2017年3月31日

糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由


Diabetes mellitus and the risk of aneurysmal subarachnoid haemorrhage: A systematic review and meta-analysis of current evidence.
2016  12月  中国

さいきん糖尿病がクモ膜下出血リスクの低下と関連があるとする報告がいくつかでてきた。

はたしてそうなのか、これまでの研究を再検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血と糖尿病に関係する研究を厳選して データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・18の研究がみつかり、このうち6件は日本のものだった。

・全体的に糖尿病があるとクモ膜下出血リスクが低かった。

・研究の質にはバラつきが小さくなく、

・特にハイクオリティな研究でクモ膜下出血のリスク低下が大きかった。

一部の質の高い研究で 糖尿病が脳動脈瘤の破裂リスクを低下させる可能性が示された。原因をたしかめるべくさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:糖尿病とクモ膜下出血リスク

感想:

動脈瘤に貼り付いたアテロームのおかげで破れにくくなるのではないか、、、って言ってる。

歯に自信のある爺さんが数十年ぶりに歯医者に行き ながねん積もらせた歯石をぜんぶ取ってもらったところ すぐにぜんぶの歯が抜けてしまった、という話を思い出したよ。

2017年3月30日

脳卒中を防ぐヨーグルトの量がわかった


Consumption of Yogurt and the Incident Risk of Cardiovascular Disease: A Meta-Analysis of Nine Cohort Studies.
2017  3月  中国

乳製品と脳卒中など心血管疾患との関連についてまとめた研究はあるが、ヨーグルトに特化したものはまだない。

これまでの研究からヨーグルトの摂取量と心血管疾患との関連をしらべてみたそうな。


関係する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・全体として、ほとんど摂らないグループに比べもっとも多く摂るグループの心血管疾患リスクには差がなかった。

・しかし摂取量が1日あたり200gを超えるグループに限定すると心血管疾患リスクは明らかに低く、

・より多く摂るほどそのリスクはさらに低くなった。。
ヨーグルトは毎日200g以上摂ると心血管疾患の予防効果が期待できる、


というおはなし。
図:ヨーグルト摂取量と脳卒中リスク

感想:

200グラム、、ありえない量ではないな。

[ヨーグルト]の検索結果。

2017年3月29日

アスピリンでクモ膜下出血を予防できるはほんとうか


Aspirin and Risk of Subarachnoid Hemorrhage
Systematic Review and Meta-Analysis

2017  3月  オーストラリア

さいきん抗血小板薬のアスピリンがクモ膜下出血を予防するという噂がまことしやかに語られている。ほんとうかどうか、これまでの研究を検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血とアスピリンに関する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・7つの研究がみつかった。

・全体としてアスピリン使用者と非使用者でのクモ膜下出血リスクに差はなかった。

・ただし3ヶ月未満の使用に限っては、クモ膜下出血リスクが明らかに上昇した。

・3ヶ月以上 さらに3年以上の使用ではリスクの差はなかった。

・週2回以下、週3回以上の頻度別にわけてもリスクの差は確認できなかった。

これまでの研究によると、アスピリンは使い始めの3ヶ月間にクモ膜下出血のリスクが高くなった。長期使用 低用量での予防効果も確認できなかった、

というおはなし。
図:アスピリンとクモ膜下出血


感想:

毒をもって毒を制す?

最初の3ヶ月間アスピリンの攻撃をのりきった患者には、過剰耐性を獲得して血管がやぶれにくくなる者が現れる...ってことか。

2017年3月28日

脳卒中で幻覚がおきる患者の割合と特徴


Visual hallucinations in patients with acute stroke: a prospective exploratory study.
2017  3月  スペイン

視覚に関係する脳内の経路は多岐に及んでいることから脳卒中で幻覚が生じる可能性は低くない。しかし脳卒中患者の幻覚についての報告はこれまであまりないので、くわしくしらべてみたそうな。


発症から24時間以内の急性期脳卒中(脳梗塞、脳出血)患者77人について調査したところ、


次のことがわかった。

・13人 16.7%で幻覚がおき、10人は3日以内に経験していた。

・幻覚は1日以上続かず、すべて自然に治まっていた。

・幻覚内容のおおくは複雑で白黒の映像だった。

・幻覚の有無は年齢、性別、重症度によらなかった。

・脳の病変が後頭部にある場合や入院前に睡眠障害があるケースで幻覚がおおかった。

急性期脳卒中の幻覚はめずらしくなく自然に治っていた。後頭葉の損傷や睡眠障害で幻覚がおきやすかった、


というおはなし。
図:幻覚をみた脳卒中患者

感想:

数日後、ベッドのテーブルからたくさんの小さな虫が湧き出てくる幻覚をみたよ。あと幻肢も。

2017年3月27日

再発予防にワルファリンをすすめられた日本人の末路


Clinical Features and Prognosis in Patients with Atrial Fibrillation and Prior Stroke: Comparing the Fushimi and Darlington AF Registries.
2017  3月  日本

心房細動患者の脳卒中の特徴は民族によって異なるという。

脳卒中経験のある心房細動患者を日本人とイギリス人でくらべてみたそうな。


京都 伏見の患者688人とイギリス ダーリントンの患者428人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・日本人患者の年齢はとても若く、女性がすくなかった。

・心原性脳塞栓症の可能性を示すCHA2DS2-VAScスコアは日本人が低かったが、

・抗凝固薬を処方された患者は日本人のほうがはるかに多かった。

・日本人の再発率は明らかに低かったが 総死亡率は著しく高かった。

脳卒中歴のある心房細動患者の再発率はイギリス人のほうが高かったが、抗凝固薬を使っている患者は少なかった。日本人は再発率は低かったが 総死亡率は高かった、


というおはなし。
図:心房細動 死亡率 日本

感想:

まとめると、

再発予測スコアが低くても積極的にワルファリンを与えられる。

若いのによくわからない原因で突然死する患者が続出。

しかし再発率は抑えることができたのでビジネスとしては成功。

身を挺して集団に貢献する日本民族固有の医療観ということかな。

2017年3月26日

タバコと脳卒中後のせん妄


Cigarette smoking is an independent risk factor for post-stroke delirium.
2017  3月  韓国

軽い意識障害を伴い錯覚や幻覚を訴えるいわゆる "せん妄"は脳卒中のあとにおきやすい。せん妄があると入院が長引き死亡率も高いと考えられている。

脳卒中患者の10-30%がせん妄を起こすが そのリスク要因はよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


脳梗塞患者576人について調べたところ、


次のことがわかった。

・6.7%で脳梗塞急性期にせん妄が起きた。

・せん妄の患者は明らかに高齢で かつ喫煙頻度がひじょうに高かった。

・また、せん妄の患者は脳半球が広く損傷し 退院時と3ヶ月後の機能回復の不良率がとても高かった。

・せん妄の独立リスク要因は、高齢、喫煙、脳半球の広い損傷だった。

脳梗塞患者のせん妄は 入院して喫煙を急に止めたことがきっかけになっているかもしれない、


というおはなし。
図:脳卒中後のせん妄患者の機能回復度

感想:

ニコ中にとってタバコはくすりだからな、、

2017年3月25日

チョコレートと日本人の脳卒中


Chocolate consumption and risk of stroke among men and women: A large population-based, prospective cohort study.
2017  3月  日本

これまでチョコレートが脳卒中予防になるという西洋人を対象にした報告がいくつかある。

日本人で大規模にしらべてみたそうな。


44-76歳で健康な 男性38182人と女性46415人について、1995-1998年に食事調査を行いチョコレート摂取量を推定した。
13年間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。
・この間に3558人が脳卒中になった。

・年齢、体重、身長などを考慮してなお チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった。

・男性については統計学的有意な影響は見られなかった。

・この関連は脳卒中の種類(脳梗塞、脳出血)によらなかった。

日本人について大規模に調査した結果、チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった、


というおはなし。
図:チョコレートと脳卒中

感想:

こどもの頃とちがって もはやチョコレートにはスペシャル感のかけらもない。
体温で溶けてベトベトになるやっかいな食べ物のイメージ。

[チョコレート] の検索結果。

2017年3月24日

クモ膜下出血がおこる気象条件


Oceanic Meteorological Conditions Influence Incidence of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  3月  フランス

脳卒中の5%を占めるクモ膜下出血は、85%が脳動脈瘤の破裂による。クモ膜下出血と気象条件との関連についての研究は数多くあるが結論はでていない。

今回、酸素分圧も考慮してその関連をしらべてみたそうな。


大西洋岸から45kmの海洋性気候都市のクモ膜下出血患者71人について
発症前72時間から発症後24時間までの気象条件を確認した。酸素分圧も推定して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・クモ膜下出血リスクは春と秋に高かった。

・大気圧が1010hPaより高く酸素分圧が高いときに最もリスクが高く、

・大気圧が990hPaより低く 酸素分圧も低いときに最もリスクが低かった。

・発症の前には大気圧の明らかな低下と 酸素分圧の低い状態が続いた。

クモ膜下出血は低気圧のときにはおきにくく、高気圧が48時間以上続くとおきやすかった。酸化ストレスが動脈瘤の破裂に関係しているのかもしれない、


というおはなし。

図:気圧とクモ膜下出血


感想:

台風一過の数日後があぶないのか?

2017年3月23日

リコピンの脳卒中予防効果は本当か


Lycopene and risk of cardiovascular diseases: A meta-analysis of observational studies.
2017  3月  中国

リコピンはトマトなどの野菜 果物に含まれるカロチンの一種で抗酸化作用を持つ。リコピンが脳卒中など心血管疾患を防ぐという報告がいくつかある。

そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


過去の関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・14の研究がみつかった。

・リコピンが多いと心血管疾患が明らかに減少した。

・食事からのリコピン摂取量と血中濃度のいずれについても同様の関連があった。

・食事からのリコピン摂取量がおおいと冠動脈疾患と脳卒中が明らかに減少した。

・リコピンの血中濃度については脳卒中とのみ関連が確認できた。

リコピンには脳卒中など心血管疾患を予防する効果があった。そのメカニズムについてのさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:リコペンの脳卒中予防メカニズム

感想:

リコペンなのかリコピンなのか悩んだ。発音が "ライカピーン"と知ってますます悩んだ。

[トマト]の検索結果。

2017年3月22日

脳損傷の音楽療法のいま


Music interventions for acquired brain injury.
2017  1月  アメリカ

事故や病気で脳に損傷を負った患者へのリハビリ手段の1つとして音楽療法がある。
たとえばリズムに合わせて歩行動作を円滑にする、歌いながら発話 発声を促す、リスニングで疼痛や気分を癒やす、といったものがある。

これまでの研究成果をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者775人を含む29の研究がみつかった。

・音楽リズムが歩行とQoLの改善に役立った。

・音楽療法は腕の反復動作スピードやコミュニケーション能力の改善にも効果があった。

・単に拍子をとるよりも音楽と拍子を組み合わせることでより効果がでた。

・音楽療法の専門家が行うほうが効果的かも。

・有害事象を報告する研究はなかった。

・データの多くは偏りが強く エビデンスの質は概ね低かった。

音楽療法は歩行や上肢機能、コミュニケーション能力、QoLの改善に役立つかもしれない。よりハイレベルな研究が期待される、


というおはなし。
図:音楽療法

感想:

有害事象がない、ってことだけで価値があるよ。

2017年3月21日

脳卒中の知識 ヘルスキャンペーンの成果


Public health campaigns and their effect on stroke knowledge in a high-risk urban population: A five-year study.
2017  1月  カナダ

脳卒中のリスク要因や症状にかんする人々の知識は 病気の理解と脳卒中の際の行動に大きく影響する。

いままで これらの知識を啓発するキャンペーンが数多く行われてきた。

都市部の住民について脳卒中の知識レベルのさいきんの変化を調べてみたそうな。


2010と2015に トロント大学病院の循環器科を訪れた患者や付き添い人にアンケートを配った。

脳卒中のリスク要因と初期症状を答えてもらったところ、


次のようになった。

・2010に198人、2015に791人から回答を得た。

・リスク要因としてもっとも多かった回答は 2010が喫煙(58%)、2015は高血圧(49%)だった。

・症状では、2010が言葉のもつれ(57%)、2015は手足のしびれ(67%)がもっともおおかった。

・ほとんどの人がリスク要因と症状について1つ以上答えることができ、

・完全正答者の割合も 77%、76%でほぼおなじだった。

・主な情報源はテレビで 61%、68%だった。

高リスクな人たちへのアンケートでは、脳卒中に関する知識はすでに高いレベルにあり この5年間でほとんど変化がなかった、


というおはなし。
図:脳卒中に出会ったときのアクション今昔

感想:

それ系の診療科を訪れるくらいだから意識高いのはとうぜんだわな。

2017年3月20日

脳卒中の肥満パラドックスってホント?


Obesity paradox in stroke - Myth or reality? A systematic review.
2017  3月  スイス

肥満は脳卒中のリスク要因の1つではあるが 予後に与える影響についてはよくわかっていない。いっぽうで肥満の脳卒中患者は予後が良いとする報告が少なくない(肥満パラドックス)。

そこでこれまでの研究をまとめて肥満と脳卒中予後との関連をしらべてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者299750人を含む25の研究がみつかった。

・死亡率に関する12の研究のうち10で ボディマス指数BMIが高い脳卒中患者は明らかに死亡率が低かった。

・死亡以外の予後(機能回復や再発)に関する9の研究のうち7で過体重の脳卒中患者は回復が良かった。

・血栓溶解治療を受けた患者についての6つの研究では相反する結果がでた。

・多くの研究で肥満の定義やBMIの測定精度、データの偏りに問題があった。

ほとんどの研究で脳卒中患者の "肥満"は生存に有利だった。しかし研究手法に問題も見られた。血栓溶解治療の患者については肥満パラドックスは確認できなかった、


というおはなし。
図:

感想:

肥満の定義として BMIではなく脂肪の割合やウエスト・ヒップ長比をつかうと結果がぜんぜんちがうだろうって書いてあった。

境界域限定のはなしで、痩せているよりはマシですよってことなんだと思う。

2017年3月19日

脳卒中やった女性の性機能をしらべてみた


The evaluation of sexual function in women with stroke.
2017  3月  トルコ

脳卒中を経験した女性にとっても性行為は避けてはとおれない。にもかかわらず性機能障害については話題にされることがすくない。

そこで女性脳卒中経験者の性機能について身体 心理的変化とその関連要因についてしらべてみたそうな。


発症から4年前後で 既婚の女性脳卒中経験者51人について
要介助度、重症度、うつスコア、性機能スコアをしらべ、
同性同年齢の健常者61人と比べたところ、


次のようになった。

・性機能スコア(性的興奮、性欲、膣潤滑、性的満足、オルガスム、性的疼痛)は全体的に 健常者にくらべ低かった。

・うつスコアは高く、脳卒中グループの60.8% 健常者グループの9.8%がうつだった。

・うつスコアが高いと性機能スコアが明らかに低かった。

・要介助度、重症度、年齢、結婚期間、子供の数がおおいと性機能スコアは低かった。

・側頭葉損傷とその左右の違いは性機能スコアと関連しなかった。

・性機能スコアと教育歴に正の相関があった。

女性脳卒中経験者の性機能障害はめずらしくなく、重症度や要介助度、うつレベルに影響をうけた、


というおはなし。

図:脳卒中患者の性機能スコア

感想:

Arousal,Desire,Lubrication,Satisfaction,Orgasm,Pain の意味がわかったよ。

2017年3月18日

メタボリックシンドロームと脳卒中


Metabolic syndrome and stroke: A meta-analysis of prospective cohort studies.
2017  3月  中国

肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が複数かさなった状態をメタボリックシンドロームとよび、健康上のリスクと考えられている。
しかしメタボリックシンドロームと脳卒中との関連については まだ結論がでていない。

そこで過去の研究をまとめてみたそうな。


これまでの関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者116496人を含む16の研究がみつかった。

・メタボリックシンドロームがあると脳卒中リスクは明らかに高かった。

・この影響は男性で1.47倍、女性で1.83倍だった。

・また、脳出血よりも脳梗塞でリスクが高くなった。

どうやらメタボリックシンドロームは脳卒中のリスク要因で、とくに女性と脳梗塞でその影響はおおきい、


というおはなし。
図:

感想:

あれほど脅しといてこんなもんなのか。メタボ無能すぎやしないか?

2017年3月17日

Stroke誌:脳卒中後の認知障害に効くツボがわかった


Acupuncture Attenuated Vascular Dementia–Induced Hippocampal Long-Term Potentiation Impairments via Activation of D1/D5 Receptors
2017  3月  中国

鍼刺激が血管性認知症を改善するとの報告がいくつかある。
そこで海馬でのシナプス可塑性のキーになるドーパミンの関与についてしらべてみたそうな。


頸動脈を縛って血管性認知障害にしたネズミについて、3日後から鍼刺激を1日1回x2週間けいぞくした。

水迷路テスト、電気生理検査、脳組織を調べたところ、


次のことがわかった。

・鍼刺激によって認知障害がおおきく改善された。

・とくに、ツボ 足三里(ST36)と百会(GV29)の組み合わせがもっとも効果的だった。

・認知障害によるシナプス増強現象の低下が鍼刺激で抑えられた。

・鍼刺激により海馬のドーパミンが増えた。

・海馬のドーパミン受容体の減少が鍼刺激により増加に転じた。

・これら鍼刺激の効果がドーパミン受容体の拮抗薬により消失した。

鍼刺激による認知機能と海馬のシナプス可塑性の改善効果にはドーパミン受容体の活性化が かかわっていた、


というおはなし。
図:鍼の認知障害治療効果水迷路テストの軌跡

感想:

中国伝統医学系のはなしは偏りが強くてアレなんだけど、Stroke誌ってことで関心をもった。

2017年3月16日

ところで、、再発予防のための薬って効果あるの?


Impact of Secondary Prevention on Mortality after a First Ischemic Stroke in Puerto Rico.
2017  3月  アメリカ

脳卒中の死亡率は初回よりも再発時で高く、とくに脳梗塞は はじめの6ヶ月間がもっとも再発しやすい。
ガイドラインで定められた再発予防のための投薬治療が実際はどんな状況なのか アメリカの自治区でもあるプエルトリコでしらべてみたそうな。


平均年齢70、脳梗塞患者3965人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。
・アメリカ脳卒中協会のガイドラインに沿う投薬治療を受けた患者は全体の1%にすぎなかった。

・たとえば再発予防投薬を受けない患者は、高血圧の75%、高脂血症の56%、心房細動の67%だった。なんの投薬もうけない患者も20%いた。

・平均生存期間は、投薬治療をうけた患者が450日で 投薬なし患者は266日だった。しかし統計学的有意な差ではなかった。

・生存曲線を描いたところ、最初の200日間は両グループとも差はなく、それ以降になると再発予防薬をもらった患者がやや長生きしているようにみえた。

脳梗塞後、じゅうぶんな再発予防治療を受けている患者は少なかった。統計学的に有意なほどではないけれど再発予防治療には死亡率をさげる効果があるような気がする、、、


というおはなし。
図:脳梗塞 再発予防投薬効果

感想:

退院時に処方されるくすりのほとんどには明白な延命効果はなく、気をつけてみればなんとなくそうかな、、、という程度である
ってことなんだね。

2017年3月15日

麻痺がおよんでいないはずの手の機能と左右脳との関係


Assessment of the Ipsilesional Hand Function in Stroke Survivors: The Effect of Lesion Side.
2017  3月  ブラジル

脳卒中のあと麻痺していないはずの手の運動感覚が低下しているという報告がある。

そこで 脳卒中での損傷脳半球の左右と、同側の手の筋力 器用さについてしらべてみたそうな。


慢性期脳卒中で右脳損傷経験者12人、左脳損傷経験者12人、同性同年齢の健常者12人について、損傷脳と同側の手の筋力 器用さを4種類の指標で評価した。
健常者は両手を評価した。


次のことがわかった。

・握力とつまむちからはすべてのグループでおなじだった。

・器用さを評価する2つのテストで脳損傷の影響が確認できた。

・とくに9ホールペグテストでは左脳損傷のほうが右脳損傷よりも良いスコアだった。

脳損傷経験者は同側の手の筋力は維持していた。しかし手や指の器用さには影響を受けていて、とくに右脳損傷で影響がおおきかった、


というおはなし。
図:脳卒中 同側の手の機能

感想:

自分のばあい右手が動きにくいという実感はないな。

これ↓おもいだした。
麻痺してない上肢はほんとうに麻痺していないのか?

たとえば左手が麻痺した場合、右手は健常だと言えるのかい?

2017年3月14日

周産期脳梗塞のこどもの注意欠陥 多動性障害


Clinical Predictors of Attention and Executive Functioning Outcomes in Children After Perinatal Arterial Ischemic Stroke.
2017  1月  アメリカ

周産期(妊娠28週から出産後7日まで)に脳梗塞になったこどもはのちに認知 行動面で障害を抱えるリスクが高い。どういった要因が影響しているのかしらべてみたそうな。


生後28日未満の新生児期脳梗塞28人と、周産期脳梗塞12人について3-16歳までフォローして神経心理テストをおこない両親の報告も分析したところ、


次のことがわかった。
・周産期脳梗塞、おおきな梗塞、てんかんがあると注意力、遂行機能が低かった。

・これら要因があるケースでは 両親が注意欠陥・多動性障害(ADHD)として気づいていることが多かった。

・梗塞の位置や右脳左脳の違いは結果に影響しなかった。

周産期脳梗塞で特に梗塞がおおきく てんかんをけいけんした子供はのちに注意力 遂行機能の障害をもつリスクがたかかった。就学年齢に達するまえに神経心理評価をおこない適切な治療をおこなう必要があるだろう、


というおはなし。

図:周産期脳梗塞の注意力

感想:

ADHDの原因は さかのぼるとその時期になにかあったのかもしれんね、、

2017年3月13日

肥満ではなくヤセが原因!? 日本人の脳梗塞


Body mass index and stroke incidence in Japanese community residents: The Jichi Medical School (JMS) Cohort Study.
2017  3月  日本

これまでの西洋人の研究では肥満度BMIが高いと脳卒中リスクも高いとされてきた。日本人での研究は少ないのでしらべてみたそうな。


自治医科大学の研究データベースをつかって日本全国から12490人を抽出して10.8年間フォローした結果、


次のことがわかった。

・この間に395人が脳卒中になった。

・BMI18.5以下(ヤセ)の男性および30.0以上(肥満)の女性ですべての脳卒中リスクが明らかに高かった。

・とくにBMI18.5以下の男性の脳梗塞リスクは標準体重者の2倍以上だった。

日本人のBMIと脳卒中発生率との関連はこれまで考えられてきたものと異なっていた。男性の低BMIと女性の高BMIは脳卒中リスクが高く、特に男性の低BMIでは脳梗塞リスクまでが高かった、


というおはなし。
図:BMIと脳卒中リスク 日本人

感想:

脳梗塞はふとっちょ、脳出血はヤセの専売特許とおもってた。

ところが 男はヤセが脳梗塞、女はふとっちょが脳出血。どうしてこうなった?

2017年3月12日

いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?


Temporal Trends in Sex Differences With Regard to Stroke Incidence
The Dijon Stroke Registry (1987–2012)

2017  3月  フランス

さいきんの脳卒中発生率の男女別のトレンドをしらべてみたそうな。


フランス ディジョン市の脳卒中患者記録から1987-2012の脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血事例を解析したところ、


次のことがわかった。

・4614人(女性53.1%)の記録があった。

・脳卒中発生率は年間10万人あたり112 vs. 166人で女性が低かった。

・全期間とおして女性のほうが脳卒中発生率は低かった。

・種類別では脳梗塞発生率が男女ともにやや上昇した。

・脳梗塞と脳内出血での発生率の男女差はかわらなかったが、

・クモ膜下出血は女性の発生率が上昇して男女逆転した。

この25年間で脳卒中発生率はクモ膜下出血を除いて女性が低いままだった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血発生率のトレンド 男女の違い

感想:

クモ膜下出血で女性が多くなったのはこの20-30年のことなんだな。
喫煙が原因ではないか って書いてあった。
これ↓だね。
くも膜下出血が女性に多い理由は、、「喫煙」か?

2017年3月11日

遠隔虚血コンディショニングの脳卒中治療効果


RECAST (Remote Ischemic Conditioning After Stroke Trial)
A Pilot Randomized Placebo Controlled Phase II Trial in Acute Ischemic Stroke
2017  3月  イギリス

脳から離れた位置を繰り返し虚血状態にすると(遠隔虚血コンディショニング) 神経保護効果がえられるとする報告がある。しかしそのメカニズムはわかっていない。

そこで実際の脳卒中患者で実験してみたそうな。


発症後24時間以内の脳卒中患者26人を遠隔虚血コンディショニングと比較グループに分けた。

遠隔虚血コンディショニングは、入院後すぐに腕に血圧測定用の腕帯を巻き、締め付け5分間+開放5分間を計4サイクルおこなった。

この直前 直後、4日後の血液サンプルを採取した。
また、90日後の神経症状、生活自立度を比較した。


次のようになった。

・遠隔虚血グループに有害事象はなかった。

・90日後の神経症状NIHSSスコアは 1 vs. 3 で遠隔虚血グループが明らかに低かった。

・生活自立度に有意な差はなかった。

・遠隔虚血グループで熱ショックタンパク質HSP27の増加が確認できた。

急性期脳卒中への遠隔虚血コンディショニングは安全で、神経症状を改善した。神経保護メカニズムにはHSP27が関わっているかも、


というおはなし。
図:遠隔虚血コンディショニングとHSP27

感想:

これら↓も同じ背景だろうね。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

TIAは幸運の兆し、脳梗塞が軽い

TIAが脳を護る. はたして病気と呼べるのだろうか…
あと[喫煙パラドック]もなかまかな、、

2017年3月10日

出血と反対側の脳が縮む ディアシーシスとは


Contralateral Hemispheric Brain Atrophy After Primary Intracerebral Hemorrhage.
2017  3月  韓国

脳内出血のあと血腫と同側の脳半球が萎縮するという報告はよくある。

そこで反対側の脳半球についてはどうか 体積を測定してみたそうな。


脳内出血で手術対応になった患者44人について、
入院時と3ヶ月後のCT画像から血腫と反対側の脳半球体積を測定し減少率を求め、
他の特徴との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・3ヶ月間で反対側脳半球の体積が統計学的有意に減少していた。

・もっともおおきな関連要因は脳室内出血だった。

・次いで、入院時の意識障害、喫煙が関連していた。

脳内出血と反対側の脳半球体積が3ヶ月後 あきらかに減少していた。出血部位からの遠隔領域での損傷影響 いわゆるディアシーシス(diaschisis)が原因かも、


というおはなし。
図:原発性脳内出血 対側脳半球の体積減少

感想:

出血のひどい患者限定なんだろうな。

2017年3月9日

脳卒中後の肩の痛みと機能的自立度


Upper limb function and functional independence in patients with shoulder pain after stroke.
2017  2月  ブラジル

肩の痛みは片麻痺患者によく起きる。脳卒中後の肩の痛みが患者の機能的自立度にあたえる影響をしらべてみたそうな。


平均年齢49、発症後3ヶ月半の脳卒中患者58人を調査したところ、


次のことがわかった。

・肩の痛みのある者は27.6%いた。

・機能的自立度FIMスコアは肩の痛みがあると91、痛みがないと114で明らかに低かった。

・上肢機能の別の指標SULFSでも 2 vs. 5で肩の痛みグループのスコアがはっきりと低かった。

脳卒中後に肩の痛みのある患者は珍しくなく、上肢機能と機能的自立度におおきく影響していた、



というおはなし。
図:脳卒中 肩の痛みとFIM


感想:

で、腕を吊ったりするとよけいにわるくなっちゃうんだよね。
片麻痺のアームスリングは"害" 使わないほうがいい

2017年3月8日

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは


Executive Function Is Associated With Off-Line Motor Learning in People With Chronic Stroke.
2017  3月  アメリカ

リハビリ訓練と訓練の合間に技能学習が進むことを "オフライン運動学習"といい、とくに睡眠でそのプロセスが促されることがわかっている。

どんな人でこの効果がでやすいのか実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者17人と健常者9人について、連続追跡課題を与え ポリグラフを着けてひと晩眠ったあとに再びその課題を行いオフライン運動学習効果を測定した。

さらに遂行機能を測る複数のテストをおこなった。


次のようになった。

・脳卒中グループで 遂行機能テスト(Trail-Making Test)スコアとオフライン運動学習効果との明らかな正の相関が見られた。

・健常者にはこの関連は見られなかった。

・注意力(attention)と状況変化への柔軟さ(set-shifting)についてのTrail-Making Testの結果をみるとオフライン運動学習効果が予測できた。

慢性期の脳卒中で遂行機能がすぐれている患者ほど オフライン運動学習の高い効果が期待できた、


というおはなし。

図:オフライン運動学習と遂行機能

感想:

眠っている間にリハビリがはかどる。なんて素敵なはなしだろうか。

5年前のこれ↓のつづきだね。
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2017年3月7日

脳卒中上肢への機能的電気刺激 FESの効果は


Effectiveness of upper limb functional electrical stimulation after stroke for the improvement of activities of daily living and motor function: a systematic review and meta-analysis.
2017  2月  イギリス
脳卒中で上肢が麻痺すると日常生活動作におおきな影響がでる。機能的電気刺激(FES)は 運動神経を刺激して関節周りの動きを強化する働きが期待できる。
下肢のFESはリハビリシーンで用いられるようになったが上肢のFESはその効果がはっきりしない。
そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・20の研究がみつかった。

・6つの研究でFESの日常生活動作上のあきらかな改善は確認できなかった。

・発症後2ヶ月以内の3つの研究で FESで日常生活動作に有意な改善がみとめられた。

・発症後1年以上の3つの研究では FESで日常生活動作に影響はなかった。

・いずれの研究もサンプル数が少なく 盲検化が不十分でエビデンスとしての質はひじょうに低かった。

上肢麻痺の脳卒中患者へのFESはしょうらい有望な治療法ではある。発症後2ヶ月以内での効果がわずかに認められたが、どれも研究の質が低いため結論にはまだ遠い、


というおはなし。

図:上肢の機能的電気刺激装置

感想:

ようするに上肢FESを成功させるのは 足で食器を持つくらいにむつかしいことなんだろな。

2017年3月6日

ランセット誌:慢性の失語症でも3週間の集中訓練で治る


Intensive speech and language therapy in patients with chronic aphasia after stroke: a randomised, open-label, blinded-endpoint, controlled trial in a health-care setting.
2017  2月  ドイツ

脳卒中で失語症になり 6ヶ月以上つづいている慢性期失語の患者は脳卒中全体の20%ほどいる。彼らへの集中的な言語聴覚療法は効果的であるとされながらもサンプル数が少なくエビデンスの質は低かった。

そこで慢性期失語症への集中的な言語聴覚療法の効果を大規模にしらべてみたそうな。


19のリハビリ施設から脳卒中で慢性失語の患者158人をえらび2グループに分けた。

言語聴覚療法は週10時間x3週間の訓練をおこなった。

いっぽうのグループへは訓練の開始を3週間遅らせた。

訓練直後、さらに6ヶ月後もフォローして比べたところ、



次のようになった。

・訓練直後、言語コミュニケーション能力が著しく改善した。まだ訓練を受けていないグループでは変化はなかった。

・6ヶ月後、両グループで同様の改善効果が持続していた。

・この効果は 脳卒中の種類や失語の種類、重症度に依らなかった。

脳卒中で慢性期失語症の患者への3週間の集中的な言語聴覚療法は、言語コミュニケーション能力を明らかに向上させる効果がある、


というおはなし。
図:言語聴覚療法の集中訓練効果

感想:

STはできる子。なのにPTOTは、、、
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2017年3月5日

脳卒中患者のながら歩きのスピード


Effects of cognitive and motor tasks on the walking speed of individuals with chronic stroke.
2017  3月  中国

脳卒中患者が地域社会で必要とされる歩行能力は歩行速度に反映されると考えられる。いっぽうで歩行中の課題が歩行速度を低下させるという報告がおおくある。

そこで、脳卒中患者に認知課題と運動課題を与えたときの歩行速度の低下をくらべてみたそうな。


慢性期脳卒中患者30人について10m歩行中の課題の有無による快適歩行速度と最大歩行速度の変化 および課題の正確さを調べた。

課題は2種類あり、1つは認知課題で3の連続引き算を声に出しながらあるく。
もう1つは運動課題で水のいっぱい入ったカップをこぼさずに運ぶ。


次のようになった。
・両課題で快適歩行速度と最大歩行速度が低下した。

・認知課題は運動課題よりも 最大歩行速度におおきく影響した。

・脳卒中歴が長いほど歩行速度の維持よりも課題の正確さを優先した。

・この傾向は運動課題よりも認知課題の最大歩行速度で顕著だった。

認知課題および運動課題で脳卒中患者の歩行速度は低下した。とくに認知課題での最大歩行速度の低下が大きかった、


というおはなし。
図:課題中の脳卒中患者の歩行速度

感想:

「注意リソース」の不足が原因って書いてある。まったく同感。

自動車運転中に会話したりするのがとてもむつかしいんよ。

2017年3月4日

クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率


Natural History of Ruptured but Untreated Intracranial Aneurysms
2017  3月  フィンランド
げんざいクモ膜下出血には手術が強く勧められているため、手術をしない保存処置を選んだばあいの1年間死亡率=63%という数値は1960年台の研究結果を用いている。

そこで、さいきん40年間のデータを用いて、クモ膜下出血を手術せず保存処置したばあいの病状経過をしらべてみたそうな。


1968-2007 クモ膜下出血で手術をしなかった患者で、発症時期と入院 死亡までをフォローできた事例510件を解析したところ、


次のことがわかった。

・発症から死亡までの日数の中央値は20日間だった。

・全体的に1年間死亡率は65%だったが、これは入院までの日数でおおきく変化した。

・たとえば、発症から入院に1ヶ月以上間があった患者の1年間死亡率は13%だった。

・重症でなく 発症から1週間以内に入院した患者の1年間死亡率は75%だった。

手術しなかったばあいのクモ膜下出血の死亡率はこれまで考えられていたものよりも悪かった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血 入院の遅れと死亡率


感想:

保存処置の対象者は重症、高齢、手術の難しい または手術前に死亡した患者って書いてある。死亡率が高いのはとうぜんだわな。

しかも入院が遅れるほど死亡率が "劇的に低下"する。ダメな人は入院まえに淘汰されている(なぜか死亡)からってことなんだけど、
とても興味深い。


症状があってもなかなか病院に来ないこれらの若い丈夫な人たちにクリッピングできれば治療成績はさらに向上する。

しかもFASTのような脳卒中教育で 急性期死亡率の高いクモ膜下出血患者までもがすばやく入院するようになれば臓器ドナーはまちがいなく増える。
コイルとクリップ どっちがいいの?くも膜下出血

2017年3月3日

再発予防のおくすりをやめてしまう人の特徴


Associations between Ischemic Stroke Follow-Up, Socioeconomic Status, and Adherence to Secondary Preventive Drugs in Southern Sweden: Observations from the Swedish Stroke Register (Riksstroke).
2017  2月  スウェーデン

脳卒中の再発予防のための投薬と医師のフォロー、そして服薬遵守率との関連をしらべてみたそうな。


2008-2010脳梗塞患者5602人ぶんの医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・退院後90日以内に医師の訪問フォローを受けた患者は75%だった。

・医師のフォローのなかった患者の14ヶ月後の降圧薬、抗血小板薬の服薬遵守率は明らかに低かった。

・14ヶ月後の服薬遵守率はそれぞれ、抗血小板薬85%、ワルファリン69%、降圧薬88%、スタチン76%だった。

・14ヶ月以内に3人に1人は1種類以上の薬をやめていた。

・3ヶ月時点で日常生活動作が要介助の患者ほど服薬遵守率がひくく、年齢、性別、教育歴によらなかった。

脳卒中の再発予防のための薬を続けている率は、およそ1年後間ではっきりと低下していた、


というおはなし。
図:脳卒中患者の服薬遵守率

感想:

じぶんじしん降圧薬を2年以上まえにやめた。

再発予防の服薬指導は、檀家制度に似ている気がしてならない。『お布施しないとご先祖様が浮かばれず良くないことがおきますよ、、、』

2017年3月2日

脳内出血 ここをやられると予後不良


Intracerebral hemorrhage location and outcome among INTERACT2 participants
2017  2月  オーストラリア

脳内出血の予後には血腫の大きさ 脳室内への出血が影響するが、出血位置との関係はよくわかっていない。
しらべてみたそうな。


脳内出血患者2066人について 90日時点での状態を評価し出血位置との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・出血位置に内包後脚が含まれると死亡または身体障害リスクが高かった。

・出血位置に視床が重なっていても同様だった。

・内包後脚、視床、テント下の出血はQoLの低下と関連があった。

予後不良の脳内出血は その位置が内包後脚や視床にかさなっている場合におおかった、


というおはなし。
図:内包後脚


感想:

内包の名前と位置は知ってたけど 脳卒中やるまでは「だからなに」って感じだったよ。

2017年3月1日

迷走神経で慢性期の上肢機能が驚くほど改善


Vagal Nerve Stimulation Improves Arm Function After Stroke
2017  2月  イギリス

脳卒中患者への迷走神経刺激による上肢機能の改善効果は動物実験でいくつか結果がでている。

人間でしっかりと実験してみたそうな。

先週の国際脳卒中会議での発表。


平均年齢60、発症から1年半の慢性期脳卒中患者17人について、迷走神経に電気パルスを送る装置を鎖骨下に埋め込む手術をおこなった。

患者を本物刺激8人と偽刺激9人にわけた。本物刺激グループでは理学療法訓練の際に動作に同期して電気パルスを送った。

1回2時間x週3回x6週間の訓練をおこなった。

そして30日間のブランクのあと、自宅にて迷走神経刺激+訓練を再開し 60日間続けた。


次のようになった。
・6週間の訓練直後はグループ間で上肢機能に有意な差はなかったが、

・さらに90日後、迷走神経刺激グループで上肢Fugl-Meyerスコアが9.5ポイント向上した。偽刺激グループは3.8ポイントの向上だった。

・これは劇的といっていいほどの改善度だった。

・迷走神経刺激により脳幹から分泌されるノルエピネフリン、アセチルコリンが訓練動作と相まってうまく働いていると考えられた。

・手術にともなういくつかの有害事象(感染症、麻痺など)があった。

・こんご 患者120人での臨床試験を計画中である。


というおはなし。
図:迷走神経刺激の脳卒中治療効果

感想:

迷走神経刺激はなんどもでてきたので やっと人で成果でたか、、って感じ。
キーワード[迷走神経刺激]の検索結果

MicroTransponder Inc. という企業がバックアップしてるんだって。

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