2014年2月28日

顔面神経磁気パルス刺激で脳梗塞が治る


Effects of Noninvasive Facial Nerve Stimulation in the Dog Middle Cerebral Artery Occlusion Model of Ischemic Stroke.
2014  2月  アメリカ

脳梗塞のあとの顔面神経刺激が脳血管を拡張させ血流を改善すると言われている。

そこで、磁気刺激パルスによる非侵襲的な顔面神経刺激の効果を動物で実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にした犬を用いて、顔面神経の膝神経節を5分間磁気パルス刺激した。

直後の脳血流、ATPの量変化をMRIで観察した。


次のようになった。

・顔面神経磁気パルス刺激によって梗塞を起こした側の脳半球の血流がおおきく改善した。

・偽刺激を与えた犬に比べて梗塞の体積も小さかった。

・偽刺激犬のATP量は顔面神経刺激犬よりもおおきく減少した。


脳梗塞の治療に非侵襲的な顔面神経磁気パルス刺激が有効かも知れない、


というおはなし。

写真:顔面神経磁気パルス刺激
THE GUIDE TO MAGNETIC STIMULATION


感想:

やってることがrTMSよりも直截的で好感が持てる。


2014年2月27日

着けているだけで指の触覚がもどる手袋を開発


Brain stimulation at your fingertipsStimulation glove for stroke patients improves sense of touch and motor skills
2014  2月  ドイツ

脳卒中患者の触覚を改善するための特殊な手袋を開発したそうな。
写真:指先刺激手袋

健康な人の指先を20Hzほどの微弱な電気パルスで数10分間刺激するだけで触覚がかなり鋭くなることがわかった。

図:末梢電気刺激と2点識別

この技術を高齢で触覚の鈍った被験者に試したところ同様の結果を得て、改善可能であることがわかった。

次に脳卒中患者50人について試したらこれも良かった。


そこで指先電気刺激機能を内蔵した着けているだけで触覚が改善する手袋を企業と開発して販売を開始した。

というおはなし。

製品カタログ(pdf)

感想:

触覚が相変わらずひどく鈍いので使ってみたい。

2014年2月26日

脳梗塞と脳内出血、頭痛があるとヤバイのはどっち?


Prevalence and prognostic value of headache on early mortality in acute stroke: The Dijon Stroke Registry.
2014  2月  フランス

脳卒中発症時の頭痛と死亡率との関連を調べたそうな。


1391人の脳卒中患者について、発症時の頭痛の有無と30日内の総死亡率を調査し、関連を解析した。


次のようになった。

・脳卒中の内訳は、脳梗塞1185人、脳内出血201人、その他5人 だった。

・18.2%に発症時の頭痛があった。

・頭痛は脳梗塞よりも脳内出血で多かった。46% vs 14%

・頭痛ありの30日内 総死亡率は17%、頭痛なしでは11%だった。

・頭痛がある場合の30日死亡リスクは 脳内出血で2倍、脳梗塞では変わりなしだった。


脳内出血発症時の頭痛は、早期の死亡と強い関連があった、


というおはなし。


感想:

発症時のオレの頭の中。頭痛はなかったなぁ...
写真:脳内出血

2014年2月25日

上肢ミラーセラピーの効果的なやり方


Effects of a Mirror-Induced Visual Illusion on a Reaching Task in Stroke Patients: Implications for Mirror Therapy Training.
2014  2月  オランダ

ミラーセラピーの効果的な実行条件について調べてみたそうな。


発症6ヶ月以上の脳卒中患者93人を次の5つの条件ごとのグループに分けて、リーチ課題訓練を行い 効果を測定した。

1)鏡を使わずに麻痺手の訓練を直接見る。(→ 通常のリハビリ)
2)健側手の訓練を直接見る。
3)鏡に映した健側手の訓練を見る。(→ ミラーセラピー)
4)両手を使い、麻痺手は衝立てで隠す。
5)両手を使い、健側手を鏡に映す。

1)-3)は片手訓練。


次のようになった。

・1)がもっとも効果があった。

・3)は1)とほぼ同程度の効果があった。

・2)は1)に比べ改善程度がずっと低かった。

・両手運動での動作に要する時間は、鏡の有無に関わらずあまり改善しなかった。


鏡に映した健側手の動作を観察する いわゆるミラーセラピーが運動学習を促すことがわかった。鏡を使った両手訓練は片手訓練より優れているわけではなかった、


というおはなし。

図:ミラーセラピー


感想:

鏡1枚でクロスエデュケーション効果が激増するってことか。

リハビリ革命だな。

2014年2月24日

無煙タバコ利用者は脳卒中後すぐに死ねる


Snus (Swedish smokeless tobacco) use and risk of stroke: Pooled Analyses of Incidence and Survival.
2014  2月  スウェーデン

無煙タバコ スヌースと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


喫煙経験のない13万人あまりの男性を対象とした8つの研究データを解析したところ、


次のようになった。

・脳卒中の発生と無煙タバコの利用に 関連は見られなかった。

・脳卒中になった者のうち無煙タバコ利用者の28日以内の致命率は、非利用者の1.4倍だった。


無煙タバコと脳卒中リスクとの関連はなかった。ニコチンは脳卒中の原因ではないのだろう。しかし無煙タバコ利用者が脳卒中になった場合、早々に死んでしまいやすいことがわかった、


というおはなし。

写真:無煙タバコ

感想:

昨年11月 JTから無煙タバコが販売されるようになった。

発がんの危険が高いらしく、検索すると怖い画像がたくさん出てくる。
無煙たばこ・スヌースの健康影響について(厚生労働省)

だれに需要があるのかね?

2014年2月23日

プチ断食で脳梗塞に負けない身体をゲット


Intermittent fasting attenuates increases in neurogenesis after ischemia and reperfusion and improves recovery.
2014  2月  アメリカ

食事の間隔を通常よりも空ける軽い断食の神経保護効果を調べてみたそうな。


マウスを軽い断食グループと好きなだけ食べれるグループに分けた。

3ヶ月の後、各々 人為的に脳虚血にするグループとしないグループに分けた。

各時点で脳内の細胞の増殖、細胞死、神経形成の程度を測定して比較した。


次のようになった。

・断食によって、飽食シグナルホルモンでもあるレプチンが半分になったが、虚血後は更なる減少は止まった。

・虚血後、断食マウスの梗塞体積は、飽食マウスの半分以下だった。

・虚血前、断食マウスの海馬や脳室近傍での基底細胞の増殖は飽食マウスのそれよりも30%増えた。

・虚血後、飽食マウスでは基底細胞の増殖が5倍になったのに対し、断食マウスでは2倍にとどまった。

・虚血後の神経形成の減少は、細胞死の減少と関連しており、飽食マウスでは断食マウスの2倍の細胞死があった。



軽い断食習慣が脳梗塞から神経を護ることがわかった、


というおはなし。

写真:断食


感想:

脳梗塞になったあとに断食しても効果はあるのかな?

2014年2月22日

自ら進んで麻痺手を使う患者の特徴とは


Contralesional Arm Preference Depends on Hemisphere of Damage and Target Location in Unilateral Stroke Patients.
2014  2月  アメリカ

左脳損傷の脳卒中患者は右手が麻痺しているにもかかわらず、右手を使うシーンが多いと報告されている。(利き手効果)

これが明らかになる条件を調べてみたそうな。


右利きの脳卒中患者14人(左脳損傷7人、右脳損傷7人)と16人の健常人について、テーブル上に位置を変えて置かれた物体を指示に従い手に取る実験を行った。


次のようになった。

・左脳損傷患者は右脳損傷患者よりも損傷脳と反対側の手をよく使った。

・右脳損傷患者は対側である左手の使用頻度が健常人よりもずっと少なかった。

・対象物が正面にある場合にこういった傾向が顕著になった。


脳卒中患者があえて麻痺手を使うケースは、損傷した脳半球と対象物の位置に依ることがわかった、


というおはなし。


感想:

右利きで左脳が損傷して右手麻痺の患者は、もともと右手を使おうという動機付けがあるわけだから、軽-中程度の麻痺であれば放っておいても勝手に訓練を積んでどんどん良くなるだろう。

問題なのは右脳損傷で左麻痺の患者である、

ってことと理解した。

2014年2月21日

医師「落ち込んだ時には運動するのが一番」患者「…」


Exercise for depressive symptoms in stroke patients: a systematic review and meta-analysis.
2014  2月  カナダ

脳卒中後ウツへの運動療法の効果を調べてみたそうな。


運動プログラム(有酸素運動,レジスタンス運動,その組み合わせ)を用いた関連する研究を、データベースから厳選しデータを統合、解析した。


次のようになった。

・計1022人の被験者データを持つ13件の研究が見つかった。

・運動の直後、うつ症状が弱まった。

・しかしこの効果は長くは続かなかった。

・亜急性期、慢性期でも効果があった。

・運動が強い研究ほど高い効果になった。

・抗ウツ薬を併用した研究はほとんどなかった。


亜急性期、慢性期の脳卒中後ウツ予防と症状緩和に運動が効果的かもしれない、


というおはなし。

写真:うつ



感想:

ウツの人に「頑張って」と 言ってはいけないと よく耳にする。

「運動で気分転換できるよ」とアドバイスするのは精神医学的にはどうなんだろう。
うつ病の人に言ってはいけない言葉


2014年2月20日

機能的電気刺激は下肢装具よりイイものなのか


The Effects of Peroneal Nerve Functional Electrical Stimulation Versus Ankle-Foot Orthosis in Patients With Chronic Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2014  2月  アメリカ

脳卒中で尖足の患者に、腓骨神経の機能的電気刺激(FES)と短下肢装具のどちらが効果的か調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上の399人の脳卒中患者について、FESまたは短下肢装具を6ヶ月間装着してもらった。

歩行速度や日常生活動作、バランス機能他 複数の評価指標を用い比較した。


次のようになった。

・FESが短下肢装具に劣った点はなかった。

・特に両グループとも10分間歩行距離が著しく伸びた。

・両グループ間で差は見られなかった。


腓骨神経の機能的電気刺激による尖足対策は、短下肢装具とほぼ同様の効果が見られた、


というおはなし。

写真:機能的電気刺激

感想:

電極貼ったり、バッテリー気にしたり、雨に濡れないか心配したり

って面倒くさくないのかね?


2014年2月19日

トランス脂肪酸は脳卒中のもとなのか?


Intake of trans fat and incidence of stroke in the REasons for Geographic And Racial Differences in Stroke (REGARDS) cohort.
2014  2月  アメリカ

トランス脂肪酸と脳卒中の関係はよくわかっていない。

調べてみたそうな。


17107人の男女が参加した脳卒中の地理、人種についてのREGARDS調査データを解析した。

トランス脂肪酸の摂取量は食事頻度アンケート結果を用いた。


次のようになった。

・7年間の追跡期間中479件の脳卒中が起きた。そのうち401件は脳梗塞だった。

・トランス脂肪酸の摂取量が1日あたり2g増えるごとに脳卒中リスクが男性で14%増加した。

・女性の脳卒中リスクは増えなかった。


トランス脂肪酸と脳卒中との関連は性別により異なった。2g/日の摂取で男性では14%脳卒中リスクが上がり、女性には変化はなかった、


というおはなし。



感想:

トランス脂肪酸 ほとんど気にしてなかったけど、

この資料↓がおもしろかったわ。まったく別の問題なのかもしれない...
トランス脂肪酸の何が悪い?(金城学院大学薬学部)pdf


2014年2月18日

療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!


Eliciting Upper Extremity Purposeful Movements Using Video Games: A Comparison With Traditional Therapy for Stroke Rehabilitation.
2014  2月  イスラエル

脳卒中リハビリの現場でビデオゲームが用いられるようになってきているものの、その特徴についてはよくわかっていない。

そこで、従来のリハビリに比べ ビデオゲームリハビリが意味のある動作を伴っているものかどうか、調べてみたそうな。


平均年令50、発症後1-7年の脳卒中患者29人について、ビデオゲームグループと従来リハビリグループに分け、同じ時間のトレーニングを行った。

ビデオゲームはXBOXやプレステなど市販のゲームを使い、従来リハビリは療法士の指示に従いボールやブロックを使った動作訓練を行う。

上肢トレーニング最中の患者の動作をビデオ撮影し、各動作の目的が明らかであるかどうかを判定した。

同時に手首に取り付けた加速度センサーの結果から、上肢の動きの強弱と運動機能との関連を解析した。


次のようになった。

・ビデオゲームグループでは上肢の動作37970回中、目的の明らかな動きが271回あった。

・従来型リハビリグループでは、上肢動作14872回中、目的の明らかな動きは48回だった。

・まったく無目的な動きは 従来リハビリで26回だったのに対し、ビデオゲームでは0回だった。

・上肢の運動能力と動作回数との間に関連があった。

・運動能力の高い者ほど動作回数も多かった。


ビデオゲームリハビリは、従来型リハビリに比べ 患者にとってより有意義な動作を数多く訓練することができる、


というおはなし。
写真:ゲームリハビリ


感想:

容姿抜群な異性のバーチャル療法士さんが画面に登場するようになったら、ますますモチベーションがアップするね。


2014年2月17日

前庭電気刺激は何回やると半側空間無視が治るのか


Galvanic vestibular stimulation in hemi-spatial neglect.
2014  1月  イギリス

近年、前庭感覚電気刺激の半側空間無視治療効果が報告されるようになった。

そこで、この効果がどのくらい持続するものなのか調べてみたそうな。


脳卒中で半側空間無視の患者52人について1回25分間の前庭感覚電気刺激を2週間にわたり計10回行った。

前庭感覚電気刺激は、両耳の後ろの乳様突起に左側にプラス極、右側にマイナス極を貼り、認識できないほど微弱な直流電流を流す。

患者は3グループに分けて、10回のセッションのうち、各々 本当に刺激する回数を1,5,10回とし、偽刺激回数を9,5,0回とした。

その後、注意力と自立度の評価を4週間後まで追跡した。


次のようになった。

・すべてのグループで注意力が著しく改善した。

・さらにこの効果は1か月後も持続していた。

・また、すべてのグループで自立度スコアが20%改善した。

・副作用や途中脱落者はなかった。


前庭感覚電気刺激は簡単で効き目が持続して どこでもできる半側空間無視治療法になりうるだろう、


というおはなし。

写真:前庭感覚電気刺激


感想:

注意書きがあって、

この実験では偽刺激オンリーのグループをあえて設けなかった。

予想外に全グループで大きく改善してしまったことから
この実験行為そのものが強力なプラシーボ効果をもたらした可能性が疑われる。

だとしたら今度はそれを研究すればいいじゃん、

と開き直っている。

好感をもった。



似た過去記事
前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた

2014年2月16日

手首を握って前後に動かしてあげるととてもイイらしい


Manual mobilization of the wrist: A pilot study in rehabilitation of patients with a chronic hemiplegic hand post-stroke.
2014  1月  オランダ

脳卒中片麻痺患者の手首を動かしてあげると何か良いことがあるのか実験してみたそうな。


18人の脳卒中患者を2グループに分けて通常のリハビリを行い、一方には手首を動かしてあげる時間としてそのうち10分間を割いた。


6週間後に手首の可動域、痛み、痙縮、握力等を評価、比較した。


次のようになった。

・手首動かしグループで、手首を開く角度と手の機能が統計学的有意に改善した。


脳卒中片麻痺患者の手首を動かしてあげると、その回復に良い影響があるかもしれない、


というおはなし。
写真:手首の動かし方
こんなふうに前後に動かす。


感想:

ほんの一週間ほど 若くてかわいい女性のOTに担当してもらったことがあった。その頃手は感覚ゼロで脱力しきっていたけれども、手を握ってもらえて とても楽しかった。

そんな思い出がよみがえってきた。

2014年2月15日

体重支持トレッドミルよりも地上歩行トレーニングのほうが優れているという根拠


Body weight-supported treadmill training vs. overground walking training for persons with chronic stroke: A pilot randomized controlled trial.
2014  2月  アメリカ

体重支持トレッドミルと地上歩行とどちらが効果的か調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上経ち自立歩行のできる脳卒中患者20人について、体重支持トレッドミルと地上歩行の2グループに分けて1回30分間のトレーニングを2週間行った。

歩行スピード、持久力、姿勢の改善度を3ヶ月後までフォローし、比較した。


次のようになった。

・地上歩行グループの持続可能歩行スピードがトレッドミルグループより大きく改善した。

・同様に歩行時の姿勢の対称性も改善した。

・この効果は3ヶ月後も持続した。


地上歩行トレーニングは体重支持トレッドミルに比べ歩行スピードの改善により効果的だった、


というおはなし。

写真:体重支持トレッドミル


感想:

自立歩行できる患者をいつまでも体重支持しても意味ないよ、ということと理解した。

2014年2月14日

再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない


Lower systolic blood pressure is associated with poorer survival in long-term survivors of stroke.
2014  2月 オーストラリア


脳卒中のあとは血圧を低く抑えることで再発のリスクを減らせると考えられている。その一方で、血圧を下げると予後がよくないという最近の報告もある。

そこで、脳卒中患者の血圧と長期的な生存率について調べてみたそうな。


発症から5年経った脳卒中患者を選んで、血圧や発症10年後までの死亡、再発の有無を調査した。


次のようになった。

・5年時点で 収縮期血圧が120mmHg以下の患者は131-141mmHgの患者に比べ脳卒中、心筋梗塞または死亡のリスクが61%高かった。

・収縮期血圧が121-210mmHgの範囲では予後に違いはなかった。


高血圧の境界領域とされる収縮期血圧131-141mmHgの患者に比べ、正常とされる120mmHg以下の患者は長期的な生存可能性が非常に低くなることがわかった、


というおはなし。
写真:血圧と死亡リスク


感想:

ホンキで降圧薬飲むのやめようかと思う...

2014年2月13日

リハビリにベストな体重とは


The Effect of Body Mass Index on Stroke Rehabilitation.
2014  2月  アメリカ

ボディマス指数(BMI)とリハビリ病院に入院中の脳卒中患者の回復との関連を調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院していた819人の患者について、BMIと機能的自立度評価との関連を解析した。


次のようになった。

・自立能力はBMIによって異なった。

・低体重の患者は肥満、標準体重患者に比べ自立度が低かった。

・さらに肥満までゆかない過体重(30>BMI>25)の患者グループがもっとも自立能力が高かった。


脳卒中リハビリ病院では、過体重な患者ほど自立能力が向上することがわかった、


というおはなし。


感想:

リハビリ病院の食事はとても美味しかったけど、量がとても少なくて退院時には2kgほど体重が減っていた。

太るくらいにガッツリ食べさせるべきだと思った。

2014年2月12日

脳梗塞のけいれん発作はいつ起きたかが大事


Influence of seizures on stroke outcomes: A large multicenter study.
2014  1月  カナダ


脳梗塞患者のけいれん発作が発症時に起きた場合と 入院中に起きた場合とで予後に違いがあるものかどうか調べてみたそうな。


10261人の脳梗塞患者について調査したところ、


次のようになった。

・157人 1.53%が発症時にけいれん発作が起きた。

・208人 2.03%に入院中のけいれん発作があった。

・どちらの場合も患者は若く、神経症状は重く、合併症や死亡率も高かった。

・発症時けいれん発作は女性、手足の麻痺と関連があった。

・入院中のけいれん発作は肺炎や半側空間無視と関連があった。

・入院中のけいれん発作があると重症でない脳卒中患者の合併症、死亡率が高かった。

・入院中のけいれん発作の有無が総死亡率の高さに影響していた。


けいれん発作の質は発症時と入院中とで異なる。入院中のけいれん発作は予後の悪化を意味する、


というおはなし。



横向きにするのが重要


感想:

seizureを調べていて参考になった。資料↓
どこが違うの? ひきつけ けいれん てんかん
 

2014年2月11日

ネットの脳卒中情報はわかり易いか?


A Readability Assessment of Online Stroke Information.
2014  1月  イギリス

インターネット上でアクセスできる多くの脳卒中関連情報の読みやさについて調べてみたそうな。


グーグル検索で脳卒中関連キーワードで上位100内にランクするウェッブページについて、その読みやすさを2種類の指標( Flesch-KincaidSimple Measure of Gobbledygook)で評価した。


次のようになった。

・ Flesch-Kincaidスコアの平均は10.4だった。

・Simple Measure of Gobbledygookスコアの平均は12.1だった。

・半数以上のウェッブページは大卒レベルの読解力が必要だった。

・非営利目的のページは内容がやさしかった。


大衆向けの脳卒中情報サイトはもっとわかりやすい表現にするべきである、


というおはなし。

写真:読みやすさ

感想:

このブログは脳卒中経験者向けに、文字の大きさも含めできるだけわかりやすく表現することを心がけてはいるが、口数の少ない性格なので 伝えたいことが本当にわかる人はうんと限られると思う。

2014年2月10日

新生児脳梗塞を経験した子供のQoLは...


Quality of life and functional outcome in early school-aged children after neonatal stroke: A prospective cohort study.
2014  1月  フランス

新生児脳梗塞を経験した学齢児童の生活の質(QoL)と身体機能との関連を調べてみたそうな。


新生児脳梗塞になった子供を持つ家族にアンケートを行いQoLと身体機能について調べた。同年齢の健康な子供についても同様の調査を行い比較した。


次のようになった。

・84人の新生児脳梗塞経験者と74人の健康な子供のデータが集まった。

・片麻痺のある子どもの自立度はそうでない子供よりも低かった。

・QoLは機能回復の程度と関連がなかった。


新生児脳梗塞を経験した学齢児童には、障害があるにもかかわらずQoLが低くないというパラドックスが見られた、

というおはなし。
写真:新生児脳梗塞

2014年2月9日

太っていても健康に気を遣えば脳卒中にならないの?


Is the Association between Healthy Lifestyle Behaviors and Cardiovascular Mortality Modified by Overweight Status? The Japan Collaborative Cohort Study.
2014  1月  日本

過体重な人がヘルシーな生活をしたばあい 脳卒中を含む心血管系疾患での死亡率に影響があるのか調べてみたそうな。


40-79歳の男性18730人、女性24216人ついて、健康的な生活習慣(果物、魚、乳製品の摂取、運動、嫌煙、適度な飲酒、十分な睡眠)と心血管系疾患との関連を約20年間追跡調査した。


次のようになった。

・この間に2412人の心血管系疾患での死亡があった。

・健康生活習慣スコアが高いほど脳卒中など心血管系疾患の死亡率が低かった。

・この関連は過体重(BMI25以上)であっても同様に見られた。

・健康生活習慣スコアの高い人の心血管系疾患死亡リスクは、過体重でないと0.44で、過体重だと0.56だった。


生活習慣の改善による心血管系疾患の予防効果は過体重の人にも期待できる、


というおはなし。


感想:

肥満パラドックスの類かと思ったら、フツーの話だった。

2014年2月8日

退院したての元患者が感じていること


The experience of stroke survivors three months after being discharged home: A phenomenological investigation.
2014  2月  イタリア

脳卒中から退院してすぐの患者がどんな気持ちでいるのかを調べてみたそうな。


平均年令70、15人(男性12人)の脳卒中患者について、リハビリ病院から退院して自宅に戻った3ヶ月後に面談調査した。


次の5つのテーマが明らかになった。

・人生が大きく変わった。

・発症時の生々しい記憶。

・ゆっくりになった生活。

・回復へ向かっている安堵感。

・家族の負担になっている感。


退院して3ヶ月後の脳卒中経験者がどんなことを感じているのかがわかった、


というおはなし。

写真:脳卒中のあと


感想:

そのとおりだね。

2014年2月7日

「肩手症候群」って知ってた? →肩が痛くなって手がむくむ


Post-stroke shoulder-hand syndrome treated with acupuncture and rehabilitation: a randomized controlled trial
2013  11月  中国

脳卒中のあとの肩手症候群に鍼治療が効くものか調べてみたそうな。


120人の脳卒中患者を、
*鍼治療+通常のリハビリ または
*通常のリハビリのみ
のグループに分けた。

鍼治療は毎日×4週間行った。

刺激したツボは、Waiguan (TE 5)Shousanli (LI 10)、Quchi (LI 11)Taiyuan (LU 9) 他2箇所だった。

次のようになった。

・上肢の痛み、運動機能、神経機能欠損、爪床微小循環、臨床症状いずれも両グループで改善した。

・特に鍼治療グループの改善が優れていた。

・ものすごく効いた者の割合は、鍼治療50%、通常リハビリ17%だった。


脳卒中後の肩手症候群には鍼治療と通常のリハビリが効果的かも知れない、


というおはなし。



感想:

脳卒中で肩が痛くなったり、手がむくんだりすることを「肩手症候群」って言うらしい。

経験はしていたけど、そんな名前が付いていることを いままで知らなかった!


○肩手症候群 Shoulder-hand syndrome:SHS(滋賀医大)

複合性局所疼痛症候群の仲間らしい(wikipedia) 
写真:肩手症候群の仲間

2014年2月6日

若いからすぐに回復すると考えるのは ちょっと違うと思う


Young individuals with stroke: a cross sectional study of long-term disability associated with self-rated global health.
2014  1月  スウェーデン

若年脳卒中患者は回復への期待の強さから たとえ軽症であっても障害に長く悩む可能性がある。

そこで若年脳卒中経験者と同年代の一般人について自らが認識する健康度を調べてみたそうな。


65歳以下で、発症後6年までの脳卒中経験者150人と、同年齢層の一般人2661人について健康QOLアンケートを調査を行い、障害との関連を解析した。


次のようになった。

・脳卒中経験者のうち79%は軽症だった。

・健康状態が良くないと考える者の割合は、脳卒中経験者で45%、一般人で15%だった。

・特に 移動能力、自己管理、日常活動、不安や抑うつに健康上の問題を感じていた。

・脳卒中経験者の 余暇活動、仕事、視覚能力、不活発な生活、疲労などへの限界感、制限感が健康認識の低下と関連していた。


若年脳卒中経験者で健康上にネガティブな影響を引きずっている人は案外多い、


というおはなし。



感想:

だから脳卒中は もともと身体能力の低い年寄りほどダメージが少ない、とも言える。


脳卒中になった直後は、一気に20年くらい歳をとったような気がした。

よだれ垂らして、顔にご飯粒が付いていていも気づかない、階段は手すりに捉まり、トイレットペーパーを切る動作もおぼつかない、イメージはあるのに言葉が出ない...


しかしこういった問題が徐々に解決してゆくにつれ いつも若返ってゆくような感動をおぼえる。
この5年間、時間が逆向きに流れているような気がして仕方がない。

2014年2月5日

キネクトリハビリはここまで来た


Kinect Assists Stroke Victims With Home Rehab
2014  2月

マイクロソフトのKinect(キネクト)を用いた「自宅でできる脳卒中リハビリシステム」が、偶然にも同時期に世界の2箇所で誕生した、というおはなし。


1つはソウル大学が開発したもの。




もう1つはカナダのJintronixという企業によるもの。




感想:

患者の動きをリアルタイムに骨格モデルに投影して なにかすごい解析結果をフィードバックしてくれるのかと期待するけど、結局さいごにはテレビゲームのぐだぐだなプレイで終わってしまう...そんな印象を持った。



2014年2月4日

ヒップホップで教育すると貧乏人の子供が猛烈に喰いついてくる


Effect of a Novel Video Game on Stroke Knowledge of 9- to 10-Year-Old, Low-Income Children.
2014  1月  アメリカ

子供を脳卒中発見器として教育するためのゲームを作ってみたそうな。


ニューヨークブロンクス区に住む9-10歳の子供210人に学校で15分間の脳卒中教育用のビデオゲームをやらせた。

次に、自宅でもネット経由で同じゲームができることを知らせた。
http://hiphoppublichealth.org/ (←ここにアクセス)

7週間後、脳卒中テストを抜き打ちで行った。


ゲームはミクロ潜水艇に乗って血管を旅するストーリー。血栓を撃ちながら進んでゆくと突然ゲームが中断されて脳卒中に関するクイズが始まる。これに答えてまた次のステージに進む、の繰り返し。



次のようになった。

・74%の子供が自宅でもゲームをやった。その多くは女の子だった。

・脳卒中に関する知識や救急車を呼ぶべきシーン(FAST)の理解が大きく改善した。

・ネット経由でゲームをした子供の知識はアクセスしなかった子供より、やや良かった。


ビデオゲームを使った子供への脳卒中啓蒙活動は使えるかもしれない、


というおはなし。




感想:

上記リンクのゲームをやってみた。

なぜか背景にヒップホップミュージックが流れている。
貧困病とも言える脳卒中だけに 低所得層の子供を惹きつけるための工夫がヒップホップだったのだろう。
写真:脳卒中ゲーム

2014年2月3日

感情失禁になる患者の割合について


Psychiatric comorbidity and quality of life in patients with post-stroke emotional incontinence.
2013  12月  韓国

脳卒中で泣き笑いの感情をコントロールできなくなる(感情失禁)患者の特徴を調べてみたそうな。


発症2週間以内の脳卒中患者423人について、精神症状評価尺度検査を行った。


次のようになった。

・12.1% 51人(泣き33人、笑い7人、両方11人)が感情失禁だった。

・感情失禁患者は、強迫症や対人感受性、敵愾心と関連があった。

・これらの関連は脳卒中の神経症状や身体的障害によらなかった。



感情失禁は精神病的側面があって、対人関係にネガティブな影響をもたらす。急性期の脳卒中であっても注意を払いたいものだ、


というおはなし。


感情失禁はPBA(スードバルバーアフェクト)とも言われる。その解説ビデオ。



感想:

さいしょの半年間くらいは 人前で笑いが止まらなくなることが何度かあった。

笑いながら心の中で、『これは脳の異常にちがいない』と冷静に観察している自分がいた。

2014年2月2日

舌を見れば梗塞の位置がわかるらしい


A pilot study on the correlation of tongue manifestation with the site of cerebral infarction in patients with stroke.
2014  1月  中国

舌の状態と脳梗塞の位置との関連を調べてみたそうな。


急性期の脳梗塞患者200人について舌の色、舌苔の質感、色などと梗塞位置との関連を解析した結果、


次のようになった。

皮質、皮質下の梗塞と、

・赤い舌

・厚い舌苔

・乾燥した舌苔

・黄色い舌苔

が各々、関連していた。

他にも、

・白い舌苔と脳幹梗塞が、

関連していた。

舌の状態と脳梗塞の位置とが関連していた、


というおはなし。


写真:舌の色

2014年2月1日

孤立させると「死亡」 元気な相棒がいると「回復」


Social interaction plays a critical role in neurogenesis and recovery after stroke.
2014  1月  アメリカ

脳卒中後の他人との関わりは生活の質や死亡率に影響すると言われている。

そこで、梗塞の大きさを含めた脳への直接の影響を調べてみたそうな。


ペアで2週間飼っていたネズミを人為的に脳梗塞にしたのちすぐに、次の3グループに分けた。

*1匹だけにする
*脳梗塞ネズミとペアにする
*健康ネズミとペアにする

そして3日後の梗塞の大きさ、30日後の生存率を調べた。

比較のため、脳梗塞後3日間1匹だけにした後、上記3グループに分けた場合についても検証した。


次のようになった。

・脳梗塞後すぐの孤立化で梗塞の大きさと死亡率が著しく増大した。

・健康ネズミとペアにした場合は脳梗塞ネズミと一緒よりも死亡率はずっと低かった。

・梗塞後3日間孤立させた場合、その後のペア分けに関わらず梗塞の大きさは同じだった。

・健康ネズミと一緒にすると、他の2グループよりも行動回復と神経成長を示すタンパク質の増加が著しかった。


脳卒中のあとの環境がとっても大事、


というおはなし。
写真:梗塞の大きさ


感想:

・元気になってもらいたかったら個室に入れてはいけない。

・身近に脳卒中患者がいたら同情して一緒にクヨクヨしてはいけない。

ってことかな?

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