2013年12月31日

ロボットを使って両腕運動させたらすごくよかった


Robotic unilateral and bilateral upper-limb movement training for stroke survivors afflicted by chronic hemiparesis.
2013  6月  アメリカ

脳卒中後の上肢リハビリに効果的な運動の仕方を調べてみたそうな。


外骨格ロボット(EXO-UL7)を用いて、

*両腕を左右鏡対象に運動させるグループ
*片腕のみを運動させるグループ

および
*通常のリハビリグループ

に分けて、改善程度を13の異なる計測指標で評価、比較した。


次のようになった。

・全てのグループで概ね改善した。

・特に両腕運動グループと通常リハビリグループで肩の可動域と筋力が大いに改善した。

・一方、片腕運動グループはこのような改善は見られなかった。


通常の上肢リハビリに両腕運動を組み合わせたらスゴイかも...


というおはなし。


これがEXO-UL7
写真:外骨格ロボット
こんなに物々しい装置が必要なのだろうか?

2013年12月30日

無症候性脳梗塞とビリルビン


Decreased Serum Bilirubin Is Associated With Silent Cerebral Infarction.
2013  12月  中国

無症候性脳梗塞はやがてTIAや脳卒中のきっかけになると言われている。
一方、脳卒中などでは血中総ビリルビンが低下することもわかっている。

そこで、無症候性脳梗塞と総ビリルビンとの関連を調べてみたそうな。


2865人について調べたところ、


次のようになった。

・無症候性脳梗塞がある者は総ビリルビン値が低かった。

・逆に、総ビリルビン値の低い者には無症候性脳梗塞が多く見られた。

・総ビリルビン値と脈波伝搬速度(動脈硬化の指標)との強い関連が見られた。

・総ビリルビン値が高いと無症候性脳梗塞のリスクが低下した。


総ビリルビン値が無症候性脳梗塞のリスク判定に役立つかもしれない、


というおはなし。

写真:ビリルビンの代謝


感想:

血液検査をすると、この値が妙に高いので関心を持った。

2013年12月29日

クモ膜下出血は急いで病院にゆく必要はないらしい


Time intervals from aneurysmal subarachnoid hemorrhage to treatment and factors contributing to delay.
2013  12月  オランダ

クモ膜下出血の発症から治療まで、どこでどのくらい時間がかかるのか調べてみたそうな。


278人の動脈瘤性クモ膜下出血患者の医療データを解析したところ、


次のようになった。

・半数は、発症から病院到着までの時間が約2時間以内だった。

・発症から診断までの時間は3時間で、

・診断から治療までは18時間だった。

・患者の76%は24時間以内に脳動脈瘤手術が行われた。

・紹介病院を経由することで時間の遅れが拡大していた。

・治療開始時間の遅れは、予後の悪化にはつながらなかった。


脳梗塞治療にならって、患者を治療センターに直送する仕組みを作ったらいいのではないか、


というおはなし。

写真:脳動脈瘤

感想:

クモ膜下出血の症状って激しい頭痛に嘔吐と聞く。

これって救急搬送必至な気がするけどそうでもないのかな。

治療が遅れても予後悪化しないなら、脳動脈瘤のクリッピングは単に再発防止措置なのかね。

身近でこの種の手術をした人の話を聞くと、記憶がなくなったり ボケちゃったり でかい脳梗塞になったりといった話ばかりが目立つ。


2013年12月28日

脳梗塞になったら大至急 モリンガを試してもらいたい


Cerebroprotective Effect of Moringa oleifera against Focal Ischemic Stroke Induced by Middle Cerebral Artery Occlusion.
2013  12月  タイ

モリンガ(植物)の対脳梗塞効果を調べてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にする2週間前からモリンガ抽出物を経口で与え、計3週間続けた。
モリンガ濃度を変えたグループをいくつか設けた。

その後、梗塞の体積、酸化指標になる複数の物質の量を測定した。


次のようになった。

・モリンガを摂っていたネズミの梗塞体積がモリンガなしに比べ、非常に小さかった。

・これは酸化ストレスの減少によるものと考えられた。

モリンガが脳梗塞にとても効きそうなことがわかった、

というおはなし。

写真:モリンガ



感想:

経口摂取で効いたってところが好印象。

サプリメントもたくさん売ってるし、特に脳梗塞なりたてだったら試さない理由がないんじゃない?


でも、妊婦には要注意(by 厚労省)らしい。


2013年12月27日

上肢リハビリに最適なゲームが判明


Kinect-based virtual reality training promotes brain reorganization after stroke
2013  12月  中国

キネクトを使うとテレビゲームをコントローラに触れずに楽しむことができる。
この上肢リハビリ効果を脳活動を観察して確かめてみたそうな。


脳卒中患者5人、健常人18人について、
Xbox360+キネクトの装置を使って1時間×週5回×3週間にわたりゲーム(Fruit Ninja)をさせた。

この前後での脳機能画像をMRIで撮影、解析した。

また、12週間後まで改善効果を追跡した。


次のようになった。

・上肢機能が大きく改善した。

・対側の感覚運動野の活動領域が拡大した。

・この効果は12週間後も持続した。


キネクトを使ったゲームは脳の可塑性を促す有効なリハビリ法である、


というおはなし。


この研究者イチオシのゲーム(フルーツ忍者)

なるほど これは効果がありそう


感想:

MRI装置の説明で、
... General Electric scanner (Siemens, Trio Tim, Germany).

という記述を見つけた。

「ソニーのアイポッド」と同じくらいおかしな表現なんだけど
中国人にとってはどうでもよいことのようだ。

2013年12月26日

未来のミラーセラピーはこうなる


An augmented reality home-training system based on the mirror training and imagery approach.
2013  12月  ドイツ

ミラーセラピーは幻肢痛や脳卒中片麻痺治療に効くと言われている。
そこで、自宅でもできるミラーセラピー向け拡張現実装置を作ってみたそうな。


・健常な側の手の動きがヘッドマウントディスプレイに左右対称に表示される装置を製作した。

・スクリーン上でいくつかの仮想的なゲームをプレイすることで運動イメージを促す。

・このパフォーマンスデータはインターネットを介して自宅から医療施設へ転送され解析される。

・7人の健常人で動作を確認したところ、トラブルもなく、飽きもせず 順調に動作した。


将来遠隔ミラーセラピーができるようになるかも知れない、


というおはなし。


写真:拡張現実ミラーセラピー



感想:

鏡にただ手を映すだけのことに拡張現実技術を持ち出すギャップが興味深い。


2013年12月25日

朝起きて脳卒中に気づいたら まずコーヒーでも飲んで気持ちを落ち着けて、それから...


Characteristics of Wake-up Stroke.
2013  12月  アメリカ

起床時に脳卒中に気づくケースの特徴について調べてみたそうな。

72人の脳梗塞患者について調査したところ、


次のようになった。

・39%が起床時脳卒中だった。 

彼らはそうでない者に比べ、

・アフリカ系アメリカ人に多く、年齢が非常に若かった。

・微小血管障害が原因で神経症状の軽いケースが多かった。

・いびきをかく頻度が高かった。

・脂質、コレステロール管理に問題があった。


起床時脳卒中になりやすい患者は脳の微小血管に原因があり、コレステロール値が高かったり よくいびきをかく、などの特徴が見られた、


というおはなし。


感想:

こういう事実を知ると
脳卒中になったからといって病院に急いで行く必要はあるのかいな...
と いつも思う。

2013年12月24日

末梢神経電気刺激で肩の痛みがとれるらしい


Peripheral nerve stimulation compared with usual care for pain relief of hemiplegic shoulder pain: a randomized controlled trial.
2013  12月  アメリカ

脳卒中後の肩の痛み対策として、末梢神経電気刺激を試してみたそうな。


慢性的な肩の痛みのある脳卒中経験者25人を、末梢神経電気刺激または通常のケアの2グループに分けた。

末梢神経電気刺激は3週間行い、その後16週まで効果を追跡した。


次のようになった。

・末梢神経電気刺激グループで著しい痛みの低下があった。

・この効果のグループ間の差は、12週以降に最大になった。


末梢神経電気刺激は安全でかつ肩の痛み緩和に有効だった。通常の治療よりも痛みがよく低下し、その効果は12週後も継続していた、


というおはなし。



感想:

低周波治療器みたいなものかな、と思ったら、

場合によっては手術で電極を埋め込むこともあるらしい。

2013年12月23日

救急車待ちなう スマホアプリを開発


Development of smartphone application that AIDS stroke screening and identifying nearby acute stroke care hospitals.
2013  12月  韓国

血栓溶解療法の成否は病院へ到着するまでの時間による。

そこで脳卒中を自己診断支援できるスマートフォンアプリを作ったそうな。


これは、
・iPhoneとAndroidで動作する。

・症状を確認するための絵が表示され、タップしながら質問に答えてゆく方式。

・脳卒中が疑われる場合、119番ボタンが表示される。

・さらにGPS情報から近隣の血栓溶解療法の可能な病院施設が表示される。

・すでに77の病院を登録済みである。


この脳卒中診断支援アプリを使うことで病院到着時間を短くできるに違いない、


というおはなし。

写真:脳卒中アプリ

感想:

ツイッターと連携しているか が気になる。


2013年12月22日

喫煙を経験しておいた方が脳卒中的には良い と考える理由


Smoking Status and Severity of Ischemic Stroke. A Population-Based Study.
2013  12月  フランス

喫煙状況と脳梗塞の重症度との関連を調べてみたそうな。


2006-2011の脳梗塞患者1056人の医療データを解析したところ、


次のようになった。

・67%が非喫煙者、19%が現役喫煙者、13%が元喫煙者だった。

・非喫煙者に比べ、元喫煙者の脳梗塞の神経症状は軽かった。

・この関連は現役喫煙者には見られなかった。


どういうわけか喫煙したことのない人に比べ、元喫煙者のほうが脳梗塞の症状が軽かった、


というおはなし。


写真:元喫煙者


感想:

そういえば似たような話があった。
喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い

健康にいいのかも知れない。

2013年12月21日

不安が脳卒中の原因になる


Anxiety linked to higher long-term risk of stroke
2013  12  アメリカ

不安と脳卒中リスクとの関連を調べてみたそうな。


25-74歳の6000人あまりを22年間追跡調査したところ、


次のことがわかった。

・他の要因を考慮に入れてなお、不安それ自体が脳卒中のリスクを上昇させた。

・不安のまったくない者にくらべ、不安があると脳卒中リスクが3割増しになった。

・不安のある者は喫煙しやすくなり、運動不足にもなることが原因と推測された。

というおはなし。



感想:

不安はうつとは違うらしいけど、いつも違いがよくわからない。



Prospective Study of Anxiety and Incident Stroke.

2013年12月20日

ミラーセラピーで歩けるようになるのか?


Effectiveness of mirror therapy on lower extremity motor recovery, balance and mobility in patients with acute stroke: A randomized sham-controlled pilot trial.
2013  10月  インド

脳卒中患者の下肢機能へのミラーセラピー効果を調べてみたそうな。


急性期脳卒中患者22人を2グループに分けて、一方にはミラーセラピーを施した。

ミラーセラピーは1回30分間。

両グループ共に通常のリハビリも併せて、1回90分間×週6回×2週間の訓練を行った。

その後、運動機能、バランス、移動能力を評価した。


次のようになった。

・運動機能やバランス機能では両グループで有意な差は見られなかった。

・移動能力ではミラーセラピーグループに有意な改善効果が見られた。


急性期脳卒中患者へのミラーセラピーは、運動機能とバランスには効果はないものの、移動能力は改善することがわかった、

というおはなし。




感想:

微かに効果があるのかも知れない、ってことと理解。

2013年12月19日

脳卒中とてんかん 若いひとの場合


Epilepsy after TIA or stroke in young patients impairs long-term functional outcome: The FUTURE Study.
2013  11月  オランダ

若年脳卒中患者で、てんかん発作のあった者の長期的な回復具合を調べたそうな。


18-50歳の脳卒中患者537人について、てんかん発作の有無、機能回復の程度を約10年間追跡調査した結果、


次のようになった。

・てんかん発作経験者の割合は、脳梗塞12.7%、TIA2.2%、脳内出血25.6% だった。

・てんかん発作のあった脳梗塞患者の機能回復程度は、てんかんのなかった者よりも悪かった。

・TIA,脳内出血患者については、てんかん発作の有無と機能回復程度との関連はなかった。


若年脳卒中患者のてんかん発作はよくあることで、特に脳梗塞の場合 予後への悪影響が10年以上にわたる、


というおはなし。

2013年12月18日

脳卒中後のウツはいつまで続くのか...


The long-term outcomes of depression up to 10 years after stroke; the South London Stroke Register.
2013  10月  イギリス

脳卒中後ウツのリスクがいったいいつまで続くのか調べてみたそうな。


1997-2010に3240人の脳卒中患者について、発症3ヶ月時点でウツ評価を行い、その後毎年10年間にわたり追跡調査した。


次のようになった。

・3ヶ月時点でウツだった患者は、5年後までの死亡率、障害、不安、低QOLのリスクが非常に高かった。

・1年以内にウツから復帰できたとしてもこれらリスクの程度は変わらなかった。

・5年時点でウツだった者は、不安、低QOLの高リスク状態が10年後にまで続いた。


脳卒中後のウツはその後ずーっと影響する、


というおはなし。

写真:脳卒中後のウツ

2013年12月17日

微小脳出血がある脳卒中患者の1年後のウツ状況について


Cerebral Microbleeds as a Predictor of 1-Year Outcome of Poststroke Depression.
2013  10月  香港

脳卒中経験者には微小脳出血がよく見られる。
そこで、微小脳出血と脳卒中後ウツとの関連を調べてみたそうな。


脳梗塞で入院した774人について、発症から3ヶ月後、15ヶ月後のウツの割合と、微小脳出血の有無をMRI検査で調べた。


次のようになった。

・3ヶ月時点でウツだった者が15ヶ月後もウツの割合は65.9%だった。

・34.1%はウツから復帰した。

・微小脳出血がある割合は、ウツ復帰できなかった者:18.4%、復帰できた者:4.3%だった。

・特に脳葉(皮質のちかく)に微小脳出血がある場合、ウツになりやすかった。


脳葉に微小脳出血のある脳卒中患者は1年後もウツになりやすいことがわかった、


というおはなし。


写真:微小脳出血



感想:

数カ所、あるんだ...

ほとんど気にしてないけど。



2013年12月16日

ミラーセラピーは左右の区別もできないほどのボケ患者にのみ効くものなのか?


Left/right judgement does not influence the effect of mirror therapy after stroke.
2013  11月  デンマーク

左右の判別能力とミラーセラピーの効果との関連について調べてみたそうな。


発症後ひと月前後の脳卒中患者36人について、
ミラーセラピーの直前に手の写真を見せて、左右どちらの手であるかを判断する能力を測定した。

ミラーセラピーの前後で手の運動機能と2点識別能を評価した。


次のようになった。

・左右判別能と手の運動機能、2点識別能との間に関連はなかった。

・31人の被験者は悪影響なしにミラーセラピーを終了した。


左右判別能はミラーセラピーの効果に影響はなかった。ミラーセラピーの前に左右判別能力を調べる必要はないと考える、


というおはなし。

写真:ミラーセラピー


感想:

ミラーセラピーは、左右の区別もできなくなっているほどに認知機能に障害のある患者が、療法士さんに言いくるめられて治ったような気になっている "わけではない"って言いたいんだろな...と思った。

2013年12月15日

足首深部感覚トレーニングをやってみた


An Ankle Proprioceptive Control Program Improves Balance, Gait Ability of Chronic Stroke Patients.
2013  10月  韓国

足首の深部感覚トレーニングプログラムの効果を検証してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経過した慢性期脳卒中患者13人について、足首の深部感覚トレーニングを1回30分間×週2回×6週間行った。

その後、足首の筋力、バランス、歩行スピード等を評価した。


深部感覚トレーニングのおもな内容:

1:足首関節の柔軟体操
2:立位での体重支持
3:片足立ちでの体重支持 いろいろ


次のようになった。
・足首の背屈筋力、機動力、歩行能力がおおきく改善した。


足首深部感覚トレーニングは効く、


というおはなし。

写真:足首深部感覚

感想:

足首のグニャグニャ感がいつまで経ってもよくならないので、
最近、片足立ち訓練を始めて、とても調子がいいところだった。

足首の深部感覚が鈍っているためか、体重移動を察知して瞬時に足首の必要な筋肉に力を入れることが難しい。

結局その種の姿勢調整はすべて右足に頼ってしまい、しかもほとんど問題も起きないのでなかなか進歩しない。

そんなこともあって、この報告に関心を持った。


2013年12月14日

脳卒中になると触覚とかがおかしくなるって知ってた?


Stroke survivors' experiences of somatosensory impairment after stroke: An Interpretative Phenomenological Analysis.
2013  10月  イギリス

脳卒中経験者の感覚障害体験について調べてみたそうな。


すでに退院した5人の脳卒中経験者に感覚障害について面談調査を行った。


次のようになった。

・体験談の中に次の3つのテーマが見つかった。
*感覚障害を理解する。
*感覚障害の運動機能への影響。
*感覚障害に負けない。

・彼らは感覚障害は脳卒中が原因と理解していたが、

・その体験や問題点の説明に 難しさを感じていた。

・感覚障害は主に上肢機能の問題として語られることが多かった。


まずは脳卒中経験者の感覚障害に気づくことが必要なのでは、


というおはなし。

写真:感覚障害


感想:

感覚障害については言いたいこといっぱいあるんだけど、
たぶん理解してもらえないだろうから面倒くさくて言わない。


感覚がないのではなくて、感覚が理解できない状態。
感覚という言語の失語症みたいな...

そんな印象を持っている。

2013年12月13日

脳卒中になったらBMI35を目指せ


Association of Body Mass Index and Mortality After Acute Ischemic Stroke.
2013  12月  アメリカ

脳卒中患者の死亡率とボディマス指数(BMI)との関連を調べたそうな。


関連する複数の要因を考慮し解析した結果、

・死亡率とBMIはU字型の関連になった。

・もっとも死亡率の低いBMIは、35(kg/m2) だった。

・BMIが低過ぎても高過ぎても死亡リスクが上がった。


重度の肥満は脳卒中死亡率の上昇につながっていた。クラス2の肥満だともっとも死亡率が低かった。脳卒中経験者の適正体重についてさらなる研究が必要である、


というおはなし。

写真:クラス2肥満



感想:

さすがはアメリカ、肥満を推奨しているように聞こえる。

BMI:35に相当する体重は、35×(身長m)×(身長m)なので、

いま自分は65kgだけど、110kgまで太ると脳卒中的にはベストらしい。



2013年12月12日

脳卒中患者ってボーっとしてるか眠ってるかだよね


Post-Stroke Apathy and Hypersomnia Lead to Worse Outcomes from Acute Rehabilitation.
2013  10月  アメリカ

脳卒中後のアパシー(無気力状態)や過剰睡眠が予後にどんな影響があるのか調べてみたそうな。


急性期リハビリ施設に入院した213人の脳梗塞、脳出血患者の医療データを見なおして解析したところ、


次のようになった。

・21%がアパシーと診断された。

・5.6%が過剰睡眠だった。

・これらの患者には認知機能や注意力の低下、ウツが見られた。

・アパシー患者は自立度が低く、介護施設に送られる可能性が2.4倍で、

・過剰睡眠も同様に自立度が低く、介護施設への可能性は10倍だった。


アパシー、過剰睡眠患者を早くみつけることでなにか対策がとれるかもしれない、


というおはなし。

写真:過剰睡眠


感想:

当時、入院中はとてもヒマで、おまけに現実がつらすぎて、みんな眠るしかやることがなかった。

いまはスマホとかあるから 状況違うんじゃないかな。


2013年12月11日

ロボット上肢トレーニングやってみた


Randomized Trial of a Robotic Assistive Device for the Upper Extremity During Early Inpatient Stroke Rehabilitation.
2013  12月  イタリア

脳卒中患者の早期のロボット上肢トレーニングは効果的であると言われている。
確かめてみたそうな。


発症後15日以内の脳卒中片麻痺患者34人について、ロボットトレーニングあり、なしのグループに分けた。

両グループともに上肢リハビリを、1回120分×週5日×5週間行った。
ロボットトレーニンググループはNeReBotを使用し、リハビリ時間のうち35%をこれに充てた。

トレーニング後7ヶ月間効果を追跡した。


次のようになった。
・追跡期間中、運動機能、器用さ、日常生活動作いずれも両グループ間で差は見られなかった。


ロボット上肢トレーニングは通常のリハビリを超えるものではなかった、


というおはなし。


写真:上肢支援ロボット

2013年12月10日

Wii Fitでリハビリやってみた


Visual Biofeedback Balance Training Using Wii Fit after Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  8月  ブラジル

視覚フィードバック装置を使った脳卒中片麻痺患者のバランス訓練の効果を調べてみたそうな。


任天堂のWii Fitをバランス機能の視覚フィードバック装置として採用し、これを用いた場合とそうでない場合での理学療法の成果を20人の患者について比較した。


次のようになった。
・両グループ共にバランス機能、自立度が大きく向上した。

・両グループ間で統計的に有意な差は見られなかった。


Wii Fitを用いたバランス訓練を行ったが、通常のリハビリを上回るような効果は確認できなかった、


というおはなし。


Wii Fitリハビリ



感想:

リハビリ病院にWii Fitあったけど、ほこりかぶってた。

1回やったらすぐに飽きた。

療法士さんを相手にするのが楽しいのにゲームなんてやってられない、と思った。

2013年12月9日

やっぱり効果なし? ビタミンBで脳卒中予防


Effect of B-vitamin Supplementation on Stroke: a Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.
2013  11月  中国

ビタミンBは動脈硬化を防ぐすると言われている。
そこで、ビタミンBサプリメントの脳卒中予防効果を調べてみたそうな。


医学研究データベースから関連する論文を厳選し、データを統合、再解析した結果、


次のようになった。
・57143人、2555件の脳卒中事例を含む18件の臨床試験がみつかった。

・ビタミンBサプリメントで脳卒中リスクはあまり下がらなかった。

・被験者の男/女比率が2を超えるセッティングだと若干のリスク減少効果が見られた。


ビタミンBサプリメントの脳卒中予防効果は認められなかった。でもひょっとしたら男性には効果があるかも知れない、


というおはなし。

2013年12月8日

脳卒中後のボケはエアロビクスで治る


Aerobic exercises enhance cognitive functions and brain derived neurotrophic factor in ischemic stroke patients.
2013  11月  エジプト

脳卒中にはなんらかの認知障害がつきものである。

そこで、有酸素運動が認知機能を改善するものかどうか、神経の成長を司るタンパク質に着目して調べてみたそうな。


前頭部の脳梗塞で入院した患者30人について、通常の理学療法に加えて有酸素運動を行うグループと なしのグループに分けてその前後での認知機能テストおよび脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を測定、比較した。


次のようになった。

・有酸素運動グループで認知機能テストスコアが著しく向上した。

・同様に、有酸素運動グループでBDNF濃度も大きく上昇した。

・BDNF濃度の上昇度と認知機能テストのスコアの改善度とは関連があった。


脳梗塞患者の認知機能は有酸素運動で改善した。これは血中BDNF濃度と関係していた、


というおはなし。


写真:エアロビクス

2013年12月7日

高齢者の視床出血が急増中 日本で


Trends in the Incidence and Survival of Intracerebral Hemorrhage by its Location in a Japanese Community.
2013  11月  日本

脳内出血の日本での発症数と発症部位の傾向を調べてみたそうな。


久山町住民を対象に行った3回の追跡調査の結果を解析したところ、
1回目:1961- (1618人)
2回目:1974- (2038人)
3回目:1988- (2637人)


次のようになった。
・各調査は13年間フォローされた。

・1回目→2回目にかけて脳内出血件数は大きく減少した。

・60-69歳での被殻出血は減少傾向にあるものの、

・視床出血は70歳以上で急増した。

・危険要因である高血圧と飲酒の割合はおおきく減少した。


高血圧とアルコール対策によって脳内出血者は一時期減少傾向にあったが、高齢者の視床出血の急増により相殺されてしまった、


というおはなし。

図:視床出血
Putamenが被殻、Thalamusが視床出血


感想:

視床出血の増加は高齢者が長生きするようになったのが理由かな。

ちなみに自分は被殻出血だった。


2013年12月6日

クライストチャーチ地震で脳卒中は増えたのか?


The Christchurch earthquake stroke incidence study.
2013  11月  ニュージーランド

震災と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

ニュージーランドで起きた最近2回の震災前後での脳卒中発生数を調べた。

2010/9/4と2011/2/22の震災後の6週間の入院患者数と前年同時期のそれを比較した。


次のようになった。

・2010/9/4の震災では、
地震後97人(81%は脳梗塞)の入院患者があった。
前年は、104人(77%が脳梗塞)だった。

・2011/2/22の震災では、
地震後71人(79%は脳梗塞)の入院患者があった。
前年は、96人(75%が脳梗塞)だった。

・この調査期間中、心塞栓症や心房細動由来の脳梗塞比率は変化なかった。

・2011の震災直後は退院して自宅に戻る患者の数が若干減った。

・震災前後での週ごとの入院者数にも前年比で変化はなかった。


震災による強い心理的ストレスは短期的な脳卒中リスクにはなりえなかった、


というおはなし。

写真:クライストチャーチ地震


感想:

この記事と一致する。
東日本大震災のあと、脳卒中はぜんぜん増えていなかった…

2013年12月5日

ビタミンCは脳卒中予防にイイのか?


Vitamin C intake, circulating vitamin C and risk of stroke: a meta-analysis of prospective studies.
2013  11月  中国

ビタミンCの脳卒中予防効果は実はよくわかっていない。
そこで、これまでの研究を見なおしてみたそうな。


医学研究データベースから関連する論文を厳選し、データを統合、再解析した。


次のようになった。

・ビタミンCをほとんど摂らない人と比べた脳卒中の相対リスクは下図のようになった。
図:ビタミンCと脳卒中リスク
一日のビタミンC摂取量と脳卒中リスク


・ビタミンCサプリメントについての研究はほとんどなかった。



ビタミンCを多く摂るほど脳卒中リスクが概ね下がることがわかった、


というおはなし。



2013年12月4日

脳卒中患者はヤバイくらいに動いていないことが判明


Measuring activity levels at an acute stroke ward: comparing observations to a device.
2013  10月  オーストラリア


加速度センサーを使った脳卒中患者の活動測定が当てになるものかどうか調べてみたそうな。


発症後2週間以内、18歳以上の脳卒中患者20人について、2軸加速度センサー記録装置を脚に付けて朝8時から夕5時までの行動を記録した。
並行してビデオ記録を取り、患者の状態を、寝ている、座っている、立っているの3つの状態に分類し、比較した。


次のようになった。

・各状態の割合の中央値は、寝ている:36%、座っている51%、立っている:2% だった。

・加速度センサーの結果と実際の観察結果とは非常によく一致していた。


急性期脳卒中患者の活動レベルは非常に低くかった。加速度センサーを使った観測結果は妥当なものだった、


というおはなし。

図:行動時間


感想:

当時、ちょっと歩いただけですごい達成感があったから
実際の活動時間を知ると異常に短い印象を受ける。


現在もデスクワークが多いから、ほんとうの活動時間を知りたいね。

本気でFitBitが欲しくなってきた。
歩数計はもう古い!FitBitを着けた脳卒中患者が増える予感

2013年12月3日

脳卒中で便秘は異常なことなのか?


Poststroke constipation in the rehabilitation ward: incidence, clinical course and associated factors.
2013  11月  台湾

脳卒中後の便秘とその特徴について調べてみたそうな。


リハビリ施設に入院した急性期脳卒中患者の医療データを解析した結果、


次のようになった。

・155人の患者のうち123人(79%)が便秘と診断できた。

・この123人すべてが経口の下剤を使用していた。

・そのうち53人は、直腸投薬も行っていた。

・13人は退院時には下剤の使用をやめていた。

・直腸投薬を必要とする患者は他の合併症のリスクも高かった。

・病変がテント下にあると便秘になりやすかった。

・障害が重いことも便秘の要因だった。


入院中の脳卒中リハビリ患者はフツーに便秘がちだった、


というおはなし。


感想:

便秘の思ひで
【なっとく】口には出さないけど、みんな便秘で悩んでいたんだ

【ゴールド・フィンガー】脳卒中後の便秘を解消するデジタル刺激とは何なのか?

2013年12月2日

神童と呼ばれていた人ほど脳卒中になりにくい理由とは


IQ in childhood and atherosclerosis in middle-age: 40 Year follow-up of the Newcastle Thousand Families Cohort Study.
2013  12月  イギリス

子供のころ知能の高かった人は冠動脈疾患になりにくいといわれている。
そこで、子供のころの知能指数(IQ)と脳卒中の原因でもあるアテローム性動脈硬化との関連を調べてみたそうな。


1947年に生まれた1142人について、11歳時点でのIQを測定した。
その結果と、49-51歳時点の健康診断で得られたアテローム性動脈硬化の指標でもある頸動脈内膜厚の測定結果との関連を解析したところ、


次のようになった。

・子供の頃IQの高かった者は中年時の頸動脈内膜厚が薄かった。

・同様の関連が国語や算数の成績との間にも見られた。

・教育など他の要因を考慮に入れてなお、この関連は明らかだった。


子供のころIQが高かった人は、のちにアテローム性動脈硬化になりにくいことがわかった、


というおはなし。






2013年11月30日

効果の出るイメージトレーニングの方法とは


The addition of functional task-oriented mental practice to conventional physical therapy improves motor skills in daily functions after stroke.
2013  11月  ブラジル

課題志向型イメージトレーニングが脳卒中患者の機能回復に役立つものなのか実験してみたそうな。

発症後1年ほど経った慢性期脳卒中患者9人について、
通常のリハビリとイメージトレーニングの組み合わせの効果を、施す順番を工夫して調べた。

イメージトレーニングは、静かな部屋で日常生活の個々の具体的な動作を一人称視点で なんども繰り返し想像する方法で、
1回30分×週3回×4週間=12セッション行った。


次のようになった。

・通常のリハビリのみの直後は、あまり改善しなかった。

・通常リハビリ+イメージトレーニングのあとは手の機能、歩行機能共に著しい改善があった。

・その後、通常のリハビリのみに戻しても効果は持続していた。


通常のリハビリに課題志向型のイメージトレーニングを組み合わせることで手足の機能改善が促されることがわかった、


というおはなし。


写真:イメージトレーニング


発症後1ヶ月間はのんびりしてってください


Changes in Activity Levels in the First Month after Stroke.
2013  6月  オーストラリア

脳卒中入院患者の発症から1ヶ月間の身体活動レベルを調べてみたそうな。


脳卒中患者に加速度センサーを付けて1日の活動状況を記録した。
発症後15日以内のある日と、4週間後の計2日ぶんのデータを取り比較、解析した。


次のようになった。

・63-85歳の16人の患者が対象となった。

・神経症状別の患者内訳は、軽症56%、中程度31%、重症13%だった。

・移動回数や活動時間、寝ている時間、座っている時間に変化はなかった。


急性期脳卒中患者の身体活動レベルは低く、最初の1ヶ月間ではほとんど変化はないことがわかった


というおはなし。



感想:

たしかに最初の1ヶ月間は足も手もほとんど うごかなかった。

その一方で 移動活動をとても制限されている時期でもあって、トイレに行くにも毎回 看護師を呼ばないとキツイお叱りを受ける状況だった。

だから早期リハビリがイイといってもすぐには結果は出せないので、まぁ のんびりしてってください、と思う。

2013年11月29日

脳の深部を刺激するHコイルで失語症のrTMSやってみた


Excitatory Deep Transcranial Magnetic Stimulation With H-Coil Over the Right Homologous Broca's Region Improves Naming in Chronic Post-stroke Aphasia.
2013  11月  イタリア

脳卒中失語症患者の右脳の役割をrTMSで調べてみたそうな。


5人の脳卒中失語症患者について、右脳半球のブローカ野を含む下前頭回にrTMSを施した。
刺激は深部へ届くH-coilを用いた。
rTMS周波数は、促進:10Hz, 抑制:1Hz ,偽刺激をそれぞれ時期を分けて行った。


次のようになった。

・10Hz刺激の時のみ命名課題のスコアが著しく向上した。

・1Hz、偽刺激では改善効果はほとんどなかった。


右脳の下前頭回を刺激する深部rTMSの1セッションで脳卒中失語症患者の命名課題スコアが大きく改善した。この結果は 左脳損傷患者にとっての右脳の重要性を示唆している、


というおはなし。




感想:

従来型の8の字コイルが表面から1cm程度しか届かないのに対し、Hコイルでは同じ電力で3cmくらいまでOK。



2013年11月28日

片麻痺でも自動車運転はできるのか?


Comparison of foot pedal reaction time among patients with right or left hemiplegia and able-bodied controls.
2013  11月  カナダ

脳卒中のあとの自動車運転の再開は患者のみならず医療関係者にとっても関心事である。
そこで自動車のフットペダルへの反応時間の違いを実際に調べてみたそうな。


右または左片麻痺の脳卒中患者20人と健常人10人について、次の3つの状況でのフットペダル操作の反応時間(反応するまでの時間と動作に要する時間)を計測、比較した。

*通常位置のアクセル、ブレーキを右足で操作する。

*通常位置のアクセル、ブレーキを左足で操作する。

*左寄りに設置したアクセル、ブレーキを左足で操作する。


次のようになった。

・健常者は反応するまでの時間が全ての状況において右、左片麻痺患者より短かった。

・同様に、健常者は動作に要する時間も右片麻痺患者より短かったが、

・右足操作に限定すると左片麻痺患者のそれは健常者と同レベルだった。

・右足操作の場合、左片麻痺患者のトータルの反応時間は健常者のそれと同レベルだった。


左片麻痺患者が右足でペダル操作する場合、その反応時間は健常者と同等だった。一方、右片麻痺患者ではどちらの足で操作しても反応時間は非常に長くなった、


というおはなし。

写真:フットペダル


感想:

ペダル位置を改造しても、やっぱ利き足じゃないと難しいのかね。

2013年11月27日

脳卒中後の性機能障害について


Sexual dysfunction in Nigerian stroke survivors.
2013  9月  ナイジェリア

脳卒中経験者の性機能障害について調べてみたそうな。


77人の脳卒中経験者(男性66人、女性17人)にアンケート調査した結果、


次のようになった。

・平均年齢は55、そのほとんど(95%)が性機能障害を報告していた。

・70%以上が性欲の減退、性交頻度の低下であり、

・60%以上で勃起、射精、オーガスムに問題を抱えていた。

・勃起不全者の多くは そうでない者に比べ非常に高齢だった。

・ウツやQOLが性機能障害に影響を与えていた。


ナイジェリアの脳卒中経験者にとって性機能障害はごくあたりまえのことだった。その多くは心理的要因によるものと考えられた、


というおはなし。

写真:ナイジェリア人



感想:

ナイジェリアは人口爆発起きてるし、きっと日常性活レベルが高いんだろな...


2013年11月26日

膝のテーピングと片麻痺リハビリについて


The Effects of Taping Prior to PNF Treatment on Lower Extremity Proprioception of Hemiplegic Patients.
2013  9月  韓国

脳卒中片麻痺患者へのテーピング効果を調べてみたそうな。


30人の脳卒中片麻痺患者について、次の2グループに分けた。

*固有受容性神経筋促通法(PNF)+キネシオテーピング

*神経発達学的治療(NDT) のみ

4週間の治療の後、膝の角度、バランス、歩行機能について測定、比較した。


次のようになった。

・テーピンググループではリハビリ前後でバランス、歩行機能が著しく改善した。

・足首の背屈、バランス、歩行機能に両グループで大きな差が見られた。


リハビリの前に膝にテーピングをすると回復がはかどるかもしれない、


というおはなし。




感想:

これって、比較実験になってるのかな?


2013年11月25日

日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?


Are Contents of Physical Therapy in Nine Japanese Hospitals for Inpatients with Stroke Related to Inpatients' and Physical Therapists' Characteristics?
2013  6月  日本

日本の理学療法士が普段いったいなにをやっているのかはよくわかっていない。
そこで彼らの脳卒中患者向けの活動内容を詳細に調べてみたそうな。


9施設85人の理学療法士に脳卒中患者(216人)向けのリハビリセッション内容を5分刻みで自己申告してもらった。
この結果と患者の医療データとの関連を解析した。


次のようになった。

・歩行や移動訓練に費やした時間と患者の機能回復程度とは強い関連があった。

・リハビリ時間の多くは姿勢チェックや準備作業に費やされ、患者の実動時間は非常に少なかった。

・それらの時間配分に患者の状態はあまり反映していなかった。

・施術内容と療法士の経験年数との関連も弱かった。


脳卒中患者向けのリハビリ内容と、患者の状態や療法士の経験との間にはほとんど関連が見られなかった。現場の理学療法がいったいどういう根拠に基いて行われているのかますますわからなくなってきた、

というおはなし。



感想:

とても興味深く読んだ。

2013年11月24日

肥満患者は回復も早いのか?


Favorable Functional Recovery in Overweight Ischemic Stroke Survivors: Findings from the China National Stroke Registry.
2013  11月  中国

ボディマス指数(BMI)と脳卒中死亡率が相反する関係にあることは肥満パラドックスとして知られている。
そこで、脳卒中後の機能回復とBMIとの関連について調べてみたそうな。


10905人の脳梗塞患者について、BMIと発症3ヶ月時点での機能回復状態との関連を解析したところ、


次のようになった。
・ modified Rankin Scaleが0-1に相当する機能回復が非常に良好な者の割合は、

*低体重(BMI<18.5)  →52.4%
*標準体重(BMI=18.5-22.9)→55.0%
*過体重(BMI=23-27.4)→61.0%
*肥満(BMI=27.5-32.4)→59.2%
*重度肥満(BMI>32.5)→60.3%  だった。

・一方、死亡率は順に、14.9、7.8、7.1、7.2、11.5で、重度肥満では高かった。


脳卒中患者での肥満パラドックスは、機能回復についても同様であることがわかった。ただし肥満も過ぎるとその限りではなさそう...


というおはなし。

写真:肥満

2013年11月23日

3ヶ月後、経口摂取できる患者の割合と傾向


Temporal trends in oral intake ability 3 months after acute ischaemic stroke: Analysis of a single-centre database from 2003 to 2011.
2013  11月  日本

脳卒中の3ヶ月後に経口摂取できる者の割合と この9年間の傾向について調べてみたそうな。


2003-2011に済生会熊本病院に入院した脳梗塞患者の医療データを解析した。
ただし もともと状態の悪かった者や亡くなった者のデータは除外した。


次のようになった。

・2913人の患者のうち、発症3ヶ月時点で経口摂取できた者の割合は92%だった。

・この割合は調査期間を通して著しい増加傾向にあった。

・この傾向は年齢、性別、他のリスク要因に関わらず顕著だった。


この10年ほどで、脳梗塞患者が発症3ヶ月後に経口摂取出来ている割合は大きく増加した、


というおはなし。

図:経口摂取の割合傾向

2013年11月22日

HONDAが歩行アシスト装置の臨床試験を開始! なぜかシカゴで


Honda Walking Assist Device begins US testing at Rehabilitation Institute of Chicago
2013  11月  アメリカ

ホンダがシカゴのリハビリテーション病院で歩行アシストロボット装置の脳卒中患者への臨床試験を開始したそうな。

この装置は重さ約3kg、1回の充電で1時間使用できる。
写真:ホンダ歩行アシスト

アシモテクノロジーがついに役立つ時がきた、

というおはなし。

詳しくは、
*ニュースリリース

*使い方動画多数 →坂も階段もスイスイ


感想:

HALとはなんだったのか...

2013年11月21日

肩の痛みの原因がわかったかもしれない


Muscle Pain Intensity and Pressure Pain Threshold Changes in Different Periods of Stroke Patients.
2013  11月  台湾

脳卒中のあとの筋肉の痛みの特徴を調べてみたそうな。


平均年齢62、145人の脳卒中患者について発症からの時期別に3ヶ月、1年前.後にグループ分けした。肩や腕の筋肉の圧痛点を決めて、その痛み強度、閾値を測定比較した。


次のようになった。

・発症後3ヶ月以内がもっとも筋肉の自発痛強度が高く、さらに圧痛にも敏感で、

・48%が麻痺側に中程度から重度の痛みを感じていた。

・自発痛は健常側よりも麻痺側で激しかった。

・しかし、その圧痛閾値には両側で明らかな違いはなかった。


脳卒中患者では 麻痺側の筋肉の自発的な痛みは珍しいものではなかった。その圧痛閾値変化の左右対称性から、これは中枢感覚メカニズムに由来するものと考えられた、


というおはなし。


感想:

なぜか肩の筋肉が痛かった。

はんぱなく痛かった。

退院後、素人に説明してもだれも真に受けてくれなかった。

1年以内にほぼ消えた。


2013年11月20日

脳波でバーチャルハンドを操作する最先端リハビリとは


American Heart Association Meeting Report: Abstract 18886 (Hall F, Core 2, Poster Board: 2197)
2013  11月  アメリカ

ミネソタ大学の研究チームが、脳とコンピュータをつなぐリハビリ装置を作ったそうな。


脳卒中患者の脳波をモニターして手の3D映像を思考イメージだけで動かす装置を開発した。


この装置をつかった運動イメージトレーニングを、脳卒中で手が麻痺した患者に2時間×3セット行ったところ、81%の高精度でバーチャルハンドを操作することができるようになった。


将来こういった技術がリハビリシーンで当たり前に使われるようになるだろう、


というおはなし。


同じ研究チームによるブレインコンピュータインターフェース実験のデモビデオ(2分半)
とてもわかりやすい。



これがバーチャルハンドリハビリ
写真:バーチャルハンドリハビリ


2013年11月19日

脳卒中予防になるコーヒーの量がわかった


Long-Term Coffee Consumption and Risk of Cardiovascular Disease: A Systematic Review and a Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies.
2013  11月  アメリカ

コーヒーと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


脳卒中を含む心血管系疾患とコーヒー摂取量との関連を調査した過去の研究を厳選、データを統合、再解析したところ、


次のようになった。

・信頼の置ける36件の研究、120万人分のデータが集まった。

・コーヒー摂取量と心血管系疾患との関係は線形的ではなかった。

・まったくコーヒーを飲まない者に比べ、

・1日に1.5カップだとそのリスクは0.89、

・3.5カップでは0.85、

・5カップでは0.95だった。


コーヒーの摂取量と脳卒中リスクは直線関係ではなかった。
1日に3-5カップほどの量を飲むともっともリスクが低かった。
また、飲み過ぎたからと言ってリスクが上がるわけでもなかった、

というおはなし。

写真:コーヒー

感想:

2-3年まえまではコーヒーを飲むと左半身がひどく痺れて起きて居られないほどだったけど、最近はいつの間にか眠気覚ましにコーヒー飲むようになっていることに気づいた。


2013年11月18日

障害受容できない脳卒中患者の特徴とは


Acceptance of disability and its predictors among stroke patients in Taiwan.
2013  11月  台湾

障害の受容が進めば適切なリハビリを行うことができて健康増進にもつながる。
脳卒中患者の障害受容度と関連要因について調べてみたそうな。


発症3ヶ月以降の脳卒中患者175人にアンケート調査を行い、障害受容スコアを算出し、医療データとの関連を解析した。


次のようになった。

・障害受容スコアの平均は72で(範囲32-128)、かなり低い値だった。

主に、

*信仰する宗教がない

*発症後間もない

*再発した

*身体機能が衰えている

という患者ほど障害受容スコアが低かった。


これらの特徴から 障害受容度の低い患者を早期に見分けることができ、適切なリハビリ計画の助けになるだろう、


というおはなし。


写真:障害受容


感想:

脳卒中患者は他の病気にくらべ障害受容度が低いらしい。

わかる気がする。

外傷もなく しかも脳のほとんどの領域が まだまともに残っているのだから...




2013年11月17日

脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン


Protective Effect of Time Spent Walking on Risk of Stroke in Older Men
2013  11月  イギリス

高齢男性の歩行時間と脳卒中との関係を調べてみたそうな。


60-80歳の健康な男性3435人について10年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・歩行時間が週に3時間未満の者に比べ、8-14時間の者は脳卒中リスクが3割低下した。

・週に22時間以上歩行する者の脳卒中リスクは6割低下した。

・8時間以上歩く者の割合は42%で、22時間以上の者は9%だった。

・歩行時間が週に3時間未満の者は1年間に1万人中80人が脳卒中になり、

・週に8-14時間の者は1年間に1万人中55人が脳卒中になった。

・この傾向は歩行のペースに依らなかった。

距離やスピードではなく、週に何時間歩くかが脳卒中リスクに大きく影響することがわかった、


というおはなし。

写真:ウォーキングマン


感想:

やばい、ぜんぜん足りてない。


2013年11月16日

脳が再生する運動強度がわかった


Effects of exercise intensity on spatial memory performance and hippocampal synaptic plasticity in transient brain ischemic rats.
2013  10月  台湾

脳卒中のあとの運動が記憶障害を改善することが知られている。
そこで、脳卒中のあとの運動強度と記憶を司る海馬神経の可塑性との関連を調べてみたそうな。


人為的に脳虚血状態にしたネズミを次の3グループに分けた。

*じっとしてるグループ
*低強度運動グループ
*高強度運動グループ

脳虚血の翌日からトレッドミルを使って毎分8mまたは20mペースで1日30分間×14日間運動させた。

記憶力、神経成長関連蛋白質(BDNFなど)、神経の樹状構造を評価した。


次のようになった。

・じっとしてるグループに比べ低強度運動グループの記憶力テストの結果がよかった。

・高強度運動グループではこのようにはならなかった。

・神経の樹状構造の複雑さと関連蛋白質は低強度運動グループでのみ増加した。

・高強度運動グループのコルチコステロンが多く、高ストレス下状況を示していた。


脳虚血のあとの無理のない運動は、神経の可塑性を促し、記憶機能を向上させることがわかった、


というおはなし。



写真:延びた神経

2013年11月15日

脳卒中患者が孤独を感じると どうなってしまうのか?


Social isolation after stroke leads to depressive-like behavior and decreased BDNF levels in mice.
2013  11月  アメリカ

社会隔離された環境にいた人や動物は、脳梗塞の予後が良くないことが知られている。おなじことが脳卒中のあとにも当てはまるかどうか実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミを使って、亜急性期および慢性期に社会隔離する状況を作り、機能的、脳組織的影響を調査した。


次のようになった。

・仲間と一緒にしたネズミに比べ、隔離ネズミは脳組織の虚血ダメージがひどかった。

・また、行動もウツ状態に似たパターンを示した。

・脳卒中後すぐに隔離したネズミでは神経成長を促すタンパク質が減少していた。


脳卒中後の社会隔離環境はネガティブな影響しかなく、ウツや不安の原因にもなりうると考えられた。
孤独を感じている脳卒中患者をはやく見つけ出すことで症状の悪化を防ぐことができるかもしれない、


というおはなし。

写真:孤独


感想:

脳卒中患者の個室は禁止だね。






2013年11月14日

看護師さん、どんな体位でエッチしたらいいですか?具体的に教えてください


Health care professionals' views on discussing sexual wellbeing with patients who have had a stroke: a qualitative study.
2013  11月  イギリス

医療関係者に、性生活について脳卒中患者の相談にのった経験を教えてもらったそうな。


30人の医療関係者に面談して調べた結果、


次のようになった。

・性生活についての話題は、医療関係者の方からは切り出しにくいテーマだった。

・そこには次の4つの障壁が考えられた。
・医療組織としてのケアプロセスに患者の性生活が含まれていない。

・医療プロフェッショナル個人として患者の性生活は専門の範囲外である。

・性生活の話題が患者を傷つけることになる危惧。

・患者が高齢もしくは関心の薄い女性である場合、性生活の話題は不適切である。

・また、関連資料があるにも関わらず多くの医療関係者はそれらを利用していなかった。


医療関係者の多くは脳卒中患者の性生活について関心がないか気にする必要がないと考えていて、相談にのる技術や経験も少なかった。
微妙なテーマなので、相談ではなく単に情報提供ができればいいんじゃないのかな...


というおはなし。

写真:sexual wellbeing


2013年11月13日

タングステンを摂ると脳卒中になることが明らかに


New research finds high tungsten levels double stroke risk
2013  11月  アメリカ

金属であるタングステンと脳卒中との関連が判明したそうな。


18-74歳の8614人を対象にした12年間におよぶ健康栄養調査で得られた結果から、尿中のタングステン濃度と脳卒中との関連を解析したところ、


次のようになった。

・尿中タングステン濃度が高かった人はただそれだけで脳卒中リスクが2倍だった。

・この傾向は特に50歳未満で顕著だった。

・タングステンの由来は廃棄された電子機器などから環境中に拡散した と考えられた。


タングステンが脳卒中のリスクになることが明らかになった。これら金属の環境への拡散は続いておりコントロールが難しい。今回の発見は氷山の一角に過ぎないのかも知れない、


というおはなし。



この研究者へのインタビュー

High urinary tungsten concentration is associated with stroke in the national health and nutrition examination survey 1999-2010.

2013年11月12日

筋電誘発型電気刺激リハビリを試してみた


EMG-triggered electrical stimulation is a feasible intervention to apply to multiple arm muscles in people early after stroke, but does not improve strength and activity more than usual therapy: a randomized feasibility trial.
2013  11月  オーストラリア

筋電誘発型電気刺激の上肢麻痺改善効果を調べてみたそうな。


発症4週間以内の脳卒中患者33人について、電気刺激あり、なしのグループに分けて比較した。

電気刺激は、肩、肘、手首、指の筋肉をターゲットにし、週4回×4週間続けた。

両グループ共に通常のリハビリも行った。


次のようになった。

・最後まで電気刺激実験をやり通した者の割合は87%だった。

・筋力や動作で両グループ間の差はまったく見られなかった。


筋電誘発型電気刺激は被験者の苦痛にはならないものの、効果はまったくないことがわかった、


というおはなし。


筋電誘発型電気刺激ってこんな感じ


2013年11月11日

ヘモグロビンA1c はやや高いだけで脳梗塞の危険


Haemoglobin A1c even within non-diabetic level is a predictor of cardiovascular disease in a general Japanese population: the Hisayama Study.
2013  11月  日本

ヘモグロビン(Hb)A1cと脳卒中を含む心血管系疾患のなりやすさを日本人で調べてみたそうな。


40-70歳の2851人について7年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・この間に119人が心血管系疾患になった。

・HbA1cが5%未満の者と比較した場合、

・5.5-6.4%では心血管系疾患の危険率は2.26倍、

・6.5%以上だと4.43倍、

・糖尿病治療薬を処方されていると5.15倍だった。

・この傾向は特に、冠動脈疾患と脳梗塞で顕著で、脳出血との関連はなかった。


HbA1cは正常値範囲内にあっても、高めの値だと脳梗塞になりやすいことがわかった、


というおはなし。

図:HbA1cと脳梗塞

感想:

身近な人のHbA1cがやや高いらしいので関心を持った。

2013年11月10日

難しい理屈はいいからスクワットをやれ


Deep flexion activity training in a patient with stroke using task-oriented exercise: a case report.
2013  11月  インド

膝の深屈曲が必要な脳卒中患者がいたので特別なリハビリを考えてあげたそうな。


55歳で靴の営業職の男性が脳梗塞になった。
片麻痺のためしゃがむことができず、アジア式トイレやお客に靴を履かせる際の動作をいったいどうしたものか...と悩んでいた。

この状況を改善するために課題志向型のリハビリを行った。

具体的には、

*低い腰掛けを使って立ったり座ったりの動作を繰り返す。
*次の段階ではスクワットトレーニングを導入する。


6週間後、次のようになった。
・期待していた以上に回復して社会復帰もできた。


膝の深屈曲ができるようにリハビリをしたら自立も進み、社会参加が促された、


というおはなし。

写真:膝深屈曲


感想:

たった一例の報告だけど、シンプルさに好感を持った。

自分もこの数年間、スクワットは ほぼ毎日やっている。


2013年11月9日

自宅でCI療法ができるビデオゲームをオハイオ大学が開発


Researchers develop at-home 3D video game for stroke patients
2013  11月  アメリカ

脳卒中で麻痺した上肢の回復訓練であるCI療法を自宅でもできるようにテレビゲーム化してみたそうな。

麻痺手にモーションセンサーグローブを、健常手には動きを制限するためのミットを着ける。

川下りのパドル動作を繰り返すことがリハビリになる。

これを2週間、計30時間行うことで上肢機能が改善する、

というおはなし。


これがそのCI療法ゲームだ。




感想:

突っ込みどころの多いビデオ。

ミットを着けてる意味がないし、太り過ぎ。

そもそもCI療法ってこんなんでいいのか?

2013年11月8日

動物さんが教えてくれた効果的なリハビリ方法とは


Meta-analysis of the Efficacy of Different Training Strategies in Animal Models of Ischemic Stroke.
2013  10月  ドイツ

脳梗塞のあとのリハビリ戦略とその適切な時期を、動物実験での結果をたよりに調べてみたそうな。

関連する過去の研究を検索して、それぞれを次のように分類し、解析しなおした。

・強制運動
・自発的運動
・CI療法
・課題学習型運動(熟練手伸ばし訓練)


次のようになった。

・対象動物計880匹、35件の研究を厳選し、データを統合した。

・運動によって梗塞体積は14%減少した。

・認知機能は33%改善した。

・神経症状は13%改善した。

・走行機能は7%改善した。

・強制運動でもっとも効率よく梗塞体積が減少し、走行機能も改善した。

・上肢機能の改善は課題学習型運動がもっとも効果的だった。

・発症後1-5日以内に運動を始めるのがもっとも効果的だった。


脳卒中にした動物を使った実験によると、運動によって梗塞の体積が減り各種機能回復が促された。特に、強制運動と課題学習型運動が効果的で、開始時期によって効果が変わった、


というおはなし。




感想:

動物さんは正直で空気を読んだりしないから、とても参考になる。


2013年11月7日

脳梗塞直後の出血は 肥満だと少ない


Paradoxical effect of obesity on hemorrhagic transformation after acute ischemic stroke.
2013  9月  韓国

肥満の患者は心血管系疾患の予後が良いことがわかっている。(肥満パラドックス)

急性期脳梗塞患者の出血性変化についてもこれがあてはまるか調べてみたそうな。


365人の急性期脳梗塞患者について、1週間後の出血性変化の有無をMRIで確認した結果、

次のようになった。

・59人、16.2%に出血性変化が見られた。

・肥満度が高いほど、出血性変化の発生は減少した。

・治療内容、重症度など関連要因を考慮にいれてなお、肥満度と出血性変化リスクはおおきく相反した。


肥満パラドックスは急性期脳梗塞患者の出血性変化についても言えることがわかった、


というおはなし。

2013年11月6日

両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


Bilateral Priming Accelerates Recovery of Upper Limb Function After Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  10月  ニュージーランド
Priming Before Physical Therapy Facilitates Stroke Rehab

脳卒中後の自立の可否は上肢機能の回復にかかっている。

そこで、PTリハビリ前の両手準備運動が脳のバランスと機能回復に影響するか調べてみたそうな。


亜急性期の脳梗塞患者57人について、次の2グループに分けた。

*両手準備運動グループ→PTリハビリのまえに、左右連動する器具を使って両手首を鏡対象に運動させる。
*比較グループ→PTリハビリ前に、前腕に電気刺激を間欠的に与える。

これを15分間×週5回×4週間続ける。

6,12,26週間後の上肢機能を計測、比較した。
また、両脳半球の興奮性をTMSで測定した。


次のようになった。

・12週時点で、もうこれ以上良くなりそうもないってレベルまで回復を遂げた患者の割合は、両手準備運動グループが比較グループの3倍以上だった。

・左右脳半球間のバランスも両手準備運動グループで抜群に良かった。


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが大いに加速することがわかった、


というおはなし。

写真:両手準備運動マシーン



感想:

そんな気がしてた。

だって両手、両腕を一緒に動かすと気持ちいいもん。

しびれた左手くんを右手兄さんが手本を示しながらサポートしてくれるような安心感、心地よさを 今でも感じる。

2013年11月5日

tDCSの失語症改善効果はゼロ


No effects of anodal transcranial direct stimulation on language abilities in early rehabilitation of post-stroke aphasic patients.
2013  10月  ポーランド

最近の研究では失語症患者の左脳皮質の興奮性の高まりと言語能力との間に関連があると言われている。

そこで、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の左脳へのプラス電極刺激が失語症の改善に効果があるか調べてみたそうな。


脳卒中で失語症の37人の患者について、左脳ブローカ野へのプラス電極刺激グループと、偽刺激グループに分けて3ヶ月後の言語能力を評価比較した。

tDCSは15日間継続した。両グループには通常の言語療法も行った。


次のようになった。

・両グループ共に改善したが、

・改善程度に差はまったく見られなかった。


脳卒中で失語症患者へのプラス極tDCSはなんの役にも立たなかった、


というおはなし。



写真:tDCS失語


感想:

似たようなことを研究して成果を出してるひとがいっぱいいるみたいだけど、

この研究者は業界の空気を読めなかったのかも知れない。

2013年11月4日

転んでも安全 水中療法の効果を確かめてみた


Effects of an aquatic therapy approach (Halliwick-Therapy) on functional mobility in subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2013  10月  ドイツ
水中療法のリハビリ効果を検証してみたそうな。


発症後2週目以降の脳卒中患者30人について、水中療法グループと比較グループに分けた。
水中療法は1回45分間×週に3回×2週間 +通常のリハビリを週に2回 行った。

比較グループでは、通常のリハビリを週5回×2週間行った。


次のようになった。

・水中療法グループでバランス能力の著しい改善があった者は83%、比較グループでは47%だった。

・歩行能力の改善程度も水中療法グループで非常に高かった。

・移動動作に関しては両グループで大きな違いはなかった。


水中療法は安全で 移動能力の改善に効果的かも知れない、

というおはなし。


脳卒中患者向け水中療法のシーン



感想:

2週間後じゃ入浴するだけでも多くの人の手を借りるのに、海パン履いてプールに浸かるなんて想像すらできない。

ぜんぜん安全じゃないと思う。

2013年11月3日

寒くなってまいりました 冬の脳梗塞は高齢者に厳しいことが明らかに


Association between winter season and risk of death from cardiovascular diseases: a study in more than half a million inpatients in Beijing, China.
2013  10月  中国

脳卒中を含む心血管系疾患での院内死亡率の季節変動をアジア人について調べてみたそうな。


中国の代表的な病院 32施設のこれまでの入院患者62万人あまりのデータを解析したところ、


次のようになった。

・冬季(11月-2月)に入院した高齢の心血管系疾患患者は5月入院の患者に比べ死亡リスクが30%から50%高かった。

・しかし若年患者についてはこのような季節変動は見られなかった。

・高齢患者の冬季死亡リスクの上昇は脳梗塞についても同様だった。

・このリスク上昇は呼吸器系疾患の有無には依らなかった。


中国では冬に脳梗塞患者の死亡リスクがかなり高くなることがわかった、


というおはなし。


写真:脳卒中死亡率季節変動
若いひとは季節に依らず死亡率ほぼ一定

 

2013年11月2日

手がまったく動かない...一生このまんまなのか...


The impact of time on quality of motor control of the paretic upper limb after stroke.
2013  10月  オランダ

脳卒中のあと6ヶ月間に、何日くらいで上肢動作が復活してくるのか調べてみたそうな。


44人の脳梗塞で やや片麻痺の患者について、1,2,3,4,5,8,12,26週間後の上肢の動作スピード、スムーズさ、正確さ等について3次元的に動作解析した。

この間、特別なことはしなかった。


次のようになった。

・最初の5週間に動作スピード、スムーズさ、正確さの点で大きな改善が見られた。


脳卒中後、おおむね8週間以内には麻痺上肢の動作が改善した。これは脳の自発的な回復によるもの、と考えられた、


というおはなし。

写真:脳の回復



感想:

思い出すと1ヶ月と2週間くらいは手の指の開きが全くできなくて暗澹たる気持ちが続いたものだった。


2013年11月1日

みそ汁が濃いと塩分摂取量も多いのか?


東京近郊のがん検診受診者におけるみそ汁の味付けと塩分摂取量の関係
2013  11月  日本

高血圧を予防するためには過剰な塩分摂取を控えることが必要である。

そこで、みそ汁の味の濃さと一日の塩分摂取量との関連を調べてみたそうな。


40-69歳の健康な143人について食事調査と24時間ぶんの尿を採取して塩分排泄量を測ったところ、

次のようになった。

・濃いみそ汁を飲む人の塩分排泄量は多かった。

・濃いみそ汁を飲む人は加工食品の摂取頻度も高かった。

・しかし、1日の塩分摂取量は主に、食卓上のしょうゆを使う頻度や、麺のつゆを飲む量によって決まっていた。


みそ汁の味の濃さは一日の塩分摂取量と関連があった。
この原因は加工食品の摂取頻度よりむしろ 任意で調節可能な塩分関連行動によって説明できる、


というおはなし。


図:みそ汁の濃さと食塩関連行動



感想:

リハビリ病院を退院するときに栄養師の指導があって、

『ラーメンのスープだけは絶対に飲まないでください。』

と、5回ぐらい繰り返し言われたことを思い出した。



2013年10月31日

医師「頭の血管が狭くなってますねぇ ステントを入れる手術をすると長生きできますよぉ」患者「遠慮します」


Stroke prevention surgery less effective than meds, lifestyle change
2013  10月  アメリカ

脳の血管が狭くなって脳卒中やTIAを何度か起こした患者にはステントを置いて血管を拡げる手術を行うことができる。

このステント治療の効果を検証してみたそうな。


脳内に狭窄度70%以上の血管がありこれまでに脳卒中やTIAを何度も繰り返している患者451人について、ステント留置グループ、ステント無しグループに分けてその後の再発を追跡調査した。

両グループ共に、抗血栓薬の投与と、運動、禁煙、食事といった生活改善指導を行った。


次のようになった。

・2年後、脳卒中の再発はステントなしグループではるかに少なかった。

・計画ではもっと長く追跡調査する予定だったが、あまりに明らかな結果だったのですでに2年前に実験を中止した。


脳内ステントによる脳卒中予防はまったく効果がないばかりか非常に危険であることが明らかになった、


というおはなし。


写真:脳内ステント



2013年10月30日

ビタミンB12が不足すると脳がたいへんなことになるらしい


Vitamin B12 and progression of white matter lesions. A 2-year follow-up study in first-ever lacunar stroke patients.
2013  10月  オランダ

脳室周囲の白質病変は血中ビタミンB12濃度と関連があるとされている。
そこでビタミンB12が不足すると大脳白質病変が進行するのか調べてみたそうな。


ラクナ梗塞の患者107人についてビタミンB12の血中濃度、脳のMRIを2年間追跡調査した結果、


次のようになった。

・脳室周辺の白質病変が進行した患者は進行しなかった患者に比べ、ビタミンB12欠乏症が多かった。

・低ビタミンB12濃度と脳室周辺の白質病変の進行とは関連があった。

・血中ビタミンB12濃度は深部白質病変の進行と関連はなかった。


ラクナ脳梗塞患者の脳室周辺白質病変の進行は、血中ビタミンB12が低い状態と関連があった。ビタミンB12サプリメントでこれが防げるかどうかは不明、


というおはなし。


脳室周辺白質病変ってこんな感じ
写真:白質病変



感想:

実はコレ、 微妙にあるんだ。

全然心配してないけどね。



2013年10月29日

tDCSはリハビリの役に立ちそうなのかい?


Transcranial direct current stimulation (tDCS): Does it have merit in stroke rehabilitation? A systematic review.
2013  10月  オーストラリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果について過去の研究を見なおしてみたそうな。


厳選した結果、15件、被験者計315人ぶんの研究データが見つかった。

これらのデータを統合し再解析したところ、


次のようになった。

・病側脳にプラス極、健常側にマイナス極または両側脳同時刺激のtDCSすべてについて、直後の運動機能測定では、偽刺激に比べ統計的に有意な改善効果は見られなかった。

・しかし脳卒中の特徴別に限定すると、慢性期患者および軽症、中程度の障害患者では大きな改善効果が確認出来た。


tDCSは患者を選べば一時的な改善効果を得ることが出来そうである。しかし刺激方法が具体的に定まっていないことや脳卒中の状態にもいろいろあることから実用への道のりは遠い、


というおはなし。


写真:tDCS

2013年10月28日

脳卒中でPTSDになりやすい人 なりにくい人


Correlates of Post-traumatic Stress Disorder in Stroke Survivors.
2013  10月  アメリカ

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は命に関わるような事故や病気のあとに起きやすい。

そこで脳卒中とPTSDとの関連を調べてみたそうな。


発症5年以内の脳卒中経験者535人についてPTSD判定テストを行った。このスコアが50以上だとPTSDである可能性が高い。また、関連要因も解析した。


次のようになった。

・95人、18%がスコア50以上だった。平均スコアは35。

・低収入、脳卒中の再発、障害の悪化、合併症の増加がPTSDと関連があった。

・高齢、既婚、相談相手がいるとPTSDになりにくかった。

・PTSDの可能性の高い人は身体的、精神的に健康状態が良くなかった。


脳卒中によるPTSDは年齢が若く、再発、重い障害や合併症があるとなりやすい。社会的なサポートには予防効果があるので早めに手を打ちたいものである、


というおはなし。

2013年10月27日

難しい理屈やマッサージはあとにしてくれ 患者さんは歩きたいんだぞo(`ω´*)o


A mapping study on physical activity in stroke rehabilitation: Establishing the baseline.
2013  10月  スウェーデン

脳卒中になって間もない患者の身体活動状況を調べてみたそうな。


発症7日以上経過している平均年齢70の脳卒中入院患者104人について、ある平日の8:00-17:00の身体活動内容を10分刻みで記録した。


次のようになった。

・患者は概ね発症後20日ほど経過していた。

・患者は8:00-17:00の52%の時間を1人で過ごしていた。

・そして7%の時間が立っているまたは歩いている状態だった。

・PTと一緒にいる時間の43%は立位/歩行状態だった。

・立位/歩行状態にいる時間が長いほど、歩行自立度が向上した。

・また、年齢が高くなるほど立位/歩行状態にある時間が減った。


脳卒中患者の身体活動レベルは低い。もっともっと活動させることで自立を促すことのできる余地がたっぷりあることがわかった、


というおはなし。

写真:PTと一緒

感想:

逆の見方をすれば
PTと一緒にいてさえ そのうち6割の時間は座ってるか寝てるってこと。


なるほどそのとおりで、
1コマ40分のなかでマッサージとか姿勢のチェックみたいなことが延々と続いて、

けっきょく歩く時間は15分とか よくあった。



2013年10月26日

TIAで片目が見えなくなることがあるらしい


Features of Patients with Transient Monocular Blindness: A Multicenter Retrospective Study in Japan.
2013  10月  日本

一時的に片目が見えなくなる一過性単眼盲はTIA(一過性脳虚血発作)と関連があると言われている。
日本人について実際のとこどうなのか、調べてみたそうな。


13の施設での発症7日以内のTIA患者のデータ444件を調査した結果、


次のようになった。

・13人、2.9%が一過性単眼盲だった。

・一過性単眼盲の患者は脳卒中センターへの到着が遅れがちだった。

・一過性単眼盲の患者は頸動脈の狭窄がありがちだった。


一過性単眼盲はTIA患者によくある症状ではなかった、


というおはなし。

2013年10月25日

世界的に若者の脳卒中が増えている原因とは


World faces looming stroke epidemic, health experts warn
2013  10月  イギリス

世界的に若年者の脳卒中が増えているそうな。
・世界の脳卒中の3分の1は20-64歳に起きていて、

・この年齢層の脳卒中は、最近の20年間で25%増加した。
さらに、
・世界全体での総死亡率は低下傾向にあるものの、

・高所得国に比べ中低所得国の脳卒中死亡者数は10倍にのぼり、

・2030年までに脳卒中で早死したり障害を負う人は現在の2倍になるだろう。
イギリスでは、
・貧困地域の住人は富裕層地域に比べ脳卒中死亡率が3倍にのぼる。
・貧困格差によるこの傾向は世界的なものでもある。

・肥満、糖尿、高血圧の増加が原因と考えられる。

ついでに、
・世界の脳卒中死亡者の半数以上、脳卒中障害者のほとんどは脳出血の結果であり、主に高血圧が原因である。

先進国での脳卒中予防活動が一定の成果を上げてはいるものの、世界人口が増加しているので、若者を含め脳卒中人口が増えるのは仕方のないところでもある。

低所得国向けの啓蒙活動が期待される、


というおはなし。



ニュース動画

2013年10月24日

動作観察療法時のミラーニューロンの働きを脳波で調べてみた


Mirror-neuron system recruitment by action observation: Effects of focal brain damage on mu suppression.
2013  10月  イスラエル

手を動かしたり、運動動作を観察したときに感覚運動野のアルファ波が一時的に低下する現象があり、MU抑制と呼ばれている。

ミラーニューロンネットワークとMU抑制との関連を検証するために、脳卒中患者の両半球でMU抑制強度を比較してみたそうな。


33人の脳卒中患者について手の握り動作のビデオを見せている時の脳波を計測した結果、



次のようになった。

・MU抑制は健常側の脳に比べ、損傷脳では小さかった。

・両半球での差は後頭葉よりも正中付近で大きかった。

・MU抑制の程度と右側の下前頭回への損傷の拡がりと関連があった。



MU抑制をみればリハビリ中のミラーニューロンシステムの働きがわかるかもしれない、


というおはなし。


写真:ミラーニューロン



2013年10月23日

ニューロエイドは再発を防止する奇跡の薬


NeuroAiD reduces early cardiovascular events and deaths by 50% after stroke onset
2013  10月  シンガポール

天然抽出物で作った脳梗塞治療薬ニューロエイド(NeuroAiD)の再発予防効果を検証してみたそうな。

発症72時間以内の1099人の脳梗塞患者について、ニューロエイドあり、なしで3ヶ月間比較したところ、

・ニューロエイドを投与された患者では再発率2.9%だったのに対し、

・ニューロエイドなし患者は5.6%だった。

・出血などの副作用はほとんどなかった。

・効くメカニズムはよくわかっていない。


再発患者が半分になった。ニューロエイドはすごいよ、


というおはなし。




感想:

これ思い出した。
中国漢方ニューロエイドで脳梗塞が治る!は本当か?

2013年10月22日

飲み過ぎと脳卒中の関係


Excessive alcohol consumption increases the progression of atherosclerosis and the risk of stroke
2013  10月  フィンランド

酒の飲み過ぎとアテローム性脳梗塞のなりやすさを調べてみたそうな。

2600人の中年男性を11年あまり追跡調査した結果、


次のようになった。

・1回に酒をグラス6杯以上飲むとアテローム性動脈硬化がおおきく進んだ。

・年に1度以上二日酔いを経験すると脳卒中リスクが上昇。

・二日酔いは酒量には依らず脳卒中リスクが上昇。

・高血圧や肥満が重なるとさらにリスクが上昇。

・週に2度以上ドカ飲みする場合も同様だった。


過度の飲酒は脳卒中のもと、


というおはなし。


写真:飲み過ぎ

2013年10月21日

伝統中国医学に基づくリハビリを比べてみた


Efficacy of Integrated Rehabilitation Techniques of Traditional Chinese Medicine for Ischemic Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  10月  中国

伝統中国医学に基づくリハビリの効果を調べてみたそうな。


69人の脳梗塞患者を、中国医学リハビリグループと従来型リハビリグループに分けて21日、90日後の回復程度を比較した。

伝統中国医学リハビリは、鍼灸と独自のマッサージ法を組み合わせたものである。


次のようになった。

・両グループ共に大きく改善した。

・中国医学グループで下肢の運動機能、神経症状の改善が著しかった。

・顕著な差ではないが90日時点で生活動作の自立者の割合は中国グループに多かった。


伝統中国医学リハビリはなかなか良さそうなので、より規模の大きい研究をしてみたい、


というおはなし。




感想:

ところで従来型のリハビリってなんだろう... って いつも思うんだ。



2013年10月20日

睡眠不足は自慢にならない 脳卒中のもと


Associations Between Sleep Duration and Prevalence of Cardiovascular Events.
2013  10月  アメリカ

睡眠時間と脳卒中を含む心血管系疾患との関連を調べてみたそうな。


米国全国健康・栄養調査の2007-2008のアンケート結果を解析した結果、


次のようになった。

・睡眠時間と心血管系疾患との強い関連が確認できた。

・特に、睡眠6時間未満だと脳卒中が2倍になった。

・心筋梗塞も同様だった。

・逆に睡眠が8時間を超えると冠動脈疾患、狭心症が増えた。


睡眠時間が短いと脳卒中になりやすい、

というおはなし。




感想:

とにかく睡眠不足は敵。

2013年10月19日

中年労働者の睡眠時間と脳卒中との関係について


Self-reported Sleep Duration in Relation to Incident Stroke Symptoms: Nuances by Body Mass and Race from the REGARDS Study.
2013  10月  アメリカ

中年労働者の睡眠時間と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

45歳以上の脳卒中経験の無い 5666人について、3年間、半年ごとにアンケートを行い、脳卒中症状の有無、睡眠時間などを調査し、関連を解析した。


次のようになった。

・この間に 224人が1回以上の脳卒中症状を報告した。

・睡眠が6時間未満だと脳卒中症状のリスクが激増した。

・この関係が見られるのはBMIが標準の人のみだった。


標準体重の中年労働者は、睡眠時間が短くなると脳卒中リスクが高くなることがわかった、


というおはなし。




感想:

標準体重ってとこがおもしろい。
デブやヤセは睡眠時間が短くても平気ってことなのか?


2013年10月18日

【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに


Exploring the Benefits of Unilateral Nostril Breathing Practice Post-Stroke: Attention, Language, Spatial Abilities, Depression, and Anxiety.
2013  10月  アメリカ

ヨーガの片鼻呼吸法は注意力や記憶力アップになると言われている。

そこで、この片鼻呼吸法が脳卒中患者の失語や認知機能に影響があるか調べてみたそうな。


11人の左脳損傷の脳卒中患者(このうち6人が失語症)について、
10週間の片鼻呼吸法プログラムに参加させた前後での言語、注意、情動、認知機能を調査した。


次のようになった。

・片鼻呼吸法によって全員の不安レベルが低下した。

・失語症患者の言語能力が向上した。


片鼻呼吸法の効果がわかった。言語療法の時間に是非取り入れるべきだ、


というおはなし。



これが片鼻呼吸法だ。(2:00~)

ジャックマイヨールが潜る前におなじことをやっていた。

2013年10月17日

脳梗塞とセックス障害 意外な真相…


Impaired sexual activity in young ischaemic stroke patients: an observational study.
2013  10月  フランス

脳卒中後のセックス障害とその要因について調べてみたそうな。


60歳以下の脳梗塞患者156人に、発症1年後にアンケート用紙を郵送し、

・セックス障害:セックス機能や満足度の低下

・心理的健全度:病院不安ウツ尺度

を調査した。


次のようになった。

・67%から回答があった。

・そのうち29%がセックス障害を報告していた。

・セックス障害があると病院不安ウツ尺度のスコアも高かった。

・彼らは7:3の割合で左脳損傷が多かった。

・特にACE阻害タイプの降圧薬の使用とセックス障害との関連が強かった。


発症1年後の脳梗塞患者のおよそ3分の1がセックス障害を経験していた。
ACE阻害薬が関係しているのかも知れない、


というおはなし。


感想:

この結果は男女区別ないのかな?

セックス関連のテーマはアクセスも多く、需要が高い割に研究事例が滅多にない。

2013年10月16日

脳卒中の障害はいったい何年続くのか


Estimation of the Long-Term Care Needs of Stroke Patients by Integrating Functional Disability and Survival.
2013  10月  台湾

脳卒中の種類や重症度によって、障害がどれくらい続くものなのか調べてみたそうな。


1万6千人あまりの患者を対象にした医療データを解析した。

障害の程度はバーセルインデックスで評価した。



次のようになった。

・脳卒中全体的には、軽度の障害のばあい、それが0.86年続く。

・中程度の障害は1.24年、重症になると1.34年続く。

特に心原性脳塞栓や脳内出血の場合、入浴の補助が必要になるような重度の障害が2年以上続く


というおはなし。




感想:

脳卒中って たいへんなイメージがあるわりには
こんなに短いのかな?と思った。


バーセルインデックス (pdf) だから自立しちゃうんだろうな。

2013年10月15日

リハビリは脳卒中後のウツ予防にもなる


Effects of stroke rehabilitation on incidence of poststroke depression: a population-based cohort study.
2013  9月  台湾

発症後3ヶ月以内の脳卒中リハビリの有無とウツとの関連を調べたそうな。


2000-2005年、7677人分の脳卒中患者データを解析したところ、


次のようになった。

・16.7%(1285人)が最初の3ヶ月以内にリハビリを受けていた。

・リハビリを受けた者のうち、5.8%がウツになった。

・リハビリを受けなかった者では、8.7%がウツになった。

・リハビリを受けることでウツになるリスクが47%減った。

・この効果は女性よりも男性で顕著で、特に高齢男性で大きかった。


脳卒中で入院して3ヶ月以内にリハビリを受けるとウツになるリスクが劇的に下がった。しかしこの効果は男性優位なので、女性のウツに注意しましょう、


というおはなし。



感想:

こういうことで予防できてしまうウツは本当の脳卒中後ウツとは違う気がする。

2013年10月14日

確率共鳴現象によって脳卒中で麻痺した指先の感覚を簡単に改善してしまう方法が明らかに


Remote vibrotactile noise improves light touch sensation in stroke survivors' fingertips via stochastic resonance.
2013  10月  アメリカ

触覚と運動機能を一緒にリハビリできたらすばらしい。

閾値下の指先へのノイズ刺激が触覚を強化すると言われている。(確率共鳴現象)
しかし、指先にノイズ刺激を与える場合、その装置がじゃまになって手を使うことができなくなる。

そこで、脳卒中片麻痺の指先から離れた位置に振動ノイズを与えたときの指先の触覚を調べてみたそうな。


麻痺上肢の人差し指先、親指の腹について、振動刺激中のモノフィラメント触覚テスト、2点識別覚テストを行った。

振動刺激は触覚閾値の40、60、80%で、麻痺上肢の手指、手首の背側、掌側のそれぞれ4箇所にランダムに与えた。


次のようになった。

・振動刺激によって その強度、位置に依らず 人差し指、親指ともにモノフィラメント触覚スコアが著しく向上した。

・2点識別覚スコアはたいして変化はなかった。


指先から離れた手首や手の背側への閾値下の振動刺激によって脳卒中片麻痺患者の触覚が簡単に向上した。これは確率共鳴現象によるものと考えられる。手指の感覚を改善しつつ手の動作を邪魔しない装置が作れそうな気がしてきた、


というおはなし。



感想:

たいへんきょうみぶかい。
確率共鳴は歴史が浅いせいか、wikipediaにもまだ まとまっていない。


下記リンクがわかりやすいかも。

確率共鳴の基礎的概念とその応用 (pdf)

2013年10月13日

空港の近所に住んでいると脳卒中になりやすい


Aircraft noise and cardiovascular disease near Heathrow airport in London: small area study.
2013  10月  イギリス

航空機の騒音と脳卒中リスクとの関連を調べたそうな。


ロンドンヒースロー空港周辺360万の地区住人を対象として入院率、死亡率等を解析したところ、


次のようになった。

・日中および夜間の航空機騒音が激しくなるにつれて、発症リスクも上昇した。

・日中の騒音レベルがもっとも高いエリアでは、もっとも低いエリアの住人にくらべ脳卒中リスクが1.24倍だった。

・日中騒音と夜間騒音のどちらがより影響するのかはわからなかった。

航空機騒音の激しい地区に住んでいると脳卒中になりやすいことがわかった、


というおはなし。

2013年10月12日

タバコや酒をやっていたからといって、脳卒中のあとはやくに死んでしまうわけではなかった


Prestroke Alcohol Consumption and Smoking Are Not Associated with Stroke Severity, Disability at Discharge, and Case Fatality.
2013  10月  ハンガリー


喫煙や飲酒が過ぎると脳卒中の発症リスクになることはよく知られている。
そこで、喫煙、飲酒と脳卒中の重症度、致命率との関連を調べてみたそうな。


1049人の脳卒中患者データについて、発症まえの飲酒量、喫煙量、入院時の重症度、退院時、30日後、1年後の重症度、致命率を調査し関連を解析した。


次のようになった。

・脳卒中前、24.5%が喫煙、24.7%に飲酒習慣があった。

・喫煙量、飲酒量は入院時の重症度と関連はなかった。

・退院時、30日後、1年後の致命率はそれぞれ、12.2%、16.9%、28.3%だった。

・脳梗塞患者について、飲酒習慣の有無と、30日後、1年後の致命率との間に差は見つからなかった。

・脳出血患者では、飲酒習慣があると30日後、1年後の致命率がやや高くなる傾向が見られた。

・喫煙習慣の有無は30日後、1年後ともにあまり影響は見られなかった。


発症前の喫煙と飲酒習慣は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらず、発症後 短期的、長期的に大した影響を及ぼすものではないことがわかった、


というおはなし。




感想:

もちろん脳卒中後は両方控えるべきだと思うよ。



2013年10月11日

左手を動かすと半側空間無視が改善するしくみをしらべてみた


Effect of limb movements on orienting of attention in right-hemisphere stroke.
2013  10月  カナダ

右脳の脳卒中患者で、右半側から注意を解放する能力に欠ける症状が報告されており、これが半側空間無視と関連があると言われている。

一方で、左上肢の運動が左方への注意を促すことがわかっているがそのメカニズムは明らかでない。

そこで、左上肢運動が右脳損傷患者の注意解放力欠陥を改善するものなのかどうか調べてみたそうな。


左上肢を自発的、受動的に動かす場合と動かさない場合とで注意力検査を行った。

対象は右脳卒中患者で注意解放力欠陥のある者とない者、比較のための同年令の健常人。



次のようになった。

・注意解放力欠陥スコアは半側空間無視の重症度と関連があった。

・注意解放力欠陥は上肢の自発的、受動的運動により影響を受けなかった。

・しかし上肢運動は注意の方向を変えたり逸したりする効果はあった。

左上肢運動は注意解放力欠陥に変化をもたらすものではなく、左方注意をうながす別のプロセスに作用するのだろう、


というおはなし。
図:左手運動と半側空間無視


感想:

両者の違いがよくわからないけど、半側空間無視は奥が深そうなことはわかった。


2013年10月10日

FAST! 脳卒中のサインを見つけたらイチイチキュウ♫


Stroke Education Program of Act FAST for Junior High School Students and Their Parents.
2013  10月  日本

脳卒中の教育プログラムを作ったので中学生で試してみたそうな。


3つの中学校で、計190人の生徒に45分間の脳卒中啓発レッスンを行った。

各学生にはマグネット式ポスターを配布し、それをつかって彼らの両親を教育するように伝えた。

レッスン前後および3ヶ月後に学生と両親の知識をテストした。


次のようになった。

・3ヶ月後、学生の正答率が飛躍的に向上した。特に、

・顔のしびれ、言葉のもつれ、半身の脱力、救急車要請、飲酒、喫煙、脂質異常、高脂血症、肥満などについての知識が大きく向上した。

・両親についても同様に、3ヶ月後、正答率が大きく向上した。

・3ヶ月後、FASTの意味を正しく憶えていた学生の割合は96%、両親は78%だった。


脳卒中の知識を中学生への教育を介して両親にまで伝える実験は大成功だった、


というおはなし。



FASTといえばこれ

2013年10月9日

東日本大震災のあと、脳卒中はぜんぜん増えていなかった…


Occurrence of Cardiovascular Events After the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami Disaster.
2013  10月  日本

震災が脳卒中を含む心血管系疾患の発生に与える影響には諸説ある。
そこで、東日本大震災前後でのその増減を調べてみたそうな。


2009-2011に岩手県立中央病院の救急センターへ運ばれた6万人あまりの患者データを解析したところ、


次のようになった。

・大震災の直後3週間に心血管系疾患発症件数全体の著しい増加があった。

・その内訳は 急性冠症候群またはうっ血性心不全の件数が大幅に増加したものの、

・脳卒中や大動脈解離、肺塞栓症、病院外心停止といった他の心血管系疾患件数はたいして増えなかった。


大震災後の心血管系疾患の種類におおきな偏りが見られた、


というおはなし。

図:脳卒中と311
脳卒中件数、ぜんぜん増えてない。



感想:

調べる人によってかなり違うのね。
【3.11】津波が脳卒中を引き起こす可能性について

2013年10月8日

水ぼうそうがきっかけで脳卒中になってしまった子供が実はたくさんいた


Chickenpox and risk of stroke: a self-controlled case series analysis.
2013  10月  イギリス


水ぼうそうが脳卒中のきっかけになりうるものなのか、調べてみたそうな。


イギリス国民の健康データベースから水ぼうそうのあと脳卒中(またはTIA)に罹った者を抽出し、水ぼうそう発症から脳卒中までの期間を0-6、7-12ヶ月間に分けて関連を解析した。


次のようになった。

・該当する者が560人いた。そのうち60人は子供だった。

・子供に限定すると、水ぼうそうのあと0-6ヶ月間の脳卒中リスクは4倍だった。

・大人の場合、特筆すべきリスク上昇はなかった。

・子供、大人ともに、水ぼうそうの7-12ヶ月後の脳卒中リスクの上昇はなかった。


水ぼうそうに罹った子供はその後6ヶ月間に脳卒中になるリスクがとても高くなる、


というおはなし。


写真:水ぼうそう
水ぼうそう=チキンポックス

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