2017年7月31日

失語症と構音障害 3ヶ月後に治ってる割合


Aphasia and Dysarthria in Acute Stroke: Recovery and Functional Outcome.
2017  7月  イギリス

脳卒中のあとの失語症や構音障害は患者の社会参加や生活の質、復職をむつかしくする原因でもある。

とくに構音障害についてはその回復過程の研究はおおくない。

失語症と構音障害の3ヶ月後の回復スピードと生活自立度への影響をしらべてみたそうな。


脳卒中患者データベースから8904人を抽出して NIHSSの失語症と構音障害スコアが1以上の者の3ヶ月後の回復状況をしらべたところ、


次のことがわかった。

・入院時、45.4%が失語症、69.5%が構音障害で、29.6%が両方だった。

・3ヶ月時点で脳卒中患者の17.9%で失語症が、40.1%で構音障害が治り、

・23.7%で失語症が、27%で構音障害がつづいていた。

・失語症が3ヶ月時点でも続いていると生活自立度も低かった。

失語症と構音障害は3ヶ月時点でも脳卒中患者の4分の1で続いていて、生活自立度の低下につながっていた、


というおはなし。
図:構音障害の回復

感想:

右脳の出血だけど ことばが出にくいことが いまだにある。だからゆっくりとはなすようにしている。

2017年7月30日

くも膜下出血の頭痛は最短何時間で消えるのか?


The initial time-course of headache in patients with spontaneous subarachnoid hemorrhage.
2017  7月  オランダ

激しい頭痛で入院してきた患者にはくも膜下出血の可能性が考えられる。しかしこの頭痛がすぐに消えてしまった場合、くも膜下出血ではなかった、、と言ってよいのだろうか?

くも膜下出血患者の頭痛が最短何時間で消えることがあるのか確かめてみたそうな。


激しい頭痛の発症から48時間以内に入院して、
CTや髄液検査でくも膜下出血とわかった患者のうち、
意識清明で神経症状のない患者106人について
頭痛の強さスケール"Numerical Rating Scale "が0または3を下回るに要した時間を確認したところ、


次のようになった。

・すべての患者に鎮痛剤が与えられていた。

・発症から48時間以内に頭痛スケールがゼロになった患者が9人、3を下回った患者は22人いた。

・頭痛スケールゼロまでの最短時間は10時間で、その患者は発症2時間半で鎮痛剤をとっていた。

鎮痛剤をとったくも膜下出血患者は、48時間以内におよそ10%で頭痛が消えた。すぐに頭痛が消えたからといってくも膜下出血の可能性が消えるわけでもないことがわかった、



というおはなし。
図:くも膜下出血の頭痛スケールと発症からの時間

感想:

そして、
頭痛も消えて何の神経症状もない患者に「このままにしておくと再出血で死にますよ」と脅して必要性の明らかでないクリッピング手術を受けさせるところまでがデフォ。

2017年7月29日

脳卒中が軽かったとしても安心できない理由


Long-term morbidity and mortality in patients without early complications after stroke or transient ischemic attack
2017  7月  カナダ

脳卒中の死亡や再発は90日内の短期に起こることがおおいため、長期の影響をじゅうぶんなサンプル数でしらべた研究がすくない。

そこで発症後 順調に回復して退院できた患者の長期的な経過を大規模にしらべてみたそうな。


脳梗塞またはTIAで入院して90日間 再発もなく退院できた26366人の患者記録を抽出し、年齢 性別 収入 居住地のいっちする一般人263660人と比較 解析したところ、


次のことがわかった。

・死亡率は 1年後2.4倍、3年後2.2倍、5年後2.1倍で、

・再発率は 順に 6.8倍→5.6倍→5.1倍 だった。

・5年間で35.7%の患者が死亡、再発、施設への再入院を経験した。

脳卒中のあと何事もなく順調に回復 退院できたとしても 再発や死亡の可能性が高い状態が長く続く、


というおはなし。
図:脳卒中の長期予後

感想:

だから生活習慣をかえて病院にあししげく通い薬をもらいましょう、ってことなんだけど 、、
それでいいのか?

自分は脳卒中で死にやすいという特性が明らかになっただけで、これは取り繕えるものなのかね。

2017年7月28日

亜急性期患者へのトレッドミル訓練の効果


Treadmill training to improve mobility for people with sub-acute stroke: a phase II feasibility randomized controlled trial.
2017  7月  イギリス

脳卒中患者へのトレッドミル訓練は自立歩行の可能な者については歩行速度と持久力の向上が確認されている。

歩行に補助が必要な患者でのトレッドミル訓練の効果についてしらべてみたそうな。


発症から3ヶ月以内で歩行補助の要る脳卒中患者77人を2グループにわけ、いっぽうにはトレッドミル訓練を週2x8週間ほどこした。

もういっぽうには通常の歩行訓練を施し、両グループで総訓練時間が等しくなるよう調整した。

歩行能力 生活自立度を6ヶ月後までフォローした。


次のようになった。
・有害事象は2例のみでほとんどが訓練を完遂した。

・両グループ間で歩行能力の成果に明らかな差は生じなかった。

・たとえば移動能力を評価する "Rivermead Mobility Index"スコアの中央値は、8週間後 5 vs. 6、6ヶ月後 8.5 vs. 8 だった。

・トレッドミル訓練の強度は弱かった。

脳卒中急性期で歩行に補助の要る患者へのトレッドミル訓練は、可能ではあったが通常訓練にくらべ優れた成果はなかった、


というおはなし。
図:トレッドミル訓練の効果

感想:

トレッドミルには 施設の専門性と設備投資を象徴する意義がある。高い料金を患者に納得させるためのツールであり効果は二の次と考える。

代替手段はいくらでもあるし、じっさい入院中に誰かが使っているシーンを一度もみなかった。

2017年7月27日

脳卒中がらみの認知症が減ってる理由


Decreasing prevalence of dementia in 85-year olds examined 22 years apart: the influence of education and stroke
2017  7月  スウェーデン

認知症のおおくは80歳以降におきる。認知症の発生率は過去40年間 低下傾向にあるというが有病率についてはさだかでない。

そこで20年前と現在とで認知症の有病率の変化、および認知症の原因となる脳血管障害 そして教育との関連を比べてみたそうな。


1986年と2008年の各時点で85歳だった計1065人について 同じ方法で認知症検査を行い 脳卒中や教育歴との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・認知症の有病率は 29.8%→21.7%になり、おもに血管性認知症が減少していた。

・基礎教育以上の割合は 25.2%→57.7% に増加。

・脳卒中経験は 20%→30%に増えたが、脳卒中による認知症の割合は低下した。

・教育歴や脳卒中、出生時期との交互作用が 認知症の有病率につよく関連していた。

認知症有病率の低下は教育の高度化による認知予備能の強化と 脳卒中治療レベルの向上で説明ができる、

というおはなし。
図:

感想:

脳も筋肉みたいなもので鍛えて備えることができるのかもな。

2017年7月26日

くも膜下出血で突然死する人の特徴


Risk Factors of Sudden Death From Subarachnoid Hemorrhage
2017  7月  フィンランド

くも膜下出血患者の4人に1人は入院することなく突然に死亡するといわれている。
ところがくも膜下出血についての研究のおおくは入院患者について行われているため患者選択のかたよりが避けられない。

フィンランドでは突然死にはすべて検死解剖が義務付けられている。そこで くも膜下出血が原因で突然死した者と入院した患者とのリスク要因の違いをしらべてみたそうな。


フィンランド人65521人を20年ほどフォローした研究記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・くも膜下出血で98人が突然死して445人が入院した。

・喫煙量が増えるにしたがい入院よりも突然死するリスクのほうが高くなった。

・同様に収縮期血圧が高くなるほど突然死リスクが上がった。

・一人暮らしは突然死リスクが高く、入院のリスクは上がらなかった。

・50歳未満で標準血圧 非喫煙者のくも膜下出血での突然死例はなかった。

くも膜下出血の突然死リスクは喫煙や高血圧、一人暮らしの者で高かった。50歳未満 標準血圧 非喫煙者での突然死は極めて稀といえる


というおはなし。
図:くも膜下出血で突然死 血圧と喫煙
右:突然死、実線:喫煙、黒:高血圧


感想:

病院へ間に合わなくて死亡するのではなくて、それまで動脈瘤はおろか何の心血管症状もなかった元気なひとがいきなりくも膜下出血で死ぬんだって。

ポックリ逝きたければ ひとり暮らしで高血圧は放置、たばこを吸いながらその時を待て ということ。

2017年7月25日

脳卒中で身の回りのことができないと不幸なの?


Activity limitations and subjective well-being after stroke
2017  7月  アメリカ

脳卒中患者の回復度の研究のおおくは機能障害に着目したもので 主観的な幸福にかんするものは少ない。

日常生活動作上の制限と主観的幸福、および影響する要因についてしらべてみたそうな。


65歳以上の脳卒中経験者738人について、

主観的幸福度を 感情(愉快、退屈、元気、心配)と自己実現(人生の目的、自己受容、環境コントロール)の7項目で評価した。

介助の必要な日常生活動作を11項目(食事、入浴、トイレ、着替え、外出、ベッドからの移動、洗濯、買い物、料理、支払い)から選び関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・日常生活動作上の制限や身体能力と主観的幸福度との相関は弱く、関連要因を考慮に入れるともはや有意な相関ではなくなった。

・疼痛、うつ、社会参加に問題があると主観的幸福度が低かった。

日常生活動作上の制限は脳卒中経験者の主観的幸福に影響しなかった、


というおはなし。
図:日常生活動作11項目

感想:

"幸せ" はまったくの個人的体験であって、他人にはうかがい知れないんだな。

全身がうごかなくてもQoLは高いってはなしを思い出した。↓
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、

2017年7月24日

脳卒中経験者が活動している時間と死亡率


Accelerometer-Determined Physical Activity and All-Cause Mortality in a National Prospective Cohort Study of Adults Post-Acute Stroke.
2017  7月  アメリカ

脳卒中は虚血性心疾患に次ぐ世界第2位の死亡原因である。また 50歳以前に脳卒中になった男女の半数以上がその後8年間に死亡している。

運動不足が脳卒中の主な要因でもあることから、脳卒中経験者の日々の身体を動かしている時間を加速度計で客観的に測定し、死亡率との関連をしらべてみたそうな。


脳卒中経験者184人について加速度計を4日間装着させて1日あたりの身体を動かしている時間(分)を推定した。

そして6年前後フォローしたところ、


次のようになった。

・この間に53人が死亡した。

・身体を動かしている時間が1日あたり60分間増えると総死亡率が28%低下した。

脳卒中経験者は身体を動かしている時間が長いほど死亡する可能性が低下した、



というおはなし。
図:

感想:

「運動不足」ってあまりにもシンプルすぎて見過ごされてしまうけど、じつはいちばんの問題なんだな。

[運動不足]の関連記事

2017年7月23日

脳卒中の高齢女性に夜這いをかけて逮捕された男のはなし


Cleveland man accused of sexually assaulting stroke victim
2017  7月  アメリカ

脳卒中で介助がひつような69歳の女性が 58歳男性に性的暴行を加えられたというニュース。

・ダーウィン・マッキニー(58)は、性行為強要の罪でクリーブランド刑務所で裁判を待っている。

・事件は木曜日の午前0時頃。

・女性は13年前に脳卒中を患い自身の世話ができず、知能レベルもやや退行していた。

・家族の友人でもあるマッキニーは彼女の部屋に忍び込み、眠りから起こすと「静かにするように」といった。

・そして彼女のおむつを下ろし、性的暴行を加えた。

・これに気づいた家族が911に連絡して彼は逮捕された。

・家族が報復を恐れているため 検察は彼をしばらく釈放しないよう要求している。

・彼に犯罪歴はなかった。


というおはなし。
図:クリーブランド警察

感想:

前科はなく、深夜の犯行、周囲への気遣いもあることから彼は単なる基地外ではないだろう。フケ専の純愛だったのかもしれない。

一歩間違えばレイプ犯として人生を棒に振るリスクを負いながら 彼は夜這いにおよんだ。

人生をかける相手を選ぶに際して、この女性の「脳卒中経験」はネガティブ要素にならなかった。
この点にオレはおどろいた。

脳卒中やると人としてのパフォーマンスがいろいろと低下するものだから おのずと劣等感を抱くようになる。

ところが他人からみると たとえおむつをしていたとしてもどうでもいいことなのかも、、、
と気づかされた。

2017年7月22日

コクランレビュー:作業療法のエビデンス信用できない


Occupational therapy for adults with problems in activities of daily living after stroke.
2017  7月  イギリス

脳卒中患者への作業療法のおもな目的は、日常生活動作(食事、移動、手洗い、着替えなど)の改善にある。

作業療法がほんとうに生活に役立つものかどうか、これまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する信頼性の高い研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者994人をふくむ9の研究がみつかった。

・作業療法は日常生活動作を改善し能力の低下を防いだ。

・作業療法が死亡率や要介護率を下げ 精神的苦悩を改善するという成果はなかった。

・しかし被験者の選び方や実験方法、測定手法にかたよりが強く、

・作業療法士と被験者いずれにも介入意図が隠せていない低質なエビデンスばかりだった。

作業療法が脳卒中患者の日常生活動作を改善できるとする主張には低レベルのエビデンスしかみつからなかった。これでは自信をもって患者に勧められない


というおはなし。
図:作業療法

感想:

患者はそれほどバカではないので療法士さんが意図し期待するところはバレバレである。

他にたよれる人もいないので療法士さんの気持ちをそんたく(忖度)して良くなった振りをする。

低質なエビデンスが量産される。

そういうことだとおもう。

2017年7月21日

脳梗塞にいいと評判の2つのツボの位置と効き目


Resting-state Functional Magnetic Resonance Imaging Analysis of Brain Functional Activity in Rats with Ischemic Stroke Treated by Electro-acupuncture.
2017  7月  中国

脳卒中の鍼治療には 2つのツボ "足三里" と"曲池" が良いとする研究がいくつかある。

この効果を脳機能MRIも使ってたしかめてみたそうな。


ネズミを人為的に脳虚血にした24時間後、足三里(ST36)と曲池(LI11)を電気鍼刺激した。

これを1日30分間x7日間施行したのち、

梗塞の体積を測り、安静時fMRIから脳の活動を解析した。


次のようになった。

・1週間後、鍼刺激グループの神経症状と梗塞の大きさはあきらかに改善していた。

・鍼刺激の前は広範囲に低下していた脳活動が、鍼刺激のあと 特に運動野、視床、線条体で再び活発になっていた。

脳虚血ネズミの足三里と曲池への鍼刺激で、運動関連の脳機能が再び活発になった、


というおはなし。
図:鍼刺激による脳梗塞治療効果

感想:

人間の場合のツボの位置は、それぞれ 
足三里(←動画リンク)、 曲池(←動画リンク)


脳卒中患者に鍼を打っている最中の脳活動を観察してみた

【ここを押せ】脳梗塞が治るツボを発見!

2017年7月20日

無症候性でも頸動脈の狭窄は認知機能障害のもと


Asymptomatic carotid stenosis is associated with cognitive impairment.
2017  7月  アメリカ

高血圧や冠動脈疾患、脳卒中は血管性認知障害の原因となりうる。

無症候性の頸動脈狭窄と認知障害との関連をしらべてみたそうな。


無症候性の頸動脈狭窄(≧50%)患者82人と狭窄のない62人について、複数の認知機能検査をおこない、超音波検査機で狭窄率や脳循環動態を測定したところ、


次のことがわかった。
・両グループで血管リスク因子、教育歴、うつ症状などに差はなかった。

・狭窄グループでは認知機能スコアが低く、特に学習、記憶、運動、処理速度、実行機能が劣っていた。

・狭窄グループの49.4%の患者は認知機能の少なくとも2項目で障害があった。

・脳循環予備能の低い患者は認知機能ぜんぱんでスコアが低かった。

・狭窄率との関連は見られなかった。

無症候性の頸動脈狭窄は認知機能障害と関連があった。狭窄患者の49.4%に複数項目の認知機能障害がみられた。脳の循環予備能や血流量の低下が背景にあると考えられた、



というおはなし。
図:頸動脈の狭窄検査

感想:

これ↓おもいだした。
頸動脈が狭窄すると脳卒中のきっかけになるというけれど、それ以前に頭がすこし弱くなるらしい

2017年7月19日

イチョウ葉エキスが脳梗塞に効く理由


Ginkgolide B Modulates BDNF Expression in Acute Ischemic Stroke.
2017  7月  中国

イチョウ葉のエキスは中国で5000年前から脳卒中の治療に用いられてきた。その主成分であるギンコライドBには血栓や炎症を防ぐ効果があることがわかっている。

ギンコライドBの脳梗塞治療効果をBDNF(脳由来神経栄養因子)をふくめしらべてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミに60分後ギンコライドB(~4mg/kg)を与えた。

72時間後の梗塞の大きさ、BDNF、細胞死関連たんぱく質を測定したところ、


次のことがわかった。

・ギンコライドBグループでは神経症状、浮腫、梗塞体積があきらかに減少した。

・さらに細胞死を抑制するたんぱく質が増え、促進するたんぱく質は減少した。

・またBDNFも増加していた。

ギンコライドBが脳虚血からの障害の程度をやわらげていた。BDNFを増やし細胞死を抑えるメカニズムが考えられた、


というおはなし。

図:

感想:

"イチョウ葉エキスのサプリメント" いっぱいあるね。

2017年7月18日

心房細動で脳卒中 抗凝固薬の再発予防力


Secondary Versus Primary Stroke Prevention in Atrial Fibrillation
2017  7月  イギリス

心房細動は脳梗塞の3分の1、心原性塞栓症の80%以上に関係している。

心房細動による脳卒中は抗凝固薬で予防できるとかんがえられていて、ガイドラインでは心房細動のほぼ全員にすすめることになっている。

心房細動と脳卒中経験の有無をふくめた抗凝固薬治療の効果を検証してみたそうな。


ダーリントンの住民105000人ぶんの2013の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・2.15%に心房細動があり、そのうち18.9%に脳卒中経験があった。

・脳卒中経験者のうちガイドラインに則った抗凝固薬治療は56.3%でおこなわれ、脳卒中経験のない者では49.5%だった。

・1年間の脳卒中発生率は、脳卒中経験ありで8.6%、脳卒中経験無しで1.6%だった。

・総死亡率はおなじく 順に 9.8%、9.4%だった。

・ガイドラインとおりの抗凝固薬治療をうけていないばあい、一次予防、二次予防、死亡のリスクがいずれも同程度に高くなった。

心房細動患者のうちガイドラインとおりに抗凝固薬治療をうけている者は50%程度だった。ガイドラインに則った抗凝固薬治療で脳卒中の一次予防、二次予防や死亡のリスクをあきらかに抑えることができた、


というおはなし。
図:心房細動で脳卒中経験と経口抗凝血薬

感想:

この研究以前にも抗凝固薬の脳卒中予防エビデンスは数多くある。
けど、現場では半数にしか処方していない。

「その理由はわからない」とあった。
半数ものケースで控えてるんだからはっきりとした心当たりはあるんだろな、、

2017年7月17日

脳梗塞の再発率と予防薬の効果


One-Year Incidence, Time Trends, and Predictors of Recurrent Ischemic Stroke in Sweden From 1998 to 2010
2017  7月  スウェーデン

スウェーデンでは脳卒中患者の4人に1人が再発である。

再発予防のための投薬治療が普及してきてはいるがその効果は必ずしもあきらかではない。

そこで脳梗塞の発生率の傾向と再発予防効果についてしらべてみたそうな。


1998-2009の脳梗塞患者の記録20万人分(平均年齢76)を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳梗塞患者全体の11.3%が発症から1年以内の再発だった。

・1998から2009に1年再発率は15.0%→12.0%に低下し、

・同性同年齢の一般人では脳梗塞発生率は0.7%→0.4%に低下していた。

・抗凝固薬、脂質降下薬、抗血小板薬の使用者は再発リスクが低かった。

脳梗塞再発率はこの10年で低下傾向にあった。再発予防薬が役に立っているようだ、


というおはなし。
図:1年間の脳梗塞再発率の傾向

感想:

βブロッカーと利尿薬は再発リスク↑ なんだって。

2017年7月16日

レズ、ゲイ、バイセクシャルは脳卒中になりやすいの?


Chronic Health Conditions and Key Health Indicators Among Lesbian, Gay, and Bisexual Older US Adults, 2013-2014.
2017  7月  アメリカ

レズ、ゲイ、バイセクシャル(LGB)の高齢者がなりやすい慢性病の種類についてしらべてみたそうな。


2013の国民健康調査のデータを使って50歳以上の性的指向と慢性病との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・LGBの高齢者は異性愛者よりも免疫系が弱く、腰痛や頸痛になやんでいた。

・高齢女性の性的少数者は関節炎、喘息、心臓発作、脳卒中がおおく 健康状態がよくなかった。

・高齢男性の性的少数者は狭心症やガンがおおかった。

・身体的 精神的障害の頻度も高かった。

レズ、ゲイ、バイセクシャルの高齢者には脳卒中など心血管疾患のリスクも高いと考えられた、


というおはなし。
図:LGBTの旗

感想:

こどもの頃レインボーマンを夢中になってみてた。お願いだから虹のイメージをこわさないでほしい。

2017年7月15日

脳卒中を防ぐ抗酸化ビタミンの種類と日本人


Dietary intake of antioxidant vitamins and risk of stroke: the Japan Public Health Center-based Prospective Study.
2017  7月  日本

抗酸化作用をもつビタミン(α,βカロテン、ビタミンC,E)は脳卒中など心血管疾患の予防効果が期待されてはいるものの肯定する報告はおおくない。

日本人を対象に これを大規模にたしかめてみたそうな。


45-74歳の82044人について、1995に食事調査を行い2009までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に3541の脳卒中(うち2138は脳梗塞)があった。

・全体として 食事から摂るαカロテン、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEと脳卒中発生率には相関はなかった。

・しかし現在喫煙者をわけて解析したところ、非喫煙者でビタミンCを多く摂る者の脳卒中発生率は0.81倍になり、

・さらに脳梗塞に限定すると0.76倍になった。

ビタミンCを食事から多く摂る非喫煙者は脳卒中になりにくかった、


というおはなし。
図:ビタミンのもと

感想:

喫煙するとビタミンCを大量に消費してしまって 脳卒中予防にまでまわらないんだって。

[ビタミンC]の関連記事

2017年7月14日

身体が弱った高齢者も血圧をさげるべきなのか?


Home blood pressure predicts stroke incidence among older adults with impaired physical function: the Ohasama study.
2017  7月  日本

年齢が高くなると血圧もあがる。高齢者の血圧を積極的にさげるべきかどうかについては いまだ結論がでていない。

たとえば身体機能の低下した高齢者は 脳や臓器へ血液を送り出す能力も低下していると考えられることから、血圧は高いほうが脳卒中など有害事象が少ないとする報告が少なからずある。

これを日本人について大規模に調べてみたそうな。


岩手県大迫(おおはさま)町の住人で平均年齢69、501人を11年半フォローしたところ、


次のことがわかった。
・身体機能が正常な者は349人で、機能低下した者は152人だった。

・この間に47人が脳卒中になった。

・自宅で測定した血圧(収縮期と拡張期)が高くなると脳卒中リスクも上昇した。

・職場で測定した血圧との関連はよわかった。

・これらの関連は身体機能の低下度によらなかった。

・血圧と総死亡率との関連も確認できなかった。

高齢者は 自宅測定の血圧が高くなると身体機能の低下があっても脳卒中リスクは上昇した、


というおはなし。
図:

感想:

高齢者の血圧をさげると脳卒中にはならなくても ガンや認知症が増えるってテレビによく出る有名な大学教授がいってた。

2017年7月13日

両眼視野闘争への脳卒中の影響


Binocular rivalry after right-hemisphere stroke: Effects of attention impairment on perceptual dominance patterns.
2017  6月  ノルウェー

両眼視野闘争(Binocular rivalry)は左右の目にそれぞれ異なる画像を提示したときに 認識される画像はどちらかいっぽうのみで、その選択が数秒で勝手に入れ替わる現象をさす。

これまでおおくの研究がなされてきたが そのメカニズムはよくわかっていない。

そこで 脳卒中で注意力に問題が生じているであろう患者について両眼視野闘争がどう影響されるかを確かめてみたそうな。


脳卒中で右脳損傷の患者26人と健常者26人について アナグリフを用いて両眼視野闘争実験をおこなったところ、


次のようになった。

・画像認識が切り替わる頻度は患者で明らかに低く、行動性無視検査の結果とよく相関していた。

・縞の細かい画像のときに認識頻度が優勢になったことから右脳損傷が低空間周波数の知覚を障害していると考えられた。

・両グループともに右目画像の認識頻度が高く、特に患者で顕著だった。

右脳損傷患者の注意力障害が両眼視野闘争に影響していると考えられた。左脳損傷患者でも実験してみたい、


というおはなし。
図:両眼視野闘争

感想:

両眼視野闘争しらなかったけど、この30秒ビデオで寄り目したら体験できた。

2017年7月12日

脳卒中予防に適したチョコレートの量は


Chocolate Consumption and Risk of Coronary Heart Disease, Stroke, and Diabetes: A Meta-Analysis of Prospective Studies.
2017  7月  中国

これまでの数々の研究からチョコレートが酸化ストレスや炎症を防ぎ、血圧や血管拡張機能、インスリン感受性を改善することがわかってきた。

脳卒中など心血管疾患との関連についてはどうか、まとめてみたそうな。


関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者50万人を5-16年間フォローした14の研究がみつかった。

・チョコレートを多く摂ると脳卒中リスクは0.84倍になり、冠動脈疾患、糖尿病のリスクも低下した。

・1回30グラムとして、週に3回以上摂ると脳卒中予防効果が得られた。

・糖尿病予防効果は週に2回摂取時がピークで 週6回を超えると逆効果だった。

チョコレートの摂取は脳卒中や冠動脈疾患、糖尿病のリスクを低下させた。週に6回以下の摂取が適当と考えられた、


というおはなし。
図:チョコレートと脳卒中リスク

感想:

数ヶ月まえのこれ↓ おもいだした。
チョコレートと日本人の脳卒中

2017年7月11日

脳内出血患者が3ヶ月以降も延々と回復し続けるしくみ


Functional Improvement Among Intracerebral Hemorrhage (ICH) Survivors up to 12 Months Post-injury.
2017  7月  アメリカ

脳卒中患者の生活自立度を評価する基準にはおもに、
"modified Rankin Scale"(mRS: 0[健常]-6[死亡]の7段階のみ) と
"Barthel Index"(BI: 10項目について0-100点)がある。

通常は mRSが用いられることがおおい。いっぽう
脳内出血患者の37.7%は100日時点で機能的に自立(BI≧95)するという報告もある。

脳内出血患者を長期にフォローするときにどちらの基準がより評価に適しているものかしらべてみたそうな。


脳内出血患者173人について退院時、3、6、12ヶ月後の生活自立度をmRSとBIで評価 比較したところ、


次のようになった。

・mRSは退院して間もない時期には大きく変化したが、3ヶ月を過ぎると変化がほとんどなくなった。

・BIは退院時から12ヶ月後までにわたり常にその変化がおおきく反映されていた。

3ヶ月以降のわずかな改善度の変化は BIのほうがmRSよりも感度良く捉えていて、12ヶ月後まで改善が続いているように見えた、


というおはなし。
図:脳内出血 mRS vs BI

感想:

ちいさな研究だと採点者は何度も同じ患者と顔を合わせる。

やがて『この患者さんはいつもがんばってるな、、ちょっと盛っとくか』という気持ちになる。
どっちが盛りやすいか といったら mRSよりも断然BI。

なぜなら1点あたりの重みが小さいほうが加点に際して気が楽だから。
そしてこの繰り返しでスコアは伸び続ける。

よく『○○療法は機能的には改善するが日常生活動作には反映しない、、』というのも おなじ背景だとおもう。↓↓↓
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2017年7月10日

ふだん中性脂肪が高いひとの脳梗塞からの回復力


High nonfasting triglyceride concentrations predict good outcome following acute ischaemic stroke.
2017  7月  韓国

血液中の中性脂肪が高いと脳梗塞になりやすい。いっぽうで空腹時の中性脂肪が高い脳梗塞患者は回復が良いことがわかっている。

非空腹時の中性脂肪が高いときの脳梗塞回復度についてしらべてみたそうな。


急性脳梗塞患者の入院時の中性脂肪値を非空腹時とし、翌日の測定を空腹時中性脂肪値とした。

3ヶ月後の生活自立度スコアを比較したところ、


次のことがわかった。
・平均年齢67、556人の脳梗塞患者記録を解析した。

・空腹時 非空腹時ともに中性脂肪が高いほうが3ヶ月後の死亡率は低く、

・他の関連要因によらず 生活自立度スコアも良好だった。

空腹時および非空腹時の中性脂肪値が高い脳梗塞患者の回復度はとても良かった、


というおはなし。
図:非空腹時中性脂肪と脳卒中回復度

感想:

中性脂肪やコレステロールは目のかたきにされることがおおいけど ほんとはいいヤツなのかも。

2017年7月9日

退院したばかりの脳卒中患者の過ごし方の内訳


Sleep Duration, Sedentary Behavior, Physical Activity, and Quality of Life after Inpatient Stroke Rehabilitation.
2017  6月  カナダ

脳卒中のあと運動不足が続くと心血管疾患のリスクがあがる。

リハビリから退院した脳卒中患者の1日の身体活動状況をくわしくしらべてみたそうな。


平均年齢64、発症から3.6ヶ月前後の自立歩行のできる脳卒中患者30人について、activPAL3という加速度計を装着させ7日間の活動状況を測定 解析したところ、


次のことがわかった。
・半数の患者が1日9時間を超える睡眠をとっていた。

・目が覚めている時間の74.8%は座っていて、17.9%が立位、7.3%が歩行に費やされていた。

・全歩行時間のうち1.1分間のみが中レベル(100歩/分)以上の歩行ペースだった。

・座っている時間、歩行時間、歩数は麻痺の左右側でおおきく異なり、性別や脳卒中の種類にはよらなかった。

・これらの測定値と発症からの時間には有意な関連はなかった。

脳卒中リハビリから退院したばかりの患者は睡眠時間が長く、起きている時間の4分の3を座って過ごし、歩行時間も極めて短かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の過ごし方チャート

感想:

わけもなく疲れて ものごとへの関心もなくなって うごく気がしないんだよ、、

2017年7月8日

左右不全片麻痺とはなんなのか


Functional recovery differences after stroke rehabilitation in patients with uni- or bilateral hemiparesis.
2017  7月  サウジアラビア

いっぱんに 脳卒中で左脳が損傷すると右半身に麻痺がおこり 右脳が損傷すると左半身が麻痺する。また 脳幹に損傷がおきると両側に麻痺がおきる。

これら麻痺の種類ごとに機能回復度に違いがあるものかしらべてみたそうな。


2008-2014サウジアラビアの脳卒中患者から右側麻痺208人、左側麻痺157人、両側麻痺18人の記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・入退院時の機能的自立度FIMスコアの差は、片側不全麻痺よりも左右不全片麻痺患者であきらかに大きかった。

脳卒中患者の機能回復度は麻痺の側によって異なっていた、


というおはなし。
図:左右の片側不全麻痺とFIM

感想:

"bilateral hemiparesis" って用語がふつうに使われていて違和感をもった。検索すると「左右不全片麻痺」と訳がでる。

「左右の片目」みたいな表現。PubMedにいれると7件しか当たらないからあまり気にしなくてよいのかも。

2017年7月7日

落ちたら死ぬかも アクロバティック・トレーニングとは


Motor Skills Training Enhances α-Amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic Acid Receptor Subunit mRNA Expression in the Ipsilateral Sensorimotor Cortex and Striatum of Rats Following Intracerebral Hemorrhage.
2017  6月  日本

脳内出血は脳卒中のなかでも死亡や重い障害が残る率がたかい。

この障害から回復させる方法として、失敗したら命にかかわるかもしれない環境で高度なスキルの要求される訓練を行う「アクロバティック・トレーニング」の有効性が動物実験で示されている。

この効果を分子レベルでたしかめてみたそうな。


人為的に脳内出血にしたネズミにアクロバティック・トレーニング(AT)を1日5回x3週間施した。

ATでは、落ちたら死んでしまいかねない足場を複数用意して歩かせた。

ATの有無、脳内出血の有無で4つのグループ分けを行った。

シナプス可塑性に寄与するたんぱく質PSD95に必要なAMPA受容体の遺伝子発現レベルを測定した。


次のことがわかった。
・脳内出血ネズミの前脚の感覚運動機能スコアは、ATありのほうがATなしよりもあきらかにすぐれていた。

・AMPA受容体のmRNAがATグループの同側の感覚運動野で有意に増えていた。

・脳内出血グループではAMPA受容体の4つのサブユニットのうちの2つが 同側の線条体で脳内出血なしグループよりも減少していた。

アクロバティック・トレーニングによる脳内出血からの運動機能の回復は シナプス伝達とその可塑的変化によるものかも、、


というおはなし。
図:アクロバティックトレーニング

感想:

○○ヨットスクールのような ときどき死人がでるほどの特別なリハビリコースをつくったら患者の家族に喜ばれるかな。

2017年7月6日

水素ガス療法の脳梗塞への効果


Hydrogen Gas Inhalation Treatment in Acute Cerebral Infarction: A Randomized Controlled Clinical Study on Safety and Neuroprotection.
2017  6月  日本

水素ガスの吸引による脳梗塞の治療効果は動物実験や臨床実験でいくつも報告されている。

ランダム化比較試験はまだなのでやってみたそうな。


急性脳梗塞患者50人を2グループにわけて一方には水素ガス(3%)の吸引を1回1時間x日に2回x7日間行い比較したところ、


次のようになった。
・酸素飽和度以外の点でバイタルサインに差はなかった。

・神経症状の重症度を示すNIHSSスコアは水素ガスグループであきらかに改善した。

・生活自立度のスコアも水素ガスグループがすぐれていた。

・MRIの相対信号強度にも改善傾向がみられた。

急性脳梗塞患者への水素ガス療法は安全で効果的だった、


というおはなし。
図:脳卒中の水素ガス療法の効果

感想:

水素○○療法をバカにする風潮を感じているのは自分だけだろうか、、?

[水素]の関連記事

2017年7月5日

脳神経の病気への音楽療法のはたらき


Music-based interventions in neurological rehabilitation.
2017  6月  フィンランド

The Lancet neurologyの脳神経疾患への音楽療法のレビューから。
図:脳卒中患者への音楽療法の脳内機序
・音楽刺激で脳血流が増加し 活動レベルに応じた可塑的変化が生じる。

・これは動物実験の刺激豊富な環境での回復過程に似ている。

・音楽が中脳辺縁系を刺激してドーパミンを介して報酬、覚醒、感情反応をもたらす。

・なかでも 側坐核がその中心としてはたらき 認知機能の改善にいたる。

・また  副交感神経が活発になりカテコラミンやサイトカインを介し交感神経は抑制されリラックス効果がもたらされる。

・その結果 ストレスホルモンのコルチゾールは減少し、心血管系への負担が低下する。

・リズムへの同期反応(Rhythmic Entrainment)は聴覚系と運動系の結合の強さを示す生まれ持った仕組みである。

・好きな音楽への特別な反応には 音楽記憶に関係の深い前帯状皮質、前頭前皮質の関与がかんがえられる、


というおはなし。

感想:

上の図がとても綺麗に見えたので関心をもった。

2017年7月4日

ランセット誌:脳卒中リハビリは家族にまかせて問題ない


Family-led rehabilitation after stroke in India (ATTEND): a randomised controlled trial.
2017  6月  インド

インドではリハビリを専門とする施設が非常にすくないためほとんどの脳卒中患者は利用する機会がない。

専門性の高いリハビリ資格をもったスタッフから患者家族にその職能権限を移譲する「タスクシフティング(Task Shifting)」には関心が寄せられているがその安全性は定かでない。

そこで大規模に実験してみたそうな。


14の病院に入院した脳卒中患者1250人を2グループに分け、いっぽうのグループの家族にリハビリトレーナーとしての訓練をほどこし 早期に退院させて自宅で患者のリハビリを行わせた。

患者家族への訓練は病院にて1日1時間x3日間で 障害の評価、目標の建て方、トレーニング方法、励まし方などを学ばせた。

6ヶ月後の患者状況を病院での通常リハビリグループと比較したところ、


次のようになった。

・1日あたりのリハビリの時間、総リハビリ時間は両グループでほぼおなじに設定できた。

・6ヶ月後、死亡または要介護状態にある患者の割合は両グループともに47%だった。

・死亡者や再入院の率もグループ間でほとんど差がなかった。

・非致死性のイベント率もほとんど差がなかった。

脳卒中患者へのリハビリ業務を患者家族に移譲(タスクシフティング)したところ、通常のリハビリにくらべ有害な点はまったくなかった


というおはなし。
図:家族まかせの脳卒中リハビリの6ヶ月後のmRS

感想:

脳卒中リハビリの成果は訓練の量や質によらないことがわかってるから、有害でないならタスクシフティングしない理由がないね。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

下肢運動機能の比例回復則からわかること

2017年7月3日

身体を動かすだけでほんとうに認知機能がよくなるのか?


Physical Exercise Improves Cognitive Outcomes in 2 Models of Transient Cerebral Ischemia.
2017  6月  アメリカ

脳卒中経験者は認知機能の衰えがはやいことがわかっている。

認知機能の改善には運動がよいとする研究がいくつかあるが、どれも長期にわたる運動による健康増進効果や運動直後の興奮効果との区別がついていない。

そこで、短期の運動から少し間を置いたときの認知能力を測定し、さらに適した運動強度もしらべてみたそうな。


脳の左右一方もしくは全体を虚血にしたネズミ2グループを使って、3-4日後からトレッドミルで歩行運動させた。

歩行速度は 0,6,10,18m/分の4グループ設け 30分間x5日間継続した。

その1週間後、事前に電気ショックで条件づけ学習させておいたケージにネズミを入れ、怯えて固まっている時間を記憶能力として測定した。


次のようになった。

・虚血範囲の異なる両グループのネズミいずれも、中強度運動(10m/分)のとき約1週間後の認知機能がもっとも向上していた。

脳卒中後の運動そのものによる認知機能の強化を確認することができた。人で実験してみたい、


というおはなし。
図:運動強度と脳卒中後の記憶能力

感想:

考えがまとまらなくてブログ更新ができないとき、部屋のなかをぐるぐる歩き回るだけで解決するんだ。

そういうことかな?

2017年7月2日

出産経験があると脳卒中になっても軽くて済む理由


Multiparity improves outcomes after cerebral ischemia in female mice despite features of increased metabovascular risk
2017  6月  アメリカ

妊娠や出産を繰り返すと脳卒中になりやすくなることがわかっている。

いっぽうで出産経験が神経保護効果をしめすという報告があるので実験してみたそうな。


出産経験のあるねずみと無いねずみについて、人為的に脳虚血状態にして梗塞の体積、行動、脳組織の状態をしらべたところ、


次のことがわかった。

・虚血のまえ出産経験の複数あるネズミは動きが活発でなく、体重や脂質 コレステロールが高く、免疫細胞の活動レベルも低かった。

・妊娠出産経験のないネズミにくらべ、複数の出産経験のあるネズミの梗塞体積はあきらかに小さく、運動機能の回復もめざましかった。

・多産ネズミの梗塞周辺で胎児の細胞が確認され(マイクロキメリズム)、血管増殖因子の上昇も確認できた。

出産経験のあるネズミでは脳卒中リスクが高かったが、脳虚血への神経保護作用が確認できた。女性の脳卒中回復過程への理解が深まった、


というおはなし。
図:多産経験者の梗塞体積はバージンよりも小さい

感想:

産んだこどものDNAをもつ細胞が母体に何十年も残ってるんだって。それが悪さをすることもあるし 助けになることも ある。

2017年7月1日

脳卒中患者の便秘率


Incidence of constipation in stroke patients: A systematic review and meta-analysis.
2017  6月  中国

腸と脳の活動が互いに関連しあっていることが最近の研究でわかってきた。

脳卒中患者には便秘がおおいことが報告されているがシステマティック・レビューはまだないので まとめてみたそうな。


関連するこれまでの研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者1385人を含む8つの研究がみつかった。

・便秘率は脳卒中患者の48%だった。

・66% vs. 51%で脳出血のほうが脳梗塞よりも便秘率が高かった。

・急性期よりもリハビリ始まってからのほうが便秘になりやすかった。

脳卒中のあとの便秘はとてもひんぱんにおきていた。対策が必要かも、、


というおはなし。
図:べんぴ

感想:

自由にトイレ行けなくて がまんしちゃうから当然だとおもってた。

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