2016年9月30日

性活動障害 脳卒中患者と健常者の比較


Sexual disorders in stroke patients compared with control subjects in Benin: A prospective study.
2016  9月  ベナン共和国

脳卒中により性器や性生活に障害が生じることがあるが これらの問題はなかなか表に出にくい。


23-72歳 発症から6ヶ月未満の脳卒中患者67人と同性同年齢の健常者67人について調査したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中は性活動障害の明らかなリスク要因で、健常者にくらべ性機能障害15倍、性的不活発5倍だった。

・男性の場合、勃起不全、射精障害(早漏、遅漏)で、

・女性は 性欲障害、性的興奮障害、腟乾燥、不感症、性交疼痛 だった。

・降圧薬や抗血小板薬の使用がこれらの問題に関連していた。

脳卒中患者の性活動障害は珍しくないのでQoL改善のため適切な対応が必要だろう、


というおはなし。

図:性機能障害 脳卒中患者の

感想:

このテーマ 関心高いわりには くわしい論文めったに出会わない。

2016年9月29日

左脳の半側空間無視と腹側注意ネットワーク


Visual neglect after left-hemispheric lesions: a voxel-based lesion-symptom mapping study in 121 acute stroke patients.
2016  9月  ドイツ

左脳損傷による半側空間無視は 右脳損傷にくらべ頻度はすくなく症状も軽いと考えられている。

その実際のところと 脳のどの部位が深く関連しているのか調べてみたそうな。


急性期の左脳脳梗塞患者121人について半側空間無視の有無を調べ、MRI画像と無視症状との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の17.4%が半側空間無視と診断された。

・右方向への半側空間無視は、左脳の上側頭回 中側頭回 側頭極 前頭弁蓋 島皮質 と関連していた。

・無視症状の重症度は 左脳の前側頭葉や前頭弁蓋と関連があった。

・左脳損傷エリアには 半側空間無視に関連が深いと考えられる右脳の "腹側注意ネットワーク" の対称位置が含まれていた。

左脳の脳卒中患者を調べた結果、多くの患者で空間認識に左脳が必須と考えられた。その関連部位も明らかにできた、


というおはなし。
図:左脳の脳卒中で半側空間無視と腹側注意ネットワーク

感想:

左脳と無視関連でこれ↓思い出した。
左脳をやられると右への気付きがちょっと遅れる

左脳損傷で右の半側空間無視になる患者の割合

2016年9月28日

脳内出血でまもなく亡くなってしまう患者の特徴


Predictors of 30-day mortality in patients with spontaneous primary intracerebral hemorrhage.
2016  8月  ドイツ

脳内出血患者の死亡率は高い。

そこで30日以内に亡くなる割合と、予後不良患者の特徴を調べてみたそうな。


平均年齢67、突発性脳内出血患者342人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者102人が外科手術を受け、240人は保存療法だった。

・30日死亡率は25.15%だった。

・死亡率が高く予後の悪いハイリスクグループは、入院時グラスゴーコーマスケールが11未満で血腫体積が32mLより大きかった。

突発性脳内出血患者の30日死亡率は25%で、入院時の意識状態と血腫の大きさをみれば予後の良し悪しがわかる、


というおはなし。
図:脳内出血と回復度

感想:

上のグラフみると low riskグループがぜんぜんLowじゃないのな、、

2016年9月27日

くも膜下出血が大きな病院を選ぶべき理由


Impact of hospital case-volume on subarachnoid hemorrhage outcomes: A nationwide analysis adjusting for hemorrhage severity.
2016  9月  アメリカ

くも膜下出血の予後は入院した病院の年間症例数に依るとする報告がある。

この点を入院時の重症度も含めて検証してみたそうな。


206-2011の診療報酬データベースから11607件のくも膜下出血患者記録を抽出して 各患者の重症度を考慮に入れて解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の67%が年間症例数20件以上の病院で、33%が20件未満の病院だった。

・血管内治療は 58.5% vs 51.2%で高症例数病院で多く、

・他病院から送られて来た患者も 35.4% vs 19.7%で高症例数病院が多かった。

・高症例数病院の院内死亡率は0.82倍、回復良好率は1.16倍だった。

くも膜下出血の重症度を考慮にいれても、年間症例数の多い病院ほど院内死亡率が低く 機能回復率も高かった、


というおはなし。
図:くも膜下出血と年間症例数

感想:

これ↓思い出した。
手術件数が少ない病院だと生きて帰れないの? くも膜下出血のバアイ

2016年9月26日

TIAのあとまもなく脳梗塞になる日本人の割合と特徴


Incidence, predictors, and etiology of subsequent ischemic stroke within one year after transient ischemic attack.
2016  9月  日本

TIA(一過性脳虚血発作)のあとは脳梗塞のリスクが非常に高まると言われている。

どんなTIA患者が脳梗塞を起こしやすいのか、日本人について調べてみたそうな。


2011-2013に57の病院にかかったTIA患者1245人を1年間フォローしたところ、


次のようになった。

・この間に、8.1%が脳梗塞を起こした。

・主な病因はアテローム硬化による小血管病変で TIAから90日以内に多く、

・TIAから90日以降では心塞栓タイプの脳梗塞が増えた。

・1年間の脳梗塞発症率はABCD2スコアに従い高くなり、0-3ポイントで6.2%、4-5ポイントで7.2%、6-7ポイントで11.6%だった。

TIA後1年間でおよそ8%が脳梗塞になり、ABCD2スコアとよく関連していた。主な病因は小血管病変だった、


というおはなし。
図:TIA後1年間の脳梗塞リスク


感想:

8%って思ってたよりすくないな。

ABCD2スコア↓これ

A:age 年齢 60歳以上(1点)
B:blood pressure 血圧 140/90mmHg以上(1点)
C:clinical features 臨床像 片麻痺(2点)運動麻痺のない言語障害(1点)
D:duraition of symptoms 持続時間 10~59分(1点)60分以上(2点)
D:diabetes 糖尿病 (1点)

2016年9月25日

[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について


Transcranial magnetic stimulation combined with upper-limb training for improving function after stroke: A systematic review and meta-analysis.
2016  9月  ブラジル

rTMS(経頭蓋反復磁気刺激)は非侵襲的な脳治療法である。脳の活動を促す高周波刺激と これを抑制する低周波刺激の選択により脳半球間の活動バランスをコントロールでき、脳卒中片麻痺リハビリに効果的であるとする報告もある。

ほんとうのところはどうなのか、これまでの研究を総括してみたそうな。


rTMSの上肢リハビリ効果に関する信頼性の高い研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・3234の研究から被験者199人を含む11の臨床研究を選んだ。

・"rTMS+通常の上肢リハビリ" と "通常の上肢リハビリのみ" の各場合で運動機能、痙縮度に有意な差は見られなかった。

通常の上肢リハビリにrTMSを加えるべき十分な根拠は存在しない、


というおはなし。

図:TMSの上肢リハビリ効果

感想:

これってスマートフォンの調子が悪いから電子レンジに入れて軽くチンしてみた、って発想にみえるんだよね。

2016年9月24日

50万人調査でわかった 子沢山は脳卒中のもと


Parenthood and the risk of cardiovascular diseases among 0.5 million men and women: findings from the China Kadoorie Biobank.
2016  9月  イギリス

女性は妊娠 出産での生理学的変化から心血管疾患へのなりやすさが高くなるとする報告がある。

子供の数と心血管疾患との関連を男性も含めて大規模に調べてみたそうな。


中国の都市部、農村部各5地域から 30-79歳の男女50万人について子供の数を聞き取り、心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中)の発生を7年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・一人っ子政策により家族に占める子供の数が高齢世代の4人から 若年世代の1~2人に急速に減少していた。

・子供の数が1人増えるにしたがって女性の心血管疾患リスクが2-3%上昇した。

・この関連は男性についても同様だった。

子供の数と冠動脈疾患 脳卒中リスクの関連が男女で似ていた。この関連は生物学的な違いに由来するというよりはライフスタイルや経済状況に依るのかもしれない、


というおはなし。
図:子供の数と脳卒中リスク

感想:

脳卒中予防的には一人っ子政策は正しかったんだな。

2016年9月23日

右の島皮質の梗塞は死亡率が高い その理由とは


Right insular infarction and mortality after ischaemic stroke.
2016  9月  ドイツ

脳卒中の予後は梗塞の大きさや位置が重要で、特に中大脳動脈支配で交感神経制御を司る島皮質へのダメージは回復がよくないと言われている。

そこで、島皮質の梗塞と生存率、左右での違いについて調べてみたそうな。


脳卒中 TIAから24時間以内の患者736人について、MRIを撮り、100日間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・168人が島皮質が梗塞だった。

・この間の生存率は 90% vs. 99%で島皮質梗塞ありグループが明らかに低かった。

・特に、右の島皮質に梗塞があると死亡リスクが非常に高かった。

脳梗塞で右の島皮質が含まれる場合 死亡率がとても高かった。これは研究同意の選択性バイアスのせいかもしれない、、


というおはなし。
図:島皮質の梗塞と生存率

感想:

左脳梗塞の重症患者は失語のために研究同意が取れない。そのため右脳梗塞グループに重症患者が偏って高死亡率になったんじゃないか、、、って反省してた。

2016年9月22日

ミラーセラピーは両側性転移を促す


Mirror Visual Feedback Training Improves Intermanual Transfer in a Sport-Specific Task: A Comparison between Different Skill Levels.
2016  8月  ドイツ

ミラーセラピーは脳卒中で片麻痺のリハビリにも用いられ その効果はミラーニューロンネットワークを介した両側性転移またはクロスエディケーションで説明できる。

これをスポーツスキルの異なる健常者で確かめてみたそうな。


健康でバスケットボール経験のある39人と ほとんど素人の41人について、
右手でドリブル訓練を行った。

このとき、高さ120cmのミラーボックスの前で鏡像を見るグループと、
ドリブルを直視するグループに分けた。

4日間の訓練の後、左右各々の手でのドリブルパフォーマンスの改善度を比較したところ、


次のようになった。

・ミラー無しグループのパフォーマンス改善度を明らかに上回っていたのは、ミラーフィードバックがあるバスケ経験者の左手ドリブルのみだった。

両側間の運動能力転移がミラーフィードバックにより強化されたと考えられた。しかしこの効果は個人のスキルレベルに影響される、


というおはなし。
図:ミラーフィードバック ドリブル

感想:

なるほどねぇ~

2016年9月21日

痙縮を解く 高周波振動刺激が流行る予感


Short-term effect of local muscle vibration treatment versus sham therapy on upper limb in chronic post-stroke patients: a randomized controlled trial.
2016  9月  イタリア

筋肉への振動刺激治療のうち、さいきん特に高周波数(100-500Hz)での治療効果が注目されている。

脳卒中の上肢麻痺患者で検証してみたそうな。


平均年齢62、発症から3年前後の脳卒中片麻痺患者32人について、

*振動刺激グループ
*偽刺激グループ

に分けた。

振動刺激は、300Hz 振幅2mmの局所振動を 上腕、前腕、親指の筋肉に与える。これを1回30分間x 週3回 計12セッション行った。


次のようになった。

・治療終了後4週間時点で、振動刺激グループが握力、疼痛、QoL、痙縮の改善で明らかに優れていた。

慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者に高周波数振動刺激を4週間施したところ 握力や痙縮が著しく改善できた、


というおはなし。
図:筋肉局所振動刺激

感想:

アマゾンで売れ筋のハンディ電動マッサージ器の仕様をみると 振動数が最大で100Hzほど。1900円でお買い得。使いみちが多様で なぜか女性にも大人気。

2016年9月20日

やはり 両手訓練 >>片手訓練 だった


The effects of bilateral movement training on upper limb function in chronic stroke patients.
2016  9月  韓国

脳卒中の上肢訓練を片手のみで行うと同側の脳半球の活動が抑制されてしまう。しかし両手訓練であればこの抑制が外れ さらに上肢間カップリング効果による回復も期待できる。

このあたりを検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者25人を両手訓練グループと片手訓練グループに分けた。

リング掛け、雑巾がけ、水飲み課題の訓練を6週間継続し、成果をボックス&ブロックテストで、肩ひじ動作の大きさとゆらぎを3Dモーション解析したところ、


次のようになった。

・両グループでボックス&ブロックテストの結果に差はなかった。

・肩関節運動の大きさは両手訓練グループのほうが明らかに改善していた。

・肘関節でのグループ間の差はなかった。

慢性期脳卒中患者の上肢訓練は片手ではなく両手で行うべきである、


というおはなし。
図:両手訓練と片手訓練


感想:

麻痺側の手足を動かすときは 「もし麻痺がなかったらどんな感じだろう…?」という視点で いつも健常側を意識している。

だから麻痺側のみの強制訓練なんて想像つかないんだ。

2016年9月19日

カイロプラクティックで脳卒中の件 Twitterでの評判は...


Chiropractic and Spinal Manipulation Therapy on Twitter: Case Study Examining the Presence of Critiques and Debates.
2016  9月  カナダ

カイロプラティックなど脊椎徒手整復術の効果や脳卒中の危険性について Twitter(ツイッター)上でどのくらい話題になっているものか調べてみたそうな。


2015年12月の関連ツイート31339件からボットやスパムを除いた20695件について分析したところ、


次のことがわかった。

・全体の2.68%のツイートが懐疑的、批判的な内容だった。

・ADHDや免疫システム、血圧への効果に関するツイートのほとんどすべてが好意的なものだった。

・脳卒中や椎骨動脈乖離の危険性についてのツイートは全体の0.1%にすぎなかった。

カイロプラティックなど脊椎徒手整復術についてのツイートは健康上のメリットを示すものがほとんどで、その効果に対する疑いや脳卒中リスクに関するものは皆無に等しかった、


というおはなし。

図:カイロプラティック in Twitter


感想:

ツイッターは敷居が高い。いくつかアカウント持ってはいるものの 怖くて1度も返信したことがない。フェイスブックにいたっては いまだ友達ゼロ…
[動画]カイロプラクティックに行って脳梗塞で死んでしまった若者にまつわるストーリー

カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ

2016年9月18日

血清カルシウム濃度と脳内出血の拡大


Association Between Serum Calcium Level and Extent of Bleeding in Patients With Intracerebral Hemorrhage.
2016  9月  アメリカ

カルシウムは血液の凝固プロセスで重要な役割を担っている。そこで、血清カルシウム濃度と脳内出血での血腫の大きさとの関連を調べてみたそうな。


脳内出血患者2103人の入院時の血清カルシウム濃度およびCTによる血腫の体積、増大を調べ関連を解析した。

低カルシウム血症は8.4mL/dl未満、血腫増大は元の30%または6mL以上と定義した。


次のことがわかった。

・10.9%が低カルシウム血症だった。

・カルシウム濃度と血腫体積は明らかに関連があり、37mL vs.16mL で低カルシウム血症患者の血腫が標準カルシウム患者より大きかった。

・カルシウム濃度が高いと血腫増大リスクは低下した。

低カルシウム血症は脳内出血患者の血腫の大きさと関連があった。凝固異常が関係しているのかもしれない、


というおはなし。
図:カルシウムと脳内出血

感想:

決めた。これから毎日牛乳のむ。
カルシウムが少ないと脳内出血になったときたいへん

2016年9月17日

プッシャー症候群からの回復


Case-Control Study of Impairments Associated with Recovery from "Pusher Syndrome" after Stroke: Logistic Regression Analyses.
2016  9月  アメリカ

脳が損傷を受けると身体が反対側に傾きやすくなる。この傾向を lateropulsion(ラテロパルジョン)と言い、特に脳卒中での場合をPusher Syndrome(プッシャー症候群)と呼ぶ。

どういう患者がプッシャー症候群から回復しやすいのか調べてみたそうな。


脳卒中でプッシャー症候群の患者134人の医療記録から入院時の機能的自立度、運動機能、認知能力等を調べ 回復度との関連を解析したところ、

次のようになった。

・損傷脳の左右および年齢、入院時の運動機能、認知能力等のスコアを評価することでプッシャー症候群からの回復可能性をかなり正確に予測できた。

・半側空間無視の有無は影響しなかった。

損傷脳の左右と入院時の身体機能を調べることでプッシャー症候群からの回復を予測することができた

というおはなし。
図:ラテロパルジョン


感想:

だいぶん前に こういう症状があると知ったおかげで 無意識のうちに傾いている自分に気付けるようになった。

さいきんは傾いてないと思う。

2016年9月16日

脳卒中のあとのうつは最初の3ヶ月に集中する


Incidence of Depression After Stroke, and Associated Risk Factors and Mortality Outcomes, in a Large Cohort of Danish Patients
2016  9月  デンマーク

脳卒中後のうつの研究は これまで規模の小さいものが多かった。

そこで 脳卒中とうつとの関連を大規模に調べてみたそうな。


デンマークの脳卒中患者157243人と年齢性別の一致する健常者160236人について2年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者の25.4%が、健常者の7.8%がうつと診断された。

・脳卒中患者のうつの半数以上は最初の3ヶ月間に集中し、この期間でのうつ発生率は健常者の8.99倍だった。

・年齢、女性、一人暮らし、糖尿病、うつ歴、重症度が脳卒中後うつに関連していた。

・うつに関連した死亡率は、健常者グループのほうが脳卒中患者よりも倍ちかく高かった。

脳卒中後のうつは珍しくなく はやい時期に集中し 死亡率の高さとも関連していた、


というおはなし。
図:脳卒中後うつ

感想:

椅子に座っているのに 床を突き抜けて身体全体が地面に沈んでゆくような気分の落ち込み、、しいて言えば。

2016年9月15日

太り過ぎで脳卒中になった...痩せるべきか?


Association of BMI with total mortality and recurrent stroke among stroke patients: A meta-analysis of cohort studies.
2016  8月  中国

脳卒中経験者の肥満度と死亡、再発リスクとの関連をこれまでの研究から調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者122472人を含む15の研究がみつかった。

・標準体重者にくらべ肥満の死亡リスクは明らかに低く0.83倍、逆に痩せていると1.54倍になった。

・有意なほどではないが同様の傾向が再発リスクについてもみられ、

・BMIと死亡 再発リスクの非線形な関連が確認できた。

肥満は脳卒中経験者の死亡 再発を防ぐ効果がありそうである、


というおはなし。
図:BMIと脳卒中再発リスク

感想:

このテーマは何度も出てて、ようするに、

肥満がきっかけで脳卒中になってしまった人は、 周囲の「痩せなさい」圧力に屈することなく開き直って一生肥満を貫くべきである、

ってことを示しているんだと思う。

2016年9月14日

多剤投与と薬物相互作用 脳卒中患者の場合


Potentially Serious Drug-Drug Interactions in Older Patients Hospitalized for Acute Ischemic and Hemorrhagic Stroke.
2016  9月  イタリア

いまや高齢者への多剤投与は珍しくなく 薬物相互作用の危険性は常にある。

脳卒中患者について薬物相互作用の可能性と 脳卒中との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の急性期脳卒中患者146人について、入院時の投薬内容を調べ薬物相互作用の種類 および脳梗塞、脳出血との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・薬の平均投与数は5.8で、

・582種類の薬物相互作用の組み合わせが確認でき、

・18種類では軽度、415種類は中程度、149種類は深刻な危険度だった。

・患者の61%が1種類以上の深刻な薬物相互作用にさらされていた。

・脳梗塞患者では 深刻な薬物相互作用を1種類以上持つ割合が、74 vs. 50% で初回患者よりも再発患者に多かった。

・脳卒中を引き起こす可能性の高い薬物相互作用の組み合わせが、脳梗塞患者の17%、脳出血患者の19%に確認できた。

高齢の脳卒中患者で 深刻な薬物相互作用の危険にさらされている割合が非常に高かった、


というおはなし。

図:薬物相互作用 脳卒中患者での


感想:

降圧薬をキッパリと勝手にやめてから1年半以上経つ。

頻尿はただちに解消した。血圧は薬飲むまえよりも明らかに低く つねに140/90辺りにある。

2016年9月13日

BDNFって脳卒中やると少なくなるの?


Decreased Brain-Derived Neurotrophic Factor Serum Concentrations in Chronic Post-Stroke Subjects.
2016  9月  ブラジル

脳由来神経栄養因子(BDNF)は 脳卒中のあとの感覚運動機能の回復に重要な役割を担うタンパク質である。

そこで脳卒中患者についてBDNFの量を健常者と比較してみたそうな。


平均年齢62、発症から6ヶ月以上の脳卒中で片麻痺の患者17名と 同性 同年齢の健常者17名について血液中のBDNF濃度を測定したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者のBDNF濃度は健常者の57%程度だった。

・BDNF濃度と脳卒中からの期間、年齢、QoL、移動能力、上肢機能との関連は見られなかった。

慢性期脳卒中患者の血中BDNF濃度はかなり低下していた、


というおはなし。

図:片麻痺患者のBDNF

感想:

これ↓思い出した。
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について

傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2016年9月12日

脳卒中リハビリ用ロボットアームの効果は...?


Effects of Robot-Assisted Therapy for the Upper Limb After Stroke: A Systematic Review and Meta-analysis.
2016  9月  オランダ

ロボット技術を応用した脳卒中リハビリが数多く試みられている。そこで、上肢麻痺へのロボット支援リハビリのこれまでの成果をまとめてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者1362人を含む44の研究がみつかった。

・深刻な有害事象はなかった。

・麻痺手の運動機能と筋力改善に僅かではあるが有意な効果が認められた。

・筋緊張が増える傾向があった。

・上肢の総合能力と日常生活動作上の改善はなかった。

・肩や肘、肘や手首に特化したロボットで僅かな効果が認められた。

ロボット支援により脳卒中で麻痺した上肢の訓練回数を安全に増やすことができる。しかしその効果はわずかで適応関節範囲は限定的だった。実験条件や方法がまちまちであり上肢リハビリ効果を一般化することはできなかった、


というおはなし。

図:ロボット支援上肢リハビリの効果

感想:

ロボット義手の話なら興味あるけど これはまったく別。

腕が傷ついたわけではなく脳に問題が起きたのに、機械で腕を振り回してどうしようというのか、、、

2016年9月11日

麻痺した手が開く新しい電気刺激法とは


Contralaterally Controlled Functional Electrical Stimulation Improves Hand Dexterity in Chronic Hemiparesis
2016  9月  アメリカ

脳卒中で麻痺して指が開かない状態への 神経筋電気刺激(NMES)と 新しい機能的電気刺激(FES)の効果を比べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上で中等度-重度麻痺の脳卒中患者80人を次の2グループに分けた。

*cNMESグループ:麻痺手に不随意の電気刺激を繰り返し与える。

*CC(対側制御)FESグループ:健常側の手にはめたグローブに内蔵された曲げセンサーに同期した電気刺激が麻痺手に随意的に伝わる。

12週間の治療訓練のさらに6ヶ月後にボックス&ブロックテスト他 上肢機能を評価し比較したところ、


次のようになった。

・ボックス&ブロックテストのスコアは、4.6 vs. 1.8 でCCFESグループが高く 2.8ポイントの差があった。

・上肢の総合能力でグループ間の有意な差はなかった。

・発症から2年未満で10度以上手首と指を開くことのできる中等度麻痺の患者がもっとも回復が良く、

・その条件に限定すると、ボックス&ブロックテストスコアは9.6 vs. 4.1になりその差はさらに広がり5.5ポイントになった。

対側制御FESは従来型のNMESよりも手指リハビリに効果があった、


というおはなし。
図:対側制御FES

感想:

筋電信号を拾ってトリガーにするタイプよりも再現性は桁違いだろね。

健常な手に連動して麻痺手が開く。進化型ミラーセラピー って印象を持った。

2016年9月10日

脳卒中のあと突発性難聴になりやすいは本当?


Risk of sudden sensorineural hearing loss in stroke patients: A 5-year nationwide investigation of 44,460 patients.
2016  9月  台湾

脳卒中のあとの突発性難聴は周囲とのコミュニケーションを困難にしリハビリの妨げとなる。

実際のところ 脳卒中と難聴が関連があるのか、調べてみたそうな。


台湾の健康保険データベースより脳卒中患者11115人と他の病気の患者33345人を抽出し、突発性難聴の有無を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中患者の66人が、その他患者の105人が突発性難聴になった。

・発症率は年間1000人あたりそれぞれ、1.19人 vs. 0.63人で2倍の差があった。

・発症後1年間に限定すると脳卒中患者の突発性難聴リスクは5.65倍だった。

脳卒中患者の突発性難聴リスクは高かった。特に脳卒中から1年内ではリスク5倍以上だった、


というおはなし。

図:ヒラリー・クリントン脳梗塞疑惑 突発性難聴 後遺症

感想:

ヒラリー・クリントンが集会で着けていたイヤフォンが脳梗塞後の難聴をカバーするため?というニュース疑惑とちょうど重なって関心をもった。

2016年9月9日

脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった


Adiposity and ischemic and hemorrhagic stroke
2016  9月  イギリス

肥満度BMIと脳梗塞、脳出血との関連を大規模に調べてみたそうな。


平均年齢57のイギリス女性1300万人について12年間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に9993件の脳梗塞、5852件の脳出血があった。

・肥満度BMIが5増えるごとに脳梗塞リスクは1.2倍になり、脳出血リスクは0.9倍になった。

・脳内出血とくも膜下出血はほぼ同様の関連だった。

・過去の研究も似たような傾向を示していた。


イギリス女性では肥満度BMIがあがると脳梗塞リスクが上昇するいっぽう、脳出血リスクは低下した、


というおはなし。
図:肥満度と脳梗塞、脳出血リスク

感想:

グラフみるとBMI 25~27くらいがいちばんオイシイ感じだね。

あと20キロ増やさなくては、、

2016年9月8日

半側空間無視に左手使用を促す方法とは


Rehabilitation of hemineglect of the left arm using movement detection bracelets activating a visual and acoustic alarm.
2016  9月  スペイン

脳卒中で右脳を損傷した患者の多くは半側空間無視を経験する。このとき大して麻痺していなくても左腕に気づかずその使用頻度が低下する。

そこで左腕の使用を促すアラーム機能を備えた加速度センサーブレスレットの効果を実験してみたそうな。


半側空間無視の患者9人について、両腕に加速度センサーブレスレットを着け、両腕の使用頻度の非対称性が大きくなったときアラームが鳴るよう設定した。

このブレスレット装着を1週間継続し、その前後、30日後での歩行時の腕の振り、ボタン留、洗顔、トレイ運び、ナイフ&フォークの両腕動作の非対称性を評価したところ、


次のことがわかった。

・両手使用頻度の非対称性はブレスレット装着時には改善した。

・この効果は視覚フィードバックを要するトレイ運びやフォーク&ナイフ動作で顕著で、歩行時の腕の振りや洗顔動作ではわずかだった。

・アラームをオフにするとすぐに元に戻ってしまった。

半側空間無視の両腕使用を加速度センサーアラームで促したところ、改善は視覚制御の必要な動作に限られ、効果はまったく持続しなかった、


というおはなし。
図:半側空間無視の両腕の非対称性

感想:

いまだに気を抜くと左肩をドアや柱にぶつける。

ポケモンGo プラスが出たらちょと恥ずかしいが左腕に着けてみたい。
触覚はないけど振動刺激ならわかるんじゃないかと思うんだ。

2016年9月7日

じつは上肢リハビリがほとんど行われていなかった!


What is current practice for upper limb rehabilitation in the acute hospital setting following stroke? A systematic review.
2016  7月  オーストラリア

脳卒中の急性期は回復著しくリハビリ成果のあがる時期である。

そこで理学療法PT、作業療法OTに費やされる時間を求めてみたそうな。


脳卒中の発症後およそ30日以内のリハビリに関する過去の研究を厳選してPT OTに要した時間のうち上肢リハビリに費やした時間も調べたところ、


次のことがわかった。

・被験者3236人を含む7つの研究がみつかった。

・PT+OTの総時間は1日あたり平均36.7分で、

・そのうち7.9分 21.4%のみが上肢リハビリにあてられていた。

脳卒中の急性期リハビリのPT OTの総時間のうち上肢リハビリにあてられる時間はほんの僅かだった、


というおはなし。
図:上肢リハビリに割く時間

感想:

歩行訓練は付き添っていないと危ないから必然的に時間を食う。

それに対して上肢リハビリは患者ひとりでできる。しかも訓練量が成果に反映せず 回復できる人はなにもしなくても勝手に良くなることが経験的によくわかっている。

だから省略しちゃうんだね。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

2016年9月6日

脳卒中後の認知症は亡くなるサイン


Association of dementia with death after ischemic stroke: A two-year prospective study.
2016  9月  中国

脳卒中のあとに認知症になった患者の生存率を調べてみたそうな。


619人の脳梗塞患者について、入院中と3ヶ月後に認知症検査を行い、2年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・23.6%が脳卒中のあとに認知症と診断された。

・フォロー期間中の生存率は、認知症ありで49.3%、認知症なしだと92.5%だった。

・認知症があると死亡リスクは7倍で、

・この関連は年齢、心房細動、脳卒中歴、重症度に依らなかった。

脳卒中後の認知症は非常におおきな死亡要因の1つであり、この関連は年齢や心房細動、脳卒中歴、重症度に依らなかった、


というおはなし。

図:脳卒中後の認知症と生存率

感想:

年齢、重症度によらないってとこがこわい。

2016年9月5日

脳梗塞患者が何歳ぶん老化がすすんでいるのかわかった


Ischemic stroke patients are biologically older than their chronological age.
2016  8月  スペイン

DNAの特定領域のメチル化率には生物学的な老化度が反映されていると考えられる。

そこで、脳梗塞患者についてメチル化率を調べ健常者との比較から経時的な年齢と生物学的な年齢を比べてみたそうな。


39-82歳、82人の脳梗塞患者および41人の健常者について、
イルミナ社のDNAチップを用いてCpGサイトのメチル化解析を行ったところ、


次のことがわかった。

・同年齢の健常者に比べ、脳梗塞患者の生物学的な年齢は平均で2.5歳高かった。

・年齢層別にみると、57歳以下の脳梗塞患者では健常者よりも生物学的年齢が明らかに高く、

・年齢が高くなるほどこの差は小さくなった。

脳梗塞患者は同年齢の健常者よりも生物学的年齢が高かった、


というおはなし。
図:脳梗塞患者の実年齢と生物学的年齢



感想:

15年ほどまえ、メチル化解析を1文字ずつせっせとやってた思い出。

グラフみるとたとえば45歳で脳梗塞だと55歳相当だな、、

2016年9月4日

麻痺した足を動かしてあげたら脳も頑張ってた


The Effect of Passive Movement for Paretic Ankle-Foot and Brain Activity in Post-Stroke Patients.
2016  8月  ハンガリー

脳卒中で麻痺した足の受動運動の繰り返し効果とその際の脳活動を調べてみたそうな。


64人の脳卒中患者について、
30分間の底屈 背屈を自動的に行う受動グループ49人とそうしない15人にわけた。

並行して受動運動直後のfMRI測定もおこなった。


次のことがわかった。

・受動運動グループでは痙縮度が低下し、

・底屈 背屈の可動域が増え、

・尖足が明らかに改善した。

・麻痺した足首の受動運動により反対側の中心前後回 上側頭回に活動がみられ

・同側の中心後回や小脳にも反応が確認できた。

麻痺足首の受動的な繰り返し運動により関節可動域と痙縮が改善し、両側の関連する脳皮質にも反応が見られた、


というおはなし。

写真:足首受動運動


感想:

うごかしてもらってるだけなのに体性感覚のみでなく運動野も反応すんだね、、

2016年9月3日

6年後にも疲労で悩んでいる脳卒中経験者の割合は


Self-Reported Fatigue and Associated Factors Six Years after Stroke.
2016  8月  スウェーデン

慢性的な疲労は脳卒中のあとに珍しくない。長期的にどのくらいの患者が疲労に悩まされているのか調べてみたそうな。


脳卒中患者102人を6年ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・6年後 37%の患者が疲労を訴えていた。

・脳卒中が軽症よりも中等度以上の患者で疲労は多く、

・うつや不安障害の兆候を示す者も多かった。

脳卒中から6年後、3分の1の患者が疲労を日常生活上の問題と感じていた、


というおはなし。





感想:

疲労問題にはだいぶん慣れた。
当初の疲労感があまりにすごかったばかりに、疲れそうなことを無意識に回避する癖が染み付いてしまったような気もする、、

たとえば ロングドライブにはまっっったく関心がなくなってしまった。

2016年9月2日

失音楽症と関係する脳の場所がわかった


Neural Basis of Acquired Amusia and Its Recovery after Stroke.
2016  8月  フィンランド

失音楽症は音の細かい高さやリズムがわからなくなる症状で、脳卒中のあとによく経験される。これが脳のどの部位と関係しているのか調べてみたそうな。


77人の脳卒中患者について、急性期と3,6ヶ月後にMRI撮影および失音楽症、失語症の検査を行った。
この結果をVLSM解析して脳の損傷部位との関連を求めたところ、


次のことがわかった。

・失音楽症は右脳の上側頭回、横側頭回、島皮質、線条体の損傷と関連していて、

・失語症でのパターンとは明らかに異なっていた。

・失音楽症が回復しなかった患者の右の上 中側頭回の灰白質体積が明らかに減少していた。

・この脳萎縮パターンは、失音楽症のリズムの障害、音の高さの障害で はっきりと異なっていた。

脳卒中後の失音楽症は右脳 側頭の皮質下の領域と深い関係にありそうである、


というおはなし。
図:失音楽症と脳の部位



感想:

じぶんは↓(動画) まさにその辺りに出血おこしたわけで、


発症数日後にiPodで音楽聴いたら 茶碗か空き缶を連打しているように聴こえて 『あらあら こんなとこまでやられたのか、、』と思った。

2016年9月1日

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!


Enhanced apoptosis from early physical exercise rehabilitation following ischemic stroke.
2016  8月  中国

脳卒中後の回復は リハビリをどのタイミングで始めるかにかかっている。虚血による脳の細胞死(アポトーシス)と関連タンパク質からこれを調べてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミについて、再還流後

*6時間(ネズミの超早期に相当)
*24時間
*3日

の各時点でリハビリ(回転棒運動30分)を開始するグループに分け、アポトーシスとその促進タンパク質の量を測定した。


次のことがわかった。

・全体として 脳虚血により脳の細胞死が明らかに増加した。

・運動させない場合にくらべ、6時間後に運動させたグループでのみ細胞死が激増した。

・24時間、3日後のグループでは細胞死のさらなる増加はなかった。

・細胞死の増加には促進タンパク質 BAX と caspase-3 が関わっていたが、Bcl-2は関連がなかった。

脳虚血後、超早期リハビリによってアポトーシス促進タンパク質が増え 脳細胞がどんどん死んだ、


というおはなし。

図:超早期リハビリの害

感想:

効果ないばかりか害なんだな、、↓
ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■

 脳卒中をやったなら
 おぼえておきたい回復のヒント100(無料
メールアドレス  例:stroke@example.co.jp


過去7日間で人気の記事ベスト10