2016年1月31日

脳卒中後の痛みの種類と時期について


Prevalence and Time Course of Post-Stroke Pain: A Multicenter Prospective Hospital-Based Study.
2015  12月  イタリア

脳卒中後の疼痛を時期別、種類別に調べてみたそうな。


443人の脳卒中患者について、
急性期、亜急性期、慢性期 の各時期に、
中枢性疼痛、骨格筋痛、肩の痛み、痙縮の痛み、頭痛の有無を調査した結果、


次のことがわかった。

・全体の疼痛経験率は29.56%だった。

・14.06%が急性期、42.73%が亜急性期、31.90%が慢性期に起きた。

・痛みの起きる時期は痛みの種類により異なり、

・骨格筋や肩の痛みは急性期よりも亜急性期、慢性期に多かった。

・痙縮の痛みは慢性期に多く、

・頭痛は急性期に現れた。

・中枢性疼痛は急性期よりも亜急性期、慢性期に多く、

・投薬治療を受けている者は25%未満だった。

脳卒中後の痛みは急性期よりも亜急性期、慢性期に多く、治療対象にないことが多かった、


というおはなし。

図:脳卒中後の痛み

感想:

いまだに、ウォーミングアップができていないと 足の裏が痛むことがある。すぐ気にならなくなるけどね。

2016年1月30日

脳梗塞のあと1年間の再発率は、、、


Recurrent Stroke, Myocardial Infarction, and Major Vascular Events during the First Year after Acute Ischemic Stroke: The Multicenter Prospective Observational Study about Recurrence and Its Determinants after Acute Ischemic Stroke I.
2015  12月  韓国

脳梗塞の患者が発症後1年間に再発したり心筋梗塞を起こしたりする頻度を調べてみたそうな。


2010-2013の急性脳梗塞患者12227人を1年間フォローして、脳卒中の再発、心筋梗塞、その他主要血管イベントの有無を調べたところ、


次のようになった。

・脳卒中再発率は、30日後、90日後、1年後でそれぞれ 2.7%, 3.9%, 5.7% となった。

・同様に 心筋梗塞ではそれぞれ 0.1%, 0.3%, 0.5% だった。

・その他 主要血管イベントは 8.1%, 10.6%, 13.7% となった。

・脳卒中の再発リスクは心筋梗塞の10数倍だった。

・ラクナ梗塞など小血管病変以外の脳梗塞では再発リスクが高かった。

・糖尿病が主な再発リスク要因だった。

急性脳梗塞後の1年間に18人に1人は脳卒中を再発し、7人がその他主要血管の病気にかかった。再発の3分の2は90日以内に起きていた、


というおはなし。

図:脳梗塞再発

感想:

糖尿病といえば、、糖尿病じゃないけど、いま糖質制限食にハマってんだ。

2016年1月29日

脳卒中で斜視になった患者の予後について


Association between eye position on brain scan and hospital mortality in acute intracerebral hemorrhage.
2016  1月  オランダ

両目が同じ方向に向く「共同偏視」や 一方の目が水平に傾く「斜視」は脳内出血患者によく見られる。彼らの予後を調べてみたそうな。


脳内出血患者316人の発症初期の断層像から目の偏りを測定し 院内死亡率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・共同偏視が30.4%、斜視が13.9%にみられ、55.7%は偏りなしだった。

・共同偏視の81.3%は出血した脳半球側を向いていた。

・斜視患者の死亡リスクは高かった。

脳内出血患者の水平方向の斜視は予後不良と関連があった、


というおはなし。


感想:

入院してすぐに見舞いに来てくれた複数の人から 「左目がとんでもない方向を向いていてショックを受けた」と のちに聞かされていたので関心を持った。

で、直後に撮ったCT↓をひっぱりだした(画像の右側が頭の左に相当)
写真:脳内出血の共同偏視

いまいちよくわからないので、立体的にした↓(顔の前面をカット)
写真:目の偏り 脳内出血

両目とも右下を向いている。このとき(撮影中)は両目を閉じていた。

目を開けると、きっとどちらか優勢な方の目が正面を向くんだろね。

[斜視]の関連記事

2016年1月28日

介助が必要な患者に血栓溶解治療をしてみた


Intravenous Thrombolysis in Patients Dependent on the Daily Help of Others Before Stroke
2016  1月  スイス

脳卒中患者への血栓溶解治療の効果と合併症が、すでに生活に介助が必要だった人と自立生活していた人とで どう異なるものか調べてみたそうな。


血栓溶解治療を施された脳卒中患者7430人について3ヶ月後の回復度、死亡、頭蓋内出血例を調べたところ、


次のことがわかった。

・6.6%の患者は発症前に依存状態にあり、93.4%は自立生活していた。

・脳卒中歴、認知症、心臓や骨の病気が依存状態の主な理由だった。

・依存状態にあった患者の死亡率は自立していた患者の2倍だった。

・頭蓋内出血の頻度は両グループで差はなかった.

・回復不良の頻度も同程度だったが、

・3ヶ月間生存した患者に限定すると、依存状態にあった患者の方が回復不良は少なかった。

頭蓋内出血の合併症頻度は同じだったので治療の安全性に差はない。生存者に限定すると依存状態にあった患者のほうが回復不良は少なかった。だから依存の患者に血栓溶解治療を控えるべきではないだろう、


というおはなし。

図:依存

感想:

回復度を評価するスケールに線形性があると考えるから こういう変な結果が出るんだろうね。

2016年1月27日

未破裂脳動脈瘤のリスク 日本人のばあい


Risk Analysis of Unruptured Intracranial Aneurysms
Prospective 10-Year Cohort Study
2016  1月  日本

未破裂脳動脈瘤の自然経過を調べてみたそうな。


2003-2012に未破裂脳動脈瘤がみつかった2252人の2897個の動脈瘤のうち、1960個については保存的に経過を観察した。
また CTやMRI、アンギオ検査により動脈瘤の形状を詳細に評価した。


次のことがわかった。

・平均3年半ほどのフォロー期間に56個の動脈瘤が破裂した。

・年間の破裂率は全体として0.76%だった。

・破裂したケースでは、動脈瘤が発見されてから破裂までの平均期間は547日だった。

・動脈瘤のサイズ、位置、突起物、クモ膜下出血歴が破裂可能性に関連していた。

・サイズが2-4mmに比べ5mm以上では破裂リスクが12倍になった。

・破裂した56人のうち52%は死亡または重度の障害が残った。

・サイズが巨大な場合、破裂死亡率は69%で、

・5mm未満の場合、破裂死亡率は18%だった。

未破裂脳動脈瘤はサイズが大きいほど破裂と障害のリスクが高かった、


というおはなし。

図:未破裂脳動脈瘤


感想:

クリッピングやコイルで治療すると合併症が残る率が10%くらいある。

年間破裂率が1%未満なので よほどでかい場合でないと治療リスクに釣り合わないですよ、ということと理解。

2016年1月26日

低気圧が来ると起きやすい脳内出血の種類がわかった


Drops in Barometric Pressure Are Associated with Deep Intracerebral Hemorrhage.
2016  1月  イスラエル

脳内出血の種類と大気圧との関連を調べてみたそうな。


脳内出血患者を皮質下の出血グループと皮質出血グループに分け、気象データとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・皮質下深部の脳出血患者147人と皮質出血59人を対象とした。

・深部出血患者の特徴は、若年、糖尿病、喫煙、ラクナ歴、男性、だった。

・発症2日前の大気圧の低下と深部脳出血とに関連があった。皮質出血は関連がなかった。

・深部出血は2月、大気圧変化の大きいタイミングに集中していた。

日単位の大気圧の低下が皮質下深部の脳内出血と関連していた、


というおはなし。
図:大気圧と脳内出血

感想:

これ↓思い出した。
長野県に近づくと脳出血になる可能性について

2016年1月25日

脳梗塞の予後 体重別 日本人


Association between body mass index and outcome in Japanese ischemic stroke patients.
2016  1月  日本

肥満度と脳梗塞の回復度との関連を日本人で調べてみたそうな。


急性脳梗塞患者1206人をBMIに従って 低体重、標準、肥満の3グループに分け、退院時の生活自立度、長期的な総死亡率、再発率を評価し 比較したところ、


次のことがわかった。

・9.2%が低体重、65.1%が標準体重、25.7%が肥満に分類された。

・低体重グループは標準グループに比べ、明らかに生活自立度が低く 総死亡率が高かった。

・肥満グループは標準グループとの違いがあまりなかった。

・再発率についてはどのグループも有意な差はなかった。

痩せている脳梗塞患者の予後は良くない、


というおはなし。

図:肥満度と脳梗塞の転帰


感想:

鹿児島で大雪になるほどに寒い今日このごろ。ふとっちょの人が温かそうでうらやましい。

2016年1月24日

肩の痛みは中枢性疼痛の仲間なのか?


Does hemiplegic shoulder pain share clinical and sensory characteristics with central neuropathic pain? A comparative study.
2016  1月  イスラエル

脳卒中後の肩の痛みのメカニズムを調べてみたそうな。


脳卒中片麻痺で肩の痛みのある16人と、
脊髄損傷による中枢性疼痛の18人について、
温度感覚、触覚の閾値および疼痛の範囲、程度を測定し比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループとも正常部位に対する温度感覚の低下度が似ており、痛みの頻度も近かった。

・しかし痛みの質と悪化要因は異なっていた。

・肩の痛みの強度と温痛閾値低下や亜脱臼、痙縮に明らかな関連があった。

肩の痛みと脊髄損傷の中枢性疼痛には似ている点がいくつかあった。脳卒中後の肩の痛みは神経障害の要素を含んでいるのだろう、


というおはなし。

図:肩の痛み


感想:

集中治療室で寝かされてる間に肩の関節がズレちゃったのかな、と思ったわ さいしょ。

なぜよりによって肩なのか?特別な場所なのか?

2016年1月23日

1年後、回復に不満を感じている脳卒中患者の特徴


Perceived Unmet Rehabilitation Needs 1 Year After Stroke
An Observational Study From the Swedish Stroke Register
2016  1月  スウェーデン

脳卒中発症から1年後、回復に不満を抱いている患者の特徴を調べてみたそうな。


スウェーデンの脳卒中データベースから発症12ヶ月後の患者を抽出しアンケートを送ったところ、


次のことがわかった。

・37383人の脳卒中患者のうち、発症から12ヶ月後に 21.5%が回復に不満を感じていた。

・回復に満足している者に比べ不満を感じている者は、より高齢で( 75.4 versus 72.4 )

・日常生活動作が要介助状態にある者が多く(59% versus 31.9%)

・介護施設にいる者も多く(24.3% versus 11.5%)

・うつ状態の者も多く(32.3% versus 24.9%)

・疼痛治療が十分でない者もおおかった(54.5% versus 32.3%)

・彼らの元の特徴として、重症、脳卒中歴、女性、糖尿病、脳出血、心房細動が挙げられた。

発症から1年後 回復程度に不満を感じている脳卒中患者は少なくなく、高齢、依存、疼痛、うつが関連していた。患者を多方面からフォローできるシステムが必要だろう、


というおはなし。

図:不満

感想:

ぎゃくに見ると 80%近くは概ね満足してるってことで、高すぎないか???って思った。
けど脳卒中患者のほとんどは軽症だから妥当な数字かな、、、

概ね満足であって、完全回復というわけではないんだよな。

2016年1月22日

脳卒中発症時の患者の行動を調べた結果、、、


Patient behaviour at the time of stroke onset: a cross-sectional survey of patient response to stroke symptoms.
2016  1月  アイルランド

脳梗塞の血栓溶解治療は有効な時間が限られている。その治療が行われない主な理由は患者の病院到着が遅れることである。

そこで、発症時の援助要請行動を分析して 到着が遅れる理由を調べてみたそうな。


脳梗塞患者149人について入院3日後に面談調査した結果、


次のことがわかった。

・60%の患者が発症後3.5時間以内に病院に到着していた。

・彼らは脳卒中の症状やリスク要因についてよく知らず、40%は脳卒中の意味がわかっていなかった。

・発症時に周囲に人がいて症状に気づき救急車を呼んでくれたケースでは病院到着が早かった。

患者自身の脳卒中に関する知識レベルの低さと、その症状に気づいて素早くアクションを起こしてくれる周囲の人の重要性が明らかになった、


というおはなし。

写真:援助要請行動

感想:

正常性バイアスっていうのかな 本人は大丈夫って思っちゃうんだよね。

自分の脳の異常に気付いたとき 「よし、アパートに帰って寝よ」と考えて勤め先を早退して途中でダウンした思い出。

2016年1月21日

若年脳梗塞の4年再発率のトレンド


Trends in risk of recurrence after the first ischemic stroke in adults younger than 55 years of age in Sweden.
2016  1月  スウェーデン

若年脳梗塞経験者について過去20年間の再発トレンドを調べてみたそうな。


スウェーデンの患者データベースから、1987-2006に脳梗塞で28日間以上生存した 18-54歳の患者を抽出し、再発の有無を4年間フォローして 傾向を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間、17149人の脳梗塞患者のうち 14.2%が脳梗塞を再発した。

・1987→2006に再発リスクは男性で55%、女性59%低下した。

・もっとも最近の4年再発率は、男性11.8%、女性9.8%だった。

この20年間で若年脳梗塞経験者の再発率は低下した。しかし若年者の再発率は依然高いレベルにある、


というおはなし。

図:脳梗塞

感想:

これ↓の続きだったんだな、、
若くして脳梗塞になった人の4年内死亡率はこの20年間でずいぶんと下がったけど、いまだ一般人の6倍…

2016年1月20日

感情失禁で泣きと笑い どちらが多いのか?


Prevalence of Pseudobulbar Affect following Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2016  1月  イギリス

脳卒中患者の感情変化の不安定さはよく知られているが、どのくらいの患者がそうなるのかは明らかでない。

そこで脳卒中のあとに情動調節障害であるスードバルバーアフェクト(PBA)になった患者についてのこれまでの研究を総括してみたそうな。


関連する信頼度の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者3391人を含む15件のPBA研究がみつかった。

・PBA患者の割合は、脳卒中の発症後1ヶ月未満で17%、1-6ヶ月内で20%、6ヶ月以降では12% だった。

・症状は、笑いの暴走よりも泣くほうが多かった。

泣き笑いの感情がコントロールできなくなるスードバルバーアフェクトは、脳卒中患者のおよそ5人に1人が経験していた。さらに8人に1人では半年後にも起きていた、


というおはなし。




感想:

感情失禁のほうがわかりやすいな。

[感情失禁]の関連記事

2016年1月19日

微小脳出血のある若年脳卒中患者の割合は...


High Prevalence of Cerebral Microbleeds in Inner City Young Stroke Patients.
2016  1月  アメリカ

都心部に住む若年脳卒中患者にオマケの微小脳出血がどのくらいあるものなのか調べてみたそうな。


ボストン医療センターに脳卒中で入院した49歳以下の患者104人について微小脳出血の有無、個数、分布をMRIで調べ、一部の患者(29人)には再度MRIを施行し新規の微小脳出血の発生を調べた。


次のことがわかった。

・患者の17%に微小脳出血があった。

・男性、高血圧、脳内出血経験者に多かった。

・新規に微小脳出血が発生した患者の50%には、すでに3ヶ所以上の微小脳出血が存在していた。

・また、不法薬物の使用歴がある者も微小脳出血が多かった。

都市部に住む若年脳卒中患者には微小脳出血も少なくなかった、


というおはなし。

図:微小脳出血

感想:

オレもあるんだよねぇ、、、 あまり気にしてないけど。

2016年1月18日

ミラー訓練がクロスエデュケーションを強化する...


Mirror Training Augments the Cross-education of Strength and Affects Inhibitory Paths.
2016  1月  オランダ

左右一方の手を筋力トレーニングすると反対側の手の筋力も増加する いわゆるクロスエデュケーションは 効果がそれほど強くない。

そこで訓練手を鏡に映し観察させた場合、クロスエデュケーション効果に違いがあるか調べてみたそうな。


健常者をミラーグループ11人と非ミラーグループ12人分けて、
右手首を最大筋力の80%で曲げる訓練を3週間施した。
ミラーグループには鏡像を観察しながら訓練させた。

その後の左手首の最大屈筋力と運動野との誘発電位を測定したところ、


次のようになった。

・両グループともに右手首の筋力は72%増強した。

・クロスエデュケーション効果である左手首の筋力は、ミラーグループで61%、非ミラーグループでは34%強くなった。

・運動誘発電位の静止時間はミラーグループで15%減少し、非ミラーグループでは12%増えた。

・脳半球間抑制度はミラーグループで11%増加、非ミラーグループで15%減少した。

鏡を使って訓練中の動作を観察するとクロスエデュケーションが強化される。脳卒中患者のリハビリに応用できるかもしれない


というおはなし。

図:クロスエデュケーション

感想:

これ↓思い出した。
上肢ミラーセラピーの効果的なやり方

2016年1月17日

夜中目が覚めてしまう高齢者を解剖して脳を調べてみた


Sleep Fragmentation, Cerebral Arteriolosclerosis, and Brain Infarct Pathology in Community-Dwelling Older People
2016  1月  アメリカ

睡眠障害と脳卒中は関連があると言われている。そこで睡眠の断片化率と血管の損傷程度を人体解剖で調べてみたそうな。


生前に少なくとも1週間以上の睡眠モニター検査を行った平均年齢90の315人について 死後解剖を行い、脳組織内の動脈硬化や梗塞数を評価し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者の61%は中等度の血管ダメージを受けていて、29%は脳卒中を経験していた。

・睡眠の断片化が著しい人は細動脈硬化のリスクが27%高く、

・皮質下の梗塞数も多かった。

睡眠中しばしば目が覚める高齢者は細動脈硬化や皮質下の梗塞になりやすかった、


というおはなし。


感想:

90歳にもなると目が覚めない可能性もあるんだから 睡眠断片化がいったいどれほどの問題なのかと思う。

2016年1月16日

美容院で脳卒中になる女性が続出!


Beauty parlor stroke revisited: An 11-year single-center consecutive series.
2016  1月  スイス

美容院で脳梗塞になる いわゆる「美容院脳卒中症候群」の頻度や原因について調べてみたそうな。


2002-2013の脳梗塞患者記録から美容院を訪問中のケースを抽出して比較したところ、


次のことがわかった。

・患者2300人中10人が美容院で発症した。(1件はTIA)

・患者の90%は女性だった。

・美容院脳卒中の患者には高脂血症や糖尿病が少なかった。

・原因は様々で 頸動脈解離2件、心原性2件、ラクナ2件、その他2件、不明2件だった。

・ヘアドライヤー中の低血圧が原因と思われるものも2件あった。

・患者の90%は回復良好だった。

美容院脳卒中患者は女性に多かった。いくつかのケースは偶然起きたものと考えられた。椎骨動脈、頸動脈の圧迫や解離も関係しているのかも知れない、


というおはなし。

図:美容院脳卒中症候群

感想:

首をうしろに曲げて見上げる動作が良くないらしい。洗髪は頭を前に差しだす床屋さん方式にすれば解決だな。


美容院を訴えた女性のニュース

2016年1月15日

脳卒中が起きやすい部位を439人ぶん重ねてみた


Topography of acute stroke in a sample of 439 right brain damaged patients.
2015  11月  ドイツ

脳卒中の起きやすい場所を探るべく できるだけ多くの患者の画像を重ねてみたそうな。


脳卒中で右脳を損傷した患者439人(脳梗塞367、脳出血72)のCTおよびMRI画像を使って病変の位置を標準脳にマッピングしていったところ、


次のようになった。

・脳梗塞では島皮質、被殻、弁蓋部、上側頭回などでの梗塞頻度が高かった。

・脳出血の場合はそれよりさらに後方、中央寄りに発生していた。

・病変サイズは後方よりも前方で大きかった。

↓上段:脳梗塞、下段:脳出血
図:脳卒中マッピング

というおはなし。



感想:

わかっちゃいるようなんだけど、なるほどねって感じ。

当時のじぶんの脳のばあい↓↓↓(ビデオ)

2016年1月14日

回復の良い脳卒中患者は脳のここが違う


Enhanced Effective Connectivity Between Primary Motor Cortex and Intraparietal Sulcus in Well-Recovered Stroke Patients.
2016  1月  ドイツ

脳梗塞での運動障害は脳の広範に影響を及ぼす。運動機能の回復過程での前頭葉と頭頂葉との関連の変化を調べてみたそうな。


発症3ヶ月時点で回復良好な脳卒中患者15人について、
麻痺手の握り動作時の脳活動をMRIで測定し、
損傷側の頭頂葉の頭頂間溝と 前頭葉の運動野の結合性を評価して
健常者のデータと比較したところ、


次のことがわかった。

・健常者に比べ 損傷側の一次運動野と頭頂間溝前部との結合性が明らかに強化されていた。

・さらに頭頂-前頭ネットワークの結合パターンが健常者のそれとほぼ同じだった。

損傷脳半球の頭頂-前頭ネットワークが脳卒中後の可塑的変化に大きく関わっていることが示された、


というおはなし。

図:頭頂間溝
頭頂間溝


感想:

頭頂間溝(Intraparietal Sulcus)って聞いたことないな、、とおもってグーグルトレンドみたら 以前からよく検索されているようだ。

2016年1月13日

脳梗塞の再発率 10年間の傾向


Trends in Incident and Recurrent Rates of First-Ever Ischemic Stroke in Taiwan between 2000 and 2011.
2015  12月  台湾

脳梗塞の発生と再発について過去10年間の傾向をアジア人で調べてみたそうな。


2001-2011 台湾の18歳以上の初回脳梗塞患者すべてのデータを解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢70、291381人の患者が対象になった。

・この間に糖尿病や高脂血症が増加し、スタチン、抗血小板薬、抗凝血薬の使用も著しく増えたにも関わらず、

・脳梗塞の発生は10万人あたり142.3→129.5人に減少し、

・1年再発率も9.6%→7.8%に低下した。

過去10年間に台湾の脳梗塞の発生率は9%低下し 1年再発率も18%下がった、


というおはなし。

図:1年再発率

感想:

お薬のおかげなのか、、、

2016年1月12日

若年者の73%が脳卒中をナメていることが明らかに


Survey finds 73 percent unaware of stroke symptoms
2016  1月  アメリカ

脳梗塞の有効な治療には発症から3時間までというリミットがある。

45歳未満の若年者の脳卒中に対する意識調査をしたそうな。


18-45歳の健常な1000人あまりにアンケートしたところ、


次のことがわかった。

・73%が脳卒中の症状がでてもすぐには病院にゆかず 良くなるかどうか様子をみたい、と考えていた。

90年台から若年脳卒中患者は53%も増えている。彼らへ脳卒中の症状と事態の緊急性を教育する必要があるだろう、


というおはなし。

図:若年者の脳卒中

感想:

発症当日、からだの異常にはっきりと気付いたのは14時ころだった。のちに振り返るとすでに7時には手足の痺れを感じていた。発症時刻認識の誤差は軽く数時間に及ぶ。

それに対してタイムウィンドウ3時間は狭すぎる。

だからFAST(face,arm,speech,time)の考え方は机上の空論にしか思えないんだ。

2016年1月11日

音楽サポート療法は脳の可塑性を促すのか?


Music supported therapy promotes motor plasticity in individuals with chronic stroke.
2015  12月  スペイン

音楽サポート療法は 視覚、運動、聴覚、感情、認知など多くのモードを通して脳の可塑性を促すリハビリ法である。

脳機能を測定するMRIを使ってその効果を確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中患者20人について音楽サポート療法での 運動、認知、情動の変化を調べた。

また、脳活動と聴覚-運動野の結合性をfMRIで測定し 健常者と比較したところ、


次のことがわかった。

・損傷側の脳半球に聴覚-運動野の活動および結合性の明らかな変化が確認できた。

・これは健常者には見られない変化だった。

・脳活動と聴覚-運動野の結合性の上昇は 麻痺手の運動機能の改善と連動していた。

音楽サポート療法は慢性期脳卒中患者のリハビリに適しているのかも知れない、


というおはなし。


感想:

結合性(connectivity)のはなしはどの程度信用できるものなのか いまいち実感がないな、、

10年前に10分で撮った私の脳の機能画像↓↓↓(ビデオ)

2016年1月10日

リーマン・ショックで脳卒中になり亡くなった人の特徴


Stroke-attributable death among older persons during the great recession.
2015  12月  アメリカ

人は失業などの強いストレス下にあると脳卒中リスクが高まるといわれている。

そこでリーマン・ショックの影響を脳卒中死亡率で調べてみたそうな。


カルフォルニア州 2000-2010年の132ヶ月間にわたる人口動態統計データを解析したところ、


次のことがわかった。

・リーマン・ショック後に脳卒中が原因の死亡が増えていた。

・特に非ヒスパニック系の白人で 脳卒中死亡率が5%上昇していた。

・しかし総死亡率に変化はなかった。

・リーマン・ショック後の36ヶ月間に、通常は他の原因で死亡するはずの白人高齢者879人が脳卒中で亡くなっていた。

リーマン・ショックは白人高齢者の死亡原因に影響を与えたのかもしれない、


というおはなし。

写真:リーマン・ショック


感想:

リーマン・ショック真っ最中の時期に入院してたので 当時どれだけ話題になったのかぜんぜん知らないんだ。

2016年1月9日

病院で脳梗塞→すぐに治療できるから安心... ところが


Comparison of outcomes of patients with inpatient or outpatient onset ischemic stroke.
2016  1月  アメリカ

脳梗塞の再還流治療には適した時間が限られているため患者が病院に早く到着できるよう改善が進められている。

既に入院している患者ではそのあたりはどうなのか、調べてみたそうな。


2009-2013に新たに脳梗塞になった患者176571人のうち、脳卒中とは別の病気ですでに入院していて脳梗塞になった者 および外来の患者に分けてフォローしたところ、


次のことがわかった。

・全体の90.7%が外来の患者で、9.3%がすでに入院していて脳梗塞になった患者だった。

・すでに入院していた患者の死亡率は高く、入院日数は長かった。

・さらに血栓溶解治療や機械的血栓除去術などが行われる率も低かった。

すでに入院中の患者が脳梗塞になった場合、血栓溶解治療などが行われることは少なく、外来の脳梗塞患者よりも死亡率は高く入院も長かった、


というおはなし。

図:入院患者

感想:

医療のプロ集団のまっただ中に居て、脳卒中のサインがうっかり見逃される可能性はとても低い。なのに治療が行われないのはなぜか?

血栓溶解治療のすばらしさをマスコミに謳っているのは脳外のお医者さんだけであって、他科ではその有効性の高さをほとんど認めていない、ってことなんだと思う。

2016年1月8日

日本人脳卒中患者の復職率と退職者の特徴


Sickness absence and return to work among Japanese stroke survivors: a 365-day cohort study.
2016  1月  日本

脳卒中で復職できた人 または退職を決断した人の特徴を調べてみたそうな。


脳卒中を経験した日本人労働者382人の医療記録から、発症後フルタイム勤務に戻れるまでの期間および患者の割合を求めたところ、


次のようになった。

・発症からの期間毎の復職率はそれぞれ、60日後→15.1%、120日後→33.6%、180日後→43.5%、365日後→62.4% だった。

・脳内出血は脳梗塞よりも復職までに時間がかかった。

・50歳以上だと若い患者よりも退職決断までの期間が短かった。

・肉体労働者よりもデスクワーカーのほうが退職の決断が早かった。

日本人脳卒中患者の復職率は、脳卒中の種類、年齢によって異なっていた、


というおはなし。

図:職場復帰


感想:

調査対象が大企業社員のみなんだって。世間は中小企業がほとんんどだから実際のところはどうなのかな。
デスクワーカーがサッサと辞める理由がわからないって書いてあった。オレにはわかる気がする、、

2016年1月7日

朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!


Association of Breakfast Intake With Incident Stroke and Coronary Heart Disease
The Japan Public Health Center–Based Study
2016年  1月  日本

朝食と脳卒中との関連を日本人で調べてみたそうな。


45-74歳、日本の82772人について 10数年間フォローして、朝食の摂取頻度(回/週)と脳卒中など心血管疾患との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に 脳内出血1051件、クモ膜下出血417件、脳梗塞2286件、冠動脈疾患870件が起きた。

・毎日朝食を摂る者に比べ まったく摂らない者のリスクは脳卒中全体で1.18倍、

・脳内出血に限定すると1.36倍だった。

・冠動脈疾患との関連は見られなかった。

日本人では 朝食を摂る頻度が低くなるほど脳卒中になりやすかった。特に、脳内出血のリスクが高かった、


というおはなし。

写真:日本の朝食

感想:

そういえば当時、朝ごはんたべてなかったなぁ、、入院直後の血液検査でコレステロール異常に低くて『ご飯食べてなかったんでしょ!』って看護師さんに叱られた思い出。

2016年1月6日

入院中→退院後の身体活動量は


Changes in the physical activity of acute stroke survivors between inpatient and community living with early supported discharge: an observational cohort study.
2015  12月  イギリス

入院中と退院後の身体活動を調べて脳卒中患者の早期退院支援の目安を考えてみたそうな。


平均年齢69、41人の脳卒中患者について、
座位、立位、歩行の各時間および歩数を
入院中と自宅への退院後で計測 比較したところ、


次のようになった。

・すべての項目で有意な差があった。

・退院後、歩数は 474→1193で2倍以上になり、

・立位の時間は 51分→100分に増えた。

退院後、身体活動量はおよそ2倍になった。早期退院支援はこのあたりの活動量を目安にするといいだろう、


というおはなし。

写真:早期退院支援

感想:

「早期退院支援(early supported discharge)」は外国の考え方とはいうけれど、オレは入院したその日のうちに 一刻も早く退院するよう勧められた。

すこしでも元気そうな患者には病棟の床やトイレの掃除をやらせればいいんじゃないかな。早く退院したくなる。

2016年1月5日

転倒を経験すると入院延びるの?


Do falls experienced during in-patient stroke rehabilitation affect length of stay, functional status, and discharge destination?
2015  12月  カナダ

入院中に転倒を経験した脳卒中患者に回復度の違いがあるものか、調べてみたそうな。


リハビリ入院中に転倒経験のある脳卒中患者106人と、転倒経験のない106人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・転倒経験者は非経験者よりも入院日数が平均で11日間長かった。

・退院時の機能的自立度に両グループで差はなく、

・退院先が自宅の割合は、非転倒者で77% 転倒者で74%だった。

リハビリ入院中に転倒を経験した脳卒中患者の入院日数は長かった。しかし、退院時の機能的自立度や退院先への影響はなかった、


というおはなし。

図:患者転倒

感想:

入院中ベッドに腰掛けていて突然滑り落ちたことがある。どこで見ていたのか そのあと看護師さんにキツく叱られた。なにもわるいことしてないのに、、

2016年1月4日

2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について


Paradoxical Motor Recovery From a First Stroke After Induction of a Second Stroke: Reopening a Postischemic Sensitive Period.
2015  12月  アメリカ

脳卒中のあとには 訓練に応じて回復がとてもはかどる期間がある。このときの脳の可塑性の高さは虚血によってもたらされたと考えられる。

そこで、脳卒中の慢性期にもう一度脳卒中になったら再び可塑性が高まるのではないか、、という仮説を動物で検証してみたそうな。


えさを掴む訓練を充分に施したネズミの運動野に脳卒中を起こして、
7日後から前肢のリハビリを19日間施した。

途中、別のグループには2度めの脳卒中を起こし その翌日から前肢リハビリを継続した。


次のようになった。

・2度めの脳卒中がないグループでは前肢の機能回復が不十分だった。

・2度めの脳卒中を起こしたグループは元のレベルにまで劇的に回復した。

あらたな虚血状態が脳の可塑性を再度促し、続くリハビリにより元の運動機能を取り戻すことができた、


というおはなし。
図:2度めの脳卒中


感想:

すごいはなしだ。となると脳卒中の再発はさらなる回復へのチャンスなのか!?

2016年1月3日

中枢性疼痛の割合と効いた薬


Central Post Stroke Pain Can Occur with Normal Sensation.
2015  12月  インド

脳卒中後の中枢性疼痛の特徴を調べてみたそうな。


319人の脳卒中患者について調査したところ、


次のことがわかった。

・20.7%が中枢性疼痛だった。

・彼らの年齢中央値は55歳、31.8%が女性だった。

・中枢性疼痛の発症時期、期間、部位は共通していなかった。

・中枢性疼痛の重症度と脳の損傷位置との関連はなかった。

・42.3%の患者は温度感覚や痛覚が正常だった。

・プレガバリン(商品名リリカ)が半数の患者の疼痛レベルを50%以上緩和した。

中枢性疼痛は脳卒中患者の20.7%に見られた。温痛覚が正常な患者も多くいたことから 脊髄視床路の損傷が条件ではないかもしれない。脳の損傷位置と疼痛の重症度との関連はなかった、


というおはなし。

図:中枢性疼痛


感想:

感覚が少し戻りかけたころだろうか、車いすの金属フレームに触れるたびに痛くて、静電気のせいだと思っていた。水に触れても痛いことがわかって、おやおや?と思った。

2016年1月2日

脳卒中で泣き笑いが止まらない患者の特徴


Clinical Features and Related Factors of Poststroke Pathological Laughing and Crying: A Case-Control Study.
2015  12月  中国

脳卒中のあとに病的な泣き笑い症状を示す患者の特徴を調べてみたそうな。


病的な泣き笑い症状のある脳卒中患者56人とない脳卒中患者56人の記録から脳の損傷位置、認知機能、怒りっぽさテストの結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・病的な泣き笑い症状の患者は軽度認知障害、怒り傾向が明らかに強かった。

・病的泣き笑い患者のほとんどに脳幹部の橋 両側に複数の病変を確認できた。

脳卒中後に病的な泣き笑い症状のある患者の多くは橋に病変があり、軽度認知障害、怒り傾向を示していた、


というおはなし。

図:泣き笑い

感想:

笑いが止まらなくなったことが何度かあったので関心をもった。

これ思い出した。↓
感情失禁になる患者の割合について

2016年1月1日

減塩指導したら死者続出


Reducing Salt Intake Might Harm Heart Failure Patients, Study Claims
2015  12月  アメリカ

心不全患者のさらなる高血圧予防のために減塩指導をしたところ 大変な結果になってしまったそうな。


心不全患者833人の3年間のフォロー記録から ナトリウム制限食の130人およびナトリウム制限なしの130人を抽出し、比較 解析したところ、


次のことがわかった。

・この間にナトリウム制限食の42%、制限なしの26%が死にかけて入院した。

・ナトリウム制限食の患者は死亡または入院するリスクが85%高かった。

心不全患者に減塩食を勧めると死んでしまいやすくなるのかも知れない、


というおはなし。

写真:食塩


感想:

こういう常識を覆す系のはなしはおもしろい。じつはこの数ヶ月間、糖質制限食に夢中なんだ、、

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