2012年12月31日

ボツリヌス毒素を脳に直接打ち込む計画が着々と進行中


Intracerebrally Applied Botulinum Neurotoxin in Experimental Neuroscience.
2012  10月  ドイツ



ボツリヌス毒素は神経筋疾患や美容目的で広く利用されている。


ボツリヌス毒素はシナプス間の伝達物質の放出をブロックすることができるので

現在、新たな応用として

ボツリヌス毒素を中枢神経系へ直接注入する方法が検討されている。



すでにネズミの脊髄や神経核、大脳辺縁系と皮質神経回路への

ボツリヌス毒素の影響が研究されている。



これら動物実験の結果から

疼痛、癲癇、脳卒中、パーキンソン病への応用が期待されている、


というおはなし。





感想:

2013年のあたらしいトレンドはコレにちがいない。


頭に針を突き立ててボトックスを注入、

脳が麻痺して全ての悩みから解放される。

2012年12月30日

健康なほうの脳を磁気刺激したら、麻痺した手が動き出した


Low frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to the non-lesioned hemisphere improves paretic arm reach-to-grasp performance after chronic stroke.
2012  12月  タイ



rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療の

上肢麻痺改善効果を検証してみたそうな。



発症5年前後で上肢麻痺のある

9人の脳卒中経験者について、

健常側の脳に1ヘルツのrTMSを20分間与えたあとの

手の動き、運動誘発電位等を調べた。

また、比較のための偽刺激の際には、

本刺激と同様の音を発生させるようにした。




次のようになった。


・磁気刺激後、麻痺していない方の指筋肉への運動誘発電位が大きく下がった。

・麻痺手の動作速度、動作範囲が大きくなり、正確さも増した。

・偽刺激ではこのような変化はなかった。

・非麻痺手の運動を抑制することと麻痺手の動作向上との間に相互関連が見られた。





健常側の脳を抑制するrTMSが

麻痺手の運動機能を改善することがわかった



というおはなし。





感想:

最近、rTMS関連の研究を目にする機会が減った気がする。

あらたな進展が無く、途上国にブームが移りつつある感。

2012年12月29日

脳卒中で外国語様アクセント症候群になり一躍世界から注目される爺さん


Englishman wakes up from stroke speaking fluent Welsh
2012  12月  イギリス



脳卒中がきっかけで突然別の言語をしゃべるようになった爺さんがいるそうな。


イギリスの81歳の爺さんが、脳卒中で3週間昏睡したあと

英語をすっぱりと忘れて、ウェールズ語をしゃべるようになった。



彼は第二次世界大戦中にウェールズに疎開していたことがあるものの、

ウェールズ語を勉強したことはなかった。



お医者さん曰く、

これは失語症の一種で外国語様アクセント症候群である、

とのこと。



現在は再び英語を話せるように訓練中、


というおはなし。



その爺さんへのインタビュービデオ




感想:

外国語様アクセント症候群はときどき記事になる。

脳卒中のあとでいきなり関西弁になってたらオレは泣く (;_:)

歯医者にかかったばかりに大阪弁になったらオレは泣く (;_:)



本人がでてくるのは珍しいんじゃないかな。

2012年12月28日

コーヒーを4カップ以上飲むと脳卒中予防になる!


Coffee Consumption and Stroke Risk: A Meta-analysis of Epidemiologic Studies.
2012  11月  韓国

コーヒーと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


世界の研究データベースから

2001-2011の関連する論文を抽出し、

データを統合、再解析した。



次のようになった。

・9件の研究を厳選した。

・コーヒーを多く摂る人はほとんど摂らない人に比べ脳卒中リスクが17%減だった。

・その傾向は女性や脳梗塞について大きかった。

・特に、1日に4カップ以上飲む場合に顕著だった。





コーヒーを1日に4カップ以上飲むと

脳卒中予防効果が得られることがわかった



というおはなし。


写真:コーヒー飲みましょう

感想:

コーヒー関連の過去記事↓を思い出した。
コーヒーをたまに飲むと脳卒中になりやすい

久しぶりにコーヒーでも飲んで頑張っちゃおうかな →脳卒中で救急車

1日一杯のコーヒーが脳梗塞を防ぐ. 但し、女性限定.


2012年12月27日

脳梗塞でもないのにrt-PA治療されてしまうことがたまにある


Exclusion Criteria for Intravenous Thrombolysis in Stroke Mimics: An Observational Study.
2012  12月  チリ


脳卒中の類似症状で入院してくる患者は珍しくない。

そして彼らが血栓溶解治療(rt-PA)を受けてしまうことが稀にある。


類似症状患者を除外するための手がかりを調べてみたそうな。




2004-2011に急性期脳梗塞の疑いで入院した患者のデータを解析した。

次のようになった。

・この間に842人の入院患者があった。

・このうち113人(13.4%)が脳卒中類似症状と考えられた。

・彼らは、若く、糖尿気味で、到着が遅く、神経症状も軽く、

MRIで梗塞を確認できない、という特徴があった。

・よくある原因症状は、毒物中毒、けいれん、失語だった。

・彼らの多くは複数のrt-PA禁忌症状を持っていた。

・禁忌症状の多くは、rt-PA有効時間外、見てわからないほど軽い神経症状だった。

・家族によりrt-PA治療を拒否されることもあった。

・結局、全体の12%がrt-PA治療を受けた。





脳卒中でないのに類似症状で病院に担ぎ込まれた患者は、

運良く到着時間が遅れたおかげで

血栓溶解治療を受けずに済むことがよくある



というおはなし。





感想:

血栓溶解治療は出血の危険と隣合わせ。

症状が軽かったら、積極的な治療はお断りしたほうが無難、

ってことと理解した。



ちょっとまえの記事↓を思い出した。
【マメ知識】tPA治療は丁重にお断りしたほうが早く退院できる


2012年12月26日

脳卒中後の痛みで自殺してしまう患者がいる


Is Pain Associated with Suicidality in Stroke?
2012  12月  香港


脳卒中後の疼痛と自殺傾向との関連を調べたそうな。



発症後3ヶ月の脳梗塞患者496人について、

疼痛と自殺傾向の有無および程度を調査し、関連を解析した。




次のようになった。

・7.5%(37人)に自殺傾向が見られた。

・自殺傾向があるグループの疼痛経験者は60%、自殺傾向がない場合は38%だった。

・また、その平均疼痛レベルは6だった。

・他の要因を考慮に入れると、疼痛レベルが4以上になると自殺傾向が高くなった。




脳卒中患者の疼痛対策が、自殺を減らすことになるかもしれない


というおはなし。




痛みを点数化する方法
写真:顔痛みスケール
Faces Pain Rating Scale 左から0-10

2012年12月25日

脳卒中後の肩の痛みは感覚過敏が原因だった


Central hypersensitivity in chronic hemiplegic shoulder pain.2013  1月  アメリカ



脳卒中後の肩の痛みの原因を調べてみたそうな。



慢性期脳卒中で片麻痺の、

・肩に痛みのある患者20人と

・肩に痛みのない患者20人

について、

肩の各所で圧痛閾値を測定した。



次のようになった。

・肩の痛みがある患者の圧痛閾値は、

両肩とも、痛みのない患者のそれよりも低かった。


・肩の痛みのある患者の麻痺側の圧痛閾値は、

非麻痺側よりも低かった。






脳卒中後、肩の痛みを訴える患者の

圧痛閾値が低くなっていることがわかった。

これは中枢性感覚過敏と関連があるのかも知れない



というおはなし。




感想:

リハビリ病院に入院中、

自分を含め 肩が痛いという患者が何人かいた。

でも その理由はだれも知らなかった。


いまは左を下にして寝るときだけ やや痛い。



過去記事↓

この肩の痛みは脳卒中経験者でないとわかるまい

脳卒中後、肩の痛みがなかなか治まらない人の特徴

ボツリヌス療法で肩の痛みは治るのか?



2012年12月24日

発症時刻がわかると、元気に退院できるかどうかもわかる


Timing of stroke onset determines discharge-functional status but not stroke severity: A hospital-based study.
2013  1月  台湾



脳卒中発症時刻と回復程度との関連を調べたそうな。



274人の急性期脳梗塞患者について、

発症時刻で4時間毎の6つのグループに分けて、

彼らの退院時の自立度との関連を解析した。



次のようになった。

・午前4時から8時に発症した場合、最も良好に回復していた。

・午後8時から12時の発症の場合、回復は最悪だった。

・性別、高血圧、糖尿、喫煙等を考慮に入れてなお、

 発症時刻は予後を推定する重要な因子だった。






脳梗塞患者の回復程度にも24時間周期があることがわかった


というおはなし。



写真:脳卒中24時間周期

2012年12月23日

脳卒中の医療費、入院日数、台湾、アメリカ、カナダ、中国


The Impact Factors on the Cost and Length of Stay among Acute Ischemic Stroke.
2012  12月  台湾



急性期脳卒中患者の医療費と入院日数について調べてみたそうな。



台湾のある病院で2005-2007の患者について調べたところ、

次のようになった。


・1084件の脳卒中事例があった。

・平均年齢は68、平均医療費はUS$1400(~12万円)だった。

・平均入院日数は14日間。

・医療費が高くなる要因は、入院日数、喫煙、投薬だった。

・入院日数が増える要因は、糖尿病、心房細動、再発、脳卒中の種類だった。






他の国も比較すると、

・カナダが最も医療費が高く、台湾は最も低い。

・入院日数はアメリカが6日間で最も短く、カナダは34-47日間。

・1日あたりの脳卒中医療費はアメリカが最も高く、中国が最低だった



というおはなし。





感想:

アメリカこわい。

2012年12月22日

半側空間無視が音楽で治った


Pleasant music improves visual attention in patients with unilateral neglect after stroke.
2012  12月  台湾



半側空間無視への音楽療法の効果を調べてみたそうな。


右脳の脳卒中で半側空間無視になった19人について、


・楽しい音楽、
・不快な音楽、
・ホワイトノイズ をそれぞれ聴かせたあとの

行動無視検査、視野探索課題などを行い、

眼球運動、気分、覚醒状態、心拍、皮膚電気抵抗も記録した。


楽しい音楽、不快な音楽は事前に被験者に選ばせた。




次のようになった。

・楽しい音楽を聴いたあとには、気持ちがポジティブになり、覚醒レベルも向上し、

・全ての課題で、不快な音楽またはホワイトノイズの場合よりも著しく高いスコアを記録した。






脳卒中で半側空間無視の患者に

楽しい音楽を聴かせることで、

視覚的注意力を改善できることがわかった



というおはなし。

2012年12月21日

体外衝撃波療法とボツリヌス療法を組み合わせたら上肢の痙縮が治った


Sbote Study: Extracorporeal Shock Wave Therapy Versus Electrical Stimulation After Botulinum Toxin Type A Injection For Post-Stroke Spasticity-A Prospective Randomized Trial.
2012  12月  イタリア



体外衝撃波療法は整形分野での疼痛治療に用いられている。

これとボツリヌス療法を組み合わせてみたそうな。



上肢に痙縮のある脳卒中患者について、

ボツリヌス療法にプラスして、

・電気刺激療法   または、

・体外衝撃波療法


を5日間施し、痙縮の回復程度を90日後まで追跡し、比較した。



次のようになった。


電気刺激グループに比べ、

体外衝撃波グループでは痙縮が著しく緩和され、

その効果が90日後にも充分に持続していた。






体外衝撃波療法はボツリヌス療法の効果を

大いにアップさせることがわかった



というおはなし。






感想:

週間天気予報によると、今日は世界終了の日。
写真:週間天気予報



この日を迎えられて とても感慨深い。

2012年12月20日

よくイビキをかく閉経後女性には脳卒中の素質がある


Self-reported Snoring and Risk of Cardiovascular Disease Among Postmenopausal Women (from the Women's Health Initiative).
2012  12月  アメリカ



女性のイビキと脳卒中との関連について調べたそうな。


42244人の閉経後女性について、

イビキの状況について自己申告してもらい、

その後10年間ほど追跡し、脳卒中を含む心血管系疾患の有無を調べた。




次のようになった。

・よくイビキをかく場合、脳卒中リスクが4割増しになった。

・肥満、高血圧などの要因を考慮にいれてなお、イビキがあるとリスク2割増しだった。





よくイビキをかく閉経後女性には脳卒中の素質があることがわかった


というおはなし。

2012年12月19日

ボバース法で脳卒中の上肢痙縮がおおきく改善した


NDT-Bobath method in normalization of muscle tone in post-stroke patients.
2012  12月  ポーランド



ボバース法の脳卒中上肢リハビリ効果を評価してみたそうな。



60人の脳梗塞患者について、2週間に10セッションのボバース法治療を施した。


治療前後での上肢筋肉の緊張度合いを測定した。


次のようになった。

・16人(27%)で改善効果が見られた。

・1人(2%)で悪化。

・8人(13%)で微かな変化があった。






ボバース法により脳卒中患者の上肢筋緊張が大きく改善した


というおはなし。





感想:

ボバース法って、よく目にするわりには中身が不明。

ネットで調べても具体的な説明はほとんど出てこない。


この研究ではボバース以外の療法の比較グループを設けていない。



あとは推して知るべし。

2012年12月18日

メタボリックシンドロームと脳梗塞の再発について


Metabolic Syndrome and Stroke Recurrence in Chinese Ischemic Stroke Patients - The ACROSS-China Study.
2012  12月  中国



メタボリックシンドロームと脳梗塞の再発との関連を調べたそうな。


過去の患者データを見直して、メタボリックシンドロームの有無、

脳梗塞発症から1年以内の再発を調査、解析した。




次のようになった。


・2639人の脳梗塞患者のうち51.4%がメタボリックシンドロームだった。

・発症1年以内に7.4%が再発していた。

・関連する諸要因を考慮に入れると、メタボリックシンドロームと

 脳梗塞再発との関連は見られなかった。






中国人脳梗塞の再発とメタボリックシンドロームとの間には

関連がなさそうであることがわかった



というおはなし。


写真:メタボリックシンドローム中国人

2012年12月17日

週に3.5時間以上歩く女性は脳卒中になりにくい


Physical Activity and Risk of Cerebrovascular Disease in the European Prospective Investigation Into Cancer and Nutrition-Spain Study.
2012  12月  スペイン



身体活動と脳卒中との関連を調べてみたそうな。



29-69歳の男女3万2千人あまりについて、

彼らの運動の種類と量についてアンケート調査し、

脳卒中を含む心血管系疾患の有無を12年間追跡調査した。



次のようになった。

・この間に210件のTIA、442件の脳卒中があった。

・レクリエーション活動をする女性の心血管系疾患は少なかった。

・週に3.5時間以上ウォーキングする女性の脳卒中リスクは低かった。

・これらの関連は男性には見られなかった。

・余暇にする運動や激しい身体活動と心血管系疾患との関連は男女ともに見られなかった。






中強度のレクリエーション活動は女性の脳卒中リスクを下げることがわかった。

しかし男性についてはその効果はなかった。

女性はウォーキングなどの時間を増やすと脳卒中予防に良いかも知れない



というおはなし。





2012年12月16日

カラーセラピーで脳卒中患者と介護者の生きがいアップ


Effects of art therapy using color on purpose in life in patients with stroke and their caregivers.
2012  12月  韓国



カラーセラピーで脳卒中患者とその介護者の生きがいが

向上するかどうか、調べてみたそうな。




28組の脳卒中患者+介護者をカラーセラピーあり、なしグループに分けた。


週2時間×6ヶ月間のカラーセラピー前後での生きがいスコアを調査し、比較した。



次のようになった。


・カラーセラピーグループでは、その前後で被験者の生きがいスコアが著しく向上した。

・カラーセラピー無しグループではほとんど変化はなかった。

・カラーセラピーが進むにつれ、より多く種類の、より明るい色を好むようになった。



カラーセラピー前(左図)、後(右図)での色選択の結果。
color therapy
楕円が脳卒中患者、長方形が介護者が好んだ色。





カラーセラピーによって、脳卒中患者とその介護者の生きがいが

改善されることがわかった


というおはなし。





感想:

カラーセラピーなんて聞いたことがなかったけど、

検索すると広告がバンバン出てきて

すでにちょっとした市場を形成している感。

2012年12月15日

両親の離婚経験を持つ男性の脳卒中リスクは3倍


Gender differences in the association between parental divorce during childhood and stroke in adulthood: findings from a population-based survey.
2012  12月  カナダ


子供の頃に両親が離婚した場合の

その後の脳卒中のなりやすさを男女別に調べたそうな。



親の薬物中毒、虐待、家庭内暴力などの例を除いた

男性4074人、女性5886人分の該当するデータサンプルについて、

年齢、人種、経済状況、健康状況

などを考慮にいれて解析した結果、


次のようになった。


・18歳以前に両親の離婚を経験した男性は、

 両親が離婚しなかった男性に比べ脳卒中リスクが3倍だった。


・女性については、男性ほどの強い関連は見られなかった。






さまざまな影響要因を考慮に入れてなお、

男性の両親の離婚経験と脳卒中との間に強い関連が見られた。

ここにどんな因果関係があるのかは不明



というおはなし。




感想:

たいへん関心がある。

なぜなのか知りたい。

2012年12月14日

【マメ知識】tPA治療は丁重にお断りしたほうが早く退院できる


Patient refusal of thrombolytic therapy for suspected acute ischemic stroke.
2012  12月  アメリカ


脳梗塞が疑われて入院した際に、血栓を溶解するtPA治療を

拒否した患者の予後と特徴について調べたそうな。



過去の患者データを見直し、tPA治療の有無、

人的特徴、回復程度について調べ関連を解析した。



次のようになった。

・7年半の間に30件(4.2%)のtPA治療拒否があった。

・tPA治療の拒否者に偏った人的特徴はなかった。

・tPA治療拒否者の割合は時と共に減少傾向にあった。

・tPA治療拒否者には次の特徴が共通していた。

病院到着時間がギリギリ

神経症状が軽い

脳卒中でない可能性大 

入院期間が短い


・脳梗塞と確定診断された者に限ると、軽症でなくても

tPA拒否者のほうが入院期間が非常に短かった。

・軽症、類似症状者を除くと、tPA治療を受けた者も

拒否した者も予後は変わらなかった。





tPA治療が増えない理由は、拒否されるからかも知れない。

軽症患者ほどtPA治療を拒否する傾向がある。

また、tPA 治療拒否者の6人に1人(17%)は

実は脳梗塞ですらなかったことが判明した



というおはなし。






感想:

けっこうイイカゲンな根拠でtPA治療を勧めてくるので

少なくとも治療同意を自ら判断できるほどに

頭がハッキリしている人は、

tPA治療は断った方が早く良くなる、


ってことだと理解した。




でもこれって、何かがおかしい...

2012年12月13日

1日に13時間以上労働すると脳出血リスクが2倍


Excessive work and risk of haemorrhagic stroke: a nationwide case-control study.
2012 12月  韓国




過重労働と脳出血との関連を調べたそうな。


患者データベースから940件の脳出血事例

(498人の脳内出血、442人のクモ膜下出血)を抽出し、

1880人の健常人とともに

彼らの職種、労働時間、労働強度などを面談調査して関連を解析した。




次のようになった。

・ホワイトカラーよりブルーカラー労働者の方が脳出血リスクが高かった。


・労働時間が長くなると脳出血リスクも高くなり、

1日4時間以下労働に比べ 8-12時間では4割増し、

13時間以上ではリスクが2倍になった。


・週8時間以上の激しい労働があると脳卒中リスクが6割増しになった。


・シフト勤務と脳出血リスクは関連がなかった。







ブルーカラー、長い労働時間、奮闘を要する仕事内容は

脳出血リスクを高めることがわかった



というおはなし。

過重労働

感想:

通勤時間は含まれるのかな?

2012年12月12日

【リハビリ革命】HANDS療法と促通反復療法

【脳卒中リハ】脳からの信号捉え、麻痺側を動かす注目されるHANDS療法と促通反復療法
2012  12月  日経メディカル


         ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
脳卒中で重度麻痺の上肢機能を改善する画期的な2つの治療法についての解説記事(無料)。





HANDS療法促通反復療法

いずれも マスコミ媒体への露出機会が多く、

脳卒中の上肢リハビリ法を調べているとほぼ必ず出会う。



その改善効果は、従来の作業療法など比較にならないほど凄まじい。


以下、記事本文より引用

『...120人ほどの慢性期脳卒中片麻痺患者に施行したところ、約半数が麻痺手の指の分離運動ができるようになった』(HANDS療法)

『...一般的にリハビリテーションとして行われている他動運動を、患者に運動を指示して大脳からの信号に合わせて動かす自他動運動に変えるだけで治療効果は2~3倍になる』(促通反復療法)






しかしその割にはリアルな体験談を目にすることがほとんどない。



関心のある脳卒中経験者は是非これらを試して、

その感想をブログやホームページなどで紹介してもらいたいと考える。

2012年12月11日

禁煙で脳卒中再発リスクが低下


Baseline Smoking Status and the Long-Term Risk of Death or Nonfatal Vascular Event in People with Stroke: A 10-Year Survival Analysis.
2012  12月  オーストラリア



脳卒中になった際の喫煙習慣の影響について調べてみたそうな。


脳卒中経験者1589人について10年間にわたり、

死亡、再発、心筋梗塞などの発生を追跡調査し、

喫煙習慣との関連を解析した。



次のようになった。

・現在喫煙者もしくは前喫煙者は、非喫煙者よりも予後が悪かった。

・現在喫煙者は前喫煙者よりも再発リスクが高かった。






現在喫煙者または前喫煙者は

非喫煙者よりも死亡、再発リスクが高かった。

前喫煙者の再発リスクが現在喫煙者よりも低いことから、

禁煙の効果があることがわかった



というおはなし。

写真:禁煙

2012年12月10日

授動と触覚刺激で慢性期脳卒中患者の手が動いた


The effects of Mobilization and Tactile Stimulation (MTS) on chronic upper-limb sensorimotor dysfunction following stroke.
2012  11月  イギリス



脳卒中麻痺手への"授動と触覚刺激" の効果を調べてみたそうな。



脳卒中後1年以上経過している患者8人

(左麻痺4人、右麻痺4人)について、

1日1時間の麻痺手への授動と触覚刺激を6週間行い、

その前後での改善程度を評価した。




次のようになった。


・実験前、患者の上肢機能の回復は明らかに止まっていた。

・実験後、4人の患者で特に著しい運動機能の回復が見られた。

・実験開始から改善効果が出るまでに最長で1ヶ月程度を要した。

・実験終了後も改善効果は維持された。







脳卒中で1年以上も弱っていた上肢機能を

授動と触覚刺激によって改善できることがわかった。

効果はすぐに現れることもあるし、若干の時間を要することもある



というおはなし。






感想:

麻痺した手に授動(×受動)して さする。

これって、いわゆる促通手技のことだと思う。


なぜかちょっとガッカリ。

2012年12月9日

牛乳をよく飲む日本人女性は脳卒中にならない


Consumption of Dairy Products and Death From Cardiovascular Disease in the Japanese General Population: The NIPPON DATA80.
2012  12月  日本


牛乳など乳製品の摂取量と脳卒中との関連を調べたそうな。


日本中から募集した30歳以上の男女9243人について、

1980年から24年間追跡調査した結果、


次のようになった。


・この間に417人が脳卒中で死亡した。

・乳製品をほとんど摂らない女性は、たくさん摂る女性に比べ脳卒中リスクが3割増しになった。

・乳製品の摂取量が一日に100g増えるごとに女性の脳卒中リスクが2割減少した。

・男性については乳製品との関連はみられなかった。






牛乳など乳製品の摂取量が増えるほど日本人女性の脳卒中が減ることがわかった



というおはなし。


写真:乳製品日本人

2012年12月8日

筋トレは脳卒中患者の不安を癒す


The influence of resistance exercise training on the levels of anxiety in ischemic stroke.
2012  11月  



筋力トレーニングが脳卒中患者の不安解消になるか、調べてみたそうな。



50歳前後の脳梗塞患者を次の2グループに分けた。


・週3回×12週間の筋トレグループ 11人、


・なにもしない比較グループ 13人



この前後で不安尺度分析を行い、比較した。




次のようになった。

・筋トレグループの特性不安スコア(43→40)、

 状況不安スコア(47→45)共に減少した。


・比較グループの特性不安スコア、状況不安スコアはほとんど変わらなかった。






筋力トレーニングで脳卒中患者の不安が癒えることがわかった



というおはなし。





感想:

いつの間にか、筋トレが日課になっている。


スクワット、腕立て、腹筋、背筋など。

2012年12月7日

右脳梗塞の犬は余命が極端に短いことが判明!(∪^ω^) わんわん


Survival and clinical outcome of dogs with ischaemic stroke.
2012  11月  デンマーク


脳梗塞になった犬の余命と予後について調べてみたそうな。



犬の過去の医療データを解析したところ、

次のようになった。

・MRIで脳梗塞と診断された22匹のデータがみつかった。

・5匹(23%)は発症30日以内に死亡した。

・30日以上生きた犬の余命の中央値は505日だった。

・右脳梗塞の死亡率は極端に高く、余命中央値は24日だった。

・左脳梗塞の余命中央値は602日だった。

・30日以上生存した犬17匹のうち7匹(41%)の予後はすこぶる良かった。

・他の7匹の犬は6-17ヶ月に別の急性神経症状を示し、そのうち2匹は脳梗塞の再発だった。





犬の脳梗塞は急性期に亡くなる場合もあるが、

その予後は概ね良好であった。

ただし、右脳の梗塞の場合あまり長生きしないことがわかった



というおはなし。






感想:

ペット間格差を思い知った。

MRIまで撮ってもらえる犬がいる一方で、

家族旅行の邪魔というだけの理由で保健所に捨てられるネコちゃん。
↓↓↓↓↓


2012年12月6日

脳卒中、男性と女性の違い in イタリア


Sex differences in clinical presentation, severity and outcome of stroke: Results from a hospital-based registry.
2012  11月  イタリア



脳卒中の症状、予後について男性と女性の違いを調べてみたそうな。



イタリアの4つの都市で2011年に入院した脳卒中患者1272人について調査した。



次のようになった。


・脳梗塞1152人、脳出血120人があった。

・内訳は、女性567人、男性705人だった。

・女性の方が平均年齢が高かった。(75歳vs72歳)

・女性の方が入院時の神経症状が重かった。

・女性は予後(自立度、死亡率)があまりよくなかった。

・血栓溶解治療の件数は男女で違いはなかった。

・女性は心房細動由来の脳梗塞が多かった。





脳卒中になった際の重症度と回復の程度は女性の方が悪かった


というおはなし。



感想:

これは世界共通のようだ。

2012年12月5日

歩きながら話すと歩幅が狭くなる脳卒中患者は転びやすい


Gait analysis with cognitive-motor dual-tasks to distinguish fallers from non fallers among rehabilitating stroke patients.
2012  11月  ベルギー



歩行中に別のことをする能力と転倒のしやすさとの関連を調べてみたそうな。



自立歩行のできる脳卒中患者32人について、

次の2つのグループに分けた。


・いつものスピードでただ歩いてもらうグループ。


・2重課題グループ→

 歩きながら動物の名前をできるだけたくさん挙げてもらう。

 または、歩きながら引き算をどんどん続けてもらう。






この際の歩行の様子を記録し、

その後6ヶ月間の転倒状況との関連を解析した。





次のようになった。

・この6ヶ月間に56%が転倒を経験していた。

・31%は転倒1回だけ、25%は複数回転倒していた。

・転倒者は2重課題中の歩幅、健常足の踏み出し幅が狭かった。

・特に、複数回転倒者は麻痺足の踏み出し幅も狭かった。







2重課題中の歩幅には、その人の作業記憶能力が反映されるので、

それを調べることで転倒しやすいかどうかがわかる



というおはなし。





感想:

これはよくわかる気がする。


同時に2つ以上のことをする能力が激しく低下している。


いまだに

ドライブ中の会話はムリ、音楽を楽しむ余裕もない。

2012年12月4日

『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』


High-intensity unilateral dorsiflexor resistance training results in bilateral neuromuscular plasticity after stroke.
2012  11月  カナダ


脳卒中で麻痺した足のつま先を上げる筋肉を鍛えることが出来れば、

歩行能力がより回復することがわかっている。



両側性転移でこれを解決できるか試してみたそうな。

両側性転移は一方の手足でトレーニングした力やスキルが

もう一方の手足に自動的にコピーされる現象を指す。




発症7年前後の慢性期脳梗塞患者19人について、


麻痺していない方の足の背屈筋に負荷をかけて

おもいっきり力を入れるだけのトレーニングを6週間行った。



その後、筋力や歩行能力を詳細に分析した。




次のようになった。


・つま先を上げる力が健常側で31%、麻痺側で34%アップした。

・同様に筋肉の活動量も両側で20%以上アップした。

・特に、4人の患者は足首の背屈ができなかったのにトレーニング後できるようになった。


脳卒中後何年も経って諦めていた麻痺足の筋肉が、

両側性転移を応用した健常足のトレーニングによって

再び元気にできることがわかった



というおはなし。

図:両側性転移で背屈筋

感想:

過去記事↓

麻痺してない方の足を鍛えると麻痺足もついでに強くなる

両側性転移で麻痺手が勝手に良くなるフシギ

両側性転移ですぐにリハビリ成果を出す方法について





今日からこのブログは4年目に突入。

これからもおもしろいネタが見つかりますように...

2012年12月3日

iPS細胞で脳梗塞治療をしたらメッチャ大きな腫瘍ができちゃったゾ☆(ゝω・)v


iPS cell transplantation for ischemic brain.
2012  12月  日本

iPS細胞をつかった脳梗塞治療の可能性を検証してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミの脳に、

未分化のiPS細胞を移植し、

28日後に行動検査をしたあと

解剖して脳を観察したところ、


次のようになった。


・梗塞のあとに巨大な腫瘍ができていた。

・iPS細胞を移植しなかったネズミに比べ症状の回復が遅かった。

・腫瘍のほかにも梗塞位置に多くの神経芽細胞や神経細胞のあらたな存在が確認できた。





腫瘍形成をコントロールできさえすれば

iPS細胞での脳梗塞治療は有望であることがわかった



というおはなし。

2012年12月2日

脳卒中患者の靴の中敷きを細工して歩きやすくしてみた


Compelled body weight shift approach in rehabilitation of individuals with chronic stroke.
2012  12月  アメリカ



慢性期脳卒中患者への強制体重移動の効果を調べてみたそうな。


強制体重移動は、

麻痺していない足の靴の中敷きをちょっと厚くして

麻痺足側へ重心を戻す操作を言う。



18人の慢性期脳卒中片麻痺患者について、

強制体重移動の有無で2グループにわけて

リハビリを6週間行いその後の歩行、バランス能力

について3ヶ月後まで追跡調査した。



次のようになった。

・強制体重移動グループでは麻痺足の体重支持能力が大きく改善していた。

・同様に、歩行速度も10%ほど優れていた。

・これらの効果は3ヶ月後にも持続していた。





強制体重移動リハビリを6週間続けたところ、

慢性期脳卒中患者の歩行速度、体重支持能力

の対称性が著しく改善し、その効果も持続することがわかった



というおはなし。






感想:

リハビリ病院にいたころ、私を担当してくれた療法士さんが

靴の中敷きをいじるのが好きだったので、なんとなく共感できた。


そのときにはすごくイイと思った。

2012年12月1日

自宅でCI療法ができるハイテクゲームをオハイオ大学が開発


XBOX Kinect Helps with Stroke Rehabilitation
2012  11月  アメリカ


アメリカでは年間70万人の脳卒中患者が生まれ、

その多くがリハビリテーションを必要としている。

しかし、自宅で必要なリハビリができている患者はその3分の1程度にとどまる。



自宅での上肢リハビリを楽しいものにするために

オハイオ大学では5000万円あまりの費用を投入して

マイクロソフトのキネクトセンサーを応用したリハビリゲームを開発した。



このゲームを使うと軽症上肢麻痺患者向けのCI療法を自宅に居ながら実践できる。



病院に通ってリハビリを受ける場合、その時間は非常に限られるため、

麻痺した手は次第に使用されなくなる。


このゲームを使えば、自宅に居ながら

コンピュータが患者の身体の動きを解析し、

適切な運動方法をゲームプレイを通して促してくれるので、


従来の病院で受けるリハビリよりも大きな効果が期待できる。


しかも人件費が節約できるので

患者にとっても 病院経営にとってもハッピーである、



というおはなし。




感想:

考え方が合理的過ぎて身も蓋もないと思う。


わざわざ病院に通うのは、

寂しいから療法士さんにかまってもらいたい、

っていう理由もけっこうあると思う。



それで、

かまってもらったお礼に

しばし回復したかのように振る舞ってあげる。



こういう相互依存の関係があるから

CI療法でも成果がでるし、論文も書ける。



なのに

『CI療法の指導はコンピュータにやらせておけ』

『患者は家でゲームでもやっていろ』

と言うのは 

どこか ちょっと違う と思うんだよね。






補足:CI療法は指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

1日に数時間、麻痺していない手の動きを制限して2週間生活するだけで麻痺手の使用率を高めることができると信じられている。


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