2014年1月31日

太極拳リハビリは転倒が少なく安全


The Effect of Tai Chi on Physical Function, Fall Rates and Quality of Life among Older Stroke Survivors.
2014  1月  アメリカ

太極拳の脳卒中リハビリ効果を検証してみたそうな。


平均年齢70、発症後3年の脳卒中経験者145人を次の3グループに分けた。

*太極拳:53人
*筋トレ柔軟体操:44人
*普通のリハビリ:48人

太極拳は1回1時間×週3回×12週間行った。


次のようになった。

・各訓練期間中に転倒した人数は、太極拳グループでは他のグループの3分の1だった。

・太極拳と筋トレ柔軟体操グループでは有酸素持久力が大きく向上した。


太極拳と筋トレ柔軟体操は有酸素持久力を高めかつ容易に実践可能なリハビリ法だった。とくに太極拳は転倒回数も少ないのでよりオススメである、


というおはなし。


この研究者が行っている太極拳教室のシーン(4:30-)

2014年1月30日

なぜ脳卒中のあとに糖尿病になってしまうのか


High Incidence of Diabetes after Stroke in Young Adults and Risk of Recurrent Vascular Events: The FUTURE Study.
2014  1月  オランダ

もともと糖尿病で脳卒中になった若年患者は再発しやすい。

そこで、脳卒中になってから糖尿病になった若年患者の再発について調べてみたそうな。


1980-2010にわたり脳梗塞やTIA患者を対象に行った調査結果をフォローし、糖尿病、空腹時血糖異常、血管性発作の再発頻度についてさらに調べた。


次のようになった。

・平均年齢40、糖尿病歴の無い427人の患者を約10年間追跡調査した。

・糖尿病になった割合は8%で、普通の人の2倍だった。

・空腹時血糖異常の割合は21%だった。

・これら糖尿病や血糖異常になった者は、血管性発作が数倍再発しやすかった。


若年脳卒中患者が糖尿病や血糖異常になることはよくあることで、脳卒中の再発と関連があった、


というおはなし。

写真:糖尿病

2014年1月29日

肘の痙縮が治るツボの位置が判明


Selection of acupoints for managing upper-extremity spasticity in chronic stroke patients.
2014  1月  台湾

電気鍼療法が上肢の痙縮にどれくらい効くのか検証してみたそうな。


15人の慢性期脳卒中患者について、

・電気鍼療法を受ける9人 と
・比較のための微小鍼刺激6人 に分けた。

電気鍼療法は1回20分間×週2回×6週間行った。

刺激したツボは、前腕上の4箇所。
写真:ツボ上肢痙縮


次のようになった。

・全治療期間を通じて電気鍼グループで肘の関節を自らの意志で大きく動かせるようになった。

・手首の痙縮には大した違いは見られなかった。

6週間の電気鍼治療によって慢性期脳卒中患者の肘の痙縮が大きく改善された。しかし手首の痙縮に影響はなかった。別のツボも検討してみたい、


というおはなし。

2014年1月28日

脳卒中経験者は喫煙を控えなくてもいいのか?


Smoking and Mortality in Stroke Survivors: Can We Eliminate the Paradox?
2014  1月  アメリカ

脳卒中経験者の喫煙は死亡率の増加にはつながらないと多くの研究が示している。

そこで、脳卒中経験者の喫煙状況と各種死亡率との関連について調べてみたそうな。


1997-2004の死亡調査データベースから45歳以上の脳卒中経験者を抽出し、総死亡率、心血管系疾患死亡率、ガン死亡率と喫煙状況との関連を解析した。


次のようになった。

・18.7%の脳卒中経験者が喫煙していた。

・死亡者数の50%は心血管系疾患によるもので、15%はガンが原因だった。

・現在喫煙者は非喫煙経験者にくらべ総死亡率がやや高く、がん死亡率は3.8倍だった。

・現在喫煙者の心血管系疾患死亡率は、社会経済状況を考慮に入れると高いとはいえなかった。


脳卒中経験者で喫煙している人は総死亡率が高かったが、その主な要因はガンだった。心血管系疾患死亡率の高さは社会経済的状況を反映しているだけかも、


というおはなし。


感想:

なるほどこれまでの記事で喫煙はあまり悪そうに見えない。
喫煙を経験しておいた方が脳卒中的には良い と考える理由

喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い

タバコや酒をやっていたからといって、脳卒中のあとはやくに死んでしまうわけではなかった

喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い

【パラドックス】タバコ好きの脳梗塞患者にはtPA治療が良く効くぅ



2014年1月27日

麻痺上肢の痙縮を簡単に改善する方法を日本の研究者が発見!


Immediate Effects of Unaffected Arm Exercise in Poststroke Patients with Spastic Upper Limb Hemiparesis.
2014  1月  日本

脳卒中患者の健側上肢運動が麻痺側上肢にどう影響するか調べてみたそうな。


平均年齢65、発症後9年前後の脳卒中経験者41人について、健側上肢で最大筋力50%のクランク回転運動を10分間継続させた。


次のようになった。

・麻痺上肢の筋緊張度が著しく低下した。

・機能面での変化はなかった。


健側上肢の10分間の運動によって、麻痺側上肢の筋緊張が改善した、


というおはなし。

写真:ハンドエルゴメーター



感想:

同じ研究者のこんな資料が見つかった。
げんき開発研究所:治療としてのリハビリテーション(pdf)
ちょっと変わってておもしろい。

2014年1月26日

転倒しやすい患者の特徴


Can overestimation of walking ability increase the risk of falls in people in the subacute stage after stroke on their return home?
2013  12月  イタリア

脳卒中患者の転倒は珍しいことではなく、歩行スピードと関連があると言われている。

そこで、全力で歩くときのスピードと、楽に歩く場合のスピードが 転倒リスクとどう関連するかを調べてみたそうな。


歩行可能な脳卒中患者75人ついて、退院時に10m歩行テストと6分間歩行テストを行った。
その後1年間、2ヶ月置きに転倒した回数を電話調査し、両者の関連を解析したところ、


次のようになった。

・6分間歩行テストと10m歩行テストのスピードの比が転倒回数と関連していた。

・短距離の歩行時にやたらスピードが上がる患者はより転倒しやすかった。


短距離と長距離を歩かせた時のスピードの違いをみれば、その脳卒中患者の転倒しやすさが予想できる、


というおはなし。


感想:

達成できるスピードや距離そのものではなく、どのくらいせっかちなのか という患者の性向が転倒と関係している ってことと理解。

看護師同伴で廊下を歩くことを許可された当初、異常にスピードが速いと注意されて、案の定転倒しかけて間一髪で助けてもらった思い出。

2014年1月25日

AB型は脳卒中リスク1.8倍と判明


ABO Blood Type and Stroke Risk: The REasons for Geographic and Racial Differences in Stroke (REGARDS) Study.
2014  1月  アメリカ

ABO式血液型は凝固因子や血管系に関連した遺伝的性質である。

そこで血液型と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


30239人が参加した脳卒中研究調査から、血液型のわかる646人分の脳卒中患者データを抽出し関連を解析した。


次のようになった。

・5.8年間追跡の結果、O型に比べAまたはB型の脳卒中のなりやすさには差がなかった。

・一方AB型はO型に比べ脳卒中リスクが1.8倍ほど高かった。

・糖尿病があるとこの関連が弱くなった。

・AB型と脳卒中リスクとの関連は、血液凝固第Ⅷ因子に原因がありそうだった。


血液がAB型だと脳卒中リスクが非常に高くなることがわかった、


というおはなし。

図:血液型と脳卒中リスク

2014年1月24日

日光浴で血圧が下がる


Can sunlight protect against heart attack and stroke?

UVA Irradiation of Human Skin Vasodilates Arterial Vasculature and Lowers Blood Pressure Independently of Nitric Oxide Synthase.
2014  1月  イギリス

日光浴をすると皮膚にある一酸化窒素(NO)関連代謝物からNOが血中に流れ出し、血管を弛緩させ血圧が下がり、脳卒中予防になるという仮説を検証してみたそうな。


24人の健常人について皮膚に紫外線を20分間×2回照射したところ、


次のようになった。

・血圧が大きく下がった。

・これは皮下に蓄えられたNO予備物質によるものと考えられた。


皮膚がんを怖がって日光を避けてばかりいると、せっかくの血圧低下効果の恩恵にあずかれないかも…


というおはなし。


写真:日光

2014年1月23日

転院先を間違えると良くなるものもよくならない


Discharge disposition to skilled nursing facility after endovascular reperfusion therapy predicts a poor prognosis.
2014  1月  アメリカ

脳卒中の治療を受けた患者が、その転院先(リハビリ施設か高度看護施設)によって予後がちがうものかどうか調べてみたそうな。


平均年齢63、147人の脳卒中患者の医療データを解析し、発症90日後の自立度を評価したところ、


次のようになった。

・リハビリ施設へ移った者と高度看護施設に行った者とで、梗塞の大きさなどの身体状況はほぼ同じだった。

・しかし発症90日時点での予後は大きく異なり、高度看護施設の患者で回復良好な者は非常に少なかった。(25% vs 46%)

・高度看護施設へ転院した患者の90日後の自立可能性は34%と非常に低かった。


血栓治療を行った後、リハビリ施設や高度看護施設に転院した脳卒中患者は 入院時の重症度や転院時の梗塞の大きさはほぼ同じだった。にも関わらず、高度看護施設へ移った患者の良好な回復可能性は非常に低かった、


というおはなし。


写真:高度看護施設


感想:

高度看護施設(skilled nursing facility)についてはこんな記事があった。

外傷患者の3年死亡率は16%、病院から高度看護施設への退院で死亡リスク増大

日本では介護老人保健施設あたりが該当するのかな?


2014年1月22日

アートセラピーを舐めちゃいけない


Fight like a ferret: a novel approach of using art therapy to reduce anxiety in stroke patients undergoing hospital rehabilitation.
2014  1月  イギリス

脳卒中リハビリを全体的に眺めてみると、不安やウツが珍しくないにも関わらず身体機能的回復にのみ重点が置かれ、心理的な健康がないがしろにされている。

そこで、アートセラピーが脳卒中患者の孤独や不安を癒やすものかどうか調べてみたそうな。


リハビリ入院中の脳卒中患者に6週間のアートセラピーを受けてもらった。

アートセラピーは心理セラピストにより、絵画や粘土工作、写真撮影、iPadを通じて行う。


次のようになった。

・6人の男性脳卒中患者が参加した。

・グループディスカッションを通して不満や回復への希望を腹蔵なく語り合った。

・彼らはいくつかのアートオブジェクトと写真イメージを造り、それらをつなぎあわせて10分間のフィルム作品を仕上げた。

・病院不安ウツ尺度はアートセラピー前後で8→6ポイントへ下がった。


現在の脳卒中リハビリでは患者の感情へ着目することがほとんどない。不安やウツ対策としてのアートセラピーは有効かも知れない、


というおはなし。



アートセラピーの例:2011年に脳卒中で右半身麻痺になった日本人女性が左手で描いた絵の数々。

2014年1月21日

時とともに脳の損傷部位は拡大し萎縮が加速する


Gradual Lesion Expansion and Brain Shrinkage Years After Stroke.
2014  1月  イギリス

脳卒中で損傷した組織が時が経つにつれどう変化するかはよく知られていない。

そこで、慢性期脳卒中患者の病変の体積と脳萎縮の変化を調べてみたそうな。


36-90歳、発症3ヶ月-20年の脳卒中経験者の異なる複数のタイミングで撮影した脳断面画像を収集し、病変の増大と脳萎縮変化の速度をコンピュータ解析した。


次のようになった。

・病変の体積は時間が経つほど大きくなった。

・病変の拡大スピードは1.59cm3/年だった。

・脳全体の萎縮スピードは0.95%/年で、主に損傷側の脳半球で起きていた。


脳卒中の病変の大きさは、加齢による以上のスピードで拡大してゆくことがわかった、


というおはなし。



感想:

10年くらいまえ、勤め先の同僚や友人の脳30人ぶんの体積を測定したことがあって、自分の脳の体積がダントツで一番大きかった。
だから萎縮が進むにしても時間的猶予がたっぷりあるような気がしている。

コレオレ

2014年1月20日

肩の痛みと感覚障害との関連について


Somatosensory impairments are common after stroke but have only a small impact on post-stroke shoulder pain.
2014  1月  スウェーデン

脳卒中後の感覚障害と肩の痛みとの関連を調べて見たそうな。


平均年齢68、脳卒中経験者で
*肩の痛みのある24人 と
*肩の痛みのない25人 および
*健常な11人 について
温度の熱閾値、ピン刺激の収縮閾値、肩の可動域、運動機能等を測定した。


次のようになった。

・肩の痛みのあるグループとないグループとで感覚障害の程度に違いはなかった。

・しかし肩の痛みのあるグループで冷感覚異常のある者が多かった。

・両グループ共に熱閾値は健常人にくらべ概ね高く、収縮閾値は非常に高いか低いかのいずれかだった。


脳卒中経験者の感覚障害は珍しくなかった。肩の痛みの有無と感覚障害の程度に差がなかったことから、感覚障害が肩の痛みの主な原因であるとは考えにくい、


というおはなし。

写真:脳卒中後の肩の痛み


感想:

てっきり感覚障害と強い関係があると思っていただけに意外。

2014年1月19日

ミラーセラピーが効く理由を確かめてみた


Mirrored Feedback in Chronic Stroke: Recruitment and Effective Connectivity of Ipsilesional Sensorimotor Networks.
2013  12月  アメリカ

ミラーセラピーの鏡像フィードバックで脳にどんな影響があるのか調べてみたそうな。


15人の慢性期脳卒中患者について、健常な側の手指の曲げ伸ばし運動中の脳機能MRIを撮影した。

この際、手の動きに連動するバーチャルハンドが患者に表示された。
そのまま表示する場合と、鏡像反転して表示する場合との脳の反応の違いを観察した。


次のようになった。

・鏡像フィードバックと麻痺手を司る病側脳の活発化と関連があった。

・鏡像フィードバック時の体性感覚野と運動野との強いつながりが確認できた。


鏡像表示することで損傷した側の脳の活動が活発になった。ミラーセラピーは本当にリハビリに効くのかもしれない、


というおはなし。

写真:fMRIとバーチャルグローブ

2014年1月18日

【嬉しい】片足立ち訓練がやたら効いたので記録しておく

先月、脳卒中から5年間が経過した。

発症後 早い時期から歩くことはできていて、これまで大した不満もなかった。

しかし左足首に適切なタイミングで力が入らず、立ったまま靴下を履いたりすることはできなかった。

そしていまさらながらに片足立ち訓練を始めてちょうどひと月くらい経ち、すこぶる調子が良いのでメモしておく。



訓練といってもタイマーを持って右足を少し浮かし30秒間左足だけで立つ、それを1日に1回やるだけのことである。


最初は連続して片足立ちでいることができなかった。

立っている最中 足首、足の裏、脛がやたら痛くなった。

またどういうわけか左手の指先から肩にかけて激痛と言ってもいいくらいの痛みが襲ってきた。

立っているコツを憶えて時間を1分に延ばすと、それら左足、左手の痛みはさらに激しくなった。

ちなみにこの痛みは片足立ちをやめるとまもなく収まった。


痛みを我慢して1-2週間経ったころだろうか、立っていられる時間が2分に延び、いつの間にか痛みが消えていた。

そして左足の裏に面を感じるようになった。

足の裏のどこに重心があるのかがはっきりわかるようになってきた。

そのうち足の指の1本1本が頭の中に見えてきて、それらのどこに力を入れているかがわかるようになっていた。



いまは立ったままでなんとか靴下が履けるようになった。

駅の階段の登り降りが楽しくて仕方がない。

昨日、横断歩道の信号点滅を見て思わず小走りしている自分に気がついた。


まだ右足には遠く及ばないが、発症5年後にしてこれほどの進歩をこんなにシンプルな方法で、しかも短期間に達成できるとはまったく想像していなかった。


追記:

片足立ちを連続何分間できるかさっき挑戦してみた。

3分を超えたあたりから左手足に再び強い痛みが現れるようになった。

これを堪えて5分間、片足立ちできた。

このよくわからない痛みをやがて脳が理解できるようになると、さらに先の世界が見えるのかも知れない。

2014年1月17日

追跡眼球運動で半側空間無視がかんたんに治る


Smooth Pursuit "Bedside" Training Reduces Disability and Unawareness During the Activities of Daily Living in Neglect: A Randomized Controlled Trial.
2014  1月  ドイツ

半側空間無視に追跡眼球運動と視覚走査訓練のどちらが効果があるか調べてみたそうな。


脳卒中から1ヶ月の半側空間無視患者24人を、
*追跡眼球運動 もしくは
*視覚走査訓練
のグループに分けて、1回30分間の訓練をベッドサイドで4週間にわたり計20回行った。

訓練前後の改善度を複数の指標で評価した。


次のようになった。

・追跡眼球運動グループで空間無視の程度が著しく改善された。

・この効果は訓練の2週間後にも持続していた。


追跡眼球運動が空間無視を著しく改善した。このベッドサイドトレーニングはおすすめ、


というおはなし。

写真:追跡眼球運動

感想:

追跡眼球運動 眼球運動訓練 を参考。

簡単にいうと、ゆっくり動く物体に眼を合わせ、頭を動かさずに追跡すること。


シンプルでいいね。

2014年1月16日

脳卒中患者のめまいは珍しいのか


Stroke and unsteadiness - A cross-sectional study from primary health care.
2014  1月  スウェーデン

回転性めまいの患者は脳卒中リスクが高いと言われているが浮動性めまいはそうでもない。
そこで脳卒中患者の浮動性めまいについて調べてみたそうな。


36-85歳、63人の脳卒中でリハビリ中の患者について調査したところ、


次のようになった。

・70%が浮動性のめまいを感じていた。

・この割合は女性が圧倒的に多かった。

・浮動性めまいがあると健康の自己評価が低かった。


脳卒中患者に浮動性めまいはめずらしくなく、特に女性に多かった。健康度が下がるのでリハビリの際は要チェックである、


というおはなし。

写真:めまい

感想:

脳卒中になる前、通勤途中にそこを歩くとほぼ必ずめまいがする場所があっていつも気になっていた。

のちに脳卒中で倒れた現場がその場所の真下にある地下鉄ホームだった。

そんなこともあってめまいには関心がある。

2014年1月15日

歩行のイメージ訓練をやってみた


Motor imagery group practice for gait rehabilitation in individuals with post-stroke hemiparesis: A pilot study.
2014  1月  イスラエル

脳卒中片麻痺患者の歩行能力を改善するべく、運動イメージ訓練を試してみたそうな。


慢性期脳卒中患者16人のグループについて、
5週間の歩行運動イメージ訓練と、さらに比較のため5週間の上肢運動イメージ訓練を行った。


次のようになった。

・各運動イメージ訓練の前後で歩行能力になんの変化も見られなかった。

・しかし運動イメージ訓練に対してほとんどの被験者が満足感を示し、自信を深めていた。


脳卒中片麻痺患者向け歩行イメージ訓練をやってみたが効果が得られなかった。しかし前向きな意見が多く聞かれた、


というおはなし。

写真:運動イメージ訓練


感想:

魔法じゃないんだから、おおきな改善だとおもうけどね。

2014年1月14日

腕の位置を知る感覚精度は左手のほうが高いことが判明


Effects of age, sex and arm on the precision of arm position sense-left-arm superiority in healthy right-handers.
2013  12月  ドイツ

脳卒中になると一方の腕の位置感覚がおかしくなる。

そこで左右 各腕の位置感覚の精度に健常人で違いがあるか、調べてみたそうな。


右利きで20-77歳の健常な87人について、腕の角度位置をその深部感覚で判断し測定する装置を考案して、左右おのおのの腕について精度誤差を評価した。


次のようになった。
・腕の位置感覚誤差の大きさは年齢や性別によらなかった。

・利き腕(右)よりも非利き腕(左)でその精度がずっと高かった。


右利きでは、右脳の方が腕位置感覚能力が高いことがわかった。これは脳卒中で右脳を損傷した患者でしばしば空間無視や身体パラフレニアが起きる事実と符合する、


というおはなし。

写真:腕位置感覚測定


感想:

左をジャブに使うのは理にかなっているのかも知れない。

2014年1月13日

麻痺足首に重りを巻くと歩行スピードアップ


Effects of walking with loads above the ankle on gait parameters of persons with hemiparesis after stroke.
2013  12月  カナダ

足首に重りを着けると動作抵抗が増えて筋力強化につながる。
そこで、脳卒中患者の麻痺足首に重りを着けたときの効果を調べてみたそうな。


10人の慢性期脳卒中で片麻痺患者の麻痺足首に0.5-1.5kgの重りを着けた。
このときの歩行スピード、歩調、歩幅、腰ひざの関節角度等を測定、解析した。


次のようになった。

・歩行スピードが秒速5cmほど増えた。

・麻痺足の歩幅が10%ほど延びた。

・姿勢や歩調は変わらなかった。

・これらは主に腰や膝関節動作に力強さが加わることによるものだった。


脳卒中経験者の麻痺足首に重りをつけることで、腰や膝関節の力強さがアップした。しかし歩容に変化はなかった、


というおはなし。


写真:足首に重り



感想:

麻痺足はついついかばってしまいがちだから、これはなるほどかも。

2014年1月12日

座り仕事の脳梗塞リスクは2倍


Sitting occupations are an independent risk factor for Ischemic stroke in North Indian Population.
2014  1月  インド

座って仕事をする人の脳卒中のなりやすさを調べてみたそうな。


インド北部で入院している脳梗塞患者と健常人について仕事環境について面談調査し、関連を解析した。


次のようになった。

・平均年齢53、224人の脳梗塞患者と224人の健常人のデータが集まった。

・他の要因を考慮に入れてなお、座り仕事であるというそれだけで脳梗塞リスクが2倍になった。


座りっぱなしの時間を減らすべく、職場が運動を奨励するべきだろう、


というおはなし。

写真:座り仕事

2014年1月11日

前庭機能熱刺激で失語症が治る


Caloric vestibular stimulation in aphasic syndrome.
2013  12月  イギリス

前庭機能熱刺激は脳幹検査に用いられるほか、言語に関連する脳の血流を高めるとも言われている。
そこで、前庭機能熱刺激の失語症への効果を調べてみたそうな。


左脳損傷で失語症の慢性期脳卒中患者3人について前庭機能熱刺激を4週間行った。

方法は、左脳を刺激するために右の耳穴に温度を変化させる事のできるプローブを挿入し、35℃~17℃のサイクルを20分間に8回行った。

次のようになった。

・3人中2人で命名課題での著しい改善効果がすぐに見られた。

・このうち1人は復唱能力も改善し、別のもう1人は単語識別能力が向上した。

・副作用は見られなかった。


前庭機能熱刺激で失語症が改善するかも知れないことがわかった、


というおはなし。


通常は冷水を注ぐらしい
写真:前庭熱刺激


感想:

よほど強力なプラシーボ効果があるのか、1人はついでに歩けるようになってしまったという。

2014年1月10日

中国から流れてくるPM2.5は脳卒中を引き起こすのか?


Increasing emergency room visits for stroke by elevated levels of fine particulate constituents.
2013  12月  台湾

微粒子状物質PM2.5と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

脳梗塞または脳出血で国立大学病院に救急搬送された件数とPM2.5およびその成分との関連を解析したところ、


次のようになった。

・2004-2008に12982件の脳梗塞、3362件の脳出血があった。

・脳出血は硝酸塩、元素状炭素の増加により救急搬送リスクが1-2割増加した。

・脳梗塞は暑い季節の有機炭素と元素状炭素の増加により救急搬送リスクが2割増加した。

・PM2.5と有機炭素は、65歳以上もしくは女性の 脳梗塞リスクの上昇と関連があった。


PM2.5とその構成成分は脳出血や脳梗塞での救急搬送件数と関連があった、


というおはなし。


写真:PM2.5


感想:

PM2.5の炭素にもいろいろあるんだね。

有機炭素と元素状炭素の違いは…(pdf)

2014年1月9日

身体パラフレニア患者のラバーハンド錯覚はどうなるのか?


The Rubber Hand Illusion in a patient with hand disownership.
2013  12月  オランダ

右脳の感覚運動野が梗塞になった78歳の患者が、左手の所有感に問題(身体パラフレニア)を抱えていた。

運動機能が回復した後も、この身体所有感の問題は残っていた。


そこで、ラバーハンド錯覚テストを左右おのおのの手について行い、どのような違いがでるか実験してみたそうな。


次のようになった。

・錯覚の程度は右手よりも梗塞と反対側の左手で顕著だった。

・左手をラバーハンドで錯覚させるためには視覚的な刺激だけで十分だった。


身体所有感覚に異常のある患者は、作り物の手をいとも簡単に自分の手と思い込んでしまうようだ、

というおはなし。


ラバーハンド錯覚とはこのこと



感想:

なっとくいかない。

普段自分のからだにぶらさがっている手ですら自分のものと認識できないのに、どうしてゴム手を横に置いただけで自分の手と錯覚すると言うのだろうか?
きっと触覚も鈍いはずだからなおさら錯覚しにくいと思うのだが…

2014年1月8日

ラベンダーオイルが脳に効く理由について


Effect of lavender oil (Lavandula angustifolia) on cerebral edema and its possible mechanisms in an experimental model of stroke.
2013  12月  イラン

ラベンダーはシソ科の植物で、薬草としても用いられる。
そこで、ラベンダーオイルの脳神経保護効果とそのメカニズムを調べてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミにラベンダーオイルを量を変えて注射した。
その後の梗塞の大きさ、浮腫、運動機能、酸化ストレス等を測定した。


次のようになった。

・ラベンダーオイルを200-400mg/kg注射したネズミの梗塞、浮腫が非常に小さかった。また機能回復も良かった。

・ラベンダーオイルによって酸化ストレスが低下し、抗酸化能が高まっていた。

・ラベンダーオイルで血管新生を促すタンパク質が増えたものの、細胞死を促すタンパク質が減ったわけではなかった。


ラベンダーオイルには脳虚血時の神経保護効果があることがわかった。これは抗酸化や血管新生の増強効果によるものと考えられた。しかし細胞死を抑えるわけではなさそうである、


というおはなし。
写真:ラベンダーオイル



感想:

ラベンダー登場2回目、いいんだろうな。
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く

2014年1月7日

運転復帰した脳卒中経験者の自信レベルを調べてみた


Evaluation of driving confidence in post-stroke older drivers in South Australia.
2013  12月  オーストラリア

脳卒中経験者は自信の欠如から自動車運転を控えてしまいがちである。

運転復帰した者たちの自動車運転への自信レベルについて調べてみたそうな。


自動車運転復帰した脳卒中経験者40人(うち男性25人)平均年齢65と、
脳卒中経験のない平均年齢72の114人(男性56人)について、
自動車運転自己評価スコアを測定し、比較した。


次のようになった。

・両グループ間で自己評価スコアに有意な違いは見られなかった。


自動車運転に復帰した脳卒中経験者は、非経験者と同レベルの運転に関する自信を有していた。自信を欠いている脳卒中経験者がいれば、勇気づけてあげることで運転復帰できるようになるかもしれない、


というおはなし。

写真:脳卒中ドライバー


感想:

問題の捉え方がおかしい。

完璧に健康な人にとってさえ自動車運転は危険がいっぱいなのに、一度脳にダメージを負った高齢者が同レベルに自信を持っているというのは、明らかな認知異常の証拠だと思う。

ビビって運転できなくなるくらいに何度も注意を促すべきだと思う。


スポーツカーに乗り換えようかと最近激しく悩んでいる脳卒中経験者が言うのだから間違いない。

2014年1月6日

リハビリは脳を護ることが判明


Rehabilitation Improves Behavioral Recovery and Lessens Cell Death Without Affecting Iron, Ferritin, Transferrin, or Inflammation After Intracerebral Hemorrhage in Rats.
2013  12月  カナダ

脳内出血後のリハビリテーションの神経保護効果について実験してみたそうな。


ネズミを人為的に脳内出血にして1週間後、
*運動学習課題を含むリハビリをするグループ
*なにもしないグループ
に分けた。

その2週間後に解剖し、血腫周辺の細胞死、その他関連物質の分布を調べた。


次のようになった。

・脳内出血によって運動機能が障害されたが、リハビリで大きく回復した。

・血腫による細胞死はリハビリグループで著しく小さかった。

・鉄関連タンパク質やグリア細胞の増加はリハビリに影響を受けなかった。


脳内出血後のリハビリテーションは行動改善および神経保護に有効だった。これらの効果は鉄毒性や炎症に影響した結果ではなかった、


というおはなし。



感想:

脳内出血のあとはいつまでもじっとしてちゃいけないってことなんだろうな。

2014年1月5日

たとえば左手が麻痺した場合、右手は健常だと言えるのかい?


The Ipsilesional Upper Limb Can Be Affected following Stroke.
2013  11月  オーストラリア


脳卒中後の上肢麻痺は通常、損傷した脳半球と反対側に起きる。

そこで、損傷脳と同じ側の上肢へも影響があるものかどうか調べてみたそうな。


過去の関連する研究を厳選して、内容を分析した結果、


次のようになった。

・27件の文献が見つかった。

・いずれの文献にも、損傷脳半球と同側の上肢への影響事例が報告されていた。



脳卒中の上肢麻痺は、損傷脳の同側にも影響があることを医療関係者は意識するべきである。それ故、同側上肢を健常状態の基準とするべきではない、


というおはなし。

写真:反対側の上肢

感想:

左手が麻痺していたけど、右手に及んだという認識はなかった。


関係ないけど つい最近、

夜中に常夜灯を見つめていた際に

右目の光感度が左目よりもはっきりと劣っていることにいまさらながらに気がついた。(メモ)

2014年1月4日

帯状疱疹と脳卒中との関連が明らかに


Herpes zoster increased risk for stroke, TIA, MI in young people
2014  1月  イギリス

帯状疱疹と脳卒中との関連について調べてみたそうな。


帯状疱疹患者106601人と健常人2132202人について約6年間追跡調査した結果、


次のようになった。

・全体的には帯状疱疹と脳卒中との関連は弱かったが、

・対象を40歳未満に限定すると、帯状疱疹があるだけで脳卒中リスクが2.4倍になった。

・帯状疱疹自体が脳卒中の原因であるかどうかは不明だった。


若い人が帯状疱疹になると ついでに脳卒中になってしまうかもしれない、


というおはなし。




感想:

退院して間もないころ、帯状疱疹(にちがいない)が2度現れた。

いままでなったことがなかったのでよく憶えている。

最近はまったくでない。

関係あるのかな、、、



Herpes zoster as a risk factor for stroke and TIA: A retrospective cohort study in the UK.

2014年1月3日

退院してもすぐに再入院する患者の特徴


Readmission within 1 month of discharge among patients with acute ischemic stroke: results of the University HealthSystem Consortium Stroke Benchmarking study.
2013  12月  アメリカ

退院後すぐに再入院になりやすい脳卒中患者の特徴を調べてみたそうな。


32の病院施設に入院していた脳梗塞患者1018人について調査したところ、


次のようになった。

・退院後1ヶ月以内に再入院になった者は90人(9%)だった。

・再入院の理由は、脳卒中の再発(24%)、感染症(12%)、心筋梗塞(10%)、後遺症の悪化(7%)だった。

・影響する要因を解析したところ、年齢のみが再入院の予測因子だった。

・年齢が10歳高くなるにつれ、再入院リスクが19%高くなった。


脳梗塞患者はその9%が退院後1ヶ月以内に再入院する。その理由もいろいろだった、


というおはなし。

2014年1月2日

脳波筋電コヒーレンスでなにがわかるのよ


Changes in the location of cortico-muscular coherence following stroke.
2013  11月  イギリス

脳卒中により脳のネットワークの再編が起きると言われているがその仕組みはよくわかっていない。
そこで、脳磁図と筋電図の同期リズムに着目して調べてみたそうな。


25人の脳卒中患者と、同年齢の健常な23人について手の握り動作中の脳磁図を測定し、筋電測定結果との同期リズムを解析した。


次のようになった。

・すべての健常人で対側脳の感覚運動野にもベータ波、ガンマ波の筋電同期リズムを観測した。

・しかし脳卒中患者ではそれをずっと上回る広さで健常側脳に活動ピークを観測するケースがあった。(ベータ波7人、ガンマ波5人)

・脳卒中患者の健常側脳での脳波筋電同期リズムのピークと障害の程度には関連が見られなかった。


脳卒中のあと、損傷していない側の脳までもが麻痺手の筋肉活動に影響を及ぼし、機能回復に一役買っているであろうことがわかった、


というおはなし。

写真:脳活動
青:健常人、赤:脳卒中患者



2014年1月1日

バイオニックレッグで片麻痺患者が歩き出す


Stroke survivor learns to walk again thanks to revolutionary bionic leg which PREDICTS her movements
2013  12月  イギリス

脳卒中のあと左手脚が麻痺した51歳女性がAlter G社のバイオニックレッグを着けて4ヶ月間訓練したところ、復職できるまでに回復したというおはなし。

写真:バイオニックレッグ

バイオニックレッグは筋電センサーをトリガーにして動作アシストする装具。
価格は500万円くらい。


バイオニックレッグの威力に感激して泣き出すデンゼル・ワシントン似の女性

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