2016年4月30日

幹細胞移植のあと磁気刺激したところ、、


Transcranial Magnetic Stimulation of Human Adult Stem Cells in the Mammalian Brain.
2016  3月  オーストラリア

脳卒中の細胞治療では移植した幹細胞の生存期間が重要になる。いっぽう磁気刺激TMSにより脳の神経成長を促す物質が増えたとの報告もある。

そこで、幹細胞移植後のTMSにより 移植した幹細胞が長生きするようになるものか 実験してみたそうな。


ネズミの脳にヒト由来の歯髄幹細胞60万個を移植した。

TMSは0.2Hz、1回15分、1日おきに2週間行った。
コイルを90度傾けて偽刺激とした。


次のようになった。

・TMSグループでは移植した幹細胞が激減しており、

・移植した部分からほとんど拡がりを見せていなかった。

・さらに細胞死を促す酵素が多くみつかった。

磁気刺激TMSにより 移植した幹細胞にとって好ましくない環境が作られてしまったようである。TMSの別の条件も試してみたい、


というおはなし。

図:ネズミに磁気刺激

感想:

TMSは効果的 って話ばかり聞かされてきたので、かえって新鮮で好感をもった。

2016年4月29日

片頭痛で脳梗塞になりやすい人の特徴


Migraine and incidence of ischemic stroke: A nationwide population-based study.
2016  4月  台湾

片頭痛と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


台湾の国民健康保険データベースから片頭痛患者、健常者それぞれ12万人を3.6年間フォローした記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に片頭痛患者744人と健常者617人が脳梗塞を発症した。

・片頭痛があると脳梗塞リスクが1.24倍になった。

・特に45歳以下の片頭痛の女性では脳梗塞リスクは3.44倍に、

・片頭痛に前兆(視野に稲妻模様など)があるとそのリスクは4.58倍になった。

片頭痛があると脳梗塞リスクが高くなり、特に45歳以下の女性で前兆付きだとリスクはもっと高かった


というおはなし。

図:前兆つき偏頭痛

感想:

これ↓思い出した。
前兆付き偏頭痛の女性は脳梗塞にめっぽう強い

2016年4月28日

脳が回復する手の動かし方 運動前野腹側部


Increased ventral premotor cortex recruitment after arm training in an fMRI study with subacute stroke patients.
2016  4月  ドイツ

リハビリ訓練によって手が健常者なみに改善した脳卒中患者の脳の活動を調べてみたそうな。


発症から2-9週間経つ軽症-中等度麻痺の脳卒中患者12人および健常者について、

1日1時間の上肢機能訓練を3週間行った。

訓練前後でfMRIを撮影し脳の活動域を確認した。

fMRIは麻痺手または非麻痺手を能動的に握りしめる課題と 空気圧スプリントで受動的に開く課題とで測定した。


次のことがわかった。

・麻痺手の運動機能は大きく改善し健常者レベルに近くなった。

・病側脳の運動前野腹側部は麻痺手を能動的に動かす課題でのみ活動が増加した。

・このような変化は受動運動や非麻痺手の能動運動では見られなかった。

・さらに 麻痺手を能動的に動かした時のみ両側の運動前野腹側部に健常者よりも高い活動が見られた。

訓練によって手の運動機能が大きく改善した結果、脳の活動域が健常者と同じになるかと考えていたら追加の活動域が現れた。運動前野腹側部が重要な役割を担っているのではなかろうか、


というおはなし。

図:運動前野腹側部

感想:

能動的に動かさないと意味がないってことでもあるのかな。他人が指や手首を曲げ伸ばししてくれても 気持ちがいいだけで脳の肝心な場所はピクリとも反応しない。

2016年4月27日

外来の脳卒中リハビリでどのくらい進歩するものなのか


Quantifying change during outpatient stroke rehabilitation: A retrospective regression analysis.
2016  4月  アメリカ

脳卒中患者の外来でのリハビリ効果がどのくらい期待できるものか定量的に評価してみたそうな。


外来で理学療法、作業療法を受けていた366人の脳卒中患者の医療記録について、

*バランス機能検査(BBS)
*アクションリサーチアームテスト(ARAT)
*歩行スピード

の3項目を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均すると、BBSは満点56のうち37からリハビリをスタートし、ひと月あたり1.8ポイント増加した。

・ARATは満点57のうち35からスタートし、ひと月あたり2.0ポイントの増加だった。

・歩行スピードは0.59m/sでスタートして ひと月あたり0.09m/s増加した。

外来の脳卒中リハビリでもバランス、上肢機能、歩行いずれも改善した。しかしその改善度はわずかなレベルだった、


というおはなし。

写真:外来リハビリ

感想:

リハビリに通えるだけの気力や体力、手段を持つ患者が、自主トレだけではなく再び病院に通いたいと考える理由は、療法士さんとの触れ合いを求めているから と考える。

だから療法士さんの性別、年齢、身長、体重と 患者の改善度との関連ってけっこう強いと思うんだ。

2016年4月26日

半側空間無視があらわれやすい日常の状況とは


The influence of naturalistic, directionally non-specific motion on the spatial deployment of visual attention in right-hemispheric stroke.
2016  4月  イギリス

脳卒中での右脳損傷は左側への注意障害を起こすことがある。視野に入る情報が静的な場合と動的な場合とで注意の配分に違いが出るものか、慢性期の患者で確かめてみたそうな。


慢性期の右脳損傷患者24人
(左側無視+左側視野欠損の8人、左側無視なし+左側視野欠損の8人、無視なし視野欠損なしの8人)
および健常者8人について、

自動車が通行する交差点の映像を映し出すスクリーンの前に座らせた。

自動車がない場合(静的)と 自動車がランダムに左右から横切ってゆく場合(動的)とで眼球の動きを記録 解析したところ、


次のことがわかった。

・静的なシーンの場合、各患者と健常者は視野全体への視線の分布はほぼ同じで病的な視線の偏りは見られなかった。

・動的なシーンの場合、左側無視+左側視野欠損のある患者は右方向へ視線が集中し、

・左側無視なし+左側視野欠損の患者は左方へ視線が集中した。

・無視や視野欠損のない脳卒中患者は健常者と視線分布が同じだった。

発症から充分に時間が経ち半側空間無視が治っているように見える脳卒中患者でも、通行量の多い交差点などでは注意力に病的な偏りを示す可能性がある、


というおはなし。

図:VR交差点

感想:

わかる気がする。ようするに注意リソースが足りないんだと思う。
車運転してると歩行者や合流待ちの車に注意をとられて反対側をまったく見ていないシーンが何度かあり そのたび ヒヤッとした。
いまでは注意を奪われたと感じたときは すぐにその逆側も見るように心がけている。

2016年4月25日

孤独感 社会的孤立は脳卒中のもと?


Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies
2016  4月  イギリス

孤独感や社会的孤立と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


脳卒中など心血管疾患と社会との関わりについての過去の論文を厳選、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・23の論文がみつかり、冠動脈疾患4628件、脳卒中3002件を3-21年間フォローしたデータを得ることができた。

・社会との関係が乏しいと、冠動脈疾患のリスクが29%、脳卒中リスクは32%増加した。

・男女の差はなかった。

社会的関係が希薄だと冠動脈疾患や脳卒中リスクが30%程度増加する、


というおはなし。

図:孤独

感想:

オレは逆だな。仕事辞めて収入途絶えてでもひとりになりたいタイプ。

2016年4月24日

脳卒中治療にもっともよく使われる漢方薬が明らかに


Characteristics of Traditional Chinese Medicine Usage in Patients with Stroke in Taiwan: A Nationwide Population-based Study.
2016  4月  台湾

数千年の歴史を持つ中国伝統医学の漢方薬が脳卒中治療にどのように用いられているか調べてみたそうな。


台湾の2300万人が加入する健康保険データベースから100万人ぶんの記録をランダム抽出して脳卒中患者への漢方薬の処方パターンと死亡率について解析したところ、


次のことがわかった。

・23816人の脳卒中事例があり、そのうち12%が漢方薬を使用していた。

・漢方薬の使用期間は12.2ヶ月前後で、

・漢方薬使用者の半数以上が鍼治療も受けていた。

・もっともよく用いられる漢方薬の処方は 補陽還五湯(ほようかんごとう)と丹参(たんじん)の組み合わせだった。

・漢方薬使用者には非使用者に比べ 筋痛と不眠の割合が多かったが、死亡率は低かった。

漢方薬の使用は脳卒中患者の死亡率を下げるのかもしれない。補陽還五湯と丹参の組み合わせがもっともよく用いられていた、


というおはなし。

図:ほようかんごとう

感想:

これ↓思い出した。
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう

2016年4月23日

すっごく軽い脳卒中のあと1年間で本物に当たる率


One-Year Risk of Stroke after Transient Ischemic Attack or Minor Stroke.
2016  4月  フランス  NEJM誌

TIAや軽微な脳卒中のあとに本格的な脳卒中を起こす割合は、1997-2003の調査では90日時点で12-20%と言われてきた。

最近はどうなのかきっちりと調べてみたそうな。


21カ国61施設のTIAまたは軽症脳卒中患者4789人について1年間フォローしたところ、


次のようになった。

・発症後1年間の心血管疾患の発症率は6.2%で、

・脳卒中に限定すると2日後→365日後では、発症率 1.5%→5.1%だった。

・特に複数の梗塞やアテローム性動脈硬化がみつかった場合、脳卒中リスクは倍になった。

TIAや軽症脳卒中のあと1年間に本格的脳卒中になる率はこれまで言われてきた数値よりもかなり低かった、


というおはなし。

図:1年再発率

感想:

薬の使い方がうまくなったってことなのかな。

2016年4月22日

若年脳卒中経験者のうつ不安の割合


Long-term depressive symptoms and anxiety after transient ischaemic attack or ischaemic stroke in young adults.
2016  4月  オランダ

若くして脳卒中を経験した人が10年後にうつや不安を感じている割合を調べてみたそうな。


18-50歳にTIAまたは脳梗塞になった511人について、発症10年後のうつ症状、不安度を測定し、健常者147人と比較したところ、


次のことがわかった。

・若年脳卒中経験者の16.8%にうつ症状が、23.0%に不安が見られ、

・健常者ではこの割合はそれぞれ6.1%、12.2%だった。

・特に脳梗塞経験者ではうつ症状や不安は回復不良に関連していた。

若年脳卒中経験者のうつ症状や不安は長期的にみて珍しいものではなく、回復不良と関連していた、


というおはなし。

写真:不安

感想:

もう7年経つけど うつ不安はないな。やる気のなさが気になっては いる。

2016年4月21日

tDCSってホントに脳を刺激してるの?


Cadaver study casts doubts on how zapping brain may boost mood, relieve pain
2016  4月  アメリカ

おでこに乾電池の電極を貼り付ける経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は記憶力アップや疼痛緩和、脳卒中リハビリに良いと言われているが、ほんとうに電気刺激が脳に届いているかはだれも知らない。

そこで死体をつかって実験してみたそうな。


今月の認知神経科学会のシンポジウムセッション7での発表。

・死体の頭部に脳まで届く電極を200本以上突き刺してtDCSによる脳への電流分布を測定した。

・90%以上の電流が皮膚に逃げていて、脳へ届く電流はわずかだった。

・生体であれば水分が豊富なぶん皮膚に逃げる電流はもっと大きいであろう。

・tDCSは通常1-2mAで行われるがこれでは脳神経を発火させるにはまったく足りない。

・最低でもスタンガンレベル(5mA~)の電流が必要である。

tDCSの電流はほとんど脳に届いていなかった。いっぽう tDCSの有効性を示す報告が多数あるので なにか別のメカニズムを考える必要があるだろう、


というおはなし。



感想:

「最近うちのパソコン遅いんだよねぇ」と言いながら、その筐体に乾電池の電極を貼ったところYouTubeの待ち時間がなんか短くなった気がする、、、

これがtDCSだと思うんだ。

2016年4月20日

再発脳卒中にリハビリは必要か?


How Do Recurrent and First-Ever Strokes Differ in Rehabilitation Outcomes?
2016  4月  シンガポール

脳卒中の再発患者へのリハビリ効果を調べてみたそうな。


1277人の脳卒中患者について入院時と退院時の機能的自立度FIMスコアを測定、解析したところ、


次のことがわかった。

・16.6%が再発患者だった。

・再発患者の平均FIMは入院時62.5から退院時74.2に改善し、平均のスコア増加分は11.7で 有効率20.4%だった。

・初回脳卒中患者と比べて 再発患者は高齢、失業、脳梗塞、高血圧、糖尿などが多く、FIMの改善度や有効率は低かった。

・再発でも入院時FIMが高く 付き添いの介護者が居る場合には回復が良かった。

初回脳卒中患者にくらべ再発患者の機能回復度は小さかった。しかし明らかな回復が期待できるので しっかりとリハビリさせるべきだろう、


というおはなし。

写真:脳卒中再発?

感想:

これ↓思い出した。
再発脳梗塞患者はリハビリでどこまで回復できるのか?

2016年4月19日

脳の可塑性を促す腕の電気刺激方法


Investigating the Effects of Peripheral Electrical Stimulation on Corticomuscular Functional Connectivity Stroke Survivors.
2016  4月  台湾

末梢神経の電気刺激が脳の可塑性を促すという報告がすくなくない。

脳波と筋電図からこれを確認してみたそうな。


健常者15人、脳卒中患者15人について上腕腹側の真ん中を走る正中神経に電極を貼った。

電気刺激は筋肉収縮を起こさない強度で パルス状100Hz刺激を20秒間隔でon-offを繰り返し40分間行った。

刺激前後での脳波および親指でつまむ動作時の筋電図を測定し、両者の同調性を解析した。


次のことがわかった。

・電気刺激のあと脳波筋電コヒーレンスがガンマ周波数帯で健常者22.1%、脳卒中患者48.6% 増加した。

・筋収縮力のゆらぎも減少し、健常者-1.3%、脳卒中患者-3.9% となった。

末梢神経への電気刺激による神経筋肉システムの可塑的変化を脳波筋電コヒーレンスから知ることができた。ガンマ帯での反応から 電気刺激が求心性の感覚運動の統合をもたらしたと考えられる、


というおはなし。

図:電気刺激と脳波

感想:

むつかしいこと言ってるけど、ようするに低周波治療器の電極を腕に貼って弱い刺激を40分間で なんか脳に良いらしいってことなんだよね。

2016年4月18日

しゃがむ動作 脳卒中患者の想い


Importance of squatting and sitting on the floor: perspectives and priorities of rural Indian patients with stroke.
2016  3月  インド

アジアでは床にしゃがんだり座ったりする動作が多い。

脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作をどの程度重要視しているかを調べてみたそうな。


インド グジャラート州の脳卒中患者123人にアンケート調査したところ、


次のことがわかった。
・68%の脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作が重要であると考えていた。

・重要な順に、トイレ、入浴、食事、祈り、仕事で、これらは男女共通だった。

・特に女性は料理、洗濯、掃除も重要と考えていた。

かなりの割合の脳卒中患者が膝を深く曲げる動作が日常生活に重要であると考えていた。床にしゃがんだり座ったりをできるようにするリハビリが大切だろう、


というおはなし。

図:しゃがみが重要な日常生活動作
感想:

和式トイレは健康でもキツイ。
難しい理屈はいいからスクワットをやれ

2016年4月17日

マクロファージが脳卒中の回復に役立っていた


Monocyte-Derived Macrophages Contribute to Spontaneous Long-Term Functional Recovery after Stroke in Mice
2016  4月  スウェーデン
Immune cells help the brain to self-heal after a stroke

脳卒中後の炎症反応についてはこれまで 脳のダメージを大きくする厄介事と考えられてきた。

ところがそうではなさそうなことがわかってきたそうな。


・脳卒中が起きると損傷部位に免疫システムから白血球が集まってくる。

・ネズミの白血球の単球を除いて脳卒中にしたところ、脳のダメージが通常よりもひどかった。

・単球はマクロファージに変化し 死んだ細胞を食べると考えられてきた。

・しかし一部のマクロファージは抗炎症性を示し分泌する物質が脳を修復し機能回復を促していた。

脳卒中のあと単球由来のマクロファージが脳の回復に重要な役割を担っていた、


というおはなし。

図:マクロファージ


感想:

自分で勝手に治す仕組みがちゃんと備わってたんだね。

2016年4月16日

日本人 脳のここをやられるとうつになる


Relationship between the lesion location of acute ischemic stroke and early depressive symptoms in Japanese patients.
2016  4月  日本

脳の損傷位置と脳卒中後のうつとの関連を日本人で調べてみたそうな。


急性脳梗塞患者421人について脳の梗塞位置をMRIで判定し、10日後にうつテストを行い関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・16.9%がうつと判定された。

・梗塞位置が前頭葉や側頭葉の場合、うつになる率が明らかに高かった。

脳梗塞で前頭葉や側頭葉に損傷のある患者はうつに注意が必要だろう、


というおはなし。

図:脳損傷部位とうつ

感想:

そういえば損傷位置については漠然と尾状核あたりが、、くらいに考えてた。
ウツになりやすい脳卒中患者の特徴

脳のこのあたりにダメージを受けて無気力になってしまった女性

2016年4月15日

若年脳卒中 14年後の回復不良要因は「女性」であること


Women have a poorer very long-term functional outcome after stroke among adults aged 18-50 years: the FUTURE study.
2016  4月  オランダ

若年で脳卒中になるとその影響が人生に占める期間が長い。

そこで長期的な予後の悪化に関連のある要因を調べてみたそうな。


18-50歳で脳梗塞またはTIAになった患者619人について13.9年間フォローして生活自立度を調査したところ、


次のことがわかった。

・mRS>2 の回復不良者は、TIAの24.5%、脳梗塞の44.7%だった。

・生存者に限定すると 回復不良者(iADL<8)はTIAの15.2%、脳梗塞の22.9%だった。

・予後不良の関連要因 No1は、年齢や他の病気、脳の損傷位置、発症後年数でもなく「女性」であること、だった。

若年で虚血性脳卒中を経験した者を14年間フォローした結果、脳梗塞の5人に1人、TIAの10人1人は未だ日常生活に介助が必要な状態だった。特に女性であるとこのリスクが2-3倍になった、


というおはなし。

図:予後不良要因女性


感想:

不良者の割合が高すぎる感。若いのに、、

2016年4月14日

貧乏な脳卒中患者の死亡率は


Socioeconomic deprivation and mortality in people after ischemic stroke: The China National Stroke Registry.
2016  3月  中国

貧困と脳卒中について、教育歴 職業 収入と死亡率との関連を調べてみたそうな。


中国全土132の病院の脳梗塞患者12246人について、社会経済的貧困者を次の3つの指標で分類して1年間フォローした。

*教育歴6年未満、
*肉体労働者、
*月収1000元(1万7千円相当)以下


次のことがわかった。

・1年後1640人が死亡した。

・貧困条件が1つにつき 死亡率が1.2倍ほど高くなった。

・貧困条件が3つ重なると死亡率は約1.6倍になった。

・低収入で学歴が高いと死亡率はさらに高くなった。

貧困状態にある脳梗塞患者の生存可能性は明らかに低かった、


というおはなし。

図:経済格差と脳卒中死亡リスク


感想:

他人がなんと言おうと、自分は貧しくはないと思えてればいいんじゃないかね。

2016年4月13日

脳卒中で腸内環境が変わる


Brain injury induces specific changes in the caecal microbiota of mice via altered autonomic activity and mucoprotein production.
2016  4月  イギリス

腸内細菌の変化が脳の働きに影響を及ぼしうるという報告はあるがその逆はあまりない。

そこで脳の損傷が腸内細菌に与える影響を調べてみたそうな。


ネズミを人為的に脳卒中状態にして3日後、解剖していろいろと調べたところ、


次のことがわかった。

・盲腸内の腸内細菌叢の組成が変わった。特にペプトコッカスとプロボテラの変化が脳損傷の広がりと関連していた。

・盲腸のムコ蛋白生成 胚細胞数の変化から、これらの影響には自律神経系からのノルアドレナリン分泌が介在していると考えられた。

脳損傷により腸内細菌叢に変化が起きた。脳卒中後の麻痺性腸閉塞に関係しているかも知れない、


というおはなし。

図:脳卒中で腸内細菌変化

感想:

また腸脳相関だ。流行ってんのかな?
グーグルトレンドみると、

2016年4月12日

脳卒中の相談にネット掲示板は役にたつか?


Stroke survivors and their families receive information and support on an individual basis from an online forum: descriptive analysis of a population of 2348 patients and qualitative study of a sample of participants.
2016  4月  イギリス

脳卒中患者向けのネット掲示板から投稿者の特徴、目的、返信内容を調べてみたそうな。


アメリカ脳卒中協会が運営する脳卒中相談フォーラムTalkstrokeの2004-2011の記録を分析したところ、

次のことがわかった。

・2348人の投稿者があり、そのうち957人は脳卒中患者本人、1391人は脳卒中患者の家族や友人だった。

・患者の性別、年齢、障害の程度に偏りは少なく、平均年齢は52と若かった。

・投稿の58%は相談で 35%は体験共有が目的だった。

・ニーズのある情報は、身体の障害、病気の原因、回復可能性についてが主だった。

・95%の投稿には満足のゆく返信が得られていた。

ネット掲示板が脳卒中患者や家族への助言やサポートを得る場になっていた、


というおはなし。

図:脳卒中掲示板

感想:

Talkstroke登録してみたけど、認証はメールアドレスのみで騙り放題。

これに似たヤフー知恵袋や2ちゃんねるも いつもほとんど同じ人物が回答して 時には質問までも自演している。


いまなら患者ブログがたくさん生まれているので、フィーリングの合うものを見つけて読み漁って質問してみるのがベターと思う。

2016年4月11日

リハビリを促す「刺激豊かな環境」とは


An enriched environmental programme during inpatient neuro-rehabilitation: A randomized controlled trial.
2016  4月  オーストラリア

刺激豊かな環境が神経リハビリテーション病棟に入院している患者にどう影響するものか調べてみたそうな。


神経疾患患者103人(脳卒中53人 他)を

*刺激豊かな環境52人、
*従来型リハビリ環境51人

に分けて、入院時、退院時、3ヶ月後 のウツ、不安、認知、自立度、QoL等について調べ比較した。

刺激豊かな環境として ネットアクセスのできるパソコン、ビデオゲーム、図書、音楽プレーヤ、銀行ATMなどを設置した別室を用意し、通常リハビリに加えて平日は2時間そこで過ごし 多くの活動に参加するよう促した。


次のようになった。

・退院時、刺激豊かな環境グループの患者はウツ、ストレス、認知機能、機能的自立度の改善度が明らかに優れていた。

・これらは3ヶ月後にも維持されていた。

・特に脳卒中患者で 認知機能と活動量の改善が大きかった。

リハビリに刺激の豊かな環境を加えると 神経疾患患者の機能的、認知的能力を大きく改善することができる、


というおはなし。

図:刺激豊かな環境

感想:

こういう考え方って動物の飼育方法からきてるみたい。

患者にタブレット1枚貸し出せばいいんじゃないかな。
自分が入院してたころはスマホもまだ普及してなかった。日々あまりにすることがなくて逃げ出すように退院した思い出。

2016年4月10日

脳卒中になったとき腸内細菌がいないと、、


Depletion of Cultivatable Gut Microbiota by Broad-Spectrum Antibiotic Pretreatment Worsens Outcome After Murine Stroke
2016  4月  ドイツ

脳卒中後の感染症を防ぐために抗生物質がよく使われる。一方で 腸と脳の双方向ネットワークの働きが神経疾患に関係するという報告もある。

腸内細菌が脳卒中の進展にどう影響するか実験してみたそうな。


ネズミに複数の抗生物質を8週間与えて腸内細菌を死滅させた。抗生物質を中止して3日後、人為的に脳虚血にしたところ、


次のようになった。

・腸内細菌の有無は虚血直後の梗塞の大きさには影響しなかった。

・5日以降、免疫細胞が大きく減少していた。

・5-7日後に多くのネズミが大腸炎で死んだ。

・抗生物質を投与し続けるか、脳虚血まえに別の仲間から腸内細菌を移植することで死亡率を下げることができた。

腸内細菌が脳の梗塞を抑える効果は確認できなかったが、腸内細菌があったほうが死亡率が下がることはわかった、


というおはなし。

図:脳腸相関

感想:

腸脳相関って言うのな。知らなかった。

これ思い出した。↓
ネイチャー:糞便移植で脳卒中が治るかも

2016年4月9日

NEJM誌:毎日くだもの食べると脳卒中にならない


Fresh Fruit Consumption and Major Cardiovascular Disease in China
2016  4月  中国

欧米人を対象にした果物と脳卒中の研究はよくある。そこでアジア人で大規模に調べてみたそうな。


中国全土 10の地域に住む50万人あまりの成人について6年ほどフォローした結果、


次のことがわかった。

・18%が毎日新鮮な果物を摂っていた。

・彼らはまったく摂らないグループに比べ、血圧や血糖が明らかに低く、

・脳梗塞リスクは0.75倍、脳出血リスクは0.64倍だった。

・果物をよく摂るほど脳卒中リスクは小さくなった。

・これらの関連に10の地域で大きな違いはなかった。

中国の成人について 毎日しんせんな果物を食べる者は血圧や血糖が低く、脳卒中リスクが明らかに低かった、


というおはなし。

図:果物と脳卒中リスク


感想:

とくに脳出血にいいんだな。

似たようなさいきんの研究↓を思い出した。
野菜 果物をよく食べる日本人の脳卒中リスクは

やっぱり果物や野菜を摂ると脳卒中予防にいいらしい

2016年4月8日

復職後の悩みをネット掲示板で拾ってみた


Barriers and facilitators to staying in work after stroke: insight from an online forum
2016  4月  イギリス

脳卒中経験者が復職後に悩んでいることをネット掲示板を使って調べてみたそうな。


脳卒中患者や家族が参加するネットフォーラムで、2004-2011の記録を検索して復職者を抽出し彼らの経験を分類したところ、


次のことがわかった。

・復職した脳卒中経験者として60人(男性29人、女性23人、性別不明8人、平均年齢44)を判別できた。

・彼らは 疲労、集中力や記憶力の低下といった他人の目に見えない障害に悩んでいた。

・復職は良かったが 障害のために仕事を失うリスクをいつも感じていた。

・見えない障害について雇用者や医師の理解が欠けていると感じていた。
例えば 雇用者が以前と同じ量の仕事をさせる、医師が傷病手当期間の延長を認めない など。

・障害に対応するために各人 独自の工夫でしのいでいた。

脳卒中復職者は他人からはわかりにくい障害で悩んでいる。職場やかかりつけ医の理解を促すにはどうすればよいだろうか、


というおはなし。

図:復職

感想:

ネット掲示板にはひとりで何役もこなし 情報操作に生きがいを感じている者がテーマ毎に必ず何人かいる。きっと匿名性の低いフォーラムなんだろな。

2016年4月7日

もう助からないと判定される脳卒中患者の割合がわかった


End-of-life decisions in acute stroke patients: an observational cohort study.
2016  4月  ドイツ

脳卒中医療には終末期判断や緩和ケアも含まれる。

それら患者の特徴を調べてみたそうな。


2011-2014に入院した脳卒中患者4425人の医療記録を調査したところ、


次のことがわかった。

・全体の2.71%が脳卒中病棟で終末期判断を受けて死亡した。

・そのうち86.3%は入院してほぼ2日以内に蘇生処置拒否指示が出た。

・多くは平均5.0日後に 延命治療の中止決定がなされた。

・入院から7.0日後、緩和ケアに移ってから2.5日後に亡くなっていた。

・入院時の意識障害、嚥下障害、脳の広範囲な損傷が特徴的だった。

・終末期ケアでは生体モニターや投薬、非経口栄養が中止される一方、静脈内輸液だけはすべての患者で継続された。

脳卒中で入院後、病棟内で死亡した患者の多くは終末期判断を経たケースだった、


というおはなし。

図:緩和ケアメニュー

感想:

ちなみに集中治療室での死亡は0.52%。つまりその5倍が家族の合意の下にゆるやかに亡くなってるってこと。

ちょっと意外だった。なくなる人はもっと勢いよく死んじゃうものと思ってた。

2016年4月6日

早くに座らせると回復がよくなるのか?


Early Sitting in Ischemic Stroke Patients (SEVEL): A Randomized Controlled Trial.
2016  3月  フランス

脳卒中のあとすぐに座らせると回復が良くなるものか調べてみたそうな。


18歳以上の脳卒中患者138人について

*発症後24時間以内に15分間以上の座位を取らせるグループ
*3日かけて徐々に身体を起こし座位を取らせるグループ

に分けて、3ヶ月後の生活自立度、合併症、入院日数を調べた。


次のようになった。

・3ヶ月後の生活自立度が軽度障害レベルの患者割合は 76.2% vs. 77.3% で有意な差はなかった。

・合併症や入院日数にも違いはなかった。

脳卒中のあとすぐの座位が回復に良いとは思えない、


というおはなし。

写真:座位


感想:

幼児英才教育の是非に通じるものがあるな、、

これ↓思い出した。
ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2016年4月5日

tDCSで脳卒中患者の傾きが治る可能性について


Polarity-Dependent Misperception of Subjective Visual Vertical during and after Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS).
2016  3月  ブラジル

主観的な垂直方向(自覚的視性垂直位)は脳卒中患者でしばしば病的に傾く。

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)がこの感覚に影響するものか実験してみたそうな。


健常者13人について、側頭頭頂の縁上回 両側にtDCS電極を貼り自覚的視性垂直位を調べたところ、


次のようになった。

・偽刺激に比べて自覚的視性垂直位はプラス電極側に大きくシフトした。

・刺激を切ったあとに反対側に振れるリバウンド効果が確認できた。

・左プラス|右マイナス のときに自覚的視性垂直位がプラス電極側にシフトする効果がもっとも持続した。

・電界分布を計算したが内耳への影響はなさそうだった。


側頭頭頂へのtDCSで自覚的視性垂直位が明らかに影響を受けた。傾く脳卒中患者に応用できるかもしれない、


というおはなし。

図:tDCS

感想:

確信した、tDCSは前庭感覚電気刺激GVSの別解釈だな。

GVSの真偽はともかく。↓
脳卒中患者が傾く仕組みについて

プッシャー現象 なぜ脳卒中患者は傾くのか

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた

前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!

2016年4月4日

森林セラピーは脳卒中後のうつや不安に効くだろうか


The effects of forest therapy on depression and anxiety in patients with chronic stroke.
2016  4月  韓国

脳卒中後のうつや不安への森林セラピーの効果を検証してみたそうな。


慢性期脳卒中患者59人を、

*森林セラピーグループ と
*都会のホテルでくつろぐグループ に分けた。

うつ検査を2種、不安度、血中酸化物質濃度と抗酸化力値を測定して比較したところ、


次のようになった。

・森林セラピーグループでうつ度、不安度が明らかに低く、抗酸化力値も高くなっていた。

・都会のホテルグループでは不安スコアが明らかに高くなっていた。

森林セラピーは慢性期脳卒中患者のうつや不安症状に効果的だった。薬が効かない患者にいいかも、


というおはなし。

図:森林セラピー

感想:

森林浴が気持ちいいのは実験してくれなくてもよーくわかる。でもいまの時期 花粉がひどくて山に近づけない。

調べると日本では 公益社団法人 国土緑化推進機構ってとこで森林セラピーのセラピスト認定をやっている。

2016年4月3日

腎臓機能の低下と微小脳出血との関係は


Decreased kidney function relates to progression of cerebral microbleeds in lacunar stroke patients.
2016  3月  オランダ

微小脳出血や腎機能の低下は微小血管障害の現れであると考えることができる。

そこで、微小脳出血と腎機能との関連を調べてみたそうな。


MRIでラクナがみつかった89人の患者について、微小脳出血数の変化を2年後のMRIで確認した。

腎臓の糸球体濾過率の推定値との関連を解析したところ、


次のようになった。

・19.1%の患者に微小脳出血数の増加が見られた。

・糸球体濾過率の低下と微小脳出血数の増加に明らかな関連があった。

・他のリスク要因を考慮に入れてなおこの関連は変わらなかった。

腎臓の糸球体濾過率の低下と微小脳出血数の増加に関連があった。やはり微小脳出血と腎機能低下は微小血管障害が原因なのだろう、


というおはなし。

図:腎機能


感想:

「右の腎臓の静脈太いねぇ」って言われたことがある。んで ときどきその辺りが痛い もう何十年もまえから。

2016年4月2日

高齢クモ膜下出血患者の予後について


Analysis of factors that influence long-term independent living for elderly subarachnoid hemorrhage patients.
2016  3月  日本

高齢のクモ膜下出血患者の予後を調べてみたそうな。


75歳以上のクモ膜下出血患者86人を29ヶ月前後フォローしたところ、


次のことがわかった。

・79%がHunt-Kosnik分類1-3で軽中症相当だった。

・78%でクリッピングやコイル塞栓手術を行った。

・死亡事例の半数は始めの2ヶ月間に起きた。

・自立生活できる者の数は徐々に減少して 28ヶ月で半分になった。

・軽中症患者の自立生活者数半減期間は36ヶ月で、重症患者の場合3ヶ月だった。

・手術のあと自立生活する患者の数は 40ヶ月で半分になった。

・保存治療のあと自立生活する患者の数は 14ヶ月で半分になった。

クモ膜下出血になって重症でなかったら動脈瘤手術を行ったほうが予後は期待できる、


というおはなし。

図:クモ膜下出血

感想:

クモ膜下出血グレード4でクリッピングとシャント手術して5年くらい経つ 82のピンピンしている女性がわりと身近にいる。

会うたび負けた感がする。

2016年4月1日

音を識別する能力への脳卒中の影響


Auditory Temporal Processing Deficits in Chronic Stroke: A Comparison of Brain Damage Lateralization Effect.
2016  3月  イラン

聴覚の時間的処理能力と脳卒中の損傷脳半球との関係を調べてみたそうな。


31-71歳 失語症のない 脳卒中で右脳損傷の25人 左脳損傷の20人 および健常者25人について、聴覚の時間分解能を測定する2種類のテストを行った。


次のことがわかった。

・すべての脳卒中患者で 損傷脳と反対側の聴覚テストのスコアが明らかに低かった。

・全グループで加齢にしたがい聴覚の時間分解能が低下していた。


脳卒中患者では損傷脳と反対側の耳の聴覚の時間分解能が低下していた、


というおはなし。

図:脳卒中と聴覚時間分解能

感想:

オレは右脳損傷だから左耳に難あり か、、、そんな気はしてたんだ。

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