2014年11月30日

むずむず脚症候群と脳幹の脳卒中との関連


Brainstem Stroke-Related Restless Legs Syndrome: Frequency and Anatomical Considerations.
2014  11月  フランス

脳幹脳卒中患者に「むずむず脚症候群」がどのくらいいるのか調べてみたそうな。


脳幹脳卒中で入院した30人の患者についてむずむず脚症候群の発生をフォローし、梗塞の位置や症状との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3人(10%)がむずむず脚症候群だった。

・そのうち2人は以前から症状があり脳卒中をきっかけに症状がより強くなった。

・もう1人は脳卒中であらたにむずむず脚症候群になった。

・感覚症状のある患者はむずむず脚症候群になるリスクが高かった。


脳幹脳卒中で特に感覚症状のある患者はむずむず脚症候群になりやすい、


というおはなし。

むずむず脚症候群

感想:

まえの記事を思い出した。
むずむず脚症候群と脳卒中との関連は…

むずむず脚症候群は脳卒中の予兆かな

2014年11月29日

TIA(一過性脳虚血発作)には本物と偽者があるらしい


Differentiation of true transient ischemic attack versus transient ischemic attack mimics.
2014  7月  イラン

一過性脳虚血発作(TIA)が疑われた患者のうちTIAではなかった者がどのくらいいるのかを調べてみたそうな。


脳卒中センターに入院してきてTIAを疑われた患者について3ヶ月間フォローし、診断を確定させた。


次のことがわかった。

・310人の患者(男性59%、女性41%)がTIAを疑われた。

・そのうち10%の患者がTIA類似症状だった。

・類似症状の患者は本当のTIA患者より14歳ほど年齢が若かった。

・本当のTIA患者には高血圧、失語、症状の継続、高齢といった特徴があった。

・TIA類似症状の主な原因は片頭痛だった。

・麻痺、感覚障害、片目が見えなくなるなどの症状では類似症状との区別がつかなかった。


TIAが疑われた患者のうち10人に1人は類似症状だった。両者を判別するのはなかなか難しい、

というおはなし。


感想:

TIA自体が脳卒中の類似症状のような印象を持っていたので関心を持った。
高齢者の脳卒中のうち13%は脳卒中ではなかった

『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』


2014年11月28日

動作観察とイメージ訓練を連続するとより効果的なのか


Combined action observation and imagery facilitates corticospinal excitability
2014  11月  イギリス

脳卒中のリハビリに用いられる動作観察療法とイメージ訓練法は脳の似たような場所を活性化する。
通常これらの方法は別々のものとして扱われる。
そこで、一緒にやってみたときの効果を調べてみたそうな。


19人の健常者を対象に、人差し指を開く動作を訓練させた。

以下の各々の状況下で訓練を行った。

*動作ビデオを観たあとに指示に従ってイメージ訓練をする
*動作ビデオを観るのみ
*イメージ訓練のみ
*比較のための状況

訓練ののち、TMSを使って脳皮質から人差し指および小指筋肉への運動誘発電位を測定した。


次のことがわかった。

・動作観察とイメージ訓練を組み合わせた状況下で運動誘発電位が最も大きかった。

・この効果は人差し指の筋肉についてのみ現れた。


動作観察やイメージ訓練は、個々に行うよりも組み合わせたほうがより効果的であろう、


というおはなし。

人差し指のうごき


感想:

ロッキーを観たあとにシュッシュッシュッってやるのは意味があるんだな。

2014年11月27日

ミラーセラピー風 動作観察療法をやってみた


A Mirror Therapy-Based Action Observation Protocol to Improve Motor Learning After Stroke.
2014  11月  オランダ

ミラーセラピーは脳卒中で麻痺した手のリハビリに役立つと言われている。
そこでミラーセラピーの考え方に基づいた動作観察療法を実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者37人について、麻痺手をすばやくを伸ばす動作の訓練を行った。

2グループに分けて、
*一方には健常手をつかって手を伸ばす動作を記録し鏡像反転したビデオを観せた。
*もう一方のグループには風景の写真を見せた。

その後、動作速度を計測した結果、


次のようになった。

・動作に要した時間がビデオグループで18.3%、写真グループで9.1%短縮した。

・グループ間での実時間の差は平均0.14秒におよんだ。


ミラーセラピーに基づいた動作観察療法が脳卒中患者の手のリハビリに役立つことがわかった、


というおはなし。



感想:

鏡に映せば済むものをわざわざビデオに撮って反転させて上映する理由がよくわからなかった。

2014年11月26日

脳卒中やるとうんこが出にくくなるの?


Stroke: Bowel Dysfunction in Patients Admitted for Rehabilitation.
2014  11月  ブラジル

便秘などの腸機能にまつわる問題が脳卒中の前とあとでどう変わるものか調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院中の98人の脳卒中患者および介護者に調査した結果、


次のことがわかった。

・脳卒中まえ 24%の人に腸機能に障害があった。脳卒中のあとは55%になった。

・脳卒中のあと、腸機能異常の頻度が7倍に増えた。

・脳卒中まえは 便秘が74%に見られ最も多く、次いで便通頻度の減少が17%だった。

・脳卒中のあとでは 便秘が50%に、便通頻度の減少が27%、残便感13%、トイレ嫌い5%となった。

・下剤の使用は19%におよんだ。


脳卒中のあとは腸機能の異常が著しく増えた、


というおはなし。


うんこさん


感想:

うんとこしょどっこいしょ

2014年11月25日

脳卒中予防のためには早めに歯周病になっておいた方が良いとする根拠について


Cardiovascular Risks Associated with Incident and Prevalent Periodontal Disease.
2014  11月  アメリカ

歯周病と脳卒中などの心血管疾患は関連があると言われている。

あらたに歯周病になった場合のリスクを調べてみたそうな。


45歳以上で心血管疾患の無い女性39863人について、16年間ほど追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・内訳は、もともと歯周病があった:18%、新たに歯周病になった:7.3%、歯周病なし:74.7%だった。

・歯周病なしに比べ歯周病があるグループで心血管疾患の割合が高かった。

・新たに歯周病になった女性の脳梗塞リスクは1.41倍、心筋梗塞リスクは1.72倍だった。

・もともとも歯周病だった女性のリスクは脳梗塞で1.12倍、心筋梗塞が1.27倍だった。


45歳以降、あらたに歯周病になった女性は、脳卒中など心血管疾患リスクが著しく上昇する、


というおはなし。

感想:

「日本人は8割が歯周病」と歯医者さんは言う。

残り2割の方が異常なんじゃね?って いつも思ってた。

長く歯周病をやっていたほうが脳卒中への耐性ができるってことなんじゃないのかな、、

2014年11月24日

片麻痺の子供のあたまに乾電池の電極を貼り付けても大丈夫?


Safety and Feasibility of Transcranial Direct Current Stimulation in Pediatric Hemiparesis: A Randomized Controlled Pilot Study.
2014  11月  アメリカ

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)は非侵襲的な脳刺激法であり、成人脳卒中患者のリハビリに用いられる。

子供への安全性を確かめてみたそうな。


脳卒中により 生まれついて片麻痺の子供13人(7-18歳)について、リアルtDCS、偽tDCSグループに分けて治療を行った。

治療内容は両側運動野へ0.7mAの刺激を10分間行った。

有害事象の有無を確認し、効果を1週間後までフォローした。


次のようになった。

・けいれん発作などの大きな有害事象はなかった。

・2人の被験者は不快感や効果測定上の理由で脱落した。

・残り11人は治療後のフォローまで完遂した。

・両グループ間で、運動誘発電位、行動面で有意な差は見られなかった。


子供へのtDCS治療は問題なさそうだった、


というおはなし。

子供のtDCS



感想:

tDCSってパラメータが少なすぎて奥行きが感じられないな、、と思ってたら、直流の代わりに交流やノイズ電流を使うtACS,tRNSなんてものがあることを知った。

2014年11月23日

男女のストレスへの反応のしかたと脳卒中後ウツとの関連


Gender and Stress in Predicting Depressive Symptoms Following Stroke.
2014  11月  アメリカ

脳卒中後のウツは予後の悪化に関連する。いっぽうストレスはウツに関連し 特に女性はストレスへの反応が大きいとされる。

ストレスの高い出来事とウツ症状との関連について男女の違いを調べてみたそうな。


脳卒中患者の男女43人について、日常生活下のストレスフルな出来事やウツ症状をその都度瞬時に記録できるモバイル機器を1週間携行させた。
この記録装置により記憶によるデータの偏りを防ぐことができる。(electronic momentary assessment:EMA)

従来型のウツ評価との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・日常生活下での1140件の出来事が記録された。

・そのうち37.3%はストレス度の高いネガティブな出来事だった。

・記録された日々のウツ症状は男性よりも女性で重かった。

・特に次の3つのウツ症状、*悲しい気分、*疲労感、*食欲不振、が多かった。

・病院で行う従来型ウツ検査では男女の差は見られなかった。


ストレスの高い出来事に対する過大な反応と、それに関連するウツ症状が男性ではなく女性に見られた。
病院の検査では見られなかった日常生活下のウツ症状の男女の違いがEMAにより明らかになった、


というおはなし。

EMA
別のEMAの例


感想:

女性のウツは傍目にもわかるけど、男性のそれは検査しないとわからない、ってことなのかな。

2014年11月22日

どんな種類の食物繊維が脳卒中予防に良いのか


Dietary Fiber Intake Is Inversely Associated with Stroke Incidence in Healthy Swedish Adults.
2014  11月  スウェーデン

食物繊維の種類と脳卒中リスクとの関連を調べてみたそうな。


45-83歳の健康な69677人に食事内容アンケートを行い脳卒中の発生を10年間追跡した結果、


次のことがわかった。

・この間に3680件の脳卒中が起きた。

・内訳は、脳梗塞2722、脳内出血363、くも膜下出血160だった。

・食物繊維の摂取量が増えると、脳卒中リスクが低下した。この傾向は穀類よりも果物や野菜由来の食物繊維で顕著だった。

・食物繊維を多く摂る人をほとんど摂らない人と比べたときの脳卒中リスクは、全体では0.90倍、果物由来繊維で0.85倍、野菜が0.90倍、穀類で0.94倍だった。


食物繊維が多いほど 特に果物や野菜由来の食物繊維が多いと脳卒中リスクが低下する、


というおはなし。

野菜と果物


感想:

まえの記事を思い出した。
食物繊維が7グラム増えると脳卒中リスクが7%下がる

食物繊維は脳卒中予防に最適

食物繊維の脳卒中予防効果が明らかに

2014年11月21日

55歳以降 脳卒中を初体験できる可能性はどのくらいあるのか?


Sex differences in lifetime risk and first manifestation of cardiovascular disease: prospective population based cohort study.
2014  11月  オランダ

55歳時点での脳卒中を含む心血管疾患になる生涯リスク(割合%)を男女で比べてみたそうな。


55歳以上で心血管疾患の無かった8419人を最長20年間追跡したところ、


次のことがわかった。

・この間に2888人が心血管疾患になり、そのうち1198人が脳血管障害、826人が冠動脈疾患だった。

・55歳時点での心血管疾患全体の生涯リスクは、男性で67.1%、女性が66.4%だった。

・種類別では男性で冠動脈疾患27.2%、脳血管障害22.8%、女性では冠動脈疾患16.9%、脳血管障害29.8%の順だった。

・1000人あたりの患者数の差は男性にくらべ女性は冠動脈疾患が102人少なく、脳血管障害は70人多かった。


55歳時点での心血管疾患の生涯リスクは男女でほぼ同じだったが、男性は冠動脈疾患、女性は脳血管障害になりやすかった、


というおはなし。

心血管疾患生涯リスク

感想:

これだけ割合が高いと 特別なことでもなんでもなくて、もう ただの老化現象だな。

2014年11月20日

歩行を改善するためにイメージする力を6週間 鍛えてみた


Influence of motor imagery training on gait rehabilitation in sub-acute stroke: A randomized controlled trial.
2014  11月  ベルギー

脳卒中患者の歩行イメージ訓練の効果を調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者44人を

*イメージ訓練グループ
*筋肉リラクゼーショングループ

に分けた。

イメージ訓練は しずかな部屋で目を閉じて、歩行動作を指示にしたがって視覚的、感覚的に想像する。1回30分間で6週間行った。


次のようになった。
・イメージ能力スコアおよび10m歩行テストの結果がイメージ訓練グループで著しく優れていた。

イメージ訓練は亜急性期脳卒中患者の歩行機能改善に役立ちそうである、


というおはなし。

イメージ訓練

感想:

リバビリ病院で階段のぼり降りチャレンジが始まったころ、あまりの緊張感に ベッドの中で同じようなイメージ訓練をしまくった思い出。

2014年11月19日

病院に担ぎ込まれた脳卒中患者が死に至る合併症の種類は


Functional Outcome After Common Poststroke Complications Occurring in the First 90 Days.
2014  11月  ノルウェー

入院直後の合併症と予後の関連を調べてみたそうな。


入院後1週間の脳卒中患者の合併症を分類し、90日後に重度の障害、死亡に至るケースとの関連を解析した。


次のようになった。

・5%以上に見られる合併症が7種類あった。

・胸部感染症と脳卒中再発では3-7倍の率で予後が悪かった。

・尿路感染症では1.6倍、転倒で1.4倍だった。

・自立度的には心筋梗塞、尿路感染症、疼痛は予後の悪化と関連はなかった。


脳卒中再発と胸部感染症のみが予後の悪化と強い関連があった。他の感染症や転倒と予後の関連はほとんどなかった


というおはなし。




感想:

しばらく尿道カテーテル入ってたので関心を持った。

ところで転倒って合併症なのか?

2014年11月18日

脳卒中の早期にCI療法をやって半年後、、


Efficacy of Constraint-Induced Movement Therapy in Early Stroke Rehabilitation: A Randomized Controlled Multisite Trial.
2014  11月  ノルウェー

脳卒中早期のCI療法には実績が多くない。

発症後4週間以内でのCI療法の効果を調べてみたそうな。


47人の脳卒中患者をCI療法グループおよび通常リハグループに分けた。

日中のほとんどを非麻痺手にミットをはめて過ごし、平日3時間、2週間のCI療法を行った。

6ヶ月後まで効果をフォローしたところ、


次のようになった。

・治療直後はCI療法グループで著しい手の機能改善が見られた。

・しかし6ヶ月時点では、手の障害の程度、機能、使用頻度いずれも両グループで差がまったくなくなっていた。


CI療法はその直後には効果を示したが、6ヶ月後には効果を確認できなかった、


というおはなし。

CI療法


感想:

おそらくこういうこと↓だと思う。

・CI療法は早期に適用してすら効果が持続しない。  または

・手指の伸展が可能な非常に軽度の麻痺患者のみがCI療法の対象になるので、患者の多くは6ヶ月後には勝手に治ってしまっていた。

2014年11月17日

だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること


Community re-integration and long-term need in the first five years after stroke: results from a national survey.
2014  11月  アイルランド

脳卒中経験者が何を必要とし、社会生活で何に困っているのかを長期的視点で調べてみたそうな。

24-89歳、発症5年後までの脳卒中経験者196人にアンケートしたところ、


次のことがわかった。

・75%以上が移動、感情、疲労、集中力の困難を経験していた。

・感情的苦痛と疲労がもっともサポートニーズの高い問題だった。

・介助が必要なシーンの52%は家族に頼っていた。

・42%は脳卒中で人間関係が大きく変わったと感じていた。

・60%は経済的に打撃を受けた。

・66歳未満で復職できたのは23%のみである いっぽう、

・60%は自動車運転を再開していた。


脳卒中は金銭面を含む社会生活に大きな影響をもたらす。感情的苦痛と疲労の問題は珍しくなく 満足のゆく解決策もない。家族には高レベルのサポート能力が求められる。若年者であれば復職サポートがもっとも効果的なリハビリであろう、


というおはなし。
図:脳卒中患者の悩み


感想:

疲労と感情問題か、、 同じ悩みを抱える仲間がたくさんいることを知ってかえって安心した。

2014年11月16日

子供のころ脳卒中になると社会に馴染めなくなってしまうの?


Social competence following neonatal and childhood stroke.
2014  11月  アメリカ

子供の脳卒中と社会能力について調べてみたそうな。


新生児期の発症ケースを含む子供の脳卒中について、神経症状や認知能力、社会結果の複数の側面を ぜんそく経験者と比較した。


次のことがわかった。

・全体的に脳卒経験者では適応行動に障害が見られた。

・神経症状が重くなると適応行動、社会適応、社会参加に障害が見られた。

・認知能力の低下および問題行動の増加は社会適応の障害と関連があった。

・梗塞が大きいと神経症状が重く、低IQ、低社会参加だった。


子供の脳卒中は IQや行動に明らかな問題は見られないものの、適応力や社会能力に障害をもたらす。梗塞サイズや神経、認知障害、問題行動は社会への適応や参加を危うくする要因となる。そのような子供たちへの年齢に応じた支援が必要だろう、


というおはなし。

子供の脳卒中


感想:

脳の可塑性の高い子供ですら こういう問題をひきずるってことは、コミュ力ってとても高度な脳の働きなんだろうな、、と思った。

2014年11月15日

あるはずのない腕がもう一本現れたとき 実は驚かなかったんだ、、


Stroke with supernumerary phantom limb: case study, review of literature and pathogenesis.
2014  10月  インド

脳卒中患者の余剰幻肢(手足が増える)の仕組みを、ある女性の事例で考えてみたそうな。


・脳内出血で左側麻痺の59歳女性が、7ヶ月間にわたり左肩から複数の腕が生えていると訴えていた。

・神経心理検査の結果、左側空間無視と余剰幻肢の症状が確認され、

・両側前頭葉、頭頂側頭葉、大脳基底核の関係が考えられた。

・MRI上では右被殻の元血腫位置の横に空洞があり、右前頭頂葉の白質に変性が見られた。

余剰幻肢は身体図式の更新失敗が原因かもしれない。

身体図式は感覚的な位置情報を常に調整しているが、脳の運動に関わる部位に障害を受けると身体知覚が影響を受ける。その結果、腕を動かそうとした際にあるべき位置に腕がないことになる。知覚と運動情報に不一致が起き、同期がとれなくなくなるのである。

この不一致を吸収するために身体知覚が変化して余剰幻肢が出現すると考えられる、


というおはなし。


感想:

余剰幻肢を急性期に何度か経験したことがある。スタンド使いになったかと思ったよ。
脳卒中患者がみる幻肢の特徴とは


2014年11月14日

高気圧酸素治療は慢性期脳卒中の記憶障害に効くのか?


Improvement of Memory Impairments in Poststroke Patients by Hyperbaric Oxygen Therapy.
2014  11月  イスラエル

高気圧酸素治療が脳損傷患者の認知、運動機能の回復に効くという報告がある。

脳卒中患者の記憶障害にはどうなのか、調べてみたそうな。


平均年齢60、91人の慢性期脳卒中患者について2気圧100%酸素の高気圧酸素治療を1回90分間x週5回、計40-60回行った。

その前後で記憶力テストを行った。脳の代謝状態をSPECTで確認した。


次のようになった。

・治療後の記憶機能がすべての側面で統計学的有意に著しい改善を示した。

・主に側頭葉での代謝改善度と記憶機能改善度に関連がみられた。


脳卒中患者が慢性期になってなお記憶障害を改善できる可能性を 高気圧酸素治療が示した、


というおはなし。

高気圧酸素治療


感想:

スーパー銭湯の減圧室やオゾン療法の類かと思ってたけど、保険適用になるんだな。
高気圧酸素治療に健康保険が適用される主な疾患

2014年11月13日

脳卒中の再発予防に必要な歩数が明らかに


Predictive impact of daily physical activity on new vascular events in patients with mild ischemic stroke.
2014  11月  日本

脳梗塞患者の身体活動度と再発の可能性について調べてみたそうな。


平均年齢64、発症後3ヶ月以内の166人の軽症脳梗塞患者について、日々の歩数を測定した。

その後の再発状況を追跡し、関連を解析した。


次のことがわかった。

・4年前後の追跡期間中に脳卒中などの血管障害が34件起きた。

・これら血管障害が起きたグループは、そうでない者に比べ日々の歩数が少なかった。

・他の要因(年齢、体重、血圧、別の病気など)に関わらず1日の歩数が血管障害の可能性をよく反映していた。

・1日あたり6025歩を基準にしたときに血管障害の差がもっとも顕著になった。


軽症脳梗塞患者の1日あたりの歩数は予後をよく反映していた。とりあえずは6000歩を目安にすれば再発を防げるだろう、


というおはなし。
図:再発予防に適した歩数

感想:

退院してすぐの頃は一所懸命に歩くけど だんだん面倒くさくなって歩かなくなるんだよね。

2014年11月12日

失語症治療に効果的な磁気刺激方法が判明


Efficacy of Synchronous Verbal Training During Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation in Patients With Chronic Aphasia.
2014  11月  台湾

言語療法に効果的な磁気刺激(rTMS)のやりかたを調べてみたそうな。


非流暢性失語の脳卒中患者45人を次の3グループに分けた。

*rTMSの最中に言語訓練を行う。
*rTMSの直後に言語訓練を行う。
*偽のrTMSと一緒に言語訓練を行う。

言語訓練は線画命名課題を、rTMSは脳の健常側への1Hz刺激で1日1セッションx10日間行った。

効果を3ヶ月後までフォローした。


次のようになった。

・rTMSを言語訓練の最中に行ったグループで 表現力、叙述力など複数の側面で失語テストスコアが他の2グループに比べ著しく向上した。

・この効果は3ヶ月後も持続し、言語訓練とrTMSを同期したグループで優れていた。


磁気刺激と言語訓練は別々に行うよりも一緒に行ったほうが効果的かつ持続的だった、


というおはなし。



感想:

磁気刺激で手が動くって話をすっかり聞かなくなったけど、同じように刺激しながらつまむ訓練をするといいんじゃないのかな。

2014年11月11日

脳卒中サインはFASTで見破れって言うけど アテになるの?


Clinical signs in young patients with stroke related to FAST: results of the sifap1 study.
2014  11月  ドイツ

脳卒中の兆候であるFASTの3つの症状:顔のゆがみ、腕のしびれ、言葉のもつれ が若年脳卒中患者のどのくらいの割合に見られるか調べてみたそうな。


2007-2010に発症した18-55歳の脳卒中患者5023人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・TIAの1071人、脳梗塞の3396人、その他68人 の計4535人を解析対象とした。

・76.5%の患者にFASTの症状が見られた。

・このうち35%は3つの症状の全てを経験していた。

・FAST症状を経験した者の割合は年齢別に、18-24歳では69.1%、25-34で74%、35-44で75.4%、45-55で77.8%だった。

・神経症状が重くなるにしたがってFAST症状も顕著になった。

・TIAや後頭部脳梗塞ではFAST症状の割合が少なかった。


FASTは若年者に対しても脳卒中を見分けるのに役立つことがわかった、


というおはなし。


感想:

あからさまに脳出血患者をはじいている。

なんとなくわかってはいたけど、FASTキャンペーンで病院が求めているのは血栓溶解治療に適した患者だけってことなんだな。


貼っておくか、、

2014年11月10日

脳卒中やると ひとりの時間がやたら増えて寂しいんだよ


Quality of life and loneliness in stroke survivors living in appalachia.
2014  11月  アメリカ

脳卒中経験者の孤独と生活の質(QOL)の特徴を調べてみたそうな。


発症1年未満の脳卒中経験者121人にアンケート調査した結果、


次のことがわかった。

・退院して介護施設へ移った者のQOLは 自宅へ帰った者に比べ低かった。

・喫煙を続ける脳卒中経験者は人間関係に不満があり、孤独とウツのスコアが高かった。

・年齢、性別、他の病気に関わらず孤独を感じていると低QOLだった。


脳卒中経験者の孤独を減らすことでQOLが改善するかもしれない、


というおはなし。



感想:

この記事思い出した。
脳卒中になると友達が減る理由とは

2014年11月9日

60人の脳梗塞患者に骨髄幹細胞を移植してみた


Intravenous Autologous Bone Marrow Mononuclear Stem Cell Therapy for Ischemic Stroke: A Multicentric, Randomized Trial.
2014  11月  インド

脳梗塞患者への骨髄幹細胞移植の効果と安全性について実験してみたそうな。

亜急性期の脳梗塞患者120人を

*自家骨髄幹細胞静脈内投与グループ、
*幹細胞なしの比較グループ

に分けて半年後の自立度、神経症状を調べPET検査で脳活動も確認した。


次のようになった。

・58人の患者に幹細胞移植治療を完遂した。

・半年後の患者の自立度、神経症状、梗塞体積にグループ間の差は無かった。

・有害事象についても同様で、

・新たに活動を始めた脳領域も確認できなかった。


骨髄幹細胞の静脈内投与治療の安全性を確認できたが なんの効果も見られなかった、


というおはなし。

骨髄幹細胞移植


感想:

中国とかインドって人体実験やらせると人数的に頼もしい。
60人の脳内出血患者の脳に骨髄幹細胞を移植してみた

2014年11月8日

片麻痺の影響を定量的に評価する方法


Quantitative Measurement of Physical Activity in Acute Ischemic Stroke and Transient Ischemic Attack.
2014  11月  デンマーク

急性期脳梗塞患者と一過性脳虚血症(TIA)患者の身体活動度を定量的に比較してみたそうな。


発症後72時間以内の計100人の患者について、両手両足および腰に加速度計を1週間装着し、動いた回数を比較した。


次のことがわかった。

・朝が最も活発で、あとは低下してゆくのみだった。

・脳梗塞患者はTIA患者に比べ動作回数が71%少なかった。

・脳梗塞患者では麻痺側の腕の動作回数が非麻痺側よりも80%少なかった。

・麻痺側の脚の動作回数は44%少なかったが、時間が経つにつれ両脚ともに増えていった。

・年齢が高くなると動作回数が少なくなった。


加速度計を使って脳卒中患者の活動度を定量的にかつ低コストで測定することができた、


というおはなし。


感想:

愛用している歩数計
タニタ(TANITA) 3Dセンサー搭載歩数計
歩数計

シンプル操作、正確、見やすい、安い

2014年11月7日

この20年間で脳卒中死亡率はどのくらい改善したの?


Deaths from stroke in US young adults, 1989-2009.
2014  10月  アメリカ

若年脳卒中患者の死亡率の傾向を最近20年間について調べてみたそうな。


1989-2009年 アメリカ全土での20-44歳の脳卒中死亡者データ(22億人年相当)を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に若年脳卒中患者の死亡率は35%低下した。

・死亡率低下の種類別内訳は、脳梗塞15%、脳内出血47%、くも膜下出血50%だった。

・黒人は白人に比べ脳卒中3種の死亡リスクが数倍であり 死亡率低下度も大きかった。


若年脳卒中患者が増加傾向にある一方で死亡率は明らかに低下した。早期発見と治療が功を奏しているにちがいない、


というおはなし。

全米脳卒中死亡率

感想:

放っておいても勝手に治る軽い脳卒中が 病院のマーケティング活動とCTのお陰でたくさん見つかるようになっただけではないのかな?

2014年11月6日

[動画]カイロプラクティックに行って脳梗塞で死んでしまった若者にまつわるストーリー


30-year-old dies after visit to the chiropractor
2014  11月  アメリカ

カイロプラクティックに行った直後に死んでしまった若者に関連したニュースビデオ(CMのあと5分間)。


あらすじ

・ジェレミー君(30歳)はカイロプラクティックに行き具合が悪くなりそのまま亡くなった。

・検死の結果、頚椎操作による脳梗塞が原因とされた。

・医師 曰く『カイロプラクティックは頚椎の動脈を傷つけ死に至らしめる危険性がある上に その治療行為には科学的根拠が何もない』

・一方でカイロプラクティックに50年も通っている熱烈なファンもいる。

・カイロプラクティック協会の会長曰く『カナダの研究ではカイロプラクティックと脳卒中との因果関係は確認されていません。ジェレミー君に"たまたま起きた事故" はほんとうに残念でした。』


というおはなし。



感想:

この記事思い出した。
カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ

2014年11月5日

脳卒中から10年も経てば「疲労」の悩みは消えているのかしら


Post-stroke fatigue and its association with poor functional outcome after stroke in young adults.
2014  10月  オランダ

脳卒中後の「疲労」は 短期的には予後にネガティブな影響を及ぼす。

では長期的にはどうか、若年脳卒中患者で調べてみたそうな。


18-50歳でTIAまたは脳梗塞になった511人の脳卒中経験者について、発症後平均9.8年時点での疲労度と身体機能を評価し、同性同年齢の健常者と比較した。


次のことがわかった。

・41%が疲労で悩んでいた。健常者ではこの割合は18%だった。

・疲労があると自立度が低く頭の働きのスピードも遅かった。


若年脳卒中経験者の疲労は珍しいものではなく 10年近く経ったのちも続いていた、


というおはなし。
図:脳卒中後の疲労

感想:

慣れてしまったのか最近はそういう状態を特別なことと思わなくなってきた。

2014年11月4日

収入が少ないと脳卒中になったとき死んでしまうの?


Socioeconomic Position and Survival After Stroke in Denmark 2003 to 2012: Nationwide Hospital-Based Study.
2014  10月  デンマーク

脳卒中の発症リスクは低所得者層で高い。

脳卒中で死亡するリスクも高いものなのか調べてみたそうな。


2003-2012の40歳以上の医療記録を調査したところ、


次のことがわかった。

・教育歴と可処分所得情報を取得できた脳卒中事例が56581件見つかった。

・収入が少ないグループは収入の多いグループに比べ脳卒中死亡リスクが30%高かった。

・65歳未満に限定すると、義務教育のみのグループは教育歴の長いグループに比べ脳卒中死亡リスクがやや高かった。

・ただし発症1ヶ月内の早期死亡リスクについては収入や教育歴との関連は見られなかった。


収入が少ない脳卒中患者は収入が多い患者に比べ生存可能性が30%低かった。社会階層レベルは脳卒中死亡率に長く影響したが、早期死亡率についてはその限りではなかった、


というおはなし。

デンマーク

感想:

脳卒中が貧乏人の病という研究結果は幾度となく示されているんだけど、リッチなはずの先進国でなぜ? といつも思う。

経済的に豊かであればあるほど健康になるのか?

2014年11月3日

脳が大きい人の死亡率は高いか 低いか?


Brain Volume as an Integrated Marker for the Risk of Death in a Community-Based Sample: Age Gene/Environment Susceptibility-Reykjavik Study.
2014  10月  アイスランド

脳全体の体積と死因別死亡率との関連を調べてみたそうな。


認知障害や脳卒中経験者を除く3543人の高齢男女について頭部MRI検査の結果から脳全体、白質、灰白質の体積を推定した。

最長10年間追跡して死亡の有無を確認し、関連を解析した。


次のことがわかった。

・平均7.2年間の追跡期間中に647人が死亡した。

・脳全体、白質、灰白質の体積が大きいほど死亡リスクが著しく低くかった。

・心血管疾患関連の死因に関わらずこの傾向が見られた。


脳の体積と死亡率との関連が確認できた。脳の体積を健康診断で測定したらいいんじゃない?


というおはなし。




感想:

上のビデオは10年くらい前に撮った俺の脳。同僚30人のデータと比べたところ体積がいちばんデカかった。

長生きできるかな、、

2014年11月2日

脳卒中のあとの認知機能の低下について


Cognitive performance after stroke - The Framingham Heart Study.
2014  10月  アメリカ

脳卒中のあとの認知機能の低下について調べてみたそうな。


発症前は認知機能に問題のなかった脳卒中患者132人(平均年令77)と健常者グループについて6ヶ月後の認知機能をミニメンタルステート検査で比較した。


次のようになった。

・脳卒中患者の見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力はいずれも劣っていた。


脳卒中を経験したあと患者の認知機能は多くの側面で低下していた、


というおはなし。



感想:

発症直後STに似たようなテストを何度もされたのを憶えている。

そのときはバカに見られては大変だと思い熱がでるほど必死で答えていた。でも最近は見栄をはらなくなってきた。

おバカな反応をする自分を楽しんでいる感がある。

脳卒中になるとそれまでの倍の速度でボケる

若年脳卒中経験者の10年後の特徴 頭がゆっくり

若年脳梗塞患者の認知機能を長期的に調べてみた

2014年11月1日

脳卒中後うつの患者が死んでしまいやすい理由


Explanatory factors for the increased mortality of stroke patients with depression.
2014  10月  イギリス

脳卒中後のウツと死亡率の関係に影響する要因を調べてみたそうな。


1998-2013の脳卒中患者の医療データを解析したところ、


次のことがわかった。

・発症5年後までフォローできた1354人ぶんのデータが集まった。

・発症後3ヶ月時点で32.1%がウツで、24.4%が5年以内に死亡していた。

・ウツのある脳卒中経験者の死亡率は1.4倍だった。

・この関連は65歳未満で顕著だった。

・他の疾患、喫煙、飲酒、SSRI薬、社会サポート、服薬順守率を考慮にいれてもこの傾向は変わらなかった。

・3ヶ月時点でのウツの有無に関わらず、脳卒中後にSSRI薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を始めた者の死亡率が高かった。


脳卒中後ウツの患者の死亡率は高く 特に若年者で顕著だった。あらたにSSRI薬を始めた脳卒中経験者の死亡率はさらに高かった、


というおはなし。



感想:

脳卒中後ウツにSSRIは死亡傾向(たぶん自殺)が高まるだけで割りに合わないってことなんだろうか。

SSRIビジネスの闇は深そうなのでウィキペディアをリンクするにとどめておこう。

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