2016年3月31日

健康度の自己評価の低さは来るべき脳卒中の予兆か...


Relationship of Self-Rated Health to Stroke Incidence and Mortality in Older Individuals with and without a History of Stroke: A Longitudinal Study of the MRC Cognitive Function and Ageing (CFAS) Population.
2016  2月  イギリス

主観的健康度と脳卒中との関連を、脳卒中経験がある人とない人とで比べてみたそうな。


65歳以上の11957人に面談して脳卒中歴の確認および健康状態の自己評価をしてもらった。さらに2年間フォローして脳卒中の有無、死亡率を比較した。


次のことがわかった。

・全体の93.8%には脳卒中歴は無く、6.2%には1回以上の脳卒中経験があった。

・主観的健康度の低い人は 5% vs. 21%で脳卒中経験者に多かった。

・脳卒中経験の無い主観的健康度の低い人は2年後の脳卒中リスクが1.5倍だった。死亡率との関連はなかった。

・脳卒中経験のある人は主観的健康度と2年後の脳卒中の再発および死亡率との関連はなかった。


高齢の非脳卒中経験者で主観的健康度が低い人は 2年以内の脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。

写真:主観的健康度

感想:

ネット見てると 脳卒中経験者は日常的に 「つらい、いたい、くるしい、、、」って言ってる。

再発の前兆で苦しい人もいるんだろうけれど 多くがくるしい つらいって言うものだから関連が薄まっちゃうんだろね。

2016年3月30日

聴覚の半側空間無視があるの?


Auditory lateralisation deficits in neglect patients.
2016  3月  フランス

視覚の半側空間無視はよく研究されているが聴覚性の研究は少ない。

そこで半側空間無視患者に聴覚の偏りが見られるものか調べてみたそうな。


右脳損傷の脳卒中患者15人(半側空間無視の内訳は 重症5人、軽症5人、無視なし5人) および健常者11人について、

ヘッドホンを使った音響テストを行った。

両耳間時間差を用いて音源位置の左右をシミュレートし、主観的な音響イメージ上の正中位を測定した。


次のことがわかった。

・半側空間無視患者では音響イメージ上の正中位の偏りが観察された。

・重症半側空間無視患者では正中位が左方へ偏っていた。

・一方 軽症患者では正中位が明らかに右方に偏っていた。

視覚の半側空間無視患者では聴覚的にも側方性が観察されたが 思ったほど単純なものではなかった、


というおはなし。

図:両耳間時間差

感想:

たまたま1周回ちゃったんじゃないのかな。

2016年3月29日

ネイチャー:糞便移植で脳卒中が治るかも


Commensal microbiota affects ischemic stroke outcome by regulating intestinal γδ T cells
2016  3月  アメリカ

腸内細菌は宿主の免疫系および脳を含む臓器の病気プロセスに影響しうる。

そこで腸内環境の変化が脳梗塞にどう影響するものか実験してみたそうな。


腸内に特定の抗生物質に弱い細菌または抵抗性のある細菌を持つ2種類のネズミを用意した。

抗生物質を与えた後、人為的に脳虚血状態にしたところ、


次のことがわかった。

・抗生物質に弱い腸内細菌のネズミの梗塞体積は 60%小さかった。

・腸内環境の変化により 免疫細胞の髄膜への移動と炎症関連タンパク質が抑えられたことが脳保護につながったと考えられた。

腸内の細菌環境を変えたら脳梗塞ダメージに大きな差が生じた。糞便移植による脳卒中治療の可能性が示された、


というおはなし。

図:腸内環境と脳梗塞

感想:

糞便移植の話題をさいきんよく耳にする。他人のうんこの一部を腸に注入することでその人物の能力をコピーできるらしい。

製薬会社はやがて有名スポーツ選手やアイドル歌手とドナー契約を結んで 生きたまま腸まで届く細菌カプセルを販売して大変な人気となるだろう。

2016年3月28日

1ヶ月も経たずに運転始めてしまう脳卒中患者の特徴


Driving in stroke survivors aged 18-65 years: The Psychosocial Outcomes In StrokE (POISE) Cohort Study.
2016  3月  オーストラリア

脳卒中から1ヶ月以内に自動車運転を始めてしまう患者の特徴を調べてみたそうな。


18-65歳で脳卒中になった359人について調査したところ、


次のことがわかった。

・26.7%が発症後1ヶ月以内に自動車運転を再開した。

・彼らの多くは男性で、一家の大黒柱だった。

・うつや疲労の症状は無く、日常生活動作は自立し、復職もしていた。

・また 運転再開を控えるよう言われた記憶もなかった。

脳卒中の発症後 4人に1人が1ヶ月以内に自動車運転を再開していた。この種の問題について誰が責任を持つのかはっきりさせたほうがいい、


というおはなし。
写真:脳卒中の自動車運転

感想:

入院中、病院はこの問題を避けている雰囲気を感じた。こちらから訊いて初めて答えた。答えもあいまいだったな、、、
こんなことまで責任負いたくないんだろうね。

2016年3月27日

脳卒中患者の睡眠の質について


Polysomnographic Characteristics of Sleep in Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠研究は 呼吸障害についてのものが多い。ほかの要素についてはどうなのか調べてみたそうな。


関連するこれまでの研究を厳選し データを統合再解析したところ、


次のことがわかった。

・9件の研究が該当した。

・健常者に比べ脳卒中患者では睡眠効率が低く、 75% vs 84%

・総睡眠時間も短かった。 309.4 vs 340.3 min

・就寝中の覚醒時間が長かった。 97.2 vs 53.8 min

・睡眠ステージ1の時間は長く 13% vs 10%、ステージ2は短かった。36% vs 45%

・REM睡眠時間に差はなかった。

・研究はいずれも発症後早期のもので、慢性期の研究はなかった。

脳卒中患者の睡眠の質はさまざまな点で良くなかった。今後、発症から長く時間の経った患者についても調べる必要があるだろう、


というおはなし。
図:睡眠ポリグラフ
感想:

枕元に紙とペンを置いて 夢日記をつけるようになって1年以上経つ。実生活の役には立たないけど おもしろくてやめられない。

2016年3月26日

牛肉 豚肉 この量までなら脳卒中的にOK


Red Meat Consumption and the Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-analysis of Prospective Cohort Studies.
2016  2月  中国

赤肉(鶏肉や魚肉以外、牛や豚肉)の摂取量と脳卒中との関連については諸説ある。

そこで これまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者2百万人、脳卒中2万1千件を含む7つの研究が見つかった。

・赤肉トータルの摂取量と脳卒中全体、脳梗塞、脳虚血発作は関連があった。

・加工した赤肉の摂取量と脳梗塞に明らかな関連があった。

・非加工の赤肉は脳虚血発作と明らかな関連があった。

・脳出血はどの種類の赤肉とも関連がなかった。

・脳卒中リスクが有意に高くなる摂取量の閾値は、赤肉トータルでは50g/日、加工肉では0g/日、非加工肉では70g/日以上だった。

赤肉 特に加工肉の摂取量が多いほど脳卒中リスクは高くなる、


というおはなし。

写真:加工肉

感想:

少なくとも脳出血リスクは増えない ってことなんだよな。

2016年3月25日

結局、tDCSって脳卒中にいいの?


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。

ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。


tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者748人を含む32の研究がみつかった。

・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。

・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。

脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、


というおはなし。

図:tDCS 経頭蓋直流電気刺激

感想:

頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。

2016年3月24日

耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について


Auricular vagus nerve stimulation promotes functional recovery and enhances the post-ischemic angiogenic response in an ischemia/ reperfusion rat model.
2016  3月  中国

迷走神経への電気刺激は1997年よりてんかん治療に用いられており、損傷した脳神経の回復効果も報告されている。

耳介を走行する迷走神経への電気刺激が 脳梗塞の回復に影響するものか調べてみたそうな。


人為的に右脳を虚血にしたネズミの左耳にパルス状の電気刺激を1回1時間x1日2回x3週間行った。

運動機能、梗塞の体積、脳組織サンプルを分析したところ、


次のことがわかった。

・偽刺激グループに比べ 迷走神経刺激グループの梗塞体積は明らかに小さく、

・運動機能も大きく改善した。

・梗塞周囲の虚血領域での細血管密度が上がり、

・神経成長を促す複数のタンパク質も増えていた。

耳介の迷走神経への繰り返し電気刺激には運動機能改善効果、神経保護効果、血管新生を促す効果があった、


というおはなし。

図:迷走神経刺激と脳梗塞体積


感想:

迷走神経は耳介の裏側と穴の壁を走行している。耳かきが気持ちいい理由だとか。

低周波治療器の電極は脚や肩に貼るよりも 損傷脳と反対側の耳に貼り付けた方が効果的なんじゃないかな、、、、

2016年3月23日

日本人が脳卒中で死なないための食事がわかった


Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study
2016  3月  日本

食事と脳血管疾患リスクとの関連を大規模に調べてみたそうな。


日本全国の男女79600人について生活習慣および食事調査をし 15年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・食事をバランス良く摂っている人は総死亡、循環器疾患死亡、脳血管疾患死亡のリスクが低かった。

・特に、肉、魚、卵、大豆をしっかり摂れている人ほど脳血管疾患死亡リスクが低かった。

バランスの良い食事を心がけている人は脳血管疾患で死亡するリスクが明らかに低かった、


というおはなし。

図:脳血管疾患死亡率


感想:

詳しくは国立がん研究センターの記事で↓
食事バランスガイド遵守と死亡との関連について

2016年3月22日

磁気刺激が脳卒中の神経ネットワークに与えるえいきょう


Shaping Early Reorganization of Neural Networks Promotes Motor Function after Stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者への磁気刺激治療が脳活動にどう影響するのか調べてみたそうな。


発症から16日以内、手に麻痺のある脳卒中患者26人について1回45分の理学療法訓練を5日間行った。

各訓練の直前に5分間のシータバースト磁気刺激を 損傷脳側の運動野に与えた。
比較グループではつむじのあたりを刺激した。

直前、直後、3ヶ月後までの各段階での手の機能、安静時の脳機能MRIを測定したところ、


次のことがわかった。

・運動野へ刺激を受けたグループで握力が明らかに強くなった。

・運動ネットワーク結合度と手の機能回復には関連があり、

・特に比較グループで両半球間および半球内の結合性が低下した。これは運動野刺激グループには見られなかった。

脳卒中患者への理学療法訓練の直前にシータバースト磁気刺激を追加することで運動ネットワークの質の低下を食い止めたのかもしれない、


というおはなし。

図:結合度変化iTBSによる


感想:

最近ネットワーク評価おおい。たぶんデータ取得が異常に簡単で あとはソフトウェアの力だけで表現の自由度の高いグラフィカルな結果が得られるとこがウケてるんだと思う。
ディフュージョンテンソル描画も同じで、、、

2016年3月21日

片麻痺の安静代謝率からわかること


Reduced Resting Metabolic Rate in Adults with Hemiparetic Chronic Stroke.
2015  12月  アメリカ

安静代謝率は1日のエネルギー消費のもっとも大きな割合を占め、脂肪を除く組織に由来することから肥満や筋萎縮の目安になる。

慢性期脳卒中で片麻痺の安静代謝率を調べてみたそうな。


45-80歳 平均年齢61、発症後9年前後の脳卒中経験者39人について、X線検査で脚の組成(脂肪や筋肉量)を測定した。

間接熱量測定を行い安静代謝率を求めた。


次のことがわかった。

・身長、体重、性別から推定される安静代謝率に比べ脳卒中経験者のそれは14%低かった。(1438 vs. 1669 kcal/日)

・安静代謝率は年齢や発症からの期間によらなかったが、

・麻痺脚、非麻痺脚の筋肉の各体積と 安静代謝率がよく相関していた。

脳卒中のあと 筋肉量の減少により 安静代謝率が低下していた、


というおはなし。

図:安静代謝率の実際

感想:

筋肉落ちないようスクワットは毎日やってるで。

2016年3月20日

飽和脂肪酸は脳卒中予防になるの?


Can dietary saturated fat be beneficial in prevention of stroke risk? A meta-analysis
2016  3月  中国

食事から摂る飽和脂肪酸と脳卒中との関連について過去の研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・47万人の被験者、1万1千人の脳卒中患者を含む15の研究がみつかった。

・飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中リスクは低かった。

・この関連は特に 東アジア人、1日に25g未満、男性、BMI24未満で顕著だった。

飽和脂肪酸を多く摂るほど脳卒中リスクは低下した。これには人種、性別、肥満度が影響し、摂ってよい量には上限があるようだった、


というおはなし。

図:飽和脂肪酸と脳梗塞リスク

感想:

脳出血だけじゃなく脳梗塞予防にもなるんだよね。

これ↓思い出した
【ラクナ梗塞予防】日本人は飽和脂肪酸をたくさん摂るべし

2016年3月19日

脳梗塞でコレステロールを下げるとやがて再発 要介護


Low total cholesterol level is the independent predictor of poor outcomes in patients with acute ischemic stroke: a hospital-based prospective study.
2016  3月  中国

脳梗塞患者のコレステロールが低い場合の長期的な回復度について 大規模に調べてみたそうな。


アテローム血栓性脳梗塞の患者6407人について入院時の総コレステロール値と3,12,36ヶ月後の回復度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・19.6%がコレステロールが低いグループ(157mg/dl未満)で、これは男性に多かった。

・コレステロールが低いグループには高齢、前頭部梗塞、心房細動、喫煙、飲酒、糖尿病、肥満の者が多かった。

・36ヶ月後に要介護または再発した患者はコレステロール低いグループで明らかに多かった。

・この関連は年齢、性別、重症度を考慮に入れても変わらなかった。

・ただし 死亡率と脳卒中後のコレステロール値との有意な関連はなかった。

アテローム血栓性脳梗塞患者がスタチン治療でコレステロールを下げると やがて要介護状態や再発を引き起こすかもしれない、


というおはなし。

図:総コレステロール値


感想:

総コレステロール値157って低めだけど異常ではないよな。

アテローム性の梗塞になった人は 当然のごとくコレステロール下げることに血道になってるだろうし 笑い事じゃないよね、、、、
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに

2016年3月18日

下肢のミラーセラピーをfMRIで観察してみた


The neuronal correlates of mirror therapy: a functional magnetic resonance imaging study on mirror-induced visual illusions of ankle movements.
2016  3月  中国

脳卒中患者へのミラーセラピーは効果的であるとされているが そのメカニズムはよくわかっていない。

そこで下肢のミラーセラピーを脳機能MRIで調べてみたそうな。


健常者5人と左片麻痺の脳卒中患者5人について、

右足首の屈伸運動の鏡像が左足に重なるよう設定し、鏡の有無で脳の活動状況がどう変化するか実験したところ、


次のことがわかった。

・鏡像ありの場合、健常者では両側の運動野に強い活動があった。

・脳卒中患者の場合も同様に、損傷脳側の運動野、後頭部、前頭前部の脳皮質にも明らかな活動を確認した。

足首のミラーセラピーが脳卒中患者の損傷脳側の感覚運動野の活動を促した、


というおはなし。

写真:下肢のミラーセラピー


感想:

ホントかな?と思って原文みたんだけど図貼り間違えてるとしか思えないんだよな、、、

[ミラーセラピー 下肢]の関連記事

2016年3月17日

なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?


Self-rated health and return to work after first-time stroke.
2016  3月  デンマーク

脳卒中のあとの主観的な健康度と復職との関連、および その後の仕事の継続状況を調べてみたそうな。


60歳未満の脳卒中患者590人について、発症後3ヶ月時点での健康度を自己評価してもらい1年後、2年後の復職状況との関連を解析した。


次のことがわかった。

・3ヶ月時点での主観的健康度と1年後 2年後の復職状況は強く関連していた。

・1年後、 50%は復職または求職しながら自活しており、11%は完全退職、39%は療養中だった。

・2年後、 48%が自活(復職or求職中)しており、36%が完全退職、16%が療養中だった。

・3ヶ月時点で療養中だった者の30%は 1年後、2年後には仕事ができるようになっていた。

・3ヶ月時点で復職できていた者の91%は1年後も自活していた。

脳卒中後、仕事ができるようになって自活している者は50%に過ぎなかった。3ヶ月時点での主観的健康度が1-2年後の復職状況に強く関連していた、


というおはなし。

写真:職場復帰

感想:

仕事から完全に退く人が1年間で11%→36%ってことは、差の25% つまり4人に1人は復職できたとしても1年持たない ってことなんだよな。

2016年3月16日

笑いの脳卒中予防効果と 笑い療法士とは


Laughter is the Best Medicine? A Cross-Sectional Study of Cardiovascular Disease Among Older Japanese Adults.
2016  3月  日本

日々の笑いの頻度と高齢者の脳卒中との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の日本人男女2万人あまりにライフスタイルや身体の状態についてアンケート調査した結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・毎日笑う人に比べ ほとんど笑うことのない人の脳卒中の有病率は1.60倍で、

・心臓疾患では1.21倍だった。

毎日笑うことのある高齢者は脳卒中や心臓疾患がすくなかった、


というおはなし。



感想:

数日前やたらニュースになって記者会見まであったので関心をもった。

ようするに病気の人はあまり笑わないってことなんだろけど、

たとえ病気になっても「笑い療法士」がいるから安心。(←動画リンク)

2016年3月15日

自殺を企てたことのある脳卒中経験者の割合は


Factors related to suicidal ideation in stroke patients in South Korea.
2016  2月  韓国

韓国はOECD加盟国中 もっとも自殺率が高い。

そこで自殺念慮をもったことのある脳卒中経験者の割合を調べてみたそうな。


23万人を対象に行われた福祉面談調査の結果に含まれた脳卒中経験者225人のうち 十分なデータが揃っている143人について解析したところ、


次のことがわかった。

・20人、14%が自殺を考えたことがあった。

・高齢とうつが 自殺念慮の関連要因だった。

うつのある高齢の脳卒中経験者には自殺予防対策が必要かもしれない、


というおはなし。

図:自殺念慮


感想:

若いひとに多いとおもってた。↓
脳卒中のあと 自殺にいたる人の特徴

2016年3月14日

tPA治療って脳卒中患者のなん%がやるものなの?


International benchmarking for acute thrombolytic therapy implementation in Australia and Japan.
2016  2月  オーストラリア

虚血性脳卒中への tPA血栓溶解治療の実施状況を日本とオーストラリアで比べてみたそうな。


日本の済生会熊本病院と オーストラリアのジョン・ハンター病院に入院した脳卒中患者についてtPA治療の実施率を調査したところ、


次のことがわかった。

・tPA治療の実施率は 41% vs. 25%でオーストラリアが明らかに高かった。

・両病院ともに軽症や類似症状にはtPA治療を行わなかった。

・特に日本では神経症状の軽い患者は除外する傾向が強かった。

・病院到着から治療までの時間は 63分 vs. 54分でオーストラリアが長く、

・CT撮ってから治療までの時間も 34分 vs. 27分でオーストラリアが長かった。

脳卒中患者へのtPA治療についてオーストラリアと日本の違いを示すことができた、


というおはなし。

図: tPA除外条件除外理由


感想:


少し前までtPAの対象になるのは数%って認識だった。世の中変わってんのね、、

2016年3月13日

クロスエデュケーションは片麻痺に効くの?


Cross-education of strength has a positive impact on post-stroke rehabilitation: a systematic literature review.
2016  2月  アイルランド

一方の手足を訓練した効果がもう一方の手足に移る 「クロスエデュケーション」が発見されたのが1894年。

これまで脳卒中患者への応用で成果が出ているものかどうか調べてみたそうな。


脳卒中片麻痺患者に応用した研究論文をデータベースから抽出し、信頼性の高いものを厳選したところ、


次のことがわかった。

・質の高い研究成果は2件のみだった。

・片麻痺患者の 麻痺側の訓練していない方の手足に それぞれ31.4%、45.5%の筋力増強効果が報告されていた。

・いずれの研究も 訓練課題や運動機能の転移効果の可能性も示していた。


これまでの研究によると脳卒中片麻痺患者へのクロスエデュケーション効果は期待できそうである。さらに質の高い研究が望まれる、


というおはなし。


図:クロスエデュケーション

感想:

これ↓思い出した。
健側の手首を筋トレしたら麻痺手がグイグイ動くようになった

2016年3月12日

長時間睡眠は脳内出血のもと?


Prolonged sleep increases the risk of intracerebral haemorrhage: a nationwide case-control study.
2016  3月  韓国

睡眠時間と脳内出血リスクとの関連を調べてみたそうな。


国内33ヶ所の病院の脳内出血患者490人と 同性同年齢の980人について調査したところ、


次のことがわかった。

・8時間以上睡眠をとる者の割合は 30.4% vs. 22.6%で脳内出血グループに多かった。

・睡眠時間が長いほど脳内出血リスクは高くなり、

・7時間睡眠に比べると 8時間では1.57倍、9時間以上では5倍になった。

睡眠時間が長くなるほど脳内出血リスクが高くなった、


というおはなし。

図:長時間睡眠

感想:

どうやら7時間でも長すぎる↓↓みたいなんだよね、、
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!

2016年3月11日

脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに


Low level of low-density lipoprotein cholesterol is related with increased hemorrhagic transformation after acute ischemic cerebral infarction.
2016  2月  中国

脳梗塞のあと脳出血を起こす出血性変化はめずらしくない。

その関連要因を調べてみたそうな。


脳梗塞患者348人について 入院翌日に空腹時血液検査を行った。1週間後脳の断層像を撮り 出血の有無を調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・35人に出血性変化が確認できた。

・出血性変化のなかった313人に比べ出血性変化のあったグループでは 総コレステロール、HDL LDLコレステロールが低くかった、

・一方 神経症状は重く、糖尿病、心房細動、血栓溶解剤使用者は多かった。

・心原性や原因不明の脳梗塞と出血性変化との関連が強く、

・特にLDLコレステロールは出血性変化に対する保護因子だった。

脳梗塞のあとLDLコレステロール値が低いと出血性変化が起きやすかった。このような患者への脂質低下指導は注意が必要だろう、


というおはなし。
 
図:出血性変化因子


感想:

コレステロールは悪みたいな風潮があって、健康診断すると下限近くでもA判定。オレは健康なんだぁ、、、と 得意になってたら脳に血が漏れた。

2016年3月10日

高度な機能的能力の低下は脳卒中の予兆なのか


Impaired Higher-Level Functional Capacity as a Predictor of Stroke in Community-Dwelling Older Adults
2016  1月  日本

日常生活動作よりも高度な機能的能力の低下が脳卒中の予兆となりうるのか調べてみたそうな。


日常生活動作が自立している平均年齢70の健康な1493人を10年間フォローした。

高度な機能的能力は、東京都老人総合研究所が開発した指標TMIG-ICに従い評価した。

TMIG-ICは *手段的日常生活動作(料理、掃除、買い物)、*知的能動性および*社会的役割 の3つの評価からなる。


次のようになった。

・この間に191人が脳卒中を発症した。

・機能的能力の低下と脳卒中は有意に関連していた。

・特に、知的能動性との関連がもっとも強かった。

・社会的役割については75歳以上でのみ関連があった。


日常生活動作が自立している高齢者の高度な機能的能力、特に知的能動性の低下は脳卒中の予兆であり得る、


というおはなし。
図:TMIG-IC
図:知的能動性


感想:

日常生活動作(ADL)と手段的日常生活動作(iADL)の違い、ふつうわかんないよな。

2016年3月9日

脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは


The Effect of Electromagnetic Field Treatment on Recovery from Ischemic Stroke in a Rat Stroke Model: Clinical, Imaging, and Pathological Findings.
2016  2月  イスラエル

脳卒中のあとの非侵襲的な脳刺激法としてrTMSやtDCSがあるがいまいちパッとしない。

そこで、低強度 低周波数の電磁場に身体をまるごと置く治療法を考案し実験してみたそうな。


ネズミ18匹を人為的に脳梗塞にして次の3つのグループに分けた。

1) 電磁場なし
2) 4Hzシータ変動の電磁場刺激
3) 16Hzベータ変動の電磁場刺激

電磁場刺激は地磁気(0.5ガウス)相当強度の場にネズミを置き、これを1日2分間x4週間行った。

さらに1ヶ月間フォローして前肢運動機能、MRIおよび脳組織標本を調べたところ、


次のことがわかった。

・電磁場グループで前肢運動機能および神経症状が大きく改善した。

・電磁場グループで脳浮腫と脳室拡大が治まった。

・白質繊維は電磁場なしグループよりも良くまとまっていた。

・さらに 組織検査では神経新生を示すいくつかの物質を確認できた。

低強度低周波数の電磁場に曝すことで脳卒中後の神経ネットワークの可塑性が促されるのかもしれない、


というおはなし。

図:VLIFE図:前肢機能の改善

感想:

よく読むと 地球規模の電離層固有振動数であるシューマン周波数7.83Hzの1/2と2倍で実験してるんだよね。発想がオカルトがかっているわりには資料がしっかりしている印象があった。

2016年3月8日

適度な飲酒って脳卒中的にはどうなの 結局


Alcohol and Immediate Risk of Cardiovascular Events: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis.

CV Risk Rises, Falls After Moderate Alcohol Intake, but Heavy Drinkers Beware: Meta-Analysis
2016  3月  アメリカ

飲酒により脳卒中リスクが時間的にどう変化するものか調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選し、データを統合再解析したところ、


次のことがわかった。

・3万人の被検者を含む23の研究が見つかった。

・1日に2-4杯もしくは週に6杯程度の控えめな飲酒の場合、脳卒中リスクは直ちに急上昇するが24時間以内に収まり、(1杯はビール350ml相当)

・その後1週間ほど脳出血、脳梗塞リスクが 全く飲まない場合に比べそれぞれ30%、19%低い状態が続く。

・しかし1日に6-9杯もしくは週に19-30杯の過度な飲酒の場合、脳卒中リスク2-6倍の状態がしばらく続く。

控えめな飲酒でも脳卒中リスクは急上昇するが24時間で収まる。過度な飲酒の場合はその限りではない、


というおはなし。

図:控えめな飲酒

感想:

脳卒中やってからアルコール一切飲んでない。夏のビールはアサヒドライゼロのみ。

2016年3月7日

脳出血の長期的死亡率 貧困との関係


Impact of socioeconomic deprivation on mortality in people with haemorrhagic stroke: a population-based cohort study.
2016  3月  イギリス

社会経済的貧困度と脳出血後の死亡率との関連を長期的に調べてみたそうな。


脳出血患者782人について社会的貧困度をスコア化した。17年間フォローして死亡事例との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に498人が死亡した。

・貧困度スコアを4層に分けたとき、最上位層に対して貧困度が深まる毎に17年死亡率は 0.94→1.17→1.36倍となった。

・脳内出血に限定した場合も同様の傾向だった。

・しかしクモ膜下出血では、2.62→3.03→1.83倍となった。

・10年後死亡率も同パターンだったが、1年後死亡率には傾向は見られなかった。

社会経済的貧困は脳出血後の死亡率に長期的に大きく影響していた、


というおはなし。

図:社会経済的貧困


感想:

明日にでも死んでしまいそうな気がしてきた、、、

2016年3月6日

脳梗塞再発リスク計算機(RRE)を使ってみた


Prediction of Early Recurrence After Acute Ischemic Stroke.
2016  2月  アメリカ

バーバード メディカルスクールがウェッブ上で公開している

脳梗塞再発リスク計算機(RRE)
http://www.nmr.mgh.harvard.edu/RRE/

の妥当性を複数施設で検証してみたそうな。


アメリカ、ブラジル、韓国の3つの大学病院で、発症72時間以内の脳梗塞患者についてRREで再発リスクスコアを出し、90日後の再発状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢69、1468人の患者を対象にし、59人が再発した。

・90日後の再発率は4.2%で再発患者のRREスコア平均は2.2、非再発患者では1.0だった。

・RREスコアが高いほど再発リスクも高かった。

・ROC曲線下面積は0.76、

・再発率10%を超えるハイリスク患者への感度は41% 特異度90%だった。

脳梗塞再発リスク計算機(REE)は高リスク患者の判別に役立つかもしれない、


というおはなし。

図:REEスコアと再発リスク

感想:

わずか3ヶ月後の再発予測されても できることはあまりないような、、

2016年3月5日

人工知能に尋ねてみたら痙縮患者が10倍になった


Predictive analysis for identifying potentially undiagnosed post-stroke spasticity patients in United Kingdom.
2016  2月  イギリス

イギリスの健康改善データベースでは 脳卒中のあとの痙縮の割合が2%であり これまでの他の報告に比べ著しく低い。

そこで過小評価されているであろう 痙縮のある脳卒中患者数を推定するための方法を検討してみたそうな。


2007-2011の患者記録を使用して、複数の予測アルゴリズムの精度を比較した結果、

次のようになった。

・ランダムフォレストを用いたデータ学習アルゴリズムの予測精度が優れていた。

・その感度は75% 特異度は72%で、

・これにより脳卒中後12ヶ月時点で痙縮のある3912人があらたに追加された。

機械学習テクニックを応用することでこれまで記録から漏れていた痙縮の脳卒中患者数が明らかになり、その割合は2%から13%へ大幅に増えた、


というおはなし。

図:機械学習で痙縮


感想:

具体的になにをやっているのかはさっぱりだったが 流行りの機械学習の話題だったので関心をもった。

2016年3月4日

配偶者と離婚や死別のあとになる脳卒中の種類は


Marital Transition and Risk of Stroke
How Living Arrangement and Employment Status Modify Associations
2016  3月  日本

配偶者間の関係が離婚や死別によって変化したあとの脳卒中リスクについて調べてみたそうな。


日本人の男女それぞれ24162人、25626人を15年間ほどフォローした結果、


次のことがわかった。

・この間に男性1732人、女性3205人の配偶関係変化があり、2134件の脳卒中があった。

・配偶関係変化のあと男女共に脳出血リスクが明らかに高かった。

・子供が一緒に住んでいる場合は脳卒中リスクはさらに高くなった。

・女性にとっては職がない状態や親と暮らす状況が重なると脳卒中リスクが高かった。

離婚や死別による配偶者間の関係に変化があった場合 特に脳出血リスクが上昇し、居住様態や性別が影響した、


というおはなし。

図:配偶関連移行

感想:

やはり脳出血はストレスが原因になるのかね。

2016年3月3日

音がすぐに出ないピアノでリハビリした結果、、


The role of auditory feedback in music-supported stroke rehabilitation:A single-blinded randomised controlled intervention.
2016  2月  フランス

脳卒中患者への音楽サポート療法では ピアノの演奏訓練によってリハビリ成果をあげている。

このメカニズムとして音のフィードバックが動作を矯正し運動学習になっている と考えることもできる。

この仮説を検証するべく音が鳴るタイミングを変えて実験してみたそうな。


音楽経験のない中等度麻痺の脳卒中患者34人について単純なピアノ演奏訓練を行った。
患者は次の2グループに分けた。

*鍵盤を押すと直ちに音が出る
*音が出るまでに遅延時間がある


次のようになった。

・両グループでリハビリ効果に明らかな差はなく、

・むしろ遅延時間グループのほうが成績が良かった。

音楽サポート療法の運動回復メカニズムは音響フィードバックがメインではなかった。もしくは直ちに音が返ってくるよりも 少し焦らされたほうがやる気が出るのかもしれない、


というおはなし。

写真:ピアノ演奏

感想:

むつかしく考えすぎ。音が鳴るものは楽しいんだよ、、、

パチンコセラピーはどうかな?昔の指で弾くタイプで 左手用の台もあったりして。「ちょっとリハビリ行って来るわ」って。

2016年3月2日

健康的ライフスタイルは脳卒中の障害も軽いのか?


Healthy Lifestyle and Functional Outcomes from Stroke in Women.
2016  2月  アメリカ

健康的なライフスタイルは脳梗塞リスクを低下させる。脳卒中後の障害の程度についてはどうか調べてみたそうな。


脳卒中歴のない女性37634人について、喫煙、身体活動量、肥満度、飲酒、食習慣などを調査し、健康的な生活レベルを0-20点で評価した。

その後17年間 脳卒中の有無をフォローし、障害の程度を生活自立度スコアにしたがい軽度、中等度、重度に分類し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に867件の脳卒中が起きた。

・健康生活スコアが最も低かった(0-4点)グループに比べ最も高かった(17-20点)グループでは、障害の重症度リスクは軽度、中等度、重度いずれも半分だった。

・ほどほどに健康生活(5-8点)のグループであっても障害リスクが明らかに低下していた。

・この関連は脳梗塞に見られ、脳出血には見られなかった。

健康的なライフスタイルは 徹底しなくともほどほどの実践により脳梗塞になった際の障害の程度を明らかに抑えることができる、


というおはなし。

図:健康生活

感想:

でも太ってるほうが回復いいんだよねぇ、、
限界まで太った高齢者は脳卒中からすぐに復活できる

肥満 脳卒中患者のリハビリ効果は 日本人の場合

リハビリにベストな体重とは

2016年3月1日

重度麻痺にミラーセラピーをするメリットとは


Mirror therapy in chronic stroke survivors with severely impaired upper limb function: a randomized controlled trial.
2016  2月  スペイン

脳卒中患者への上肢ミラーセラピーの研究は麻痺が軽いケースを対象にしたものが多かった。

そこで上肢が重度麻痺の慢性期脳卒中患者へのミラーセラピーの効果を調べてみたそうな。


患者31人をミラーセラピーグループ15人、受動運動グループ16人に分け、

訓練を1回45分x週3回、計24セッション行ったところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能テストの時間スコアは改善したが、

・いずれも運動機能自体に改善はなかった。

・しかしミラーセラピーグループで軽いタッチに対する触覚の有意な改善が確認できた。

慢性期脳卒中で上肢が重度麻痺の患者へのミラーセラピーは、運動機能の改善は期待できないが軽いタッチへの触覚の改善効果があるのかもしれない、


というおはなし。

図:軽い接触


感想:

脳卒中やって触覚の奥深さを知った。いまは左手が物に触れているかどうかが かろうじて分かる程度で質感はまったくわからない。

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