2013年3月31日

食物繊維が7グラム増えると脳卒中リスクが7%下がる


Dietary Fiber Intake and Risk of First Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2013  3月  イギリス



食物繊維と脳卒中との関連を調べたそうな。

1990-2012の関連のある研究を統合解析した結果、

次のようになった。

・アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、日本の8件の研究が見つかった。

・4件は脳梗塞、3件は脳出血についての研究だった。

・食物繊維の摂取が多くなると、脳梗塞、脳出血は減った。

・特に、食物繊維が1日に7g増えると脳卒中リスクが7%減った。

・食物繊維の可溶性、不溶性での違いについては不明だった。




脳卒中予防に食物繊維が良いことがわかった


というおはなし。


写真:食物繊維

2013年3月30日

手首スプリントの着けごごちを尋ねてみた


Long-term use of a static hand-wrist orthosis in chronic stroke patients: a pilot study.
2013  3月  オランダ



脳卒中で上肢麻痺したとき、拘縮を防ぐために

スプリント(装具)を長期間にわたり着けることはよくある。


手首スプリントの着け心地を調べてみたそうな。


少なくとも1年間以上、手首スプリントを処方されている脳卒中患者11人について、電話インタビューした結果、


次のようになった。


・7人の患者は言われたとおり、手首スプリントを着けていた。

・2人は着け心地に不満があり、1日8時間装着は無理だった。

・残り2人は痙縮や痛みのため装着をやめてしまっていた。





多くの脳卒中患者が手首スプリントに不満をもっていることがわかった


というおはなし。


手首スプリントの例
手首スプリント

2013年3月29日

最低気温の変化が激しい時期には脳卒中に注意


The Effect of Season and Temperature Variation on Hospital Admissions for Incident Stroke Events in Maputo, Mozambique.
2013  3月  ポルトガル



季節や気温の変動と脳卒中患者の増減を調べてみたそうな。


モザンビークの、2006年に発症した651人の脳卒中患者について、気象条件との関連を解析した結果、


次のようになった。

・脳卒中の発症数は、季節やその日の気温、平均気温であまり変わらなかった。

・前日比で最低気温が3度以上 下がるような変動が直近の10日間にあると脳卒中発症率が30%上昇した。

・最高気温の変動との関連は見られなかった。





最低気温が急に下がると脳卒中患者が増えることがわかった


というおはなし。

写真:モザンビークMaputo
モザンビークの都市マプトの住人についての研究



感想:

最近、暖かくなったかと思うと急に寒くなる日が続いて、

なぜかブログアクセスが急増していたりする。

こんな背景もあるのかな…と思った。

2013年3月28日

イラン人も脳卒中後ウツになるのか


Treatment of hypertension as a risk factor in a prospective study.
2013  3月  イラン



脳卒中患者は日常生活動作に影響を与えるさまざまな身体的、心理的問題を抱えている。

脳卒中患者の日常生活動作(ADL)とウツ、生活の質(QOL)との関連を調べてみたそうな。


イランの脳卒中リハビリセンターの患者40人について調査した結果、


次のようになった。

・66%の患者は日常生活で他者による何らかの助けが必要だった。

・73%の患者が中程度以上の脳卒中後ウツを経験していた。

・ADL,QOLが高いとウツの程度は低かった。

・ADLとQOLとは強い関連があった。





脳卒中後の日常生活動作はウツと生活の質に強い関連があった


というおはなし。

写真:イラン


感想:

彼の国では脳卒中後のウツなんか

信仰心で一瞬に吹き飛ばしてしまうかと思っていただけに

同じような悩みを抱えていることを知って安心した。

2013年3月27日

【脳の可塑性の限界】ピアニストにデュアルtDCSやってみた


Early optimization in finger dexterity of skilled pianists: implication of transcranial stimulation.
2013  3月  ドイツ



非侵襲的な脳刺激法であるtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は

健常人や脳卒中患者の運動機能を改善することが知られている。

高度に技能訓練された人にこの神経可塑変化が現れるのかどうか調べてみたそうな。


大会受賞歴のある熟練ピアニスト12人について、デュアルtDCSを約20分間行った。

tDCSの最中にメトロノームにあわせて両手の指を使ってピアノの鍵盤を叩く訓練を行った。

tDCSは極性を入れ替えたもの、1/10強度の偽刺激も行い、

その前後に鍵盤キーを叩くスピード、正確さをテストしてデータ解析した。


次のようになった。

・あきらかな指の動きの改善はなかった。

・ただし、歳をとってからピアノを始めた人には若干の改善が見られた。





熟練ピアニストへのtDCSの運動機能改善効果はピアノを始めた年齢に依っていた。

脳の可塑性には上限があり、若くして熟達してしまうと可塑の余地がなくなるのかもしれない



というおはなし。


写真:熟練ピアニスト

2013年3月26日

脳卒中になったら日本酒を2合飲むと梗塞を最小限にできる可能性について


Acute Administration of Ethanol Reduces Apoptosis Following Ischemic Stroke in Rats.
2013  3月  アメリカ



脳梗塞後のエタノール投与に神経保護効果があると言われている。

これを脳細胞のアポトーシス(細胞死)関連タンパク質から検証してみたそうな。



人為的に脳虚血状態にしたネズミに体重1kgあたり0.5-1.5gのエタノールを腹部注射した。

アポトーシス細胞の量、関連タンパク質の増減を調べた。



次のようになった。

・脳虚血後アポトーシスが増えたが、1.5g/kgのエタノール投与でアポトーシスは減った。

・1.5g/kgのエタノールでアポトーシス促進タンパク質の発現が減った。

・この効果は24時間後も続いた。

・0.5g/kgのエタノールではアポトーシス関連タンパク質の発現に影響はなかった。





ネズミへの1.5g/kgのエタノール腹腔内投与は

血中レベルで酒気帯び運転基準ギリギリの濃度に相当する。

これが脳梗塞後のアポトーシスを抑制することがわかった



というおはなし。

写真:日本酒



感想:

アメリカの酒気帯び運転基準は日本の倍以上余裕があって、0.8mg/ml.

これに相当する飲酒量は日本酒1-2合となる。

このくらいの量なら実践できるね。

2013年3月25日

超早期リハビリは梗塞の拡大を防ぐ


Early Exercise Protects against Cerebral Ischemic Injury through Inhibiting Neuron Apoptosis in Cortex in Rats.
2013  3月  中国



超早期リハビリが脳細胞のアポトーシスに与える影響を調べてみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミを

24時間後にトレッドミルで強制的に運動させ、

14日後にアポトーシス関連のタンパク質、梗塞の体積、運動機能を評価した。

比較のため運動させないグループも作った。


次のようになった。

・運動ありグループではアポトーシスした細胞が運動なしグループに比べ減った。

・アポトーシスを抑制するタンパク質も増えた。

・梗塞の体積も小さかった。

・運動機能も向上した。



脳卒中後の超早期リハビリによって

アポトーシスが抑制され脳が保護されることがわかった



というおはなし。

2013年3月24日

両腕で血圧を測って 差が10以上あったらヤバイ


Interarm blood pressure difference and mortality in patients with acute ischemic stroke.
2013  3月  韓国


急性期脳梗塞患者の上腕血圧の左右差と予後、全身動脈硬化との関連を調べてみたそうな。



832人の急性期脳梗塞患者について、3年間追跡調査した。

動脈硬化はCT、超音波、アンギオ、ABI検査の結果を総合し診断した。



次のようになった。

・この間に92人の患者が死亡した。

・上腕血圧の差10mmHg以上は、収縮期で10%、拡張期で6%の患者にみられた。

・収縮期または拡張期の上腕血圧の差が10mmHgあると、総死亡率の増加と、

・下肢の末梢動脈疾患との関連が強かった。




急性期脳梗塞患者の上腕血圧の差を測定すれば予後の目安になることがわかった



というおはなし。

2013年3月23日

突発性難聴は脳卒中の前兆なのか?


Relationship between idiopathic sudden sensorineural hearing loss and subsequent stroke.
2013  3月  台湾



突発性難聴と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

突発性難聴と診断された349人の患者を平均7年間追跡調査して、

脳卒中になったグループとならなかったグループの特徴を調べた。


次のようになった。


・脳卒中発症率は年間0.6%だった。

・脳卒中になったグループには高齢、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中の既往が多かった。

・特に、脳卒中の既往歴が脳卒中になる主な危険因子だった。





突発性難聴患者の脳卒中発生率は健常人のそれと同じで、

突発性難聴で脳卒中になるわけではなかった



というおはなし。

写真:突発性難聴

2013年3月22日

リバウンド睡眠を極めれば梗塞を半分にできる可能性について


Sleep deprivation before stroke is neuroprotective: A pre-ischemic conditioning related to sleep rebound.
2013  3月  スイス



脳卒中後の睡眠妨害は、脳のダメージを悪化させることが動物実験でわかっている。

一方、脳卒中前の睡眠妨害には神経保護効果があるという。

そこで、脳卒中急性期にリバウンド睡眠をぶつけて神経保護効果を検証してみたそうな。



ネズミをつかった実験。

・人為的に脳梗塞にする直前に、6時間完全不眠にするグループを作った。

・比較のため、不眠にしない(睡眠)グループ、不眠にしたあと十分に眠らせるグループ 等を作成して、

脳卒中後24時間の脳波、睡眠時間を、7日後に梗塞の体積を測定、比較した。



次のようになった。

・完全不眠グループでは、脳卒中直後に 徐波睡眠、REM睡眠が著しく増加した。

・その結果、脳卒中前よりも睡眠時間が30%、睡眠グループよりも20%長くなった。(→リバウンド睡眠)

・完全不眠グループは、睡眠グループよりも梗塞の体積が50%小さかった。

・完全不眠ネズミを脳卒中にする前に充分に睡眠をとらせたところ、梗塞体積の減少は観察できなかった。




睡眠妨害のあとにはリバウンド睡眠が起きて、脳のダメージが減った。

リバウンド睡眠には神経保護効果が期待できるのかも知れない



というおはなし。

T sleep D

感想:

おもしろい。

徹夜明けで取る睡眠には

脳を修復しようとする活動が満ち溢れている、

ってことなんだと思った。

2013年3月21日

【デュアルtDCS 】脳卒中患者の頭部左右に乾電池の電極を貼ってみた


Single Session of Dual-tDCS Transiently Improves Precision Grip and Dexterity of the Paretic Hand After Stroke.
2013  3月  ベルギー



脳卒中になると脳の半球間相互バランスが崩れて手の麻痺に影響がでる。

この状況をデュアルtDCS(経頭蓋直流電気刺激)で改善できないか試してみたそうな。


慢性期脳卒中で軽中程度の片麻痺患者19人について、

損傷側頭部に乾電池のプラス極、健常側にマイナス極を貼り付けるデュアルtDCSを20分間行った。

偽刺激グループも設けて、麻痺手の動作の正確さ、巧緻さの変化を評価、比較した。


次のようになった。


・1回のデュアルtDCSの直後、握りの正確さが偽刺激グループに比べ著しく改善した。

・手指の巧緻さはデュアルtDCSを開始して徐々に高まり、終了20分後に最高レベルに達した。
(スコア40%増、偽刺激5%増)

・握りの正確さも刺激終了後20分で最高になった。





1回のデュアルtDCSで手の運動機能が大きく改善し、その効果が継続した。

詳細な刺激条件を検証する実験をやってみたくなった



というおはなし。




感想:

tDCSとTMSって考え方がとても似ている。

でも、デュアルTMSは耳にしたことがない。

tDCSとTMSの装置の価格差は1000倍以上の開きがあるはずだから、当然かな…と思った。

2013年3月20日

50歳未満で脳卒中を経験 → 長生きはしない


Stroke Before Age 50 Linked to Raised Risk of Early Death
2013  3月  アメリカ



若くして脳卒中になった人のその後の死亡率を調べてみたそうな。


1600人あまりの50歳未満の脳卒中経験者について、

1980-2010まで追跡調査を行った結果、


次のようになった。


・20年間の死亡率は全体で20%。

・特に、一時的な脳卒中発作では死亡率25%、

・脳梗塞では27%、

・脳出血では14% 



となり、一般人の死亡率よりもずっと高かった。



若くして血管病変に見舞われる人はそのリスクが一生つづくのだろう


というおはなし。



感想:

言われるまでもなく覚悟はできている。

そのおかげで、ガンや地震などの心配をしなくなった。

特約をいっぱいつけていた医療保険もすべて解約した。

Long-term mortality after stroke among adults aged 18 to 50 years.

2013年3月19日

脳卒中発症確率の計算式が判明 国立がん研究センター


10年間で脳卒中を発症する確率について
-リスク因子による個人の脳卒中発症の予測システム-
独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部

2013  3月  日本



日本人6万人を対象とした14年間の追跡調査の成果により、

脳卒中発症確率を簡単に算出する方法が明らかになったそうな。

脳卒中発症確率計算式


各項目の点数を合計して、右の対応表から10年間の発症確率がわかる


というおはなし。



感想:

さっそく計算してみた

発症当時、17点だった。 →確率1~2%

これはすごい!

2013年3月18日

全身振動トレーニングで脳卒中患者の骨代謝が改善するのか?


The effects of whole-body vibration therapy on bone turnover, muscle strength, motor function, and spasticity in chronic stroke: a randomized controlled trial.
2013  3月  香港



脳卒中片麻痺患者への全身振動トレーニングの骨代謝への影響を調べたそうな。


82人の慢性期脳卒中患者を2グループにわけ、

一方には通常の運動に加えて15分間の全身振動トレーニングを週に3回×8週間施行した。

血液中の骨代謝マーカー、脚の筋力、運動機能等をトレーニング前後で比較した。


次のようになった。

・全身振動トレーニングの有無、介入前後で骨代謝に違いはなかった。

・グループ間で運動機能も変わらなかった。

・全身振動グループで膝の痙縮程度が大きく改善した。

・有害事象はなかった。




全身振動トレーニングは慢性期脳卒中患者の

骨代謝や筋力、運動機能の改善にはつながらなかった。

しかし膝の痙縮緩和には良さそうなことがわかった



というおはなし。


全身振動トレーニングがなぜ良いのかの解説ビデオ


高加速度刺激を安全に体験できるので、筋力、骨代謝、循環器系を楽に鍛えることができる、って内容。

2013年3月17日

リハビリのついでのミラーセラピーが思いのほかよかった


The value of adding mirror therapy for upper limb motor recovery of subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2013  3月  イタリア



通常の上肢リハビリにミラーセラピーを足してみたそうな。


発症4週間以内の脳卒中患者26人を、ミラーセラピーあり、なしのグループに分けた。

ミラーセラピーは30分間、通常の上肢リハビリも行った。

1ヶ月後、改善程度を3種類のテストで評価した。



次のようになった。

・いずれのグループも大きく改善した。

・特に、ミラーセラピーありグループはすべてのテストで優れていた。

・副作用に類することは起きなかった。





ミラーセラピーはシンプル、低コストで有効な上肢リハビリ法であることがわかった


というおはなし。


写真:ミラーセラピー

2013年3月16日

緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明


The impact of green tea and coffee consumption on the reduced risk of stroke incidence in Japanese population: the Japan public health center-based study cohort.
2013  3月  日本

緑茶とコーヒーの脳卒中予防効果を検証してみたそうな。

45-73歳、83269人の日本人に緑茶、コーヒー摂取のアンケートを行い、13年間追跡調査した結果、

次のようになった。

・コーヒーを1日1杯飲むと脳卒中リスクが20%下がった。

・緑茶を1日2-3杯飲むと14%、4杯以上飲むと20%脳卒中リスクが下がった。

・特に、コーヒー1杯と緑茶2杯以上飲むと相互作用で脳内出血リスクが32%下がった。



というおはなし。
写真:緑茶コーヒー


感想:

緑茶は煎茶を指し、コーヒーは缶コーヒーを含まないそうである。

2013年3月15日

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた


The effect of repeated sessions of galvanic vestibular stimulation on target cancellation in visuo-spatial neglect: Preliminary evidence from two cases.
2013  3月  イギリス


身体のバランスシステムを人工的に刺激する半側空間無視治療法が関心を集めている。

そのひとつが前庭感覚電気刺激(GVS)である。

GVS(Galvanic Vestibular Stimulation)は左右の耳の後ろに電極を付け微弱電流を流すとプラス極側に身体が傾いたと感じる現象を指す。

これまでは1回の電気刺激による影響を調べた研究だけだった。

しかし効果が持続せず、すぐに症状が戻ってしまう問題があった。

今回は、繰り返し刺激を与えて、効果の持続可能性を検証してみたそうな。



脳卒中で半側空間無視の患者2人について、左側がプラス極のGVSを5日間行った。

その前後での注意力検査のスコアを比較したところ、


次のようになった。

・5日間のGVS直後、2人の患者いずれも、スコアが著しく改善した。

・さらにその3日後にも、改善効果をはっきりと確認することができた。




前庭感覚電気刺激の半側空間無視治療効果を検証するためのさらに規模の大きい研究をやってみたくなった



というおはなし。




感想:

このビデオ(2分半)、前庭感覚電気刺激(GVS)の影響がすごくよくわかる。


乾電池の電流でホントにこんなことになるのかな...


以前の記事↓(別の研究者による)
前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!


2013年3月14日

嚥下障害患者の咳が弱い意外な理由


Differences in the Peak Cough Flow among Stroke Patients With and Without Dysphagia.
2013  3月  日本



咳は気道をクリアにするための防御反応であり、しっかり咳ができる嚥下障害患者は誤嚥しにくい。

脳卒中患者が咳をしたときの最大呼気流量が嚥下障害の有無でどう変わるのか調べてみたそうな。


肺活量計を使って、嚥下障害の脳卒中患者10人、嚥下障害なしの脳卒中患者20人と10人の健常人について咳の最大呼気流量を測定、比較した。

次のようになった。


・嚥下障害なし脳卒中患者の咳の最大呼気流量は毎分297リットルだった。

・健常人では462リットル、

・嚥下障害があると、160リットルだった。

・また、嚥下障害があると肺活量、予備吸気量ともに健常人よりも低かった。

・予備吸気量と咳の最大呼気流量との関連が強かった。




脳卒中で嚥下障害の患者がしっかりと咳をできるかどうかは

肺機能、特に予備吸気量にかかっていることがわかった



というおはなし。
写真:スパイロメーター



感想:

なぜ肺機能が弱って見えるのか?


予備吸気量:安静時吸息の終了からさらに最大努力により追加吸入しうる空気の容積

2013年3月13日

脳卒中にしたネズミを毎日クタクタになるまで歩かせてみた


The effects of training intensities on motor recovery and gait symmetry in a rat model of ischemia.
2013  3月  中国



脳卒中リハビリに適した運動強度を調べてみたそうな。


人為的に脳卒中にしたネズミを、次の2グループに分けた。


・ほどほど運動グループ

→1回15分間の体重支持トレッドミルトレーニングを1日3回、隔日、8日間


・限界運動グループ

→トレッドミルについて行けなくなるまでの運動を毎日、8日間


その後の歩行機能と脚の筋電記録を評価した。



次のようになった。


・ほどほど運動では歩行対称性が向上したが、限界運動ではそうならなかった。

・同様に、動作が機敏になり、麻痺脚も強くなった。

・ふくらはぎの筋電パターンも改善した。





筋肉が疲労しきってしまわない程度の運動強度が

脳卒中リハビリには適していることがわかった



というおはなし。

ネズミトレッドミル

感想:

ネズミさんはまじめだからこうなるけど、

人は全力出すまえに泣き言吐いて運動辞めちゃうと思う。

2013年3月12日

脳卒中老人は言語、運動障害でウツになるわけではない


Depressive disorders in elderly and senile patients in the period of rehabilitation after acute ischemic stroke
2012  12月  ロシア


脳卒中後のウツの特徴を若年者と高齢者とで比較してみたそうな。



脳卒中患者、70歳以上の186人と33-60歳の110人について、

ウツの頻度と、リハビリでの回復程度について調査した結果、



次のようになった。

・脳卒中後のウツの頻度とその重症度は年齢に依らなかった。

・ウツがリハビリを妨げる影響は若年者より高齢者で大きかった。

・老人は、運動機能障害がウツの原因になるわけではなかった、

・しかし麻痺とウツが重なるとリハビリが進まなくなった。

・高齢者の言語障害はウツのきっかけにはならなかった。




脳卒中後のウツの特徴は高齢者と若年者とで 対照的な面があった


というおはなし。

2013年3月11日

赤ちゃんは脳梗塞よりも脳出血が多く、ビタミンK不足が原因


Arterial ischemic stroke and hemorrhagic stroke in Chinese children: A retrospective analysis.
2013  3月  中国



小児の脳出血、脳梗塞の原因と特徴を調べてみたそうな。

重慶大学医学部小児病院の9年間分の患者データを解析したところ、


次のようになった。

・70%(119人)が男児、30%(50人)が女児だった。

・脳出血は全体の64%で、ビタミンK欠乏症が原因の60%を占めていた。

・その88%は母乳栄養中で、ビタミンKのサプリメントを摂っていないケースだった。

・脳梗塞は全体の35%、そのうち40%が軽い頭部外傷によるもので、脈管由来のケース17%より多かった。






小児では、脳出血が脳梗塞よりも多い。

乳幼児の脳出血の原因は主にビタミンK欠乏症で、

脳梗塞は頭部外傷に由来することがわかった



というおはなし。



感想:

検索したらこれ↓勉強になった。

新生児に対するビタミンK投与のあり方について(pdf)



2013年3月10日

【おいでやすぅ】京都の脳卒中事情


Characteristics, risk factors and mortality of stroke patients in Kyoto, Japan.
2013  3月  日本



京都での脳卒中患者の内訳について調べたそうな。

過去10年間に京都府内で登録された脳卒中患者1万4千人

あまりの医療データを解析したところ、


次のようになった。

・90%がCT、65%がMRI、18%が血管造影検査を受けた。

・86%が脳梗塞、26%が脳内出血、9%がクモ膜下出血だった。

・平均年齢はそれぞれ、73、69,63だった。

・脳梗塞と脳内出血は男性が多く、クモ膜下出血は女性が多かった。

・30日以内の死亡率は、クモ膜下出血28%、脳内出血15%、脳梗塞5%だった。

・年齢、性別、既往症、喫煙、飲酒などの要因を考慮した死亡危険率は、

 脳梗塞を1.0とすると、脳内出血3.7、クモ膜下出血8.9だった。




京都人の脳卒中状況の一面を明らかにすることができた


というおはなし。


京都人の脳卒中種類別 生存率曲線



感想:

Kyoto限定という以外に目新しい点は無いようだけど、

Kyotoなら まぁいいか… と思った。

2013年3月9日

ウォーキングの脳卒中リハビリ効果が明らかに


Outdoor walks 'boost stroke survivors' recovery'
Post-stroke walking program improves stroke survivors’ lives
2013  3月  ジャマイカ


だれでもどこでもできる脳卒中リハビリ法としてウォーキングの効果を調べてみたそうな。


平均年齢64、発症から6-24ヶ月の脳梗塞患者128人について、

1回15-30分間の屋外ウォーキングを週3回のペースで12週間続けた。


次のようになった。

・16.7%の患者のQOL(生活の質)が向上した。

・6分間歩行テストの距離が平均17.6%延びた。

・マッサージのみ受けていた患者は心拍数が6.7%高かった。



ウォーキングは脳卒中患者の心と身体にとってもイイ


というおはなし。

写真:ウォーキング脳卒中

感想:

一方日本では、
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明


なぜ、いまさらウォーキングなのか?

Effect of Aerobic Exercise (Walking) Training on Functional Status and Health-related Quality of Life in Chronic Stroke Survivors: A Randomized Controlled Trial.

2013年3月8日

めまいと脳卒中を自動判別できるマシンを作ってみた


Quantitative Video-Oculography to Help Diagnose Stroke in Acute Vertigo and Dizziness: Toward an ECG for the Eyes.
2013  3月  アメリカ



めまいの患者が脳卒中であるかどうかを判別することは医者でも難しい。

それを自動でできる装置を作ってみたそうな。


眼球運動をトラッキングするカメラを内蔵したゴーグルと

データ解析用のパソコンとで構成する装置を作成し、

実際に脳卒中が疑われるめまい患者を検査した結果、


次のようになった。

・12人の被験者について、MRIでの結果と照らしあわせたところ正診率100%だった。




内耳由来のめまいと脳卒中を自動判別することができた。

もっと被験者の数を増やして実用化に取り組みたい



というおはなし。

写真:めまい脳卒中判別機
この装置



感想:

子供相手でもとりあえずすぐにCTを撮る習慣を改めるためにも、

こういう技術はどんどん普及してほしい。

2013年3月7日

脳卒中で患者と家族は否応なく運命共同体になるんだと思う


Does caregiver well-being predict stroke survivor depressive symptoms? A mediation analysis.
2013  2月  アメリカ



脳卒中患者のウツと家族介護者の健康状態との関連を調べたそうな。


146組の脳卒中患者と家族介護者について、

患者の障害やウツの程度、および介護者のウツ、人生満足度を調査し、関連を解析した結果、


次のようになった。

・脳卒中患者の障害とウツの程度には関連があった。

・さらにこの関連には介護者の人生満足度とウツの程度が大いに関連していた。





脳卒中患者の障害は家族介護者を苦しめる。

それが患者自身の回復の更なる妨げになるのかもしれない。

患者と介護者を並行してサポートすることが重要



というおはなし。




感想:

これは必ずしもネガティブな意味ばかりではないと思う。

家族間の距離が縮まっている証拠。

2013年3月6日

疲労やウツのある若い脳梗塞患者は早くに死んでしまうらしい


Poststroke fatigue and depression are related to mortality in young adults: a cohort study.
2013  3月  ノルウェー



脳卒中のあとの疲労やウツが、死亡率にどう関わってくるのか

若年脳梗塞患者について調べてみたそうな。



15-50歳の脳梗塞患者190人の疲労度とウツの程度、死亡率を12年ほど追跡調査した結果、


次のようになった。

・死亡率は、疲労度と関連があった。

・死亡率は、ウツの程度と関連があった。




若年脳梗塞で疲労やウツひどい患者は死亡率が高くなることがわかった


というおはなし。

図:生存率曲線

疲労度(FSS)別 生存率曲線

2013年3月5日

微小脳出血の増加は血圧を下げてもすぐには止まらない


Higher Ambulatory Blood Pressure Relates to New Cerebral Microbleeds: 2-Year Follow-Up Study in Lacunar Stroke Patients.
2013  2月 オランダ



血圧と微小脳出血との関連を携帯血圧計を使って調べてみたそうな。


90人のラクナ梗塞患者について、脳のMRI検査と携帯型血圧計による2年間の追跡調査を行った。


次のようになった。

・18%に新たな微小脳出血を認めた。

・血圧が高いというだけで年齢性別に関係なく微小脳出血リスクが2倍以上になった。

・新たに微小脳出血ができた者もできなかった者も血圧は低下傾向にあった。






ラクナ梗塞を経験した人は、血圧が高いと微小脳出血になりやすかった。

血圧を低下させても微小脳出血の増加を抑えられなかった。

もっと早期に降圧薬治療を行えば微小脳出血を防げるのかも知れない



というおはなし。



感想:

血圧が高いと微小脳出血になって、

下げてもなる。

ってことは血圧自体は直接的な原因ではないってことだと思う。


これ↓思い出した。

微小脳出血が起きやすい身長体重が判明



2013年3月4日

日本人の脳卒中理解度をネットでアンケートしてみた


Stroke Knowledge: A Nationwide, Internet-based Survey of 11,121 Inhabitants in Japan.
2013  3月  日本



日本人の脳卒中理解度をネットで調べてみたそうな。


平均年齢44.8、11121人から回答を得ることができた。

解析の結果、次のようになった。

・10.3%は脳卒中をよく理解していると答えた。

・33.8%は脳卒中について調べたことがあった。

・情報源はテレビ85.2%、新聞34.1%だった。

・90%ほどが、言葉のもつれ、半身麻痺を脳卒中の症状と理解していた。

・しかし脳卒中を判定できる自信のある人は2.3%にとどまった。

・脳卒中が起きたら67.0%が救急車を呼ぶと答えた。

・脳卒中の症状や危険因子、患者を看た経験のある人ほど救急車を呼ぶためらいはなかった。





脳卒中への理解度が必ずしも十分でないことがわかった


というおはなし。




感想:

最近はこう考えるようになった。

脳卒中の症状を示す人が昏睡しているのでなければ、

1分1秒を争って病院に行くメリットはない。

けど、救急車で入院したほうが待遇は良さそうなので、

仕事の片付けや、着替えなどの準備を整えてから、

余裕をもって119番すべし、って。

2013年3月3日

兄弟を亡くした悲しみで脳卒中になって死んでしまうケースは男より女がおおい


Fatal stroke after the death of a sibling: a nationwide follow-up study from sweden.
2013  2月  スウェーデン



肉親との死別によるストレスは脳卒中を招くと言う。

兄弟(男女区別なし)と死別した人の、脳卒中で死んでしまいやすさ を調べてみたそうな。



スウェーデンの40-69歳の160万人あまりについての18年間のデータを解析したところ、


次のようになった。

・兄弟を亡くした女性の脳卒中死亡リスクは3割増しだった。

・男性の脳卒中死亡リスクはほとんど増加しなかった。

・死別後2-3年後までは男女共に脳卒中死亡リスクが高かった。

・長期的には女性のみ、脳卒中死亡リスクの上昇が見られた。





兄弟と死別すると脳卒中死亡リスクは高くなり、

その影響は主に女性に及ぶことがわかった



というおはなし。




感想:

こういうことには女性の方がタフだと思っていた。

2013年3月2日

脳梗塞で高血圧だと再発しやすいのか?


Association of Hypertension With Stroke Recurrence Depends on Ischemic Stroke Subtype.
2013  2月  中国



高血圧がどんなタイプの脳梗塞の再発を招くのか調べてみたそうな。


1万人あまりの脳梗塞患者について調べたところ、

次のようになった。

・72.7%が高血圧(140/90mmHg以上)または降圧薬を飲んでいた。

・17.7%が1年以内に脳梗塞を再発した。

・高血圧ありの再発率は18%、高血圧なしの再発率は17% で大した差がなかった。

・高血圧は小血管病変(ラクナ梗塞)と関連が強く、アテローム性、心原性脳梗塞とは関連が見られなかった。





脳梗塞患者の高血圧は、ラクナ梗塞の再発とのみ関連があるが、

全体的にみると大した問題じゃないんじゃない



というおはなし。

2013年3月1日

ビタミンBサプリは脳卒中後のボケ防止になるのか?


B vitamins may not help after stroke
2013  2月  アメリカ



先日の国際脳卒中学会での発表。

ビタミンBサプリメントが脳卒中のあとの認知力低下を喰い止められるか調べてみたそうな。



約2200人の脳卒中患者について

ビタミンBサプリメント(B6,9,12)または偽薬を毎日摂るグループに分け、

6ヶ月毎に約3年間、認知機能を調べるテストを行った。



次のようになった。

・ビタミンBサプリメントと偽薬グループ間で、

認知機能の低下、障害の程度に目立った差は見られなかった。





ビタミンBサプリは脳卒中後のボケ防止にはなりそうもない


というおはなし。

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