2011年11月30日

イメージトレーニング能力をリハビリする必要性について


Recovery of Motor Imagery Ability in Stroke Patients.
2011  4月  オランダ




イメージトレーニングを脳卒中リハビリに応用する

研究例がしばしば見られる。


そこで脳卒中患者の、運動をイメージする能力

について調べたそうな。



運動イメージ法にはいくつかの種類があって、


たとえば

身体の動きを視覚的にイメージするものや

物体の回転、反転動作をイメージするもの、

指示にしたがって手足の動作を正確に

イメージするものなどがある。



これらのイメージ能力は

脳卒中後いったん衰えることがあるが

リハビリにより比較的早い時期に回復することができる。



これを放って置くと運動イメージ能力も低下

したままになるので、


イメージトレーニング能力それ自体をリハビリする

専用のトレーニングが必要になるであろう、



というおはなし。

2011年11月29日

オゾン療法で脳梗塞が治療できる可能性について


Brain ischemia and hypometabolism treated by ozone therapy.
2011  10月  スペイン

オゾン療法が脳梗塞の治療に役に立った

かもしれない例の報告。



脳腫瘍で放射線治療を受けていた75歳の患者

を調べたら脳に血の巡りの悪い部分が見つかった。


そこでオゾン療法(血液を採って、オゾンを加えて輸血)

を施したところ、


脳の血の巡りが改善されたことが最新の核医学

検査によって明らかにされた。


これは患者の運動機能改善程度とよく一致していた。



オゾン療法は脳卒中治療にも役に立つのではないか、


というおはなし。

図:オゾン療法の脳梗塞治療効果


感想:

オゾン療法なるものの存在をしらなかった。


ozone therapy (wiki)

によると、科学的な根拠はほとんどないものの、

ガンやエイズにも効く万能の治療法とされている。


今回の研究は、脳卒中分野への新規市場開拓の一環と理解した。


なるほど"オゾン療法"で検索して広告表示をみてみると、

すでにちょっとした市場を形成していることがわかる。


オゾン療法の血液クレンジングとは?

2011年11月28日

寒くなってまいりました。脳出血に注意しましょう。


AreStrokeOccurrence and Outcome Related to Weather Parameters? Results from a Population-Based Study in Northern Portugal.
2011  11月  ポルトガル



気候条件と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


ある地域に住む86023人の2年間の疾病記録と

気象記録を解析した。



この間に462件の脳卒中があった。

・20%が脳出血

・75%が脳梗塞


だった。


・脳出血発生率は、日中の気温が前日比で

1度下がるごとに12%増えた。


・脳梗塞発生率は、前日からの最低気温

1度下がるごとに4%増えた。


・脳卒中死亡率は最高気温が前日よりも

1度下がるごとに16%増えた。



急に寒くなったときには脳卒中に注意しましょう、


というおはなし。

2011年11月27日

貧乏人は仕事上のストレスが原因で脳卒中になったりはしない


Perceived Psychological Pressure at Work, Social Class, and Risk ofStroke: A 30-Year Follow-Up in Copenhagen Male Study.
2011  11月  デンマーク



社会経済的状況と仕事のプレッシャーが

脳卒中発生率に関連するかどうかを調べたそうな。



健常な4943人の中年男性を30年間にわたり追跡調査した。



その結果、

社会経済的レベルが中クラス以上の人は、

仕事上の心理的プレッシャーを強く感じていて、

脳卒中になった人のおよそ10%はこの心理ストレス

との関連が強く疑われた。


一方、低所得者クラスでは仕事上の心理ストレスと

脳卒中との関連はまったく見られなかった。



金持ちはそれなりのリスクと代償を払っているのかも

しれない、 というおはなし。





感想:

実際に脳卒中になって手足が動かなくなってみて、

お金のちからの限界を痛切に感じた。



持っているお金の多寡に関わらず、

治る人は勝手に治るし、

治らない人は なにをやっても治らない。



だから寿命を縮めるようなストレスに耐えてまで

仕事をして お金を貯めることの意味、

についてよく考えるようになった。


写真:仕事のストレス

2011年11月26日

大気汚染と脳卒中死亡率との関連はない in ジャパン


Exposure to Particulate Matter and Long-term Risk of Cardiovascular Mortality in Japan: NIPPON DATA80.
2011  11月  日本



大気汚染と脳卒中死亡率との関連を調べたそうな。


日本全国から選んだ30歳以上の日本人7250人について、

1980-2004まで追跡調査した。



その間の大気中の粒子物質濃度と

脳卒中を含む心血管系疾患での死亡率との

関連を調べた。


この間に1716人が死亡した。

内訳は

心血管系疾患で571人

冠動脈疾患で116人、

脳卒中で250人

だった。




解析の結果、

性別、血圧、肥満度、喫煙、飲酒などの

要因を考慮にいれても、


大気汚染濃度と脳卒中死亡率との間には

なんの関連も見いだせなかった、


というおはなし。

2011年11月25日

脳卒中経験者はいろいろな痛みに悩んでいる


Pain followingstroke: a population-based follow-up study.
2011  11月  デンマーク




脳卒中患者の慢性痛について調べたそうな。


発症後2年を経過した脳卒中経験者608人にアンケートを送り、

3ヶ月以上持続して現れる慢性的な痛みの種類と頻度

について調査した。



比較のため、同じ年齢、性別の一般人519人にも

同様の調査をおこなった。




その結果、

・脳卒中経験者の39%

・一般人の29%

が何らかの慢性痛を経験していた。



また、

15%の脳卒中経験者、

・9%の一般人

が痛み対策の薬を毎日飲んでいた。



頭痛、肩の痛み、筋肉の緊張などが

主に脳卒中経験者に共通する痛みで、


関節痛は一般人にも共通していた。



脳卒中経験者は慢性的な痛みに

悩まされやすいことがわかった、


というおはなし。


写真:脳卒中経験者の慢性痛の種類と頻度
慢性痛の種類と頻度





感想:

自分は発症時も含め、ひどい頭痛にはなったことがない。

左肩の痛みは半年以上続いた。

今は左足の裏の筋肉が緊張して若干の痛みがある。

2011年11月24日

急性期脳卒中患者は意外に動き回っていることが判明


Stroke patients do not need to be inactive in the first two-weeks after stroke: results from a stroke unit focused on early rehabilitation.
2011  11月  ノルウェー




脳卒中専門病棟にいる患者の一日の活動状況について

調べてみたそうな。



発症後14日以内の脳卒中患者117人

(平均年齢79歳、男女半々)について、


朝8:00から夕方5:00までの活動状況を10分刻みで

記録、分析した。




その結果、

患者たちは日中時間の


・30%をベッドのなかで、

・46%は椅子に座って、

・20%の時間を立ったり、歩いたり活動して



過ごしていた。



特に、

・軽症患者は日中の80%の時間を、

・中程度患者は59%、

・重症患者は31%の時間を



椅子に座っているか動いているかしていた。




急性期脳卒中患者は

日中の多くをベッドの外で過ごし、

少なくとも20%程度の時間は動きまわってもOKで、


重症者ですら、ずっとベッドで寝ていなくても良い

ことがわかった、


というおはなし。







感想:

ほんとかね、とおもった。


自分の居た病院では、

発症後1週間過ぎたころ、

車椅子をこいでトイレに行っただけで

看護師から大目玉を食らった。



それがあまりにも恐ろしい体験だったので、

以来 動いていはいけないものと思い込み、

ベッドでひたすらじっと本を読んでいた思い出。

2011年11月23日

『希望を持ちなさい』 → 『どこで買えるんですか?』


Understanding hope afterstroke: a systematic review of the literature using concept analysis.
2011  10月  ニュージーランド



希望を持っているひとは病気になっても忍耐強く

リハビリを続け回復も良い、と言われている。



脳卒中患者の"希望"について調べてみたそうな。



脳卒中患者の視点で、"希望"について言及している

研究論文を検索した。



その結果、

20件の研究論文が見つかった。


それらによると、希望にはつぎの3つの側面があった。


・心の状態としての希望

・回復目標としての希望

・努力過程としての希望





また、希望は良い回復結果をもたらし、

リハビリのヤル気の源になると考えられた、


というおはなし。






感想:

一見面白そうだったが、何が言いたいのかよくわからなかった。



希望を持つから回復が良いのか、

回復が良いから希望を持つのか?




有効な治療法がまったくないこの分野。


もはや希望にすがるしかない、ってことなのか…

2011年11月22日

超早期リハビリについて、専門家は概ね好意的


Does evidence really matter? Professionals' opinions on the practice of early mobilization after stroke.
2011  10月  スウェーデン




超早期リハビリについて専門家の意見を

まとめてみたそうな。


リハビリ学会に参加していた医師、看護師、療法士等へ

次のような内容のアンケート調査を行った。


1.脳卒中後、移動訓練はいつ始めればよいか。

2.超早期リハビリで予後は変わると思うか。

3.超早期リハビリの実施にはどんな根拠が必要か。





202名にアンケートした結果、

40%の専門家は発症後24時間以内に移動訓練を始める

超早期リハビリに好意的だった。


しかし脳出血患者については慎重で

24時間以降が良いとする意見が多かった。

また、7日以降を良しとする意見はなかった。



多くの専門家が超早期リハビリは運動機能、認知機能、

抑うつ症状に良い結果をもたらすと考えていた。



19%の専門家のみが超早期リハビリについて

懐疑的だった。



超早期リハビリの適用基準については

専門家の間で広く意見の相違があった、

より確かな根拠となる研究が必要である、


というおはなし。

2011年11月21日

復職のための有効なリハビリは、これといって ない


The Effect of Vocational Rehabilitation on Return-to-Work Rates Post Stroke: A Systematic Review.
2011  10月  オーストラリア




脳卒中患者の20%は労働可能年齢である。

脳卒中患者の復職リハビリの効果について調べたそうな。



研究データベースを使って、

復職リハビリに関する信頼のおける研究成果を厳選した。



その結果、

462人の被験者を含む6件の復職リハビリの研究事例が見つかった。


その復職率は12%-49%と幅があり、


どのリハビリ法が効果的であるかについては

結論がでなかった。



復職リハビリについての規模の大きい研究が必要である、


というおはなし。


写真:お仕事

2011年11月20日

脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明


Self-evaluation of driving simulator performance afterstroke.
2011  10月  カナダ
脳卒中経験者の自動車運転に関する自己評価の精度について調べてみたそうな。


30人の脳卒中経験者と30人の健常人について、

・ドライビングシミュレータ検査

・神経心理テスト
を実施した。


事前予想、事後評価を申告させて、実際のスコアとのズレの大きさを評価し、自己認識障害の程度とした。


その結果、

脳卒中経験者はいずれの検査についても

自らの能力を著しく過大評価する傾向がみられた。




しかしながら、脳卒中経験者も健常者と同様に、事後に自身の能力を正しく評価しなおしてフィードバックできることもわかった。


この傾向は神経心理テストよりもドライビングシミュレータ検査の結果について顕著であった。


ドライビングシミュレータは脳卒中経験者の自己認識を改める良い機会になる安全な方法であることがわかった、


というおはなし。
図:脳卒中経験者の運転過信



感想:

そのとおり。


適性検査に合格して運転を再開した当初は自分の病状をナメきっていた。



崖から落ちそうになったり、駐車中の車にぶつかりそうになったりバイクに追突しそうになったりと
冷や汗ものの体験をいくつもした。

いまは反省し、もう そういうことはない。

2011年11月19日

アイパッチ療法で半側空間無視がいつの間にか改善する


Stimulating visual exploration of the neglected space in the early stage of stroke by hemifield eye-patching: a randomized controlled trial in patients with right brain damage.
2011  11月  イタリア



急性期脳卒中の半側空間無視患者への

右視野アイパッチ療法の効果を検証したそうな。



右脳損傷の脳卒中患者56人から

18人の半側空間無視患者を厳選して、


・10人には右視野アイパッチ療法

1日8時間×15日間 行った。


・8人は視野探索訓練を

1日40分間×15日間行った。




この治療の前後、及び7日後の回復具合を評価した。




その結果、

両グループで同じ程度に著しい改善がみられた。



右視野アイパッチ療法はアイパッチ眼鏡をかけて

生活するだけの簡単、人手いらずで経済的

かつ効果的な半側空間無視の治療方法である、


というおはなし。





右視野アイパッチ眼鏡(イラスト)
写真:右視野アイパッチ療法




感想:

これならおもちゃのメガネを買ってきて紙を貼るだけで作れる。



外出はお勧めできない。

2011年11月18日

血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない


Cardiovascular-emotional dampening: the relationship betweenbloodpressureand recognition of emotion.

Clemson researcher says high blood pressure may lead to missed emotional cues
2011  11月  アメリカ

血圧と共感能力との関係を調べたそうな。


アフリカ系アメリカ人106人について人の顔や文章から感情を読み取るテストを行い、

その際の血圧、末梢血管抵抗、心拍などを測定した。



その結果、

血圧や末梢血管抵抗が高くなるほど感情認識テストのスコアが低くなった。


投薬状況、心理状態、肥満程度などの要因を考慮に入れても、

感情認識テストのスコアは血圧や末梢血管抵抗が

上がるほど 低くなった。


高血圧の人は他人の感情を読み取る能力が低いため、人間関係やコミュニケーションに問題を抱える可能性が大きいことがわかった、



というおはなし。
写真:高血圧の感情受容能力


感想:

あぁ …

高血圧が原因だったのか…

2011年11月17日

脳卒中になりやすい血液型が判明!


Blood type may affect stroke risk, study finds
2011  11月  アメリカ 



脳卒中と血液型との関係を調べたそうな。


62000人の男性、28000人の女性を20年以上

追跡調査した結果、


この間に2901件の脳卒中があった。


血圧などの他の要因も考慮に入れてなお、


AB型の人はO型に比べ、男女問わず

26%ほど脳卒中になりやすい。


B型の女性も同年令のO型女性に比べ

15%ほど脳卒中になりやすい。



ということがわかった。



その仕組みについては未だ不明、


というおはなし。


感想:

わたしはB型。


是非、星座と脳卒中との関係についても調べていただきたい。

2011年11月16日

精神病患者扱いされるなんて まっぴら御免


Effect of low dose levodopa on motor outcome of different types ofstroke.
2011  10月  バングラデシュ



向精神薬のレボドパが脳卒中患者の運動機能向上に

役に立つかどうか調べたそうな。



97人の脳卒中患者について、次の2グループに分けた。


・51人は低用量のレボドパを与えるグループ

・46人はレボドパを与えないグループ





両グループには8週間の理学療法を施した。


また、脳梗塞(72%)と脳出血(28%)の患者を分けて評価した。




その結果、

運動機能を評価したリバミードモビリティ指数

(Rivermead Mobility Index)は、


・レボドパありグループで6.9

・レボドパなしグループでは3.0だった。




脳梗塞、脳出血の患者いずれもレボドパありの方が

運動機能の回復程度は大きかった。



レボドパは脳卒中リハビリに効果があるかも、


というおはなし。







感想:

じぶんの心は最後の砦。


医者といえども踏み込んで欲しくないし、


向精神薬を飲んでまで良くなりたいとも思わない。


写真:レボドパ

2011年11月15日

女性脳梗塞患者は男性よりも死亡率が高いし回復も遅い


Sex differences in risk factor distribution, severity, and outcome of ischemicstroke.
2011  11月  ポーランド



脳梗塞患者の予後の男女の違いについて調べたそうな。


1995-2007に入院した脳梗塞患者、

女性1379人(平均74歳)、男性1155人(平均69歳)について

そのリスク要因、生活習慣、発症30日後の回復具合などを調査した。



その結果、

・女性は高血圧や心臓病などの障害を持っている場合が多かった。

・女性は入院時の意識低下がしばしば。

・男性は喫煙、アルコール、心筋梗塞、一過性脳虚血発作などの経験が多かった。

・男性の頸動脈狭窄率が高かった。

・女性の前頭葉の血流障害率は高かった。

・死亡率および予後不良率は女性の方がずっと高かった。
(女性 vs 男性 それぞれ: 17% vs 13%、60% vs 46%)






女性であるという理由だけで、脳梗塞の回復不良が予想される。


女性脳梗塞患者には より集中的、長期的な治療が必要であろう、



というおはなし。

2011年11月14日

脳卒中で入院→ついでに禁煙でもするか


Smoking Cessation 1 Year Poststroke and Damage to the Insular Cortex.
2011  11月  スペイン




脳卒中での入院は禁煙する貴重なチャンスでもある。

禁煙に成功する要因について調べてみたそうな。



入院時に喫煙習慣のあった急性期脳卒中患者110人

について1年間追跡調査した。



その結果、

退院時には69.1%の患者が禁煙できていたが、

1年後には40%にまで減っていた。



110人の患者のうち

27人(24.5%)は脳の島皮質に病変があり、

その19人(70.3%)が1年後の禁煙に成功していた。



また、発症以前に禁煙を真剣に考えていた患者ほど

禁煙に成功しやすいこともわかった。



脳卒中をきっかけに禁煙に成功するひとは4割程度であり、

その成否は脳の損傷部位と事前の禁煙意志の有無に大きく左右される、



というおはなし。





島皮質の位置(赤いところ)
写真:脳の島皮質
wiki




感想:

脳卒中をきっかけにしてなにかポジティブな行動を起こそう

とするアイデアは立派。


自分も入院で数カ月間 ネットへのアクセスを絶たれたので

これでネット中毒から抜けられる… と思ったのもつかの間、


よけいにひどくなってしまった。

2011年11月13日

酒とラーメンが好きな日本人男性の脳卒中死亡率は…


Salt preference and mortality fromstrokeand coronary heart disease for Japanese men and women: The JACC study.

2011  10月  日本



日本人の食塩嗜好性と脳卒中死亡率との関連を調べたそうな。


男性35515人、女性49275人についてアンケートをとり、

食塩嗜好性について調査した。

16年あまりの追跡期間に脳卒中で1970人が死亡した。



1000人あたりの年間脳卒中死亡率は、

男性2.0人、女性1.3人だった。



食塩嗜好性と脳卒中死亡率との間には関連がみられ、

食塩好きな人とそうでもない人との間で比較すると、

脳卒中での死にやすさの指標は2割増しになった。


特に酒好きの男性でこの傾向が強かった。


また、冠動脈疾患での死亡率は

食塩嗜好性が高いほど低くなることがわかった、



というおはなし。





感想:

たしかに自分は塩辛いものが好き。


リハビリ病院退院の直前に栄養士さんから指導があって、

その間約30分、

とにかくラーメンのスープだけは飲まないように

と何度も何度も繰り返し説教されたのを思い出す。



写真:ラーメンのスープ

2011年11月12日

rTMSにボツリヌス療法と集中的作業療法を組み合わせてみた


Combined therapeutic application of botulinum toxin type A, low-frequency rTMS, and intensive occupational therapy for post-stroke spastic upper limb hemiparesis.
2011  11月  日本




磁気刺激療法(rTMS)にボツリヌス療法と集中的作業療法を

組み合わせてみたそうな。



慢性期脳卒中患者14人について


・痙縮を起こしている筋肉にボツリヌス毒素Aを注射し、





その4週間後入院させて、

・20分の低頻度rTMS治療と

・120分の集中的作業療法を




15日間にわたり合計22セッション施した。



これら治療の前と直後、退院4週間後の

上肢運動機能をいくつかの方法で評価した。





その結果、

これら治療のあとで上肢運動機能が著しく改善され、

痙縮の程度も小さくなった。

この効果は4週間後でも継続していた。



この組み合わせ治療法は有効かも知れない、


というおはなし。






感想:

磁気刺激治療で有名な病院なのに、

ボツリヌス毒素、集中的作業療法、過去にはCI療法、レボドパ...

組み合わせ過ぎだと思う。



磁気刺激治療一本で勝負できないのかね?

2011年11月11日

脳梗塞かな?って思ったら、すぐに酒を飲め


Neuroprotective Effect of Acute Ethanol Administration in a Rat With Transient Cerebral Ischemia.
2011  11月  中国



エタノールの消費が増えると脳梗塞リスクが

低下することがわかっている。


そこで、エタノールの神経保護効果を検証してみたそうな。




人為的に脳を虚血状態にしたネズミにエタノールを与えて、


・エタノールの量と回復具合

・低体温療法との組み合わせ効果

・エタノールを与える猶予時間

・tPAを組み合わせたときの脳出血リスク

・組織の低酸素状態を改善するタンパク質(HIF-1α)の量



を評価した。





その結果、

・体重1kgあたり1.5gのエタノールを与えたところ、脳梗塞の体積が小さくなった。

・脳虚血後、4時間以内にエタノールを与えると効果があった。

・低体温療法との組み合わせ効果はなかった。

・tPAとエタノールを併用しても脳出血は増えなかった。

・HIF-1αタンパク質が増加した。







エタノールを脳梗塞後4時間以内に与えると

強い神経保護作用を示すことがわかった。

また、tPAと併用しても脳出血が増えるわけでもないので、

有効な治療法の1つになるかも知れない、


というおはなし。







感想:

これ、ほんとかね?

飲酒は危険要因にしかならないと思っていた。



1.5g/kgのエタノールだから、

50kgの体重なら75cc

→ワインならグラス2杯、缶ビールなら3本に相当する。



『あれっ、脳梗塞かな?』って思ったら、

とりあえず酒を飲め、ってことと理解した。


写真:酒を飲む

2011年11月10日

脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい


Burly rugby player has a stroke after freak gym accident… wakes up gay and becomes a hairdresser
2011  11月  イギリス

脳卒中がきっかけでゲイになった人がいるそうな。


26歳のクリスバーチさんは

当時、体重120kgのラグビー選手で銀行員、

婚約者もいた。


ある日公園で友人と後ろ宙返りの練習をしていたら

首をしたたかに打ってしまい、

それが原因で脳卒中になった。


数日間意識を失い、病院で目覚めたときに

すでに違和感を感じていた。

もはや女性には関心がなくなっていた。


これまでの仕事、スポーツにも興味がなくなり

自分を美しく見せるために50kgもダイエットをした。


そしていまは、19歳のボーイフレンドを作り

銀行を辞め、ヘアデザイナーとして転身し、

現状に非常に満足している、


というおはなし。


ビフォーアフター
写真:脳卒中前写真:脳卒中後



感想:

回復過程で脳の可塑性によってホモ回路が構成されてしまったとか、まことしやかに書いてある。


ホモが遺伝子レベルの原因ではなくて、脳の器質的な変化によってもたらされるものであるのなら、そのうち rTMS治療に失敗してホモになってしまう患者がでてくるかもしれない。

2011年11月9日

発光ダイオードで植物状態患者の手が動く


Focal Increase in Cerebral Blood Flow After Treatment with Near-Infrared Light to the Forehead in a Patient in a Persistent Vegetative State.
2011  11月  日本




事故や脳卒中で脳にダメージを負った患者への

光照射療法に効果がありそうなことがわかっている。


そこでLED(発光ダイオード)ライトで脳の血流が変化するかどうか調べたそうな。




近赤外線を発する146個のLEDライトを並べたものを

植物状態の患者の前頭部から5mmほどの位置に置いて

頭蓋骨越しに、1回30分 73日間 光の照射を続けた。




その結果、

患者は自らの喉に手を延ばすことができるほどに回復した。



また、放射性同位元素を用いた脳の断層撮影を行い

脳血流の変化を調べたところ、


光照射後の左前頭葉の脳血流が20%増加していることがわかった。




LEDを使った光照射療法は脳血流を増加させ

重症の脳損傷患者の回復に役立つかも知れない

ことがわかった、


というおはなし。


写真:近赤外線LED治療






感想:

同じ経頭蓋治療の、TMStDCSの研究者に言いたい。

『そんなに効果があるのなら麻痺の軽い人ばかり相手にしていないで、

植物状態の患者にも応用してみたら?』 って。

2011年11月8日

機能的電気刺激(FES)に歩行改善効果はまったくないことが判明


Effects of the addition of functional electrical stimulation to ground level gait training with body weight support after chronicstroke.
2011  10月  ブラジル



FES(機能的電気刺激)の歩行改善効果について調べたそうな。



慢性期の脳卒中片麻痺患者12人について、


地上での体重免荷歩行訓練を、

FESなし→FESあり→FESなし

の順番で行い、


各回での歩行スピード、歩幅、歩調、

関節の動き、角度、を脚、腿、体幹等について

詳細に画像解析し、評価した。




その結果、

FESの有無によって各要素の変化はまったくなかった



というおはなし。








感想:

関連ビデオ(2分): 前半1分がFESなし、後半1分がFESあり



上のようなシーンに出会ったとき、どう解釈すれば良いのだろうか…



・適切な患者を選択し、

・ビデオ撮影の趣旨を簡単に説明しておくだけで

『~のように演技してください』

と言わなくても、


被験者自らが 自然と 気を利かせて、

期待通りに振舞ってくれるものである。



ってこと。

2011年11月7日

嚥下障害は脳梗塞の2割で起こり、多くは重症ではなく、勝手に治る


Swallowing disorders after ischemicstroke.
2011  10月  ブラジル



脳梗塞後の嚥下障害について調べたそうな。


過去の患者記録を調べて、

脳梗塞で入院が必要になった患者のうち、

以前に関連する病気で入院したことの無い者

596人を分析対象とした。



患者の特徴は、

50.5%が男性、49.5%が女性、平均年齢65.3歳、

79.4%が高血圧、36.7%が糖尿病、42.7%が喫煙、13.3%が死亡



そのうち、

・嚥下障害は19.6%に見られ、

91.5%は中程度、8.5%は重症だった。

87.1%は2年以内に勝手に治っていた。

・脳幹部の梗塞が6.8%あった。







嚥下障害は脳梗塞患者のおよそ2割に見られ、

そのほとんどは中程度の症状で、

高齢、糖尿病、脳幹部の梗塞などが危険要因と考えられた、


というおはなし。


写真:嚥下の道

2011年11月6日

fMRIとTMSでCI療法の効果を確認してみた



Functional MRI and motor behavioral changes obtained with constraint-induced movement therapy in chronic stroke.
2011  10月  オーストラリア




CI療法の効果をファンクショナルMRI(fMRI)で確認してみたそうな。


発症後3年前後の脳卒中患者11人について、

2週間のCI療法を施して、

その前後での感覚運動野の活動領域の大きさ、

脳から指先までの刺激の伝わるスピードを

それぞれfMRI、TMSを使って調べた。




結果は、

CI療法の後

ほとんどの患者で上肢の運動機能が向上した。


また、機能改善の著しい患者ほど感覚運動野の

活動領域が大きくなり(fMRI)、


脳から指先まで刺激の伝わる時間が短くなった(TMS)。



これらの結果は慢性期脳卒中患者の

運動機能回復の仕組みと関連があるに違いない、


というおはなし。






感想:

CI療法のみを行なっている点がすこしズルいと思った。


もし、比較のために通常のリハビリグループを用意したら、

きっと同じ結果が出ると思うんだよね。






CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。


その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測することができるという非常に高い安定性を誇っている。



2011年11月5日

大気汚染と脳梗塞、脳出血との関連は…


Outdoor Air Pollution and Incidence of Ischemic and Hemorrhagic Stroke: A Small-Area Level Ecological Study.
2011  11月  イギリス



大気汚染と脳卒中との関連を調べたそうな。



南ロンドン市街を20mごとの区画に分けて

大気汚染の程度として、

二酸化窒素と10μm以下の粒子物質の濃度を調べ、

住人の脳卒中発生件数、年齢層との関連を解析した。




1995-2004に、住人267839人中、

1832件の脳梗塞、384件の脳出血があった。





解析の結果、


大気汚染で、65-79歳の脳梗塞が若干増加したものの、

明確な関連は見られなかった。


また、脳出血の増加を示すデータはまったくなかった、


というおはなし。



写真:大気汚染

2011年11月4日

音楽療法が脳卒中後の抑うつ気分を改善する


Effects of music therapy on mood instrokepatients.
2011  11月  韓国


脳卒中患者の抑うつ気分の改善に

音楽療法が役立つかどうか、調べたそうな。



発症から6ヶ月以内の18人の脳卒中患者について、

9人ずつ、

・音楽療法グループ

・比較グループ 


に分けて、


音楽療法グループには通常のリハビリに加えて、

1回40分のセッションを

週に2回のペースで4週間、計8回行った。


比較グループには通常のリハビリのみだった。


音楽療法セッションでは、

歌ったり、楽器を演奏したり、音楽を聴く

などを行った。



この前後での患者の気分をアンケート調査し、

定量化して比較したところ、


音楽療法グループで統計学的に有意に

抑うつ気分の改善が見られた。




音楽療法は薬とは異なり副作用もなく、

脳卒中患者の不安や抑うつ気分を改善

することができることがわかった、


というおはなし。





感想:

こんな音楽療法はイヤだ
写真:音楽療法


2011年11月3日

ニューヨークの子供らに大人気、"ヒップホップ脳卒中" とは


Child-Mediated Stroke Communication: Findings From Hip Hop Stroke.
2011  10月  アメリカ




急性期脳梗塞の血栓溶解治療の実施率があまりにも低いのは

人々が脳卒中の初期症状についてよく理解していないため

救急車を呼ぶのが遅れてしまうことが原因と考えられる。



そこで、子供を使ってその両親に脳卒中教育をほどこすことが

できるかどうか、調べてみたそうな。



脳卒中の症状をヒップホップ音楽にのってラップするイベントを企画し、

小学校で9-12歳の子供182人を対象に集団で練習させた。





その前と後で 彼らの両親にアンケートをとり、

脳卒中の症状関する知識レベルを検証した。




分析の結果、 多少の知識の改善が見られた。




子供を巻き込んだヒップホップ脳卒中プログラムは

両親の脳卒中知識の啓蒙に役立つかもしれない、


というおはなし。




これが噂の↓ヒップホップ脳卒中






感想:

FASTキャンペ-ンがあまりにも不振だったので作戦を変えた、ということと理解。

2011年11月2日

脳卒中後の視野欠損対策は研究途上


Interventions for visual field defects in patients with stroke.
2011  10月  イギリス




脳卒中後の視野欠損は20-57%の患者に見られる。

視野欠損があると自立の妨げになる。



視野欠損対策について調べてみたそうな。




世界中の論文データベースを検索して信頼の置けそうな

研究成果を厳選した。



その結果、

13件の研究が見つかった。

それらの多くは視野欠損を補うための

探索訓練に関するもので、

その評価については まちまちで結論は出せなかった。




脳卒中後の視野欠損については

充分な根拠のある対策法は存在しない、


というおはなし。






感想:

これ、ちょっとちがうけど期待しちゃう。


2011年11月1日

脳卒中後の眼球運動障害はよくあること


Interventions for disorders of eye movement in patients with stroke.
2011  10月  イギリス



眼球運動障害は脳卒中患者のおよそ70%に見られる。

この障害により眼球の位置が定まらず、適切に物を見ることができなくなる。

例えば、物の奥行きや位置感覚が鈍り、本を読んだり細かい作業がしにくくなる。

その結果、リハビリにも良くない影響が出てくる。



脳卒中後の眼球運動障害の治療法についての過去の研究を

洗い出してみたそうな。



その結果、

参考になりそうな研究成果が2件、見つかった。

しかしこれらは薬を使った治療法の研究で、

しかも脳卒中被験者数が5人しかいなかった。




脳卒中後の眼球運動障害の治療法として

有効そうな方法はみつからなかった、

今後の研究が期待される、


といったおはなし。







感想:

自分や他人の経験に照らしてみて、


脳卒中のあとの視力低下や複視などの問題について

お医者さんに相談しても 軽くスルーされる。


治してくれるとは期待していないけど、

話しても相槌すら打ってもらえないのは 寂しい限り。


写真:眼球運動と脳

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