2011年10月31日

GPSで距離確認:今日は何キロ歩いちゃったかな?


Is outdoor use of the six-minute walk test with a global positioning system instrokepatients' own neighbourhoods reproducible and valid?
2011  11月  オランダ




脳卒中患者の歩行リハビリに

GPSが使えるかどうか、調べてみたそうな。



自宅に退院した慢性期脳卒中患者27人について、

その近所の道をつかって6分間歩行テスト(6MWT)を行った。


(6分間歩行テスト:自分のペースで6分間に歩くことができる最大距離を測定する検査)



この距離計測に、GPSとメジャリングホイールを同時に用いて、

2度計測し、その再現性、正確さを検証した。




その結果、

GPSとメジャリングホイールの結果は大変よく一致しており、


知らない土地での6分間歩行テストに

GPSを利用できることが確認できた、   


というおはなし。



写真:メジャリングホイール
メジャリングホイール







感想:

わたしはサイクリングのときにはいつも

アイフォンに入れたランキーパーを使って

GPSで走行距離の確認をしている。

2011年10月30日

脳梗塞の急性期に腎臓病が治る不思議


A Transient Improvement in Renal Function Occurs after Ischemic Stroke.
2011  10月  オーストラリア




脳卒中が腎臓機能に与える影響を調べたそうな。



急性期脳梗塞患者220人について、

血中クレアチニン濃度(Cr)をもって腎臓機能の指標とし、

発症1週間の経過を検査した。



その結果、

・入院時、慢性腎臓病(Cr>1.2mg/dl)とされた患者(62人)の

 Crが平均で0.34mg/dl下がり、腎臓機能が一時的に改善した。


・同様の傾向が糖尿病患者(69人)、心不全患者(89人)についても見られた。


・入院時に腎臓機能が正常とされた患者ではCrの変化はなかった。


・脳卒中の重症度とCrの変化との間に関連はみられなかった。







急性期脳卒中で腎臓の機能が改善することがわかった、


というおはなし。


写真:腎臓

2011年10月29日

退院後の寿命は、どこで治療を受けたかにはよらない


Survival over 12 years following acute stroke: initial treatment in a stroke unit vs general medical wards.
2011  12月  ノルウェー




脳卒中になったときに、

専門施設で治療を受けた場合と一般病院で治療を受けた場合

とでの長期の死亡率の違いを調べたそうな。




60歳以上、550人の脳卒中経験者について


・脳卒中治療専門施設にかかった患者と


・一般の治療施設にかかった患者とでの


12年後の死亡率を調査した。





その結果、

専門施設では退院するまでは早いけど、

長期の死亡率では両者に違いは見られなかった、



というおはなし。





感想:

でも、短期の死亡率では専門施設の方が低そう。

2011年10月28日

身体パラフレニア:自分の腕じゃないみたい!


Mirror-view reverses somatoparaphrenia: Dissociation between first- and third-person perspectives on body ownership.
2011  10月  イギリス

脳卒中で右脳に損傷を負った患者は自らの身体が

他人のものであるかのような感覚を持つ場合がある。

これを "身体パラフレニア" と言う。


身体パラフレニアのある患者に

鏡を見せた場合の反応を調べたそうな。


右脳損傷で左片麻痺の脳卒中患者5人について、

(うち2人は身体パラフレニアがある患者)

・左腕を直接見る場合と、

・前に置いた鏡に映して見る場合とで

その身体所有感覚を調査した。


結果は、

身体パラフレニアのある患者は、


・自分の左腕を直接見る場合は他人の腕のように感じた。

・鏡に映すと自分の腕のように感じた。

・この切り替えはほとんど一瞬で起きた。

・患者自身はこの身体所有感覚の変化に疑問を感じなかった。

・この切替えに際し実験者が腕に触れても同じ結果だった。


身体が他人のもののように感じる理由は、

自身の感覚統合能力の低下によるもの、と考えられた。


つまり、身体パラフレニアは自身の身体に対する

客観的感覚と主観的な視点との神経学的な

乖離現象であると推測できる。


乳児が初めて鏡に映る自分を理解できないのと同様の

仕組みがあるのかも知れない、


というおはなし。

写真:身体パラフレニア



感想:

これがヒドくなるとエイリアンハンドシンドロームになるのかな。

わたしも、

左手足が自分のものではなく、

高性能の義手、義足であるかのような感覚は常にある。

2011年10月27日

脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う


Fatigue after stroke: manifestations and strategies.
2011  10月  デンマーク

脳卒中経験者が日常生活の中で "疲労"についてどのように感じているのかを調べたそうな。


25人(男15、女17)の脳卒中患者について、

発症後、半年、1年、2年毎に面談を行い 疲労について調査をした。



その結果、

脳卒中患者達は
・通常の生活で経験する疲労  と

脳卒中後に現れたスペシャルな疲労  
とを、明らかに区別して感じていることがわかった。


脳卒中後に感じる疲労は患者にとって初めて経験するものであり、

快復の障害にもなりうるので対策が必要、


というおはなし。

図:脳卒中後の疲労とリハビリテーション



感想:

脳卒中後○○ というときに、すこしまえは "うつ" だったんだけど、最近は "疲労" の記事が多い。

この記事では

tiredness と fatigue という違いで表現されている。

どちらも疲労なんだけど、前者はスポーツしたあとの筋肉的な疲労で、後者は倦怠感に近いニュアンスがある。

もちろん脳卒中後は fatigue

2011年10月26日

脳卒中後の疲れやすさはしばらくの間 改善しない…


The Course of Fatigue during the First 18 Months after First-Ever Stroke: A Longitudinal Study.
2011  10月  ノルウェー



脳卒中後慢性疲労の時間経過について調べたそうな。



脳卒中後の慢性疲労感は

エネルギー切れになって、燃え尽きたような感覚であり、

悲しさや弱さ といったものとは異なる。



これらを客観的に測定する指標は乏しく、

アンケートの自己申告により評価する。




95人の脳卒中患者について、

性別、身体機能、抑うつ感、疲労度、慢性疲労の前歴

などについて、発症18ヶ月後まで追跡調査した。




その結果、

慢性疲労感の度合いは時間に依らずほぼ一定であった。

また、性別や抑うつ感による違いもほとんどなかった。


特に、慢性疲労の前歴のある患者はその疲労度が大きかった、


というおはなし。



脳卒中後の疲労度の時間変化
写真:脳卒中後の疲労感




感想:

たしかに、急な気分の落ち込みの頻度は大きく下がったけど、


疲れやすさはあまり改善していない印象がある。


脳の中のモーターがいきなり止まっちゃったような感覚になる。

2011年10月25日

上肢訓練で失語症も治る、一石二鳥のリハビリ戦略とは


Language changes coincide with motor and fMRI changes following upper extremity motor therapy for hemiparesis: a brief report.
2011  10月  アメリカ



上肢運動リハビリが言語機能へ及ぼす影響を調べたそうな。



脳卒中で片麻痺、失語症の患者5人について、

上肢運動訓練を4週間継続した。(2.5時間/日)




その結果、

3人の患者で言語機能の著しい改善が見られた。

また、この3人は上肢運動機能の改善も著しかった。




脳機能MRIによると

この3人の言語を司る脳の領域が左脳から右脳へ

移動していることが確認できた。




上肢運動訓練をすると言語機能も改善されるという

仕組みは未だわからないけど、


解明されればリハビリの効率化につながるだろう、



というおはなし。

2011年10月24日

首が太い脳梗塞患者が1年以内に全て死亡


Neck circumference, a bedside clinical feature related to mortality of acute ischemic stroke.
2011  10月  ブラジル




脳梗塞患者の死亡率と身体的特徴との関連を調べたそうな。


急性期脳梗塞患者89人について、

脳卒中の重症度、

ボディマス指数、首周りの長さ、ウエストヒップ比、

睡眠時無呼吸症の有無 

などについて調べ、1年間追跡した。



その結果、

1年以内に8.9%の患者が死亡した。

首周りの長さが、男性43cm、女性38cm 

より大きい患者は全て死亡していた。



首周りの長さと睡眠時無呼吸症、糖尿病

などとの関連が見られた。


しかし肥満は少なかった。(11%)



首が太い脳梗塞患者は死亡率が高い


というおはなし。



写真:太い首

2011年10月23日

骨髄間質細胞で脳梗塞を治療するためには


Intracerebral, but not intravenous, transplantation of bone marrow stromal cells enhances functional recovery in rat cerebral infarct: An optical imaging study.
2011  10月  日本



骨髄間質細胞には神経疾患の治療可能性がある。



脳梗塞の場合に、どうやって骨髄間質細胞を移植したら

より効果的であるか、を調べたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミに、

7日後、骨髄間質細胞を、


・静脈に300万個注入  または

・脳へ直接100万個注入

する2つのグループにわけて

4週間 経過を観察し、比較した。




その結果、

骨髄間質細胞注入後、

運動機能が著しく回復し、

かつ 骨髄間質細胞が組織に定着したのは

脳に直接注入したグループだった。



脳梗塞治療目的での骨髄間質細胞の移植は

脳へ直接注入する必要があることがわかった、


というおはなし。




骨髄間質細胞は様々な組織に分化できる
写真:骨髄間質細胞

2011年10月22日

騒々しい場所に長く居ると脳卒中になりやすい


Exposure to workplace noise and the risk of cardiovascular disease events and mortality among older adults.
2011  10月  オーストラリア


騒音の多い環境と脳卒中との関連を調べたそうな。


2942人の被験者について

職場の騒音状況、心血管系疾患等についての調査を行った。



激しい騒音に 1-5年ほど曝されているひとは、

脳卒中になる危険性および死亡率が

騒音の無い環境のひとに比べ非常に高かった、


というおはなし。




2011年10月21日

低周波治療器+ストレッチで手首痙縮を改善する


The efficacy of electrical stimulation in reducing the post-strokespasticity: a randomized controlled study.
2011  10月  トルコ
皮膚表面からの電気刺激が 脳卒中後の手首筋肉の痙縮を改善できるかどうか調べたそうな。


アシュワーススケール2-3の片麻痺患者を次の2グループに分けた。
・手首のストレッチのみ

・手首のストレッチ+伸展筋への電気刺激
電気刺激は、

周波数100Hzのパルスを間欠的に15分間、を目安とした。


その結果、

ストレッチに電気刺激を加えたグループでの

痙縮改善効果が著しかった、


というおはなし。

図:電気刺激とストレッチ 痙縮治療


アシュワーススケール
0:筋緊張に増加なし
1:軽度の筋緊張の増加あり。屈伸にて、引っかかりと消失、あるいは可動域終わりに若干の抵抗あり
1+:軽度の筋緊張あり。引っかかりが明らかで可動域の1/2以下の範囲で若干の抵抗がある。
2:筋緊張の増加がほぼ全可動域を通して認められるが、容易に動かすことができる。
3:かなりの筋緊張の増加があり、他動運動は困難である。
4:固まっていて、屈曲あるいは伸展ができない。


感想:

この電気刺激仕様は、市販の低周波治療器のそれとほとんど同じである。



これを医療機関でやってもらうと、

低周波治療器が数十台買えるくらいの費用が生じる、と予想する。


写真:低周波治療器

2011年10月20日

急性期脳卒中患者の3%が即座に自殺を決断


A Study of Suicidal Thoughts in AcuteStrokePatients.
2011  10月  ポルトガル



急性期脳卒中患者の自殺願望の有無について調べたそうな。



発症後4日以内の脳卒中患者177人について、


15%の患者が自殺を考えた。


・さらにそのうちの22%は自殺を遂行するための

具体的な計画を持っていた。





分析の結果、これらの患者に共通する要因として、


低い教育レベル

・糖尿病

・気分障害の既往歴

・うつ


が考えられた。





急性期脳卒中患者の自殺行動に注意せよ!



というおはなし。







感想:

この割合でいくと

100人の急性期脳卒中患者がいたら

3人はわずか数日間のうちに自殺計画済み、ってことになる。


しかし、急性期じゃ身体も自由に動かないし、監視もきびしいから

本当に実行に移すのはそのうちの 1%程度だろう。


この時、自殺率としては 10万人中30人になる。




日本人の年間自殺率が10万人中24人だから


ほとんど違わない。



なんとも複雑なきぶん。

2011年10月19日

歩行リハビリはたくさん訓練すればイイってものでもない


Effects of Augmented Exercise Therapy on Outcome of Gait and Gait-Related Activities in the First 6 Months After Stroke: A Meta-Analysis.
2011  10月  オランダ




脳卒中後6ヶ月以内の患者に

歩行リハビリの時間を増やしたら

歩行や日常動作がより改善するかどうか

調べてみたそうな。



研究データベースを検索して、関連する研究4966件の中から

14件(被験者総数725人)を厳選した。





解析の結果、

大した効果は確認できなかった。





発症6ヶ月以内の脳卒中患者に

たくさん歩行訓練を施しても

やっただけの見返りは得られませんよ、


というおはなし。






感想:

以前、リハビリ病院で出会った超能力理学療法士

『君は歩けるようになるから、今はできるだけ歩かないようにしなさい』

と わけのわからないことを言われたのを 思い出す。

2011年10月18日

パン、ポテト、スイーツが好きな男性は脳卒中に注意


Dietary Glycemic Load and Glycemic Index and Risk of Coronary Heart Disease and Stroke in Dutch Men and Women: The EPIC-MORGEN Study.
2011  10月  オランダ




食べ物のグリセミック負荷、グリセミック指数と

脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べたそうな。



糖尿病でない 男性8855人、女性10753人について、

食事内容をアンケートし、11.9年追跡調査した。



この間に

・男性

冠動脈疾患:581件

脳卒中:120件、


・女性

冠動脈疾患:300件

脳卒中:109件

があった。


炭水化物の主な摂取源はパン、ポテト、スイーツだった。



解析の結果、

・グリセミック負荷は男性の冠動脈疾患に、

・グリセミック指数は男性の脳卒中に、

それぞれ関連があった。




女性には同様の関連は見られなかった。





炭水化物ばかり摂る男性は心血管系疾患に注意しなさい、



というおはなし。






グリセミック負荷→グリセミック指数に炭水化物の重量をかけた値で、血糖値を上昇させる程度をあらわす指標である。

グリセミック指数→炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値である。

2011年10月17日

TIAは幸運の兆し、脳梗塞が軽い


Why Do Acute Ischemic Stroke Patients with a Preceding Transient Ischemic Attack Present with Less Severe Strokes? - Insights from the German Stroke Study.
2011  10月  ドイツ




脳梗塞の前に脳の虚血を経験していると

脳梗塞の症状が軽くなることが動物実験でわかっている。



人間の場合、一過性脳虚血発作(TIA)の経験の有無で

同様の効果が見られるかどうかを検証したそうな。




はじめて脳梗塞になった7611人の患者について調べたところ、


452人(5.9%)が事前のTIAを経験していた。



これら患者の入院時の重症度(NIHSS)は、

TIAを経験していなかった患者に比べて

明らかに低かった。



この関連性は年齢、性別、病歴等を考慮に入れても

変わらなかった。



また、

TIAを経験してから脳梗塞に至るまでの時間に

一定の傾向は見られなかった。



TIAには脳梗塞に対する神経保護効果がある

ことが確認できた、


というおはなし。


写真:一過性脳虚血発作TIA

2011年10月16日

社会復帰を目指すなら 1日1万歩くらいは当然だね


Are patients 1 year post-stroke active enough to improve their physical health?
2011  10月  ベルギー




脳卒中経験者の身体活動レベルについて調べたそうな。


中程度の障害を持つ脳卒中後1年の元患者16人について、

心拍数モニター、歩数計、アンケートなどをつかって

身体活動レベルおよび快復に影響を与える要因について調査した。





その結果、

被験者は平均で1日に

44±39分の中程度の活動をし、

6428±4117歩 あるくことがわかった。



1万歩以上あるく人は3人のみだった。






解析の結果、

運動機能、心肺機能、気分、社会参加などの程度は

活動時間よりも1日の歩数との関連が強かった。




脳卒中経験者は、単に活動的であろうとするよりも、

万歩計をつけて1日1万歩を目安にきっちり歩くようにしましょう、



というおはなし。





感想:

原因と結果が逆の気がする。


1日に1万歩も歩いてしまうほどに

身体の具合および社会環境がイイ

ってだけの話と思う。



写真:1日1万歩あるけ


自信を持って言うけれど、

わたしは あまり歩いていない。

2011年10月15日

脳卒中後すぐに足組みができなかったひとの半数が1年以内に死亡


The crossed leg sign indicates a favorable outcome after severe stroke.
2011  10月  ドイツ



脳卒中後に足を組むことができた患者の予後を調べたそうな。


集中治療を必要とした重い脳卒中患者(計68人)について


入院後15日以内に


・足を組むことができた患者(34人)

・足を組むことができなかった(患者34人)




の2グループに分けて、1年後の回復具合を比較した。




その結果、

足を組むことができた患者と、できなかった患者のスコア比較は、

それぞれ、

・NIH Stroke Scale(低いほどよい)→ 6.5, 10.6

・modified Rankin Scale(低いほどよい)→ 2.9, 5.1

・Barthel Index(100点満点)→ 71, 49

・死亡者数→ 1人, 18人



だった。



足組みテストは

脳卒中患者の自立と死亡可能性を予測する

目安になるかも知れない、



というおはなし。




写真:足組み

2011年10月14日

磁気刺激治療は歩行リハビリにも効果があるよ


rTMS Combined With Task-Oriented Training to Improve Symmetry of Interhemispheric Corticomotor Excitability and Gait Performance After Stroke: A Randomized Trial.
2011  10月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法の

脳卒中上肢麻痺への応用はよくあるはなし。


rTMSを下肢の麻痺治療に応用したそうな。




症状のよく似た脳卒中患者24人について、


・rTMS+歩行トレーニング

・偽のrTMS+歩行トレーニング




の2グループに分けて、10セット、2週間

治療を行った。



rTMSは脳の健常側、運動野の足関連部位に

1ヘルツの抑制刺激を10分間与えた。



その結果、

rTMSを受けたグループで

運動誘発電位と歩行の対称性が著しく改善された。




rTMSは左右脳の活動バランスをとり、

さらには歩行リハビリにも効果があるかもしれない、


というおはなし。


2011年10月13日

メロディック・イントネーション・セラピーとtDCSを組み合わせてみた


Non-invasive brain stimulation enhances the effects of melodic intonation therapy.
2011  9月  アメリカ



失語症のメロディックイントネーションセラピー (MIT)に

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)

を組み合わせた時の効果を調べたそうな。



脳卒中で左脳にダメージのある

非流暢性失語症の患者6人について、


tDCSMIT

偽のtDCS+MIT



を時期をずらして施行し、

直後の発話にかかる時間を評価した。


tDCSは乾電池のプラス電極を右脳に貼りつけた。



その結果、

tDCSのある場合に、発話に必要な時間が著しく短縮された。



tDCSとメロディックイントネーションセラピーにより

脳の可塑性が促され、右脳が代わりに働くように

なったのではないか…


というおはなし。




感想:

ネットで見つけた

メロディックイントネーションセラピーの資料はこちら。(←)


読んだらなんとなくわかったような気がした。







ただ、tDCSの怪しさは異常。

乾電池のプラス極を頭にくっつけると脳の働きが亢進、

マイナス極だと抑制される。


シンジラレナイ。

2011年10月12日

たばこ増税が脳卒中を減らす可能性について


Smoking and Smoking Cessation in Relation to All-Cause Mortality and Cardiovascular Events in 25,464 Healthy Male Japanese Workers.
2011  10月  日本



喫煙と心血管系疾患(脳卒中など)との関連を

日本人について調べたそうな。


20-61歳の健康な男性25464人について7年半

追跡調査した結果、

次のことがわかった。



1日に吸うタバコの本数と

総死亡率、心血管系疾患のリスクの比

(タバコをまったく吸わない人との比較)


・1-10本/日
1.51、1.91

・11-20本/日
1.68、2.94

・21本/日 以上
1.30、3.25





また、

4年間以上タバコをやめると

続ける場合よりも両リスクが半分くらいになった。


1日にタバコを11本以上吸うと

心血管系疾患になるリスクは跳ね上がり、

止めればうーんと下がる、


というおはなし。


2011年10月11日

先に麻痺している腕を袖に通して… それが案外難しい


Task-specific practice of dressing tasks in a hospital setting improved dressing performance post-stroke: A feasibility study.
2011  10月  オーストラリア




脳卒中入院患者向けの更衣に特化したグループトレーニングの効果について調べてみたそうな。


1回1時間、週2回のグループ更衣トレーニングに参加した患者は119人。



退院までに自立度を表すFIM評価の点数が

上半身更衣で2.2ポイント

下半身更衣で2.7ポイント



向上した。


というおはなし。






感想:

いまさらこういう地味なことを研究している理由が理解できなくて興味が湧いた。



たしかに片麻痺の更衣にはコツが要る。


グニャグニャになっている腕をトレーナーの袖に通すのは本当に難しかった思い出。

2011年10月10日

心配で心配で 夜も眠れない→ 脳卒中で死亡


Sleep loss due to worry and future risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: the Scottish Health Survey.
2011  10月  イギリス




心配に起因する睡眠不足

脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べたそうな。



平均年齢53歳、11905人の健常人を8年間追跡調査した。

この間に1249人が心血管疾患で死亡した。


このうち15.6%が直前の4週間あまり、

心配がもとで睡眠不足になっていた。




解析の結果、

心配が起因する睡眠不足により


・心血管系疾患の発症の危険性が7割増しになり、

・総死亡率が2倍になることがわかった。




これらの関連性の多くは、

睡眠不足が原因の喫煙や酒、運動不足により

説明がつくであろう、


というおはなし。

2011年10月9日

体重免荷トレッドミルって実際に使っている施設はあるの?


Body weight supported treadmill training versus traditional training in patients dependent on walking assistance after stroke: a randomized controlled trial.
2011  9月  ノルウェー



体重免荷トレッドミルの効果について調べたそうな。



60人の脳卒中患者をつぎの2グループに分けた


・体重免荷トレッドミル+PTがアシストする従来型歩行リハビリ

・PTがアシストする従来型歩行リハビリ のみ




両グープとも1回あたり合計1時間の訓練を行った。



5週間ほど後、

両グループ共に歩行能力が大きく改善した。


グループ間で その改善程度に

統計学的に有意な違いは見られなかった、


というおはなし。






感想:

体重免荷トレッドミルの例
写真:体重免荷トレッドミル

かえって人手を煩わしそうで、あまり現実的とは思えない。

2011年10月8日

1月の憂うつな月曜日には脳卒中に注意


Seasonal and Weekly Patterns of Occurrence of Acute Cardiovascular Diseases: Does a Gender Difference Exist?
2011  10月  イタリア



脳卒中や心筋梗塞などの発症は季節や曜日などと

関連があると言われている。

この関連に、性別も影響するかどうかを調べたそうな。



・季節について:

13万人あまりの心血管系患者について調べたところ、

発症ピークの季節は1月 冬、性別による違いはなかった。


・曜日について:

16万人あまりの患者について、

そのピークは月曜日、性別の違いはなかった。




心血管系疾患の季節、曜日による違いは

性別とは関連がなかった、


というおはなし。





感想:

以前、3月に脳卒中が多いというはなしがあった。



でもなぜか月曜日は共通している。


サザエさん症候群と関連があるかも知れない。

写真:サザエさん症候群

2011年10月7日

触覚麻痺はセルフタッチで改善する


The role of self-touch in somatosensory and body representation disorders after stroke.
2011  10月  オランダ



体性感覚の障害は脳卒中患者の約半分が経験する。

これらの障害は、単に触覚の鈍さ や

物や自身の体への認識低下までさまざまである。

そこで、セルフタッチ(自分で自分に触れる)による体性感覚への影響を調べたそうな。


セルフタッチの研究は多くないながらも、

健常人ではセルフタッチが身体表象

(Body Representation:自分の身体の具体的なイメージ)に

影響を与えることがわかっている。


脳卒中で四肢不一致症や片麻痺憎悪になった患者に

セルフタッチの身体表象への影響について聞き取りした結果、

身体保持感覚を得るまでの時間はさまざまだった。


セルフタッチは身体保持感覚の低下を改善し、

身体表象を再獲得するための助けになるかも知れないことがわかった、


というおはなし。
図:セルフタッチと身体表象

感想:

なんとなくわかるような気がする。

自分も左手足の触覚がほとんど無い。


触覚の正常な右手で左の手や腕、脚などに触れると右手の平 表面に生じた触覚があたかも感覚の麻痺した左手足の側に生じたような錯覚を起こす。

これが触覚を取り戻した気持ちにさせるためなのか、とても心地が良いのである。

2011年10月6日

認知障害への作業療法の効果は不明


The Cochrane review of occupational therapy for cognitive impairment in stroke patients.
2011  9月  オーストラリア




脳卒中後の認知障害にたいする

作業療法の効果について再検証したそうな。



様々な論文データベースを検索して

信頼のおけそうな研究のみを厳選した。



1639件の検索結果から

17件の論文を抽出し、さらに精査したところ、

1件の研究論文のみが残った。



これは認知障害への

作業療法のポジティブな効果を示すものではなかった。

また 被験者数も少ない(33人)ことから

その有効性について結論を出すには至らなかった。




作業療法の効果を検証できる

規模の大きいちゃんとした研究が必要、


というおはなし。







感想:

発症後間もない脳卒中患者ができることは とても少ない。

だから作業療法は貴重な 楽しい暇つぶしの時間でもある。



効率やエビデンスばかり求めていると人との関係がギスギスしてくる。


こういう仕事があってもイイんじゃないかな と思う今日この頃。



写真:作業療法

2011年10月5日

脳卒中 縮む余命は 約10年


Premature mortality due to stroke and trend in stroke mortality in Japan (1980-2005).
2011  10月  日本

日本人の脳卒中による生命損失年数を調べたそうな。


1980-2005の脳卒中死亡率をWHOデータベースから取得し解析した。


この間、脳卒中死亡率は男性:68%、女性:74%、低下した。

年毎の生命損失年数平均値
(ある健康リスク要因が短縮させる余命年数)は、

以下のとおりだった。


男性
1980→20.6
1995→11.2
2005→11.7


女性
1980→19.4
1995→10.5
2005→10.5



というおはなし。

図:脳卒中患者の余命男女



感想:

意外に少ない と感じた。

たとえ脳卒中で死んだとしても、すでに十分に長生きしている人が多い、ってことなんだと思う。

2011年10月4日

HALを片麻痺患者の歩行訓練に使ってみた


Efficacy of a hybrid assistive limb in post-stroke hemiplegic patients: a preliminary report.
2011  9月  日本



ロボットスーツHALを使った脳卒中片麻痺患者の

歩行訓練効果を調べたそうな。




16人の片麻痺患者で試したところ、

12人がHAL装着後歩行スピードが

著しく低下した。




HALで効果を得るためには

事前にある程度歩行ができるようになっている

必要があることがわかった。




もうちょっと研究すれば

HALが歩行リハビリに役立つようになるかも知れない、


というおはなし。








感想:

このリハビリ手法の目的は、

片麻痺患者の歩行をHALがアシストして

たくさん歩行できる機会を作り、

それが神経の可塑性を促して、

やがては自力で歩行できるようになること

を期待する点にある  と考える。




ところが現実は、

患者側にHALに対する非常に高い順応力が求められる。



その歩行は危なっかしくて理学療法士が

常に付きっきりでいなくてはならない。


この状況は簡単には改善されないと思う。





手すりでも付けたトレッドミル訓練の方が

患者を選ばず、安全性も高く、療法士の負担も軽く、


多くの点ではるかに ずっと優れているだろう。





写真:ロボットスーツHAL

2011年10月3日

いつも満腹食べていると、治る脳梗塞も治らなくなる


Calorie restriction and stroke.
2011  9月  オーストラリア




動物実験では、食事のカロリー制限や断食によって

寿命が伸びたり病気にかかりにくくなったりすることが知られている。


脳梗塞患者へのカロリー制限がもたらす影響について考えてみたそうな。




マウスの実験では、

脳梗塞前のカロリー制限によって

神経保護を促すタンパク質やホルモンの増加が見られ、


結果として脳組織への白血球の侵入やグリア化を防ぐことができ、

脳細胞の壊死を抑えることができた。


ただしこの効果は高齢になるほど小さくなった。





食事のカロリー制限が脳梗塞治療に

活かせるようになる日が来るかもしれない、


というおはなし。





感想:

病院食の量が少なくて

いつもお腹が空いていたのにもわけがあった。

なるほど。




写真:脳梗塞のカロリー制限効果

2011年10月2日

“元気・やる気”がリハビリテーションによる運動機能回復と関連することを脳科学的に証明


“元気・やる気”がリハビリテーションによる運動機能回復と
関連することを脳科学的に証明

2011  9月  日本



神経損傷後のうつ症状が運動機能回復の妨げになっていたことを、

サルを使った実験で明らかにすることが目的。



脊髄損傷後のサルの脳を調べたところ、

やる気を司る部位と、運動機能を司る部位との間に

強い関連が見られた、とのこと。




神経損傷後の運動リハビリには、

やる気を維持するための心のサポートが必要であろう、



という ありがたいお話。






感想:

科学の進歩は凄まじい。

いつの間にかサルの 気持ち までわかるようになっている。



動物愛護団体の思うツボと思う。





そのうちサルが市民権を得るようになって…
写真:サルの気持ち

2011年10月1日

触覚が回復してくると手も動くようになる


Increase in Sensorimotor Cortex Response to Somatosensory Stimulation Over Subacute Poststroke Period Correlates With Motor Recovery in Hemiparetic Patients.
2011  9月  アメリカ



片麻痺患者の運動機能回復と

触覚との関係を調べたそうな。




10人の片麻痺患者について、

発症後1年間、


麻痺側の指への触覚刺激に対する反応を

ファンクショナルMRIで確認し、

ついでに運動機能の回復具合を調べた。




その結果、

触覚刺激への反応の増加と

運動機能の回復具合との間に強い関連が見られた。





亜急性期の脳卒中患者では、

触覚(体性感覚)の回復が

運動機能の回復につながるのではないか、


というおはなし。






感想:

そのとおり、と思う。


体性感覚が無いと、自らが起こした運動の結果を

頭の中のイメージと結びつけることができず

いつまでたっても動作を身につけることができない。




でも、

この体性感覚の無さは視覚で補うことが出来ると思う。




感覚運動野と体性感覚野

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