2016年8月31日

DHAを摂ると傷ついた脳が治るは本当?


Delayed Docosahexaenoic Acid Treatment Combined with Dietary Supplementation of Omega-3 Fatty Acids Promotes Long-Term Neurovascular Restoration After Ischemic Stroke.
2016  8月  アメリカ

脳卒中の治療法は非常に限られていて広く適用できる手段がない。そんな中 オメガ3不飽和脂肪酸が脳卒中治療に期待されている。

その効果を実験してみたそうな。


人為的に脳虚血状態にしたネズミをつぎの4グループに分けた。

1)不飽和脂肪酸なしの比較グループ
2)DHA(ドコサヘキサエン酸)を腹腔内注射
3)オメガ3不飽和脂肪酸(魚油)のサプリメントを餌に加える
4) 2と3の組み合わせ

1ヶ月後、脳損傷、神経新生、認知障害について評価したところ、


次のことがわかった。

・グループ2,3で組織の脱落や認知障害が少なかった。

・この効果はグループ4でさらに有意なレベルで明らかだった。

・グループ4では神経新生、血管新生が促されグリア瘢痕形成が減った。

・これらの変化は水迷路テストでの空間記憶スコアと明らかな関連があった。

DHAなどオメガ3不飽和脂肪酸の投与は脳卒中後の神経血管再構築を促す効果があるのかもしれない、


というおはなし。

図:DHAの脳梗塞治療効果


感想:

そこでDHAにもになるαリノレン酸の登場だね。↓
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2016年8月30日

台湾の脳卒中患者はみな鍼もやっているのだろうか、、


An investigation of the use of acupuncture in stroke patients in Taiwan: a national cohort study.
2016  8月  台湾

鍼(はり)は多くの国で代替医療の1つとして利用されている。

脳卒中患者のさいきんの鍼利用の傾向を調べてみたそうな。


2000-2008、台湾の2300万人の国民健康保健記録から脳卒中患者285001人を抽出して鍼の利用と 関連する特徴を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間、鍼利用者は増加傾向にあった。

・女性、若年、ホワイトカラー、高収入者で鍼利用が多かった。

・また、リハビリサービスを多用する患者ほど鍼も利用していた。

台湾では脳卒中患者の鍼利用は多くの層に受け入れられ 増加傾向にあった、


というおはなし。
図:台湾の鍼利用者 of 脳卒中

感想:

20%ないのか、、、台湾だったらみんなやってるかと思ってた。

2016年8月29日

90歳超えでも血栓溶解治療は効果あるの?


The impact of intravenous thrombolysis on outcome of patients with acute ischemic stroke after 90 years old.
2016  8月  フランス

超高齢脳梗塞患者への血栓溶解治療効果について、実際のところどうなのか調べてみたそうな。


急性脳梗塞で入院した90歳以上の患者記録を見なおして、経静脈血栓溶解治療と3ヶ月後の回復度や出血性変化との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢92、78人の患者が見つかり、37人が血栓溶解治療を受けていた。

・3ヶ月後の生活自立度は、血栓溶解治療の有無とは関連がなかった。

・出血性変化は54% vs. 12%で血栓溶解治療グループに多かった。

・入院期間も血栓溶解治療グループで長かった。

血栓溶解治療を受けた超高齢者の予後は 受けない場合に比べ良いとは言えなかった、


というおはなし。

図:超高齢者の血栓溶解治療

感想:

これ↓思い出した。
103歳の脳卒中女性に血管内治療を施した結果、、

2016年8月28日

自分は歩きが遅い!と自覚するひとは脳卒中の素質あり


Perceived Walking Speed, Measured Tandem Walk, Incident Stroke, and Mortality in Older Latino Adults: A Prospective Cohort Study.
2016  8月  アメリカ

歩行スピードはその人の健康状態を反映すると考えられる。そこで、脳卒中との関連を調べてみたそうな。


60歳以上のラテン系アメリカ人1486人に、自分の普段の歩行速度を主観的に(easy → very brisk まで)6段階で申告してもらい これを低速、中速、高速の3グループに分類した。

また、継ぎ足歩行(tandem walk)テストも行い正確さで2グループに分類した。

彼らを6年ほどフォローして脳卒中の発症を調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中の発症率は、低速グループで1000人あたり年間23.2人、中速で15.6人、高速で7.6人だった。

・低速グループに比べ中速グループの脳卒中リスクは31%減、高速グループでは56%低かった。

・同様の関連が継ぎ足歩行テストについても確認できた。

歩行速度の自己評価をみれば将来の脳卒中リスクの目安になる、


というおはなし。

図:歩行スピードと脳卒中リスク

感想:

むかしから歩くのおそいんだ、、

これ↓思い出した。
歩くスピードが遅い人を見たら高血圧症と思え!

2016年8月27日

推拿(すいな)は脳卒中後の痙縮に効く!?


Effectiveness and safety of Chinese massage therapy (Tui Na) on post-stroke spasticity: A prospective multicenter randomized controlled trial.
2016  8月  中国

中国整体とも言われる推拿(すいな)の脳卒中後の痙縮への効果を検証してみたそうな。


脳卒中で痙縮のある患者90人を推拿グループと普通のマッサージグループに分けた。
腕や脚への施術を、1回20-25分x週5回x4週間 行ったのち比較したところ、


次のことがわかった。

・推拿グループで、4種類の筋肉群での筋緊張評価スコアが 普通のマッサージよりも明らかに低下した。

・この効果は3ヶ月後も持続していた。

・運動機能や日常生活動作上の差は確認できなかった。

・有害事象はなかった。

推拿は脳卒中後の痙縮を和らげる安全で効果的な方法かもしれない


というおはなし。

図:推拿 中国整体の効果


感想:

どういうものかと思って探してみた。

推拿の基本手法(←YouTubeへリンク)
7分過ぎからなぜか執拗に尻に手をあて始める。

2016年8月26日

急な視力低下は脳卒中の前兆?


Sudden Vision Loss and Mortality: The Jackson Heart Study.
2016  8月  アメリカ

24時間以上続く急な視力低下(Sudden Vision Loss)が のちの脳卒中や死亡率と関連するものかどうか調べてみたそうな。


20-95歳、4670人のアフリカ系アメリカ人を対象にした調査記録から 24時間以上続く急な視力低下を申告した人たちを抽出し、10年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・視力低下があると脳卒中 心筋梗塞リスクが2倍で、

・死亡率は1.7倍になった。

・糖尿病、コレステロール、喫煙、高血圧、収入などを考慮に入れると関連は弱まった。

24時間以上つづく急な視力低下は のちの脳卒中と関連があった、


というおはなし。

図:急な視力低下と脳卒中になる確率

感想:

じぶんは逆に脳卒中やってから視力が1.5→0.4以下になった。目の筋肉に麻痺の影響が出てるんだと思う。

2016年8月25日

脳卒中のサインはFASTだけではなかった!


Delays in the presentation to stroke services of patients with transient ischaemic attack and minor stroke.
2016  8月  イギリス

TIA(一過性脳虚血発作)や軽微な脳卒中で病院にかかった人たちの 症状があってから病院までの過程を調べてみたそうな。


150人の患者にアンケートしたところ、


次のことがわかった。

・34%はすでにTIAの経験があり、23%は病院へゆくまでの5日以前に症状があった。

・30%は急な視力の低下を経験していたが、多くは脳の問題とは考えなかった。

・61%は症状から1日以上経ってから病院へ行った。

・59%は脳卒中とは思っていなかった。

・36%は脳卒中の初期症状FAST(Face, Arm, Speech, Time)について知らなかった。

TIAや軽微な脳卒中患者の3分の2は 脳卒中の認識がなく、初期症状についての知識もなかった。また3分の1は急な視力の低下を理由に病院を訪れた。脳卒中の初期症状リストに目の症状を加えてFASTER (Face, Arm, Speech, Time, Eyes, React)にしたほうがいいのでは、、


というおはなし。



感想:

じつは脳卒中やってから 風呂あがりに頭を左に傾けると視界全体でなにも見えなくなる。再現性は9割。頭を起こすとなおる。
なにか通じるものがあるんだろね。

2016年8月24日

脳梗塞の出血性変化ってよくあるの?


Haemorrhagic transformation in ischaemic stroke is more frequent than clinically suspected - A neuropathological study.
2016  8月  ハンガリー

脳梗塞をきっかけに脳内出血に至る出血性変化(出血性脳梗塞)の診断は主にCTに頼っている。これがどのていどあてになるのか、死亡した患者の脳を解剖して確かめてみたそうな。


100人分の解剖サンプルを再検証したところ、


次のことがわかった。

・64人(平均年齢62)は 入院時に急性脳梗塞と診断された。

・このうち10人(16%)にはCTで出血性変化が確認されていた。

・解剖により24人(38%)にあらたに出血性変化がみつかった。

・やや大きめの出血性変化のほとんどは血栓溶解治療を受けた患者だった。

脳梗塞の出血性変化の頻度は思っていた以上で、一生気付かれないものも少なくなかった。これらは解剖すればわかるけど せめて退院の直前にCTを撮ってはどうだろう、


というおはなし。




感想:

もう5年以上 CTのたぐい 撮ってない。このまま知らぬが仏でいたいんだ。
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに

2016年8月23日

左右脳卒中の違いで入院後の扱いに差はあるのだろうか


Stroke Laterality Bias in the Management of Acute Ischemic Stroke.
2016  8月  アイルランド

脳卒中が右脳か左脳かで入院後の扱いに差がでるものなのか確かめてみたそうな。


平均年齢73、左脳梗塞の71人と右脳梗塞の70人の入院患者について、

入院までの時間、CT撮るまでの時間、脳卒中専門病棟へ移されるまでの時間、生存率などを調べ左右損傷脳との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・発症から入院までの時間とCT撮るまでの時間に損傷脳の左右で差はなかった。

・入院してから脳卒中専門病棟へ移されるまでの時間は、右脳損傷患者のほうが左脳患者よりも平均14時間長かった。

・10年間の生存率に差はなかった。

神経症状が軽く非優位脳が損傷した急性脳梗塞患者は、脳卒中専門病棟への移送が遅れがちである、


というおはなし。

図:脳卒中左右脳で専門病棟までの時間の違い


感想:

CT撮ってなお 左脳患者のほうが医師には重症そうに見えるってことか、

気丈に振る舞ってはいかんね。

2016年8月22日

脳卒中予防に最適なチーズの量がわかった


Cheese consumption and risk of cardiovascular disease: a meta-analysis of prospective studies.
2016  8月  中国

チーズには飽和脂肪酸が多いものの他の栄養素も豊富である。

チーズの摂取量と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・15件の研究がみつかった。

・チーズをほとんど摂らないグループにくらべ多く摂るグループの脳卒中リスクは0.90倍だった。

・摂取量と脳卒中リスクの低下は直線関係にはならず、

・1日あたり40gの摂取量のとき脳卒中予防効果がもっとも大きかった。

これまでの研究からチーズ摂取量と脳卒中予防効果の関係がわかった、


というおはなし。

図:チーズの量と脳卒中リスク

感想:

これ↓思い出した。
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに

2016年8月21日

話し方の変化から脳卒中後うつを予測できる


Affective Prosody and Depression After Stroke
2016  8月  フランス

脳卒中後のうつになりやすい患者を見分けることができればのちのリハビリ計画に役立つ。

脳卒中患者の話す声の調子や抑揚からその後のうつを予測できるものか調べてみたそうな。


失語症のない発症から4日以内の脳梗塞患者49人について、音読課題を与え これを録音した。

音声の基本周波数およびその変動、声の裏返り率、音量のゆらぎ等を解析して3ヶ月後のうつ検査との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3ヶ月後、22.5%がうつと診断された。

・うつグループでは、基本周波数の明らかな低下と

・声の裏返り率の上昇があり、

・音声周波数と音量のゆらぎは小さくなった。

・脳梗塞の発症部位とうつとの関連は見られなかった。

脳卒中患者の音声を韻律解析すればうつになりやすいかどうかがわかりそうである、


というおはなし。

図:感情音声と脳卒中後うつ

感想:

低く淡々とした無感情な口調になって たまに声が裏返る、、ってことか。

これ↓思い出した。
失感情症と脳卒中後のうつ

右脳卒中の患者は声に感情が乗らない

2016年8月20日

頭痛の無い脳梗塞は動脈硬化の証、、


Role of atherosclerosis, clot extent, and penumbra volume in headache during ischemic stroke
2016  8月  オランダ

脳梗塞発症時の頭痛の理由はよくわかっていない。

これが動脈硬化によるのか血管拡張や脱分極が原因なのか調べてみたそうな。


発症後9時間以内の急性脳梗塞患者284人について各種CT,MRI検査を行い、アテローム性動脈硬化、血栓の拡がり、ペナンブラの体積 および頭痛との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の38%に頭痛があった。

・35% vs. 48%でアテローム性動脈硬化の患者に明らかに頭痛が少なかった。

・血栓の拡がり、ペナンブラ体積と頭痛との関連はなかった。

脳梗塞時の頭痛はアテローム性動脈硬化のある患者で少なかった。頭痛が起きるためには血管の弾力性が必要なのではないか


というおはなし。

図:脳梗塞頭痛患者の特徴


感想:

それでこうなるんだね。↓
脳梗塞発症時、頭痛があればラッキー!

2016年8月19日

失語症アバターで言語訓練できるEVA Park とは


Evaluating the Benefits of Aphasia Intervention Delivered in Virtual Reality: Results of a Quasi-Randomised Study
2016  8月  イギリス

バーチャルリアリティ環境で失語症の治療を行う実験をやってみたそうな。


EVA Park という小さな島をバーチャル空間上に設けた。この上で患者と療法士が自らのアバターを介してコミュニケーションの訓練を行う。

平均年齢58、20人の失語症患者について1回1時間x5週間、計25セッションの訓練を行ったところ、


次のようになった。

・途中脱落者はゼロで、ほとんどがセッションの88%以上をこなした。

・コミュニケーション能力の明らかな改善があり、

・その効果が持続した。

・しかし会話への自信や孤立感の改善までには至らなかった。

バーチャル空間EVA Parkを通した言語訓練の楽しさと効果を確認できた、


というおはなし。

これが↓EVA Park だ(動画4分間)


感想:

10年以上前に流行ったセカンドライフそのまんま。当時から技術的に1mmも進歩していないところに惹かれた。

2016年8月18日

脳卒中後の認知症リスクはカルシウムサプリで倍増する


Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease
2016  8月  スウェーデン

骨粗しょう症予防のためにカルシウムサプリメントを摂る人は多い。そのいっぽうでカルシウムサプリメントが血管リスクになるという報告もすくなくない。

血管リスクは認知症にも関係する。そこで、カルシウムサプリメントと認知症との関連を脳卒中経験の有無も含めて調べてみたそうな。


70-92歳の女性を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・カルシウムサプリメントを摂っていた者の認知症リスクは2.10倍で、

・さらに脳卒中経験がある者に限定するとリスクは6.77倍になった。

・脳に白質病変がある者についても同様の関連だった。

カルシウムサプリメントを摂る高齢女性の認知症リスクは2倍で、脳卒中歴も加わると7倍になった、


というおはなし。

図:脳卒中歴と認知症とカルシウムサプリメント


感想:

こういう↓はなしもあるんだよね。
カルシウムが少ないと脳内出血になったときたいへん

2016年8月17日

JAMA: 脳卒中歴でアルツハイマー病リスク2倍!


The Role of Cardiovascular Risk Factors and Stroke in Familial Alzheimer Disease
2016  8月  アメリカ

心血管疾患リスクとアルツハイマー病との関連は未だよくわかっていない。

そこでアルツハイマー病と脳卒中歴、心血管疾患リスク(高血圧、糖尿病、心臓病)との関連を調べてみたそうな。


平均年齢77、遅発型アルツハイマー病研究の患者6553人の医療記録を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・脳卒中歴があると遅発型アルツハイマー病リスクは2.23倍になり、

・高血圧があるとリスクは0.63倍と低下し、

・糖尿病 心臓病との関連はなかった。

・遺伝要因APOEε4を考慮に入れてもこの関連は変わらなかった。

・別研究の患者サンプル5972人ぶんのデータを使っても同様だった。

遅発型アルツハイマー病は 脳卒中歴があるとその発症リスクが明らかに高くなった、


というおはなし。

図:遅発型アルツハイマー病と脳卒中歴


感想:

認知症になりやすいって話はなんども出てるからあまり驚かない。

2016年8月16日

くも膜下出血と喫煙 さいきんの傾向


Incidence of subarachnoid hemorrhage is decreasing together with decreasing smoking rates
2016  8月  フィンランド

くも膜下出血は死亡率が非常に高いため入院まえに亡くなる場合が少なくない。多くの国ではこのようなケースは心不全に分類されるなどして正確な統計が得られにくい。

そこで、検死解剖をきっちりとやる習慣のあるフィンランドでのくも膜下出血と発症リスクとしての喫煙率のさいきんの推移を調べてみたそうな。


1998-2012のくも膜下出血患者と喫煙調査の結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に6885人のくも膜下出血があり、このうち26%が病院外または救急救命室で死亡していた。

・全体的に、くも膜下出血の発生率は10万人あたり6.2-10.0人だった。

・70-75歳の女性で発生率はもっとも高く 22.5人/10万人だった。

・この15年間に、50歳未満ではくも膜下出血が女性で45%、男性で38%減少し、

・50歳以上では女性16%、男性26%の減少だった。

・15-64歳の喫煙率は30%減少していた。

くも膜下出血の発生率は特に若年者で減少傾向にあり、喫煙率と連動しているようだった、


というおはなし。

図:くも膜下出血15年間の傾向


感想:

クモは高齢女性に多いんだな、、

2016年8月15日

脳卒中患者の15年後の運命がわかった


Patient outcomes up to 15 years after stroke: survival, disability, quality of life, cognition and mental health.
2016  7月  イギリス

脳卒中からの生還率は向上し患者の余生も延びている。そこで、脳卒中から15年先までの患者の状態変化を調べてみたそうな。


ロンドン南部の住民記録から脳卒中患者2625人を抽出し、発症から15年後までの生存率、身体障害、認知障害、QoLなどをフォローしたところ、


次のことがわかった。

・15年後21%が生存しており、彼らの発症年齢の中央値は58、

・61%は男性で 87%は自宅暮らしだった。

・33.8%は軽度の身体機能障害、14.3%は中等度、15.0%が重度の障害だった。

・身体機能障害は時とともに増加したが、15年生存者の10人に1人は脳卒中発症直後から中等度-重度の障害持ちだった。

・15年生存者の30.0%に認知障害、39.1%にうつ、34.9%に不安障害があった。

脳卒中後15年時点では5人に1人が生存していたが、身体機能的、認知能力的、精神的に不良な状態が少なくなかった、


というおはなし。

図:脳卒中から15年間の重症度変化

感想:

こんなに死んじゃうのかい?って印象。

2016年8月14日

若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた


Accelerated development of cerebral small vessel disease in young stroke patients
2016  8月  オランダ

おなじ脳血管リスクを抱えていても若くして脳卒中を起こす者はまれである。

そこで、若年者の脳卒中への脆弱性を脳小血管病(ラクナ、微小出血、白質病変)に注目して調べてみたそうな。


18-50歳で脳梗塞またはTIAになった患者337人と同年齢の健常者90人について10年前後フォローし、MRIから脳小血管病を評価して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1つ以上のラクナ梗塞を持つ者は 24.0% vs. 4.5% で脳卒中患者に多く、

・白質病変の体積も 1.5mL vs. 0.4mL で患者に多かった。

・患者の白質病変体積は、同年齢の健常者の10-20年後のそれに相当しており、

・脳卒中の発症年齢、高血圧、喫煙習慣と関連があった。

若年脳卒中患者には脳小血管病が多かった。健常者に比べ脳の老化が10-20年進んでいると考えられ、それゆえに脳卒中になったのかも、


というおはなし。

図:若年脳卒中経験者の白質病変ボリューム

感想:

脳みそがすでに後期高齢者なのか!?

2016年8月13日

軽い脳卒中でも脚の麻痺があると認知障害になる


Determinants of post-stroke cognitive impairment: analysis from VISTA.
2016  7月  イギリス

脳卒中のあとの認知障害は珍しくなく やがて認知症に発展する。

そこで脳卒中の症状と数年後の認知障害との関連を調べてみたそうな。


平均年齢63の脳卒中患者5435人について、発症から30日前後の症状と 1,3年後の認知障害の有無を調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1年後34%が、3年後30%が認知障害だった。

・年齢、重症度、高血圧、糖尿病などの関連要因と比べてもなお、脚に麻痺のある患者の認知障害リスクがもっとも高かった。

・この関連は患者を脳梗塞やTIAに限定しても変わらなかった。

脳卒中から数年後の認知障害のリスク要因として、年齢や高血圧のほかに脚の麻痺が強く関連していることがわかった、


というおはなし。

図:認知障害と脚の麻痺


感想:

歩かないとボケちゃうってことなんだろね。

2016年8月12日

損傷脳の左右の違いで運動イメージ能力に差はでるか?


Do Motor Imagery Performances Depend on the Side of the Lesion at the Acute Stage of Stroke?
2016  6月  フランス

運動イメージ訓練は脳卒中患者の上肢リハビリにもっとも効果的な方法の1つである。

しかし急性期患者の運動イメージ能力についてはよくわかっていないので調べてみたそうな。


発症後3週間未満の脳卒中患者24人と健常者24人について、運動イメージテストを行い 反応速度、エラー率、時間あたりのイメージ回数 等を測定し損傷脳の左右、麻痺手、非麻痺手の区別との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・写真の手の左右を判断する能力は、脳卒中患者は麻痺手側で反応速度が遅くエラー率が高かった。

・非麻痺手側では右脳損傷患者のエラー率が健常者よりも高かった。

・時間あたりのイメージ回数は両側の手で脳卒中患者が劣っていた。

・手を実際に動かせる回数とイメージで動かせる回数は対応関係にあったが、右脳損傷患者だけは両手ともに関連を確認できなかった。

運動イメージ訓練を脳卒中の上肢リハビリに応用する際には、損傷脳の左右の違いに注意が必要かも、


というおはなし。
図:運動イメージと実行能 左右脳の違い

感想:

これ思い出した。↓
手の写真をみて 右手か左手かすぐにわかる?

2016年8月11日

めまい患者に脳卒中がみつかる頻度は


How Commonly Is Stroke Found in Patients with Isolated Vertigo or Dizziness Attack?
2016  8月  日本

めまいで救急搬送されてくる患者の多くは良性の前庭疾患であるが、ほかに神経症状のない場合 原因を見つけるのは容易ではない。

めまい患者のなかに脳卒中のケースがどれくらい含まれているか調べてみたそうな。


過去10年間、平均年齢68のめまい患者221人の記録を見なおしたところ、


次のことがわかった。

・患者のうち118人が回転性のめまいで、103人は浮動性めまいだった。

・断層画像から25人11.3%に脳卒中(21人脳梗塞、4人脳出血)がみつかった。

・病巣は小脳22人、橋1人、延髄1人、放射冠1人だった。

・脳卒中だった患者の76%は浮動性めまいだった。

めまい患者の11%に脳卒中がみつかった。後下小脳動脈の支配域での病変が多かった、


というおはなし。

図:めまいと脳卒中位置

感想:

フワフワする感じのめまいはよくあった。それもいつも同じ場所で。

当日、その場所の地下にある めったに利用しない駅のホームで力尽きた。

2016年8月10日

下肢の筋トレ効果を若年 高齢で比べてみた


The Effects of POWER Training in Young and Older Adults after Stroke.
2016  8月  アメリカ

脳卒中経験者は歩行が遅い。

そこで、下肢筋力トレの効果を若年者と高齢者で比べてみたそうな。


慢性期の脳卒中患者16人(40歳未満の6人と60歳より上の10人)について、レッグプレス、カーフレイズ、ジャンプなどの筋トレを24日ぶん行ったところ、


次のことがわかった。

・若年、高齢の両グループで麻痺脚、非麻痺脚ともに膝の伸展筋力が大きく向上した。

・若年グループで快適歩行速度がおおきく向上した。

・快適歩行速度は若年、高齢グループともに両脚の筋力と強く関連していた。

若年脳卒中経験者は歩行速度の改善が目的であれば筋力トレーニングが非常に効果的である、


というおはなし。

図:快適歩行スピードと麻痺足筋力


感想:

スクワットとかかと上げは毎日欠かさない。

2016年8月9日

やがて指が開くようになる脳卒中患者の特徴


When Does Return of Voluntary Finger Extension Occur Post-Stroke? A Prospective Cohort Study.
2016  8月  オランダ

脳卒中の急性期に手の指がまったく開かない患者は予後不良が考えられる。そのいっぽうで6ヶ月後には手の機能を再獲得している患者もすくなくない。

このような回復がどの時期に、どういった患者で起きるのか調べてみたそうな。


急性期に手の指がまったく開かない脳梗塞患者100人について 6ヶ月間 手の機能を毎週フォローした結果、


次のことがわかった。

・6ヶ月後 45人がARATスコア10ポイント相当以上の手の機能を再獲得していた。

・彼らの手の指が開くようになった時期の中央値は4週間後だった。

・1.下肢の運動機能がそこそこ良く、

・2.半側空間無視がなくて、

・3.体性感覚機能に障害がない者のほとんど(94%)が6ヶ月後には手の機能を再獲得していた。

脳卒中患者が指を開けるかどうかは4-8週間くらいまでは毎週調べたほうがいい。おもに手だけが麻痺していて空間無視がなく 感覚機能の保たれている患者は6ヶ月後には上肢の機能もいくらか回復していることが期待できる、


というおはなし。

図:指が開く脳卒中患者の割合

感想:

指がかすかに開いたときの感激は忘れられない。0(ゼロ)になに掛けても0だけど、0.1mmでも指が開けばあとは訓練しだい。
「これで治ったも同然!」と瞬間的に確信したよ。

2016年8月8日

脳卒中経験者への体力トレーニングの効果について


Physical Fitness Training for Patients With Stroke
2016  8月  イギリス

脳卒中経験者の心肺持久力、筋骨格系能力は低い。

そこで、体力トレーニングの効果を調べてみたそうな。


体力トレーニングと歩行パフォーマンスに関する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・体力トレーニングの種類は 心肺トレーニング、筋力トレーニング、両者のミックストレーニングの3つに分類できた。

・心肺トレーニングがもっとも効果が大きく、歩行スピードと持久力がほどほどに改善した。

・次いでミックストレーニングでバランス能力が少し改善した。

・筋力トレーニングのみでは統計学的有意な改善は確認できなかった。

・いずれのトレーニングも深刻な有害事象はなかった。

・QOLや認知機能への影響についてはデータが少なく結論がでなかった。

脳卒中経験者への心肺トレーニングまたは筋力トレーニングとの組み合わせは 移動能力やバランス機能の改善にいくらか効果があった、


というおはなし。

図:脳卒中患者への体力トレーニング


感想:

さいきん、筋トレあとのひどい耳鳴りが完全に消えたので次のレベルへの可能性を感じている。

2016年8月7日

脳梗塞やったあと動脈瘤も見つかる確率


Prevalence and Characteristics of Unruptured Cerebral Aneurysms in Ischemic Stroke Patients.
2016  8月  韓国

脳梗塞の患者に未破裂の脳動脈瘤が見つかる頻度を調べてみたそうな。


急性脳梗塞患者955人および同年代の健常者2118人のMRアンギオ記録を見なおした結果、


次のことがわかった。

・脳梗塞患者の7.7%、健常者の3.7%に未破裂脳動脈瘤が見つかった。

・動脈瘤の平均直径は3.75 vs. 3.02mmで脳梗塞患者が大きかった。

・脳梗塞患者の動脈瘤の位置は中大脳動脈に多かった。

・高血圧が脳梗塞患者の動脈瘤と強く関連していた。

脳梗塞患者には健常者よりも高頻度に未破裂脳動脈瘤が見つかりサイズも大きかった。高血圧が脳梗塞患者の動脈瘤リスクになっていた、


というおはなし。

図:脳動脈瘤がみつかる場所

感想:

脳梗塞やったら血液サラサラ薬のまされるんだろ。動脈瘤はどうなっちゃうのさ?

2016年8月6日

重症な脳内出血の発症時間帯は


Circadian variation in clinical features and outcome of intracerebral hemorrhage: The INTERACT studies.
2016  8月  オーストラリア

脳内出血が起きやすい時間帯として朝にピークがあることがわかっている。

そこで 発症時刻と重症度、予後との関連があるものか調べてみたそうな。


脳内出血患者3243人について調べたところ、


次のことがわかった。

・意識障害が重度であるリスクは 発症時刻が0800-15:59の患者に比べ、0:00-07:59の患者で1.72倍、16:00-23:59の患者では1.95倍だった。

・発症時刻と血腫体積、90日後の生活自立度、死亡率との関連はなかった。

意識レベルの低い重症な脳内出血患者は深夜から早朝に発症した場合に多かった。発症時刻と血腫の大きさ 予後との関連はなかった、


というおはなし。

図:脳内出血の起きた時刻と意識レベル

感想:

なぜなのか?

2016年8月5日

脳卒中患者になぞなぞやらせてみた


Ability to solve riddles in patients with speech and language impairments after stroke.
2016  4月  ボスニアヘルツェゴビナ

なぞなぞを解くためには複雑な言語構造を解析する能力が要求される。

そこで、脳卒中患者のなぞなぞを解く能力について実験してみたそうな。


平均年齢69、発症後50日前後の脳卒中患者88人になぞなぞ10問を出し90秒以内に答えさせた。

正答率と言語障害の有無、脳の損傷位置、片麻痺の左右との関連を解析したところ、


次のようになった。

・左側麻痺患者45人の正答率は57%で そのうち7人が言語障害だった。

・右側麻痺患者42人の正答率は37%で そのうち27人が言語障害だった。

・言語障害者の正答率は27%で、

・非言語障害者の正答率は60% だった。

・シルビウス裂周囲の特にウェルニッケ野に病巣があると正答率が低かった。

脳卒中で言語障害のある患者のなぞなぞ正答率は低かった。特に左脳のシルビウス裂周囲に病巣のある患者で顕著だった、


というおはなし。

図:脳卒中言語障害者のなぞなぞ正答率

感想:

言語障害(SLD)あるともっとダメダメかと思ってたけど、意外にガンバってる人おおい。

2016年8月4日

余暇の過ごし方で脳卒中後の認知症リスクがわかる


Relations between Recent Past Leisure Activities with Risks of Dementia and Cognitive Functions after Stroke.
2016  7月  中国

脳卒中のあと認知症になる患者は少なくない。

脳卒中の発症前にどんな余暇活動をしていた者が認知症になりにくいのか調べてみたそうな。


脳卒中患者1013人について、発症前の余暇活動をアンケートして、6ヶ月後の認知症の有無を調べ関連を解析した。

余暇活動は、

*知的活動:読書、麻雀、楽器演奏
*社会活動:教会、ボランティア
*レクリエーション:音楽鑑賞、ガーデニング
*強い有酸素運動:ジョギング、ダンス
*マインドボディ運動:ヨガ、太極拳
*ストレッチ&トーニング運動:ゆっくりウォーキング など

に分けた。


次のようになった。

・この間に88人が認知症と診断された。

・余暇時間を定期的な知的活動に使っていた患者の認知症リスクは0.36倍で、

・次いでストレッチ&トーニング運動の患者で0.37倍だった。

・脳卒中の再発患者でも同様の関連が見られた。

・より多くの活動に参加しているほどミニメンタルステート検査のスコアは高かった。

定期的な知的活動やストレッチ&トーニング運動をしていた脳卒中患者は認知症リスクが低かった。多くの活動に参加していた患者ほど認知パフォーマンスは高かった、


というおはなし。

図:余暇活動と脳卒中後の認知症


感想:

ポケモンGOが適しているかも。これまで60匹捕まえた。

2016年8月3日

知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、、


Music Listening modulates Functional Connectivity and Information Flow in the Human Brain.
2016  7月  アメリカ

好きな音楽を聴くことが脳卒中からの回復に良いといわれている。

その理由を 脳機能測定から探ってみたそうな。


18-82歳の健常者12人について

*自分の好きな音楽
*まったく馴染みのない音楽(日本の雅楽やバッハの曲)
*アフリカの舌打ち言語
*チャプリンの扇情的スピーチ
*アナウンサーの感情のない読み上げ

をそれぞれ聴かせているときのfMRIを撮り、機能結合、インフォメーションフロー等を解析したところ、


次のことがわかった。

・おのおの脳の賦活パターンは非常に異なっていた。

・機能結合的に関連の近いいくつかの音刺激があった。

・もっとも脳が広く反応していたのは 好きな音楽と馴染みのない音楽だった。

・すべての音刺激でブロードマンエリアがもっとも強く反応しており 脳血流を促す効果は明らかだった。

好きな音楽や馴染みのない曲を聴くと脳が広く活動し 機能結合と血流が増加した。これは他の音楽や言語刺激とは対照的だった。このあたりが音楽療法での脳回復に関係があるのかも、


というおはなし。

図:音楽の種類とfMRI



感想:

実はGoogle Play Music を契約して半年くらい。よく知らない国の伝統音楽を検索してはBGMにしている。
聴いてもなんの思い出も連想も浮かばないところがなぜか心地よくて、、、

患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様

2016年8月2日

乳製品は脳卒中的にアジア人にもいいの?


The association between dairy product intake and cardiovascular disease mortality in Chinese adults.
2016  7月  中国

乳製品と脳卒中など心血管疾患死亡率との関連をアジア人で調べてみたそうな。


シンガポールの中国人63257人について食事内容調査を行い、その後の死亡原因をフォローしたところ、


次のことがわかった。

・過去に心血管疾患の経験がなく 乳製品の摂取がもっとも少ない(~1.32g/day)グループに対するもっとも多い(~252g/day)グループの心血管疾患死亡率は0.95倍で、

・脳卒中に限定すると、男性で0.71倍、女性0.86倍だった。

・心血管疾患歴があるとこれらの明らかな関連はなくなった。

乳製品を多く摂るアジア人の脳卒中死亡リスクは低く 特に男性で顕著だった、


というおはなし。

図:乳製品と脳卒中死亡率

感想:

効きが白人と違うみたいなんだよね、、
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに

2016年8月1日

脳卒中予防に適したナッツの量がわかった


Nut intake and stroke risk: A dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
2016  7月  中国

ナッツと脳卒中リスクに関する研究は少なくないが結論はまちまちである。

これまでの研究を総括してみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・14の研究が見つかった。

・ナッツをほとんど摂らないグループに対するもっとも多く摂るグループの脳卒中リスクは0.88倍だった。

・この関連は女性とアジア人で顕著だった。

・摂取量との関連は、1日あたり12gで相対リスクが0.86倍になった。

ナッツ摂取と脳卒中リスクの低下は関連があり、アジア人で顕著だった。1日あたり12g摂るとこの効果がもっとも大きかった、


というおはなし。

図:ナッツと脳卒中

感想:

この数年、なぜかミックスナッツをよく食べている。
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■

 脳卒中をやったなら
 おぼえておきたい回復のヒント100(無料
メールアドレス  例:stroke@example.co.jp


過去7日間で人気の記事ベスト10