗塞後6ヶ月以内に自殺を図った患者6人について、

その原因を調査したそうな。



・そのうち2人は生き残った。

・6人の患者にうつの病歴はなかった。

・6人中4人は梗塞の範囲が側頭葉から頭頂葉に広がっていた。

・6人中4人は脳卒中後うつ症状を示していた。

・6人中5人は中程度の後遺症だった。

・6ヶ月以内の自殺率は一般人の約3倍だった。




というおはなし。






感想:

発症後6ヶ月以内というのは 場合によっては

リハビリの効果も未だ充分ではなく、

今後の生活への不安が非常に大きい時期である。



だから 自殺率がもっと高くても不思議ではない、と思った。

2011年9月26日

脳卒中になったのは宿命に違いない...orz → 死亡 & 再発


Fatalism, Optimism, Spirituality, Depressive Symptoms, and Stroke Outcome: A Population-Based Analysis.
2011  9月  アメリカ




脳卒中患者の性向が、楽観的、宿命論的、スピリチュアル、抑うつ傾向、

のいずれであるかが予後に与える影響を調べたそうな。



2004-2008年に発症した失語症のない脳卒中経験者669人

について調査をおこなった。



その結果、


・宿命論的考えの脳卒中患者は死亡率が4割高く、再発率も高かった。

 しかし症状の重症度には関連はなかった。


・同様に、抑うつ傾向の強かった患者は死亡率、再発率、

 重症度いずれも やや高かった。



・楽観主義、スピリチュアル好きな患者はいずれも死亡率、再発率、重症度

 との関連は見られなかった。






抑うつ傾向のある宿命論者は

脳卒中後の死亡率、再発率 共に高い、


というおはなし。

2011年9月25日

中性脂肪が低いは自慢にならない


Serum Lipid Levels and the Risk of Intracerebral Hemorrhage: The Rotterdam Study.
2011  9月  ドイツ



脳出血とコレステロール、中性脂肪との関連を調べたそうな。


9000人あまりの健常人を10年以上追跡調査した結果、

次のことがわかった。


・血液中の中性脂肪が高いほど脳出血になりにくい。


・コレステロール(HDL,LDL)との関連は見られなかった。





血中の中性脂肪が低いと脳出血になる危険性が大きくなる


というおはなし。






感想:

健康診断ではいつも中性脂肪、コレステロールなど

ほとんどがA評価だった。



高脂血症の同僚の おそらく短命であることを

心のなかでは上から目線で哀れんでいた。




ところが自分がまっさきに死にそうになるとは

夢にも思っていなかった。



健康診断クソくらえ! と思う。



写真:脳出血

2011年9月24日

女性 脳梗塞の兆し → 『あぁー かったるい 』


Gender Differences in Presenting Signs and Symptoms of Acute Ischemic Stroke: A Population-Based Study.
2011  9月  アメリカ



脳梗塞の兆候と初期症状について男女での違いを調べたそうな。


449件の脳卒中事例(女性268件)ついて調べた結果、

次のことがわかった。



脳梗塞の初期症状

女性→ 倦怠感、精神状態の変化

・男性→ 触覚異常、運動失調、複視





脳梗塞の兆候

女性→ 疲労、方向感覚の喪失、発熱

・男性→ 眼振、感覚異常






女性は特に 倦怠感、疲労感などの消耗症状が共通している、



というおはなし。






感想:

脳梗塞ではないけど、自分も感覚、触覚異常で気がついた。



朝から歩く足取りがフワフワしていて、

昼頃、キーボードに触れる指に触覚が無いことで脳卒中を確信した。

2011年9月23日

身長が低くなりつつある人は脳卒中に注意


Height loss starting in middle age predicts increased mortality in elderly.
2011  9月  日本



中年以降の身長低下と死亡率との関連を調べたそうな。



47-91歳の日本人(男性755人、女性1743人)について

10年間追跡調査を行った。



この間に302人が死亡した。


このうち46人が冠動脈疾患と脳卒中だった。

58人が肺炎などの呼吸器系の原因、

132人がガンだった。




解析の結果、

中年以降に2cm以上身長が低下した人は

非常に高い死亡率を示していた。



特に脳卒中、冠動脈疾患との関連が著しく、

生活習慣などを考慮に入れても、

その危険率は3倍以上だった。



ガンとの関連は見られなかった。




身長が縮みつつある人は


脳卒中に注意、


というおはなし。

2011年9月22日

梨とリンゴで脳卒中予防


Colors of Fruit and Vegetables and 10-Year Incidence of Stroke.
2011  9月  オランダ




果物の色と脳卒中との関連を調べたそうな。


20-65歳の男女2万人あまりについて

どんな種類の果物や野菜を摂っているのかをアンケートし、

10年間追跡調査した。


その結果、

・調査期間中233件の脳卒中があった。


・緑色、黄色、赤色系の果物、野菜の摂取と

脳卒中患者との間に関連は見られなかった。


・白色系果物、野菜を多く摂る人はそうでない人に比べ、

脳卒中危険率が半分だった。


一日に25グラム多く白色系果物、野菜を摂る毎に

9%ずつ脳卒中リスクが減ることがわかった。


リンゴが超オススメである。




というおはなし。


写真:リンゴと梨

2011年9月21日

勃起不全は脳卒中の予兆


Erectile dysfunction and risk of cardiovascular disease meta-analysis of prospective cohort studies.
2011  9月  中国



勃起不全と脳卒中との関連を調べたそうな。



研究データベースから関係する12件の論文を選び出した。



総計36000人余りのデータを再解析した結果、



勃起不全があると、そうでない場合に比べ、

脳卒中になる危険性が1.35倍になり、

死亡率も1.19倍になることがわかった。




勃起不全の有無はそれだけで、

脳卒中のなりやすさの指標と考えられる、



というおはなし。



2011年9月20日

雇用主:仕事にならない奴をお情けで雇うつもりはない


Barriers and facilitators of return to work for individuals with strokes: perspectives of the stroke survivor, vocational specialist, and employer.
2011  8月  アメリカ



脳卒中経験者の復職を阻む要因について調べたそうな。




次の3つの視点から

復職で重視するものについて、意見の聞き取りをした。



・脳卒中経験者(10人)の考え:

運動、認知、コミュニケーションなどの神経機能の回復、

社会や周囲の理解が大切。






・職業専門家(21人)の考え:

障害の回復程度に加えて、

仕事の目的に対して現実的かつ柔軟に適応出来る

個人の能力を重視。






・雇用主(7人)の考え:


障害それ自体はまったく問題ではなくて、

仕事を遂行するための基本的要件を備えているかどうかを重視。







脳卒中経験者と雇用主とを仲介する

復職専門家の活躍が期待される、


というおはなし。







感想:

上の雇用主の考えは、

不当な差別と思われないための建前と思う。




リハビリ病院に居たときに

とても大柄な50代くらいの車椅子の男性が、


『これじゃぁ もう仕事ができない

どうやって生活すればいいんだ... 』  。゚(゚´Д`゚)゚。


って 涙を流していたのを思い出す。

2011年9月19日

プロテインを飲んでリハビリを加速


Protein supplementation may enhance the spontaneous recovery of neurological alterations in patients with ischaemic stroke.
2008  12月  イタリア
脳梗塞患者へのプロテインサプリメントの効果を調べたそうな。


脳梗塞後16日前後の患者42人について


・10%濃度のプロテイン飲料をプラスした食事を21日間

もしくは

・通常の食事

を摂るグループに分けてその後の回復具合を比較した。


21日後、

プロテイン飲料をプラスしていたグループでは

NIHSSスコアが4.4ポイント下がった。


一方通常食のグループではその改善度は3.0ポイントだった。



プロテインサプリメントには亜急性期 脳卒中患者の

神経回復を促す効果があるかもしれない、


というおはなし。
図:プロテイン摂取と脳卒中の神経症状

2011年9月18日

早期トレッドミル訓練はイイらしい


Excellent outcomes for adults who experienced early standardized treadmill training during acute phase of recovery from stroke: a case series.
2011  8月  アメリカ




脳卒中後 早期のトレッドミルトレーニングの効果を検証したそうな。



病状の異なる早期脳卒中患者18人について


毎日、地上歩行訓練前の30分間、

トレッドミルトレーニングを行った。



その結果、

・歩行の姿勢やリズムの対称性が改善され、

・12人は秒速0.8m以上で歩けるようになった。

・10人は装具や杖無しで歩けるようになった。

・6分間に歩けた平均距離は322mだった。

・13人(72%)の患者は6ヶ月間にわたり転倒しなかった。




早期トレッドミルトレーニングはすごくいいらしい、


というおはなし。




写真:トレッドミル 電気刺激付き

2011年9月17日

情動失禁は遺伝子の問題だからどうしようもない


Associations of serotonergic genes with poststroke emotional incontinence.
2011  9月  韓国



脳卒中後の情動失禁とセロトニン関連遺伝子との関係を調べたそうな。



276人の脳卒中患者について、

セロトニン伝達遺伝子、セロトニン受容器遺伝子の型を調べ

その他関連する要因(うつ履歴、学歴、病巣部位など)

についても調査した。



その結果、

13.4%の患者が情動失禁を経験していて、

・その多くにセロトニン伝達遺伝子のある型が関連していた。

・脳卒中後 情動失禁になりやすい遺伝子タイプの人がいる、



ことがわかった、


というおはなし。







写真:セロトニン脳

2011年9月16日

あぁ 困った... → そうだ脳卒中になろう!


Stress as a risk factor in the development of brain stroke
2011  9月  セルビア



脳卒中とストレスの関係について調べたそうな。


2005-2007に脳卒中で入院した患者に面接して

発症以前のストレス状況について調査した。


その結果、

・患者の多くが発症直前の24時間以内に強いストレスを受けていた。

・統計的にもっとも顕著なストレスは家族に起因するものだった。

・慢性的に受けるストレスの多くは家庭と仕事に関するものだった。

・再発患者に固有なストレスは見つからなかった。




というおはなし。







感想:

脳卒中はストレスからの回避行動の一種である、

というのが私の説。



ストレスが原因で身体が壊れる のではなくて、


ニッチもさっちもいかない状況を打開するために

無意識レベルの自分が取るイチかバチかの

ポジティブな戦略が脳卒中になることである。




おかげでいろんな問題が解決した。



写真:ストレス

2011年9月15日

脳卒中になると夢を見なくなる可能性について


Ischemic stroke selectively inhibits REM sleep of rats.
2011  9月  アメリカ



睡眠障害は脳卒中の素とはよく言われるが、

逆に、脳卒中が睡眠に及ぼす影響を調べたそうな。


脳に直接電極を付けたラットを人為的に脳梗塞にし、

手術前後の睡眠状態の脳波をモニターした。


比較のために手術だけで脳梗塞にしなかったネズミも用意した。



その結果、

・脳梗塞のあとはデルタ派優勢のノンレム睡眠が増えた。


・同時にレム睡眠及び覚醒中にシータ波の低周波数成分が増えた。


・目覚め時の左右脳の脳波は周波数が低くなった。


・梗塞側の脳ではレム睡眠時にシータ波が消えた。


・脳梗塞にしなかったネズミはトータルの睡眠時間が増えたが
 
 脳梗塞ネズミは睡眠時間が減った。


・この睡眠時間の減少はレム睡眠時間の減少分に相当した。


・レム睡眠を誘発するきっかけの回数も減少した。






→ 脳梗塞後レム睡眠が減ってノンレム睡眠が増えた



これが何を意味しているのかよくわからないので

さらなる研究が必要である、


というおはなし。






感想:

レム睡眠中に夢を見ると言う。


ということは脳卒中になると夢を見なくなる


ってことと理解。

写真:レム睡眠

2011年9月14日

チョコレートの脳卒中予防効果が判明


Chocolate consumption and cardiometabolic disorders: systematic review and meta-analysis.
2011  8月  イギリス



チョコレートの摂取と脳卒中との関連を調べたそうな。



研究データベースからチョコレート摂取と脳卒中を含む

心血管代謝疾患に関する論文を選び出し再解析した。



7件、総計11万人の参加する研究事例が見つかった。



このうち5件はチョコレート摂取が心血管代謝疾患に良い

とする内容だった。




特に、チョコレートをよく摂るひとは摂らない人に比べ

脳卒中になる危険性が3割減ることがわかった、


というおはなし。



写真:チョコレート
チョコ風呂療法

2011年9月13日

脳卒中は低所得者を好む


Income differences in stroke mortality: A 12-year follow-up study of the Swedish working population.
2011  9月  スウェーデン



収入と脳卒中死亡率との関連を調べたそうな。



1991からの12年間に起きた脳卒中での

死亡事例4886件について

その収入データと脳卒中の種類、男女別の関連を分析した。



その結果、

もっとも収入の高いグループに対する

いちばん収入の低いグループの死亡危険率を

他の要因も考慮に入れて計算すると

以下のようになった。



女性

脳卒中全般:1.69

脳出血:1.56

脳梗塞:2.36





男性

脳卒中全般:1.98

脳出血:2.05

脳梗塞:1.77






収入が低いと2倍ほど脳卒中になりやすい

ことがわかった、

特に貧乏女性は脳梗塞に、

貧乏男性は脳出血に注意、



というおはなし。

2011年9月12日

脳卒中になると友達が減る理由とは


Why do people lose their friends after a stroke?
2011  9月  イギリス




脳卒中を経験すると友人が少なくなるという。

しかしその原因はよくわかっていない。



脳卒中後になぜ 友人との接触が少なくなるのか、

発症後8-15ヶ月の患者29人(10人が失語症)に面接して調べたそうな。


次のことがわかった


友人を失った主な理由は


・共に行動する機会が減った

・元気がなくなった

・身体が自由に動かない

・失語症のため

・病気への理解が得られない

・環境上の障害

・価値観の相違





もっとも多く友人を失った患者は

自らが家族や親しい友人のみの閉じた関係を

好むようになることで社会的な接触が少なくなっていった、

と述べている。



特に失語症を持っている場合、

どんなに強い友人関係であったとしても

それを維持することは非常に難しいことがわかった。


というおはなし。







感想:

これはとてもよくわかる。


最初の1,2年は寂しくて仕方がなかった。




でも、 ネットのある時代で本当によかった…と思う。




写真:失語症
(注:検索で見つけた画像)

2011年9月11日

魚を食べると脳卒中が減る は本当


Fish Consumption and the Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-Analysis.
2011  9月  スウェーデン




魚の摂取は脳卒中の予防になると考えられてきた。


過去の研究をおもいっきり洗い出して

その予防効果について調べ直してみたそうな。




信頼のおけそうな研究が15件見つかった。

それら38万人あまり、9360件の脳卒中事例を分析したところ、



魚料理が週に3回増えるごとに

脳卒中になる危険性が6%減る
ことがわかった。




どうやら本当に魚を食べると脳卒中になりにくくなるようだ、

というおはなし。





写真:魚料理

2011年9月10日

アパシー:無気力・無感動な態度。またはその状態。


Apathy in acute stroke patients.
2011  9月  ポルトガル




脳卒中患者のアパシー(無気力、無関心)の特徴について調べたそうな。



94人の急性期脳卒中患者(脳出血22人、脳梗塞72人)と

冠動脈患者50人について比較したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中患者の38%がアパシーになる。

・冠動脈患者も その24%がアパシーになった。

・脳卒中患者は冠動脈患者に比べアパシーの自覚が低かった。

・脳出血、低学歴、右脳損傷だとアパシーになりやすい。

・認知障害、うつ とアパシーとの関連はなかった。

・アパシー患者の予後は良くなかった。




というおはなし。







感想:

アパシーと うつの違いを調べてみると

『生活全般に対する無気力・無関心を示すうつ病とは異なる。また、うつ病はしばしば睡眠障害を伴うのに対し、アパシーの場合、昼夜逆転生活になっても睡眠はとることができる。』



とある。


また

『日常生活の喜怒哀楽から離れ、世界の秩序を観照する平静な精神状態を示すギリシア語の“apatheia”という語に由来する。』



という意味もあり、 こっちの方がカッコイイと思う。





写真:アパシー

2011年9月9日

充分な睡眠で脳がよみがえる


Sleep disturbance impairs stroke recovery in the rat.
2011  9月  スイス




脳梗塞後の睡眠妨害が脳の回復に与える影響を調べたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にし、その12時間後から 

3日間の睡眠妨害を行った。


その後 5週間にわたり知覚運動機能の回復具合を評価し、

解剖して脳組織の修復程度を確認した。


比較のため、脳梗塞もしくは睡眠妨害のないグループも作成した。



結果、

睡眠妨害を受けたグループのネズミは

上肢機能の回復が著しく遅かった。


また、脳組織の再生程度も非常に低かった。





脳梗塞後、睡眠妨害を受けると予後が非常に悪くなることがわかった。


睡眠は脳の回復にとても重要であると考えられる、


というお話。

2011年9月8日

チベット住人はキレやすいという科学的根拠


Characteristics of Stroke in Tibet Autonomous Region in China: A Hospital-Based Study of Acute Stroke.
2011  8月  中国




チベット自治区住人の脳卒中の傾向を調べたそうな。


チベットの病院と中国西病院の脳卒中患者それぞれ

301人、3334人について比較した。


その結果、

・チベットの脳卒中患者は10歳ほど若く、

74.1%が脳内出血だった。

・高血圧と飲酒が主な危険要因と考えられた、





というおはなし。





感想:

脳出血の割合の高さにオドロイタ。

(日本では 10数%…)


親近感が湧く。


きっと 性格もキレやすいと推測。


写真:高血圧チベット僧
『やべッ 緊張する』

2011年9月7日

院内死亡率:脳梗塞3.5%、脳出血15.1%


In-hospital Mortality in Patient with Acute Ischemic and Hemorrhagic Stroke.
2011  9月  日本





急性期脳卒中患者の院内死亡率について調べたそうな。




・2009年に入院した急性期脳卒中患者738人のうち

・53人(7.2%)が死亡した。


内訳は、

・脳梗塞:3.5%

・脳内出血:15.1%

・くも膜下出血:17.9%


であった。 また、


・くも膜下出血の患者は若い人が多く、

・糖尿病持ちの脳出血患者の死にやすさは顕著だった。



というおはなし。

2011年9月6日

リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ


Sleep enhances implicit motor skill learning in individuals poststroke.
2008  2月  アメリカ

脳卒中患者の動作学習に対する睡眠の影響について調べたそうな。


18人の脳卒中患者と同年齢18人の健常人について、

パソコンスクリーンに映るグラフィックを追跡する動作学習を

訓練の合間に睡眠を挟むグループと

睡眠無しのグループとに分けて実施し、

前回の動作エラーからの改善の大きさを評価し 学習効果とした。



その結果、

動作訓練の合間に睡眠を取らせた脳卒中患者は学習効果が著しく大きかった

一方、健常人では睡眠の有無に関わらず学習効果は見られなかった。


リハビリ訓練は就寝直前に行うか、

訓練の合間にお昼寝をすると効果があがりそう、


っておはなし。
図:昼寝のあとの脳卒中患者の学習効果



感想:

先日のNHKスペシャル(脳がよみがえる)の中で紹介されていたカンザス大学のキャサリン・シエングシュコン准教授の研究。
とても感じのよい人だった。

番組の他の話はもう忘れてしまったけど、

この睡眠学習の話だけは印象的だった。
こういうシンプルな内容は好き。

2011年9月5日

[感想] NHKスペシャル|脳がよみがえる ~ 脳卒中・リハビリ革命 ~


2011年9月4日(日) 午後9時00分~9時49分 総合テレビ

脳がよみがえる ~脳卒中・リハビリ革命~


これ 録画して観た。

おかげでアクセスも増えたし記念に感想を記しておく。



促通反復法川平法)と呼ばれるリハビリ方法の紹介がメインだった。



およそ人の名前の付いた治療法にロクなものはない、

という 私なりの人生経験則があったことと、


施術者に非常に特殊な技能が要求され、その習得に時間がかかることから


これはサイエンスと言うよりは

宗教に近いものだろうと考えて、


これまで あえて一度も記事にしたことはなかった。



触れるのは これが最初で最後だと思う。







テレビの罪深さを感じた。


川平先生ご自身も、これだけセンセーショナルな放映内容を許可したのだから

それなりの覚悟はあった と思う。



視聴者はきっと こう考える。


『あんなに素晴らしい治療法があるのに、なぜわたしは麻痺が改善されなかったのだろうか…

そうか! きっと自分を担当していたリハ医は わたしたちの税金を貪ることに執心のあまり新しいリハビリ法の勉強をまったくしていなかったに違いない!無能なリハ医を相手取って訴訟を起こすべきなのかもしれない… 』

って。


怪しげなスプリントを腕に付け 

薄暗い部屋で顔にボカシを入れて証言する正体不明の患者など、

久しぶりに矢追さんの木曜スペシャルを観ているような気分になり

とても楽しめました。


ありがとうNHK
写真:脳がよみがえる

追記:
最新の脳卒中治療ガイドラインによると
促通手技は科学的根拠のない治療法とされています。
引用
ファシリテーション(神経筋促通手技)、〔Bobath法、neurodevelopmental exercise(Davis)、Proprioceptive neuromuscular facilitation(PNF)法、Brunnstrom法など〕は、行っても良いが、伝統的なリハビリテーションより有効であるという科学的な根拠はない(グレードC1)。

http://www.jsts.gr.jp/guideline/296_299.pdf

2011年9月4日

手の感覚麻痺を視覚で補う


Correlations between motor and sensory functions in upper limb chronic hemiparetics after stroke.
2011  8月  ブラジル



片麻痺患者の上肢運動機能と皮膚感覚との

関連を調べてみたそうな。



体性感覚機能を複数の評価方法で調べ、

運動機能、視覚情報の有無との関係を分析した。




結果、

体表の感覚機能と上肢運動機能との間に関連が見られた。


この関連性は患者が視覚を失っている場合に強かった。



このことから 脳卒中で失われた感覚機能を視覚情報が補っている

であろうことがわかった、


というおはなし。







感想:

とても共感できた。


自分も、いまだに左半身の皮膚感覚が弱く、

キーボードで文字を打つ際も

指はほぼ自由に動くのだけれども

どこにどの文字キーがあるのかが

触覚ではまったくわからない。



常に左手の動きを視野の隅に捉えて

腕や指が正しい方向へ進んでいることを確認、修正している。




なので、いまのところ 

再びブラインドタッチができるようになる気はまったくしない。




体性感覚ホムンクルス
写真:体性感覚ホムンクルス

2011年9月3日

イメージトレーニングの上肢リハビリは効果が持続する


Retention of Motor Changes in Chronic Stroke Survivors Who Were Administered Mental Practice.
2011  8月  アメリカ



イメージトレーニングを組み合わせた

上肢リハビリの効果を検証してみたそうな。




慢性期脳卒中患者21人をランダムに振り分けて、

イメージトレーニングを加えた上肢リハビリプログラムを

10週間受けさせた。


イメージトレーニングは録音したものを用いた。


このリハビリプログラムの前後および3ヶ月後の上肢機能の評価を行った。



その結果、


イメージトレーニングを組み合わせたグループでの

上肢機能改善効果はプログラム終了後3ヶ月経っても

維持されていることがわかった、


というおはなし。




写真:イメージトレーニング

2011年9月2日

脳卒中で入院  4人に1人は合併症


In-Hospital Medical Complications, Length of Stay, and Mortality Among Stroke Unit Patients.
2011  8月  デンマーク




脳卒中後の合併症と在院日数との関連を調べたそうな。


2003-2009に入院した1万3千人あまりの患者について、



次のことがわかった。


25.2%の患者が入院中に1つ以上の合併症を持った。

・15.4%が尿路感染症

・9.0%が肺炎

・6.8%が便秘 だった。

・平均在院日数は13日間

・合併症が1つ増えるごとに入院が数日間延びた。

肺炎を併発した患者の死亡率は特に高かった。




というおはなし。






感想:

きれいな看護師さんに尿路感染症予防措置

をしてもらった経験は

『脳卒中になってよかった…』

と感じた 数少ない思い出の一つ。

2011年9月1日

情動失禁とは抑えるべき感情をお漏らししてしまうこと


Health-Related Quality of Life in Patients With Poststroke Emotional Incontinence.
2011  8月  中国


脳卒中後の情動失禁の影響を調べたそうな。



385人の脳卒中経験者にアンケートをとったところ、 

15.1%情動失禁が見られた。


情動失禁のある者の回復度は心身共に低かった。

情動失禁の有無それ自体が健康関連QOLに影響を及ぼすことがわかった、

というおはなし。



* 情動失禁 emotional incontinence とは

情動は正常な場合には意志の力で統制され発現が抑制されているが、

この意志による統制力が病的に低下するため、情動が過度に発現される状態。

ちょっとしたことで涙もろくなり、すぐに泣いたり、喜んだり、怒ったりする。

脳血管障害 (脳梗塞など) に特徴的であるとされる。







感想:

スードバルバーアフェクト(PBA:Pseudobulbar Affect)との違いがよくわからない。

同じものかな。





写真:情動失禁

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