2012年6月30日

空気の悪い日に脳梗塞になりやすい人の特徴


Short-term effects of ambient air pollution on stroke: Who is most vulnerable?
2012  5月  カナダ




大気汚染と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


5927人の救急カルテから脳卒中患者を抽出した。


二酸化窒素、浮遊物質、一酸化酸素、オゾン、二酸化硫黄

の各濃度および湿度、気温と 患者データとの関連を解析した。





次のことがわかった。

・4-9月の暖かい季節には脳梗塞と大気汚染との関連が見られた。

・特に二酸化窒素濃度の上昇と強い関連があった。

・この傾向は、脳卒中、心臓病、糖尿病の既往歴があると より顕著になった。

脳出血、TIAと大気汚染との関連は見られなかった。






病気がちの人は

暑くて空気の悪い日は脳梗塞に注意しましょう


というおはなし。

2012年6月29日

脳卒中後の不安、ウツ はかなりしつこい


Anxiety and depression after stroke: a 5 year follow-up.
2012  6月  イギリス



脳卒中から5年後に不安ウツがどのくらいあるのか調べてみたそうな。



複数の施設の脳卒中患者220人について、

発症から2,4,6ヶ月、5年後の時点で

不安、ウツの程度を計測した。




次のような結果になった。

・5年後、不安29%ウツ33% だった。

・6ヶ月から5年後にかけて不安、ウツが重症化していた。

6ヶ月の時点で不安、ウツの患者は、5年後も同様であることが多かった。







脳卒中後の不安やウツは珍しいことではなく、

発症後6ヶ月時点での状態が

5年後にも大きく影響していることがわかった



というおはなし。





感想:

似たような話があったのを思い出した。

憂うつはつづくーよ どーこま で も



2012年6月28日

脳梗塞を治す経絡秘孔が判明


Electroacupuncture enhances motor recovery performance with brain-derived neurotrophic factor expression in rats with cerebral infarction.
2012  6月  韓国




神経細胞の生存・成長・シナプスの機能亢進などを司る

脳由来神経栄養因子BDNF)は、脳梗塞からの回復に

重要な役割を果たしているという。



電気鍼がBDNFの増加と機能回復に

関わっているかどうか 調べてみたそうな。




人為的に脳梗塞にしたネズミ12匹について、

一部のネズミのツボ:百会(GV20)に電気鍼治療を施し、

機能回復とBDNFおよびその受容体の検出を試みた。





結果は次のようになった。

・電気鍼治療をおこなったネズミの運動機能の回復がみられた。

・同時に梗塞側の脳半球にBDNFおよびその受容体が多く検出された。





ツボ百会への電気鍼刺激は脳梗塞ネズミの運動機能回復と

脳由来神経栄養因子の増加をもたらすことがわかった



というおはなし。



百会

経絡秘孔というのは本当にあるのでしょうか?(by ヤフー知恵袋)



2012年6月27日

バーチャルロボットスーツ アメオスプリングで上肢リハビリ


Efficacy of Armeo(®)Spring during the chronic phase of stroke. Study in mild to moderate hemiparesis cases.
2012  6月  スペイン



上肢リハビリテーション用 外骨格ロボット、

アメオスプリングArmeo Spring)の有効性を検証してみたそうな。



慢性期脳卒中患者23人について

36時間のアメオスプリングを使った上肢トレーニングを行った。


トレーニング前後と4ヶ月後の状態を評価した。




その結果、

患者には害もなく、とにかくすっごく回復した。




アメオスプリングは慢性期片麻痺の

上肢トレーニングに適していることがわかった、


というおはなし。




これがアメオスプリング  (動画)


2012年6月26日

ビタミンBサプリメントは脳卒中を予防するか?


Meta-analysis of B vitamin supplementation on plasma homocysteine, cardiovascular and all-cause mortality.
2012  5月  中国




ビタミンBサプリメントの心血管系疾患の予防効果

について過去の研究を総ざらいしてみたそうな。



研究データベースから信頼性の高い論文を

2人の専門家が厳選し、それらを解析した。




次のことがわかった。


・19件の研究から総計47921人の患者データがみつかった。

ビタミンBサプリメントにより脳卒中リスクが大きく下がった。

・冠動脈疾患、心筋梗塞、総死亡率などにはまったく影響がなかった。

・すべての研究で血中ホモシステインレベルの低下があった。






ビタミンBサプリメントには脳卒中の著しい予防効果があり、

他の心血管系疾患には影響はなかった



というおはなし。






感想:

ホモシステインって何ですか?(by Yahoo知恵袋)

2012年6月25日

脳卒中経験者がうつをこじらせる要因について


Predictors of Depressive Symptoms Among Community-Dwelling Stroke Survivors.
2012  6月  アメリカ



脳卒中経験者の25-70%がうつになるという。

慢性期脳卒中経験者がうつをこじらせる要因を調べてみたそうな。



平均年齢70歳、発症後3年前後の脳卒中経験者100人

についていろいろ調べたところ、次のことがわかった。



35%うつと診断された。

・79%が大学教育を受けていて、収入も高かった。

低い生活の質(QOL)と社会サポートの少なさが、

 顕著にうつをこじらせる要因だった。




というおはなし。







感想:

QOL:クオリティ・オブ・ライフって漠然としすぎていて

よくわからなかったけど、


この場合は、

後遺症との付き合い方がうまくいっているかどうか

って感じのことと理解した。

2012年6月24日

動物実験からみるCIセラピーの未来


Exploring the Efficacy of Constraint in Animal Models of Stroke: Meta-analysis and Systematic Review of the Current Evidence.
2012  6月  オーストラリア



脳卒中患者の麻痺側を強制使用させるCIセラピー

有効である、とする人々がいる。



そこで、動物を使った過去の実験結果を見直して

CIセラピーの今後の可能性を探ってみたそうな。




研究データベースから信頼性の高い論文を厳選し、

動物への強制使用療法の有効性を解析した。




その結果、

強制使用療法によって神経行動学的なスコアが悪化していた。

・梗塞の大きさには影響がなかった。

・認知機能の改善を示す小規模な実験があった。






過去の動物実験を見る限り、

CIセラピーで言われているような有効性はまったくみられなかった。


おそらく、この種の強制使用療法は

人には役に立たないのではないか…



というおはなし。






感想:

CIセラピーの本当にスゴイところは、

既に指を開くことのできる麻痺の軽い患者のみを訓練対象にすることを、

人々になんとなく納得させてしまった点にある と考える。



この患者選別テクニックを応用すると

どんな治療法であっても必ず成果を上げることができるので、

いまや各所で利用されている。



実際、さきの(6日)のためしてガッテンで、

『磁気刺激治療を受ける条件は、

手の指最低3本以上を曲げ伸ばしできることです。』

という 女性司会者のコメントの意味に気づいた人が

いったいどれだけ居ただろう。

2012年6月23日

磁気刺激治療20年間のまとめ


Effects of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Motor Functions in Patients With Stroke: A Meta-Analysis.
2012  6月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激rTMS)を使った脳卒中患者の

上肢麻痺治療効果について過去の研究をまとめてみたそうな。



研究データベースから1990-2011の関連する論文を厳選抽出、

解析して、rTMS治療の効果を検証した。





次のことがわかった。

・主に運動機能の改善に効果があった。

・皮質下梗塞のケースで効果があった。

・低頻度rTMSのほうが高頻度rTMSより効果的である。

・副作用はほとんどなかった。

・最近では間欠的シータバースト刺激がより効果的とされている。





磁気刺激治療にはもっともっと研究が必要だ、


というおはなし。

2012年6月22日

年に たった1度の二日酔いで、脳卒中リスクが …


Hangover and the risk of stroke in middle-aged men.
2012  6月  フィンランド




二日酔いと脳卒中との関連を調べたそうな。



2466人の男性を16年間追跡調査した。


この間に206人が脳卒中になり、

そのうち167人は脳梗塞だった。




解析の結果、

1年に1回以上二日酔いを経験した者は

まったくなかった者に比べて、

脳卒中のリスクが2~3倍だった。




年に1度の二日酔いが脳卒中を招くことがわかった

というおはなし。


二日酔い
女性の二日酔いについては不明




感想:

アルコールが怖いので、最近はノンアルコールビールがお気に入り。


いろいろな種類を試したけど、アサヒドライゼロがダントツでうまい。

2012年6月21日

微小脳出血が起きやすい身長体重が判明


Severe underweight and cerebral microbleeds.
2012  6月  日本



ボディマス指数(BMI)と微小脳出血との関連を調べてみたそうな。


40歳以上の男女384人について脳全体をMRI検査して

微小脳出血の個数を数え、

BMI(体重kg/身長m/身長m)との関連を解析した結果、



年齢、喫煙習慣、他の疾患を考慮に入れてなお、

BMIが17.0(kg/m2)未満の重症低体重者には

微小脳出血が極端に多いことがわかった



というおはなし。




感想:

自分のBMIがいつも19程度なので、興味がある。

生まれつきの体質で、体重を増やしたいけど太れない。

2012年6月20日

加糖飲料と脳卒中との関連について


Consumption of sugar-sweetened beverages in relation to stroke: a case-control study.
2012  6月  イラン




加糖飲料と脳卒中との関連を調べたそうな。


イランのある大学病院に入院した患者について

発症前の食事調査の結果から日常の加糖飲料の摂取量を推定した。




次のことがわかった。

・脳卒中患者とそれ以外の患者とで加糖飲料の摂取量に違いはなかった。

・他の要因を考慮に入れても脳卒中と加糖飲料の日常摂取量との間に関連は見られなかった。






加糖飲料では脳卒中になりそうもないことがわかった

というおはなし。





感想:

糖分を気にしすぎてうっかりダイエットコーラにしたりすると

却って危ないのかもしれない。

・ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

・毎日のダイエットコーラでカロリーオフ! → 脳卒中で入院



2012年6月19日

片麻痺は一生懸命歩いても遅い  なぜなのか


The reasons why stroke patients expend so much energy to walk slowly.
2012  5月  ベルギー




脳卒中片麻痺患者の歩行距離当たりの

エネルギー消費量が高いことは知られている。


その理由を調べてみたそうな。




20人の脳卒中片麻痺患者について

トレッドミルを用いてその速度を変えながら

歩行中の力学的動作を解析した。




次のことがわかった。


・片麻痺患者の歩行中のエネルギー消費量は健常人の1.7倍だった。


・特に、最大歩行スピードの遅い患者は力学的仕事量が大きく、

 エネルギー消費量も多かった。


・健常脚で身体を支えているときに体重心を引き上げようとする

 動作がエネルギー消費量の増加につながっていた。








全力で歩いても遅い片麻痺患者は

要らぬ動作のためにやたらエネルギーを消費していることがわかった



というおはなし。

2012年6月18日

脳卒中後の疲労を "甘え"と思わないで欲しい


Frequency and natural history of fatigue after stroke: A systematic review of longitudinal studies.
2012  7月  イギリス



脳卒中後の疲労
について過去の研究を調べ直したそうな。



医学データベースから関連する研究論文101件を抽出して、

さらに9件を厳選し 分析した。




次のことがわかった。

・脳卒中後の疲労は3-9割の患者で見られた。

・時が経つにつれて疲労が減るとする論文が7件、増えるとする論文が2件あった。

・3件の論文が疲労が気分的なものであるとしていた。

・うつが疲労をもたらすとする論文もあった。





脳卒中後の疲労は珍しいことではなくて、

発症初期から長く続くものもある。

心理的な関連は未だよくわかっていない



というおはなし。





感想:

これは未だに悩んでいる問題でもある。


ほんとうに疲れやすい。


筋肉ではなく、頭の中が疲れる。


(きっと以前も同じ事を書いているハズ。)


この感覚は経験者でないと理解してもらえないと思う。



脳に乳酸がたまるような感じで

あたまの中の歯車が動かなくなる。


2012年6月17日

評判が良いので超早期リハビリをやってみたら... 死者続出


Outcome After Mobilization Within 24 Hours of Acute Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2012  6月  ノルウェー



超早期リハビリの評判が良いので実際に試してみたそうな。



発症後24時間以内の脳卒中患者56人について、

・入院から24時間以内に移動訓練を始める27人(超早期リハビリグループ

・入院から24-48時間経ってから移動訓練を始める29人(比較グループ)

の2グループに分けて、

その後の回復の程度、死亡率などを比較した。




次のような結果になった。


・超早期リハビリグループでは回復が思わしくなく、死亡率も高かった。

・比較グループの回復はまあまあだった。






入院後24時間以内に移動訓練を始める超早期リハビリを試したらヒドイ目に遭った。


超早期リハビリってほんとうに良いの?



というおはなし。


超早期リハビリ
『さあおばあちゃん、起き上がって』
『も お す こ し  ゆっくりさせておくれよぉぉぉ...』

2012年6月16日

脳出血が増える季節 それは...


Ambient temperature and spontaneous intracerebral haemorrhage: a cross-sectional analysis in Tainan, Taiwan.
2012  6月  台湾




気温と脳出血との関連について調べたそうな。


933人の脳出血患者について、

発症時の気温ごとに分類し、

その関連を解析した。


次のことがわかった。

・脳出血は冬に多かった。

・気温の変動が激しいときに起きた。





冬はしっかり暖房しましょう

というおはなし。




気温、季節と脳出血
気温、気温変動と脳出血件数

2012年6月15日

片麻痺で骨密度が低下、腕か 脚か


Bone Loss in Chronic Hemiplegia: A Longitudinal Cohort Study.
2012  6月  ブラジル



脳卒中片麻痺患者の骨密度の変化について調べたそうな。



発症後1年以上経過した慢性期脳卒中患者57人について

骨密度等の体組成調査を期間をあけて何度か行った。




次のことがわかった。

・麻痺のあるの骨密度が著しく低かった。

・大腿骨は麻痺側、健常側で骨密度の大きな違いはなかった。

・血液凝固阻止剤、抗てんかん薬を使っている患者の

大腿の骨密度は著しく低く、これは発症時期に依らなかった。






脳卒中患者の骨密度は減る傾向にあり、

特に脚よりも腕で顕著であることがわかった



というおはなし。

2012年6月14日

勃起不全(ED)になる脳卒中経験者たち...


Erectile dysfonction after stroke in Brazzaville.
2012  6月  コンゴ

脳卒中後の勃起不全(ED)について調べてみたそうな。


脳卒中経験のある外来患者104人について

調査したところ、次のことがわかった。


52%が脳卒中後に勃起不全を経験し、その平均年齢は56歳だった。

・脳卒中後、平均5ヶ月で勃起不全になった。

・そのうち70%の勃起不全は続いている。

・勃起不全と高コレステロール血症がよく相関していた。

61%の勃起不全は さほど重症ではなかった。



脳卒中後の勃起不全は珍しくなく、

高コレステロールがリスク要因であることがわかった



というおはなし。

図:脳卒中後の勃起不全の程度分布

感想:

勃起不全(wikipedia)をみると、50代後半のEDは47%とある。

この調査結果はそう驚くことではなさそう。

2012年6月13日

脳卒中後 5年以内に亡くなる人とその特徴


Five-year mortality and related prognostic factors after inpatient stroke rehabilitation: A European multi-centre study.
2012  6月  南アフリカ



脳卒中後5年以内の死亡率と、関連する要因を調べたそうな。



脳卒中でリハビリ入院中の532人の患者について、

・入院時の医療記録、

・6ヶ月後の自立度測定結果、

と5年間の追跡調査の結果との関連を解析した。




その結果、

・5年間に29%の患者が死亡した。

・死亡率が高くなる要因は年齢、認知障害、糖尿病などだった。

・高脂血症である、または6ヶ月後に自立度の高い患者は死亡率が低かった。

・6ヶ月後の自立度が低い患者の2人に1人は死亡していた。






脳卒中後5年間で、約1/3の患者が死亡した。

発症後6ヶ月時点での自立度が、死亡率と関連が強かった。



頑張ってリハビリさせて自立を促しましょう、


というおはなし。

2012年6月12日

リスク4倍! 睡眠不足で脳卒中


Lack of sleep increases stroke risk

Not Enough Sleep Could Increase Stroke

2012  6月  アメリカ


今週月曜日にボストンの国際睡眠学会で発表された研究内容。





睡眠時間と脳卒中との関連を調べたそうな。



中高年5666人の睡眠時間と脳卒中症状の有無について

3年間追跡調査した結果を解析したところ、



・睡眠時間が6時間未満の人は、7-8時間の人に比べ、

 脳卒中リスクが4倍になることがわかった。




・この関連は睡眠時無呼吸症になりやすい肥満の人ではなく、

 標準体重の人々で確認された






睡眠不足は脳卒中のもとであり、自慢にはならない。

とにかく充分に睡眠をとりなさい



というおはなし。





睡眠不足

2012年6月11日

脳卒中後うつの割合とその種類


Time Course of Depression and One-Year Prognosis of Patients with Stroke in Mainland China.
2012  6月  中国




脳卒中後うつの起こりやすさを調査してみたそうな。


56の施設の2008-2010の脳卒中患者について、

発症後1年間に4回面談してうつの検査をした。

うつのタイプを、

・持続性うつ

・再発うつ

・一過性うつ

に分類した。




調査、解析の結果、

・脳卒中発症後1年内にうつになった患者は42%いた。

・持続性うつがいちばん多かった。

・年齢、病歴、障害、うつ、が予後に関連する主な要因だった。





脳卒中の予後の良し悪しは持続性のうつに

おおきく影響されることがわかった



というおはなし。

2012年6月10日

岩手県大迫町に血圧計を配って脳卒中調査してみた


Home Blood Pressure Level, Blood Pressure Variability, Smoking, and Stroke Risk in Japanese Men: The Ohasama Study.
2012  6月  日本




血圧と喫煙習慣の調査が脳卒中予防に役立つかどうか調べてみたそうな。



岩手県 大迫(おおはさま)町の平均年齢59歳の男性902人について

・4週間、毎朝、家庭用血圧計で血圧測定させた。

・アンケートで喫煙習慣の有無を調べた。

・脳卒中の有無を13年間追跡し、それらの関連を解析した。




結果は、

・この間に、89件の脳梗塞、28件の脳出血、6件のその他脳卒中が起きた。

・収縮期血圧の変動程度と脳梗塞との間に関連が見られた。

・この関連は喫煙習慣の有無を考慮するとより明らかになった。

・喫煙と脳出血との間には関連は見られなかった。






喫煙と血圧、脳梗塞との間には強い関連が見られた。

脳卒中予防のために禁煙を よりいっそう推進しましょう



というおはなし。


大迫町

2012年6月9日

鍼治療は脳卒中に効くのか?


Acupuncture for stroke: evidence of effectiveness, safety, and cost from systematic reviews.
2012  6月  中国




脳卒中患者への鍼治療の効果、コスト、安全性について調べてみたそうな。



中国独自の研究データベースを含む世界中の研究論文

を検索して、関連する資料を2人の専門家が検証した。



次のことがわかった。

・鍼治療の脳卒中への効果には未だ賛否がある。

・もっとも信頼性のある研究では明らかな効果は確認できなかった。

・経済性に関する研究例は見つからなかった。

・概ね安全であることは確からしかった。





鍼治療の脳卒中患者への効果は未だ明らかではない。

より質が高い、規模の大きな研究が期待される



というおはなし。



写真:鍼治療と脳卒中
安全...

2012年6月8日

60人の脳内出血患者の脳に骨髄幹細胞を移植してみた


Autologous bone marrow mononuclear cell implantation for intracerebral hemorrhage-A prospectiveclinicalobservation.
2012  5月  中国



脳内出血患者への骨髄幹細胞移植の効果を検証してみたそうな。



100人の脳内出血患者を

・実験グループ(60人

・比較グループ(40人)

に分けて、実験グループの患者には、発症6日ほどの後、

自らの骨髄細胞を脳内出血の周辺組織に注入した。


6ヶ月後に改善程度を評価した。



その結果、

・アレルギー反応や副作用は見られなかった。

・実験グループではNIHSSおよびバーセルインデックス共に良いスコアを得た。

・改善した者の割合は、実験グループで87%、比較グループで43%だった。





脳内出血患者への骨髄幹細胞移植によって、

患者の神経症状と身体機能が改善した。

この治療法には希望が持てそうである



というおはなし。

2012年6月7日

【感想】NHK ためしてガッテン 脳卒中リハビリ夢の最前線

NHK ためしてガッテン
つかむ!歩く!脳卒中リハビリ夢の最前線
2012年06月06日 (水曜) 午後8時 ~ 8時43分



これ、録画して観た。


ボツリヌス療法がメインで、ついでに磁気刺激治療が紹介された。


煽(あお)り映像満載の大ぼら話かと思っていたら

意外と堅実で冷静な内容だった。


昨年のNHKスペシャルとはかなり違う。


さすがはガッテン、人気レギュラー番組だけあって洗練されている。




ボツリヌス療法の

反射→痙縮→ボツリヌス毒素

の説明はわかりやすく、勉強になった。

解説していた徳島大学の医師も 穏やかで感じのよい人だった。




磁気刺激についてはほんの5分間程度の紹介だった。


この時間配分の差は そのまま

これら両治療法の信頼度の差である、

と感じられた。


さすがはガッテン、よくわかっている。




そしてお約束の "治療前後での患者感激映像" のインパクトも

ボツリヌスと磁気刺激とでは全然ちがった。


ボツリヌス療法が対象とした患者は、

ほんとうに状態のわるい重症麻痺患者に見えた。


一方、磁気刺激治療の患者は、最初から指を開くことができていて、

治療後も一体どこが良くなったのか わからなかった。



ここにボツリヌス療法と磁気刺激治療のの違いを見た気がした。




でも個人的には、ボツリヌス療法は面白くもなんともないので、

磁気刺激関係の方々に頑張ってもらいたいと思っている。



写真:ためしてガッテン

2012年6月6日

新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか


Intermittent theta burst stimulation over ipsilesional primary motor cortex of subacute ischemic stroke patients: A pilot study.
2012  5月  台湾



脳卒中リハビリに役立つ新しい磁気刺激方法を開発したので早速患者に試してみたそうな。


12人の脳梗塞患者を6人ずつ、

・磁気刺激グループ

の刺激グループ

に分けて10日間治療を行った。

並行して通常のリハビリも行った。


新しい磁気刺激は、

間欠的シータバーストiTBS :intermittent theta burst stimulation)

という方法を採用し、

合計で1200個のパルス刺激をダメージを負った脳の運動野に与えた。(iTBS1200




この効果を、

治療直後と60日後に6つの評価方法と

脳磁図検査で検証した。




その結果、

・この磁気刺激治療は発作や悪影響なしに完了した。

・2つの評価基準で偽刺激グループに比べ改善が確認できた。

・他の4つの評価基準では両グループで違いはなかった。

・脳磁図検査では運動に関連した脳の働きの増加が、治療直後に確認できた。




このあたらしい磁気刺激方法は

脳卒中リハビリにさらなる革命をもたらすかもしれない



というおはなし。





感想:

最近は磁気刺激というとrTMSよりもTBS(シータバースト刺激)のほうがよくでてくる…気がする。


調べてみると、シータバースト刺激(TBS)ってこんな感じで、




この図では、各パルスは細かい4つの子パルスの束からできている。


この一連のパルス(シータバースト)を5Hzで2秒間(=40発)与えて、

20秒ほど間を開けて(間欠)


また繰り返す・・・・・・


と、11分で1200発打ち終える。



TBSがいままでのrTMSと異なる点は、

1パルスを構成する子パルスの数が増えているところにある、と考える。


いっぱいパルスを当てることができるので、

rTMSよりも長い持続効果が期待されている。



一方、パルス数が増えた分、安全性の観点から

磁気強度を大幅に下げることになると思う。


そのため、被験者がその最中に磁気刺激を受けていることが

まったくわからないほどに刺激が弱いかもしれない。




いままでのTMSは電気ショック療法の延長だったけど、

TBSは 少し お上品な刺激法である、


と 勝手に推測してみた。

2012年6月5日

ナント 脳卒中患者の8割が言語障害を経験する


Incidence and types of speech disorders in stroke patients.
2011  12月  ボスニアヘルツェゴビナ




急性期脳卒中患者の言語障害の種類とその割合について調べたそうな。



2007-2008、ある病院に入院した脳卒中患者936人について調べたところ、

・771人(82%)が言語障害だった。

・この内訳は、540人(70%)が構音障害、231人(30%)が失語症だった。


・入院中、51人が死亡した。特に、言語障害患者の死亡率が高かった。




退院時、残った885人の患者のうち


・671人(76%)が言語障害だった。

・その内訳は、468人(70%)が構音障害、203人(30%)が失語症だった。

・失語症の種類は、全失語>運動性失語>名詞失語 の順に多かった。






入院患者の約8割が言語障害だった。

構音障害が最も多く、

失語症では、全失語の割合が高かった。


脳卒中患者の多くには早急な言語リハビリが必要であろう



というおはなし。






感想:

実は、構音障害と失語症の違いをよく知らなかった。

「構音障害と失語の違い」
(by Yahoo知恵袋)

2012年6月4日

超早期リハビリはどんなふうに良いのか


Very early-initiated physical rehabilitation protects against ischemic brain injury.
2012  6月  中国




近年、脳卒中発症後24時間以内に運動を開始させる超早期リハビリの有効性が示されている。


この効果と仕組みを詳しく調べてみたそうな。


人為的に脳の血液の巡りを悪くしたネズミを、


・24時間後に運動開始グループ

・ずーっと運動させないグループ

にわけた。


運動グループは、トレッドミルを14日間継続した。



その結果、運動グループでは、

・様々な行動機能テストで著しい改善を示した。

また、

・脳梗塞の体積、

・浮腫の程度、

・脳血液関門のダメージ、

・炎症反応、  が大きく減少した




超早期リハビリによる様々な神経保護効果が示された



というおはなし。

2012年6月3日

両手運動リハビリが優れている理由を東大の天才科学者が解明


Recovery in Stroke Rehabilitation through the Rotation of Preferred Directions Induced by Bimanual Movements: A Computational Study.
2012  5月  日本



脳卒中リハビリは片手運動よりも両手運動の方がより効果的である。


その仕組みの解明に挑戦してみたそうな。




計算モデルを作ってシミュレートしたところ、

ダメージを負った脳の運動野ニューロンの働きの

最適方向が両手運動により回転することがわかった。


これは両半球間の抑制バランスの再編につながる。


そのためリハビリが捗(はかど)るのである、


といったおはなし。

両手運動リハビリ最適方向




感想:

難しくて よくわからないけれども、

"学習された不使用理論" と同じくらい面白そうに感じた。

2012年6月2日

子供の脳卒中、傾向と死亡率


Temporal trends in incidence and long-term case fatality of stroke among children from 1994 to 2007.
2012  5月  アメリカ




子供の脳卒中の傾向について調べたそうな。


1994-2007の患者データベースを解析した。



結果は、

・この14年間に715人の子供が脳卒中で入院した。

・脳卒中発生件数は94年以降減少し、2000年から再び増加傾向にある。

発症後30日、1年、5年の死亡率はそれぞれ、12.3%15.7%17.5%だった。

・脳出血の場合、脳梗塞に比べ生存率が非常に低かった。







子供の脳卒中は一旦減少したものの、現在は増加傾向にある。

脳出血の死亡率は脳梗塞の2倍で、

死亡者の7割は1ヶ月以内に亡くなる。

さらに5%の子供が続く5年以内に死亡することがわかった



というおはなし。


肥満少女

2012年6月1日

足が痙縮… そうだトウスプレッダーを着けてみよう


The effects of toe spreader in people with overactive toe flexors poststroke: a randomized controlled pilot study.
2012  5月  シンガポール




トウスプレッダー(足の指を拡げる装具)

の脳卒中歩行リハビリ効果を調べたそうな。



発症後6ヶ月以上経過して足に痙縮のある

歩行可能な脳卒中患者9人について、


トウスプレッダー(toe spreader)を着けた場合、

・着けない場合


とで、歩行スピード、バランス、痛み、歩数などを調べた。




結果は、


・トウスプレッダーの有無で歩行速度、歩幅、活動レベルに違いはなかった。

・皆、トウスプレッダーを着けることを嫌がった。






トウスプレッダーには期待したような効果は無いことがわかった、


というおはなし。



トウスプレッダー
トウスプレッダー

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