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2016年12月29日

左脳をやられても言葉の感情がおかしくなるの?


Affective speech prosody perception and production in stroke patients with left-hemispheric damage and healthy controls.
2016  12月  ニュージーランド

脳卒中で右脳を損傷すると発する言葉に感情が乗らなくなる。これは「プロソディ障害」として多くの報告がある。

左脳損傷ではどうか、調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中男女11人と 同性同年齢の健常者15人について

聴き取った言葉の韻律から感情を判断する精度、および言葉に感情を乗せる能力を評価したところ、


次のようになった。

・グループ間で感情の感受精度にあきらかな違いがあった。

・言葉に感情を乗せる能力についてもおおきな差があった。

脳卒中で左脳損傷の患者は言葉の韻律に感情を読み取る能力 感情を込める能力が低下していた、


というおはなし。

図:左脳損傷での感情韻律の感受精度

感想:

でも右脳のばあいよりもはやく治っちゃうみたいだね。

これら↓を思い出した。
[右脳感情] ←関連リンク

2016年12月16日

結婚回数と脳卒中後の生存率


Marital History and Survival After Stroke
2016  12月  アメリカ

脳卒中になったとき結婚しているかどうかがその後のサポートや予後に大きく影響すると言われている。

そこで結婚歴と脳卒中後の生存率との関連を調べてみたそうな。


脳卒中を経験した2351人について5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に1362人死亡した。

・配偶者が健在の患者と比べたときの脳卒中死亡リスクは生涯独身者で1.55倍、再婚者で1.22倍、離婚で1.22倍、死別だと1.32倍だった。

・さらに死別や離婚を繰り返し結婚回数が増えると 現在の結婚状況にかかわらず生存率が明らかに低くなった。


脳卒中患者の結婚歴はその後の生存率と関連していた、


というおはなし。

図:結婚歴と脳卒中生存率

感想:

これ↓思い出した。
脳梗塞後の一人暮らし 早く亡くなるのは女か男か

2016年11月24日

リハビリは病院と自宅どっちが効果的なの?


Comparison of Two Post-Stroke Rehabilitation Programs: A Follow-Up Study among Primary versus Specialized Health Care.
2016  11月  スペイン

脳卒中患者のリハビリを自宅で行うものと病院外来の場合とでその効果のちがいをくらべてみたそうな。


145人の脳卒中患者を自宅グループと病院外来グループに分けた。

両グループともにリハビリセッションを週に2-3回おこなった。
自宅グループには療法士と医師のチームを派遣し、患者の生活状況を考慮したリハビリを行った。

これ以上の改善はないと医師が判断するか 患者が希望した時点でリハビリを終了した。


次のようになった。

・両グループともに日常生活動作があきらかに改善した。

・平均セッション回数は 21 vs. 29 で自宅グループが少なかったが、

・回復度は自宅グループのほうが優れていた。

自宅ベースの脳卒中リハビリは少なくとも病院外来リハビリと同程度に効果的だった、


というおはなし。

図:自宅リハと外来リハ

感想:

回復の程度は病院固有の設備や器具にはまったく依らないってことなんだな。

2016年11月12日

5年後も障害が残る脳卒中患者の割合と特徴


The Disability Rate of 5-Year Post-Stroke and Its Correlation Factors: A National Survey in China.
2016  11月  中国

脳卒中後の障害についての研究は短期的なものがおおい。

そこで長期的 大規模に調べてみたそうな。


中国全土から脳梗塞患者893人を選び5年後の状態を調査した。

障害ありは modified Ranking Score (mRS)が2以上とした。


次のことがわかった。

・なんらかの機能的障害のある者の割合は45%だった。

・高齢、低教育レベル、脳卒中歴、入院時に重症、うつ、3ヶ月時点の認知障害、5年以内の脳卒中再発 が明らかな関連要因だった。

脳卒中から5年後にも障害が残っている割合は高かった。うつ対策や再発予防が重要だろう、


というおはなし。
図:5年後の障害要因

感想:

逆の印象だな。55%は明らかな障害はないってこと。
テレビや雑誌で刷り込まれた脳卒中への恐怖に比べたらハッピーな現実ではなかろうか。

2016年9月10日

脳卒中のあと突発性難聴になりやすいは本当?


Risk of sudden sensorineural hearing loss in stroke patients: A 5-year nationwide investigation of 44,460 patients.
2016  9月  台湾

脳卒中のあとの突発性難聴は周囲とのコミュニケーションを困難にしリハビリの妨げとなる。

実際のところ 脳卒中と難聴が関連があるのか、調べてみたそうな。


台湾の健康保険データベースより脳卒中患者11115人と他の病気の患者33345人を抽出し、突発性難聴の有無を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中患者の66人が、その他患者の105人が突発性難聴になった。

・発症率は年間1000人あたりそれぞれ、1.19人 vs. 0.63人で2倍の差があった。

・発症後1年間に限定すると脳卒中患者の突発性難聴リスクは5.65倍だった。

脳卒中患者の突発性難聴リスクは高かった。特に脳卒中から1年内ではリスク5倍以上だった、


というおはなし。

図:ヒラリー・クリントン脳梗塞疑惑 突発性難聴 後遺症

感想:

ヒラリー・クリントンが集会で着けていたイヤフォンが脳梗塞後の難聴をカバーするため?というニュース疑惑とちょうど重なって関心をもった。

2016年9月5日

脳梗塞患者が何歳ぶん老化がすすんでいるのかわかった


Ischemic stroke patients are biologically older than their chronological age.
2016  8月  スペイン

DNAの特定領域のメチル化率には生物学的な老化度が反映されていると考えられる。

そこで、脳梗塞患者についてメチル化率を調べ健常者との比較から経時的な年齢と生物学的な年齢を比べてみたそうな。


39-82歳、82人の脳梗塞患者および41人の健常者について、
イルミナ社のDNAチップを用いてCpGサイトのメチル化解析を行ったところ、


次のことがわかった。

・同年齢の健常者に比べ、脳梗塞患者の生物学的な年齢は平均で2.5歳高かった。

・年齢層別にみると、57歳以下の脳梗塞患者では健常者よりも生物学的年齢が明らかに高く、

・年齢が高くなるほどこの差は小さくなった。

脳梗塞患者は同年齢の健常者よりも生物学的年齢が高かった、


というおはなし。
図:脳梗塞患者の実年齢と生物学的年齢



感想:

15年ほどまえ、メチル化解析を1文字ずつせっせとやってた思い出。

グラフみるとたとえば45歳で脳梗塞だと55歳相当だな、、

2016年8月29日

90歳超えでも血栓溶解治療は効果あるの?


The impact of intravenous thrombolysis on outcome of patients with acute ischemic stroke after 90 years old.
2016  8月  フランス

超高齢脳梗塞患者への血栓溶解治療効果について、実際のところどうなのか調べてみたそうな。


急性脳梗塞で入院した90歳以上の患者記録を見なおして、経静脈血栓溶解治療と3ヶ月後の回復度や出血性変化との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢92、78人の患者が見つかり、37人が血栓溶解治療を受けていた。

・3ヶ月後の生活自立度は、血栓溶解治療の有無とは関連がなかった。

・出血性変化は54% vs. 12%で血栓溶解治療グループに多かった。

・入院期間も血栓溶解治療グループで長かった。

血栓溶解治療を受けた超高齢者の予後は 受けない場合に比べ良いとは言えなかった、


というおはなし。

図:超高齢者の血栓溶解治療

感想:

これ↓思い出した。
103歳の脳卒中女性に血管内治療を施した結果、、

2016年8月20日

頭痛の無い脳梗塞は動脈硬化の証、、


Role of atherosclerosis, clot extent, and penumbra volume in headache during ischemic stroke
2016  8月  オランダ

脳梗塞発症時の頭痛の理由はよくわかっていない。

これが動脈硬化によるのか血管拡張や脱分極が原因なのか調べてみたそうな。


発症後9時間以内の急性脳梗塞患者284人について各種CT,MRI検査を行い、アテローム性動脈硬化、血栓の拡がり、ペナンブラの体積 および頭痛との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の38%に頭痛があった。

・35% vs. 48%でアテローム性動脈硬化の患者に明らかに頭痛が少なかった。

・血栓の拡がり、ペナンブラ体積と頭痛との関連はなかった。

脳梗塞時の頭痛はアテローム性動脈硬化のある患者で少なかった。頭痛が起きるためには血管の弾力性が必要なのではないか


というおはなし。

図:脳梗塞頭痛患者の特徴


感想:

それでこうなるんだね。↓
脳梗塞発症時、頭痛があればラッキー!

2016年7月22日

毎日何時間座っていると脳卒中になるの?


Continuous Dose-Response Association Between Sedentary Time and Risk for Cardiovascular Disease: A Meta-analysis.
2016  7月  アメリカ

座っている時間が長い生活をしていると脳卒中など心血管疾患になりやすいと言われている。しかし1日に何時間座っていると危険なのかよくわかっていない。

そこのところを調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・720425人の被験者と25769件の心血管疾患事例を含む9つの研究が見つかった。

・1日の座っている時間がもっとも短い者(~2.5時間)に対するもっとも長い者(~12.5時間)の心血管疾患リスクは1.14倍だった。

・しかしこの関連は時間に対して比例せず、10時間を超えてやっとリスク上昇が確認できた。


1日の座っている時間と脳卒中など心血管疾患リスクとは比例関係になく、極端に長い時間座っている場合にのみリスク上昇があった、


というおはなし。

図:座っている時間と心血管疾患率

感想:

けっこう長い時間すわっててOKなんだな。あとはポケモンGOで運動不足問題は解消。さっそくヒトカゲげっとした。

2016年7月21日

脳梗塞後の一人暮らし 早く亡くなるのは女か男か


Living alone predicts mortality in patients with ischemic stroke before 70 years of age: a long-term prospective follow-up study.
2016  5月  スウェーデン

一人暮らしは心筋梗塞後の死亡率の上昇を招くことがわかっている。脳卒中ではどうか さらに男女での違いについて 調べてみたそうな。


平均年齢57、600人の脳梗塞患者と健常者600人について9年ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・28%が一人暮らしだった。

・患者の一人暮らし死亡率は36%  同居人ありだと17%で、

・健常者ではそれぞれ 15%、9%だった。

・この関連は男性でのみ明らかで、女性では確認できなかった。

一人暮らしだと脳梗塞男性の長期的死亡率がおおきく上昇した、


というおはなし。

図:一人暮らしと脳卒中死亡率

感想:

なぜ女性は一人暮らしに強いのか?
脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由

2016年7月12日

日本人のコレステロールと脳卒中 non-HDLとは?


Relationship between non-high-density lipoprotein cholesterol and the long-term mortality of cardiovascular diseases: NIPPON DATA 90.
2016  7月  日本

総コレステロールからHDLコレステロールを引いたもの(non-HDLコレステロール)は LDLコレステロール以外の脂質を含み、空腹時でない測定の評価に適している。

日本人を対象にした大規模調査で non-HDLコレステロールと冠動脈疾患や脳卒中での死亡率との関連を調べてみたそうな。


75歳未満の健常者6701人の血液検査を行い、その後の死亡原因を20年ほどフォローしたところ、


次のようになった。

・この間に冠動脈疾患で69人が、脳卒中で112人が死亡した。

・non-HDLコレステロールが150mg/dl未満の人に比べ、190以上の人の冠動脈疾患死亡率は2.40倍だった。

・一方、脳卒中死亡率とnon-HDLコレステロールとの明らかな関連は確認できなかった。


日本人の調査で、non-HDLコレステロールは冠動脈疾患死亡率と関連していたが脳卒中死亡率との関連はなかった、


というおはなし。

図:non-HDLコレステロール

感想:

まいにち玉子3つくらいたべてる。

2016年7月11日

糖尿病だと脳卒中の回復が遅い理由


Diabetes Mellitus Impairs Cognitive Function in Middle-Aged Rats and Neurological Recovery in Middle-Aged Rats After Stroke
2016  7月  アメリカ

糖尿病は中高年に珍しくなく 脳卒中の発症リスクを高め またその回復を遅らせる。

動物実験でそのメカニズムを調べてみたそうな。


中年ネズミを2グループに分け 一方に糖尿病を誘発させたのち、すべてを脳虚血にした。

2ヶ月後、運動機能、認知機能を調べ 解剖して脳組織を観察したところ、


次のことがわかった。

・糖尿病グループで認知障害が確認できた。

・海馬組織で血管損傷、小血管の塞栓、脳血液関門の漏れ、血管周囲のアクアポリンの欠損が観察された。

・さらに糖尿病グループでは感覚運動機能と認知機能の障害が非糖尿病グループに比べ大きかった。

・また 神経新生が抑制され樹状突起の可塑性に障害が起きていた。

・しかし梗塞が大きくなったわけではなかった。

糖尿病があると神経血管ダメージを悪化させ脳の修復プロセスを妨げるため 脳卒中からの回復が遅れる、


というおはなし。

図:糖尿病の神経樹状突起

感想:

身近な人の糖尿病対策として ゆるい糖質制限食を導入して早8ヶ月。糖尿病はあっさり解決した。

試みに自分も一緒に糖質制限をはじめていまも続いている。体重が2キロ減ったけど食後の異様な眠気がまったくなくなりとても快調。

2016年7月10日

糖尿病が発覚した脳卒中患者の予後は、


Prognosis of Ischemic Stroke With Newly Diagnosed Diabetes Mellitus According to Hemoglobin A1c Criteria in Chinese Population.
2016  7月  中国

ヘモグロビンA1c (HbA1c)は糖尿病の診断に用いられる。あらたに糖尿病と診断された脳梗塞患者の1年後について調べてみたそうな。


糖尿病の診断は
空腹時血糖値126mg/dl以上、ブドウ糖負荷2時間後200mg/dl以上
または
HbA1cが6.5%以上 とした。

1年後の死亡率、再発率、機能回復度を調査し 関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・もともと糖尿病ではなく脳梗塞になった患者1251人のうち

・539人があらたに糖尿病と診断され、

・141人はHbA1cのみが高かった。

・糖尿病は1年後の予後悪化要因であり、とくに機能回復不良リスクが2.58倍になった。

・しかしHbA1cのみが高い患者では予後不良と明らかな関連はなかった。

脳梗塞をきっかけに糖尿病がわかった患者の予後は良くなかった。しかしHbA1cのみが高い場合はその限りではなかった、


というおはなし。

図:糖尿病診断基準

感想:

いままで糖尿病関連の研究は無視してきた。
でもさいきん、身近な人が糖尿病になり 他人事ではないと思い関心をもつようになった。

2016年7月8日

糖尿病もちの高齢脳梗塞患者の予後


Mortality, Recurrence, and Dependency Rates Are Higher after Acute Ischemic Stroke in Elderly Patients with Diabetes Compared to Younger Patients.
2016  6月  中国

いっぱんに脳卒中の影響は高齢になるほど大きい。糖尿病がある場合にはどうか 調べてみたそうな。


糖尿病もちの急性脳梗塞患者3615人について、

*75歳以上の高齢グループ
*75歳未満のヤンググループ

に分け、12ヶ月後、36ヶ月後の死亡率、要介助率、再発率を比較したところ、


次のようになった。

・19.1%が高齢グループで、重症患者の割合も高齢グループに多かった。

・高齢グループでは高血圧、脂質異常、喫煙、アルコール摂取率がヤンググループよりも低かった。

・12ヶ月後、36ヶ月後の死亡率,要介助率,再発率は、いずれの項目も高齢グループで明らかに高かった。

・重症度を考慮に入れたヤンググループに対する高齢グループの死亡率,要介助率,再発率は、12ヶ月後でそれぞれ2.18, 1.81, 1.37倍、36ヶ月後 3.10, 2.04, 1.40倍 だった。

糖尿病のある脳梗塞患者の長期的予後を調べたところ、やはり年齢が予後悪化の大きな要因だった、


というおはなし。

図:糖尿病で脳梗塞 高齢者

感想:

脳卒中業界では75歳未満はyoungなんだな。

2016年7月3日

5日経つけど症状が悪化しない、、良いことなのか?


Early neurological stability predicts adverse outcome after acute ischemic stroke.
2016  6月  アメリカ

脳卒中の重症度評価スケールであるNIHSSスコアの急な増加は梗塞の拡大や浮腫、出血など予後の悪化に関連する。

そこでNIHSSスコアが安定している場合は 良いことなのかマズイことなのか調べてみたそうな。


脳梗塞患者の急性期および3-5日後のNIHSSスコアを調べ次の3グループに分けた。

*NIHSSスコアが4以上増加の悪化グループ
*NIHSSスコアの増減が3以内の安定グループ
*NIHSSスコアが4以上減少の回復グループ

各グループとMRI画像上の特徴および3ヶ月後の生活自立度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・悪化グループ8人、安定グループ36人、回復グループ31人を対象とした。

・悪化または安定グループの3ヶ月後の生活自立度は回復グループに比べ低く、

・梗塞や浮腫の拡大が明らかだった。

脳梗塞のあとNIHSSスコアが大きく増減しない状態は良い兆しではなく、梗塞や浮腫の拡大に関連していた、


というおはなし。

図:NIHSSの早期安定とmRS

感想:

ようするに 良くなる患者は早くに ドンッ!と良くなるんだな。

2016年6月2日

急性脳梗塞の入院率 最近の傾向 in アメリカ


Trends in Acute Ischemic Stroke Hospitalizations in the United States
2016  5月  アメリカ

アメリカでは急性脳梗塞の入院率が概ね減少傾向にあると言われている。

さらに詳しく 人種、年齢、性別での違いを調べてみたそうな。


アメリカ国勢調査データから 2000-2010、25歳以上の急性脳梗塞の患者記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に全体の入院率は10万人あたり250→204人になり 18.4%減少した。

・65歳以上では入院率は高かったが高齢になるほど減少傾向にあり、64歳未満ではやや増加傾向だった。

・黒人の入院率は高く増加傾向で、ヒスパニックや白人は減少傾向だった。

・女性の入院率は低く 減少傾向にあった。

全体としてアメリカの脳卒中入院率は減少傾向にあり 特に高齢者、女性、ヒスパニック、白人で顕著だった。

図:脳梗塞トレンドと人種

感想:

黒人に親近感わいちゃう。

2016年5月2日

脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由


Reversal of the Detrimental Effects of Post-Stroke Social Isolation by Pair-Housing is Mediated by Activation of BDNF-MAPK/ERK in Aged Mice.
2016  4月  アメリカ

社会的な孤立は脳卒中死亡率に関連する。

高齢者を想定して、高齢ネズミをつかってこのメカニズムを調べるべく実験してみたそうな。


3週間 2匹ずつペアで飼った高齢ネズミ計140匹を人為的に脳梗塞にして、

*1匹飼いの孤立グループと
*引き続きペアのグループに分けた。

3日後、3週間後の死亡率、神経症状、梗塞の体積およびシナプス可塑性に関する84種の遺伝子を調べたところ、


次のことがわかった。

・3日間死亡率 7.1% vs. 14.2%、 3週間死亡率 19.0% vs. 28.5% でいずれも孤立グループが高かった。

・梗塞の体積は明らかに孤立グループで大きかった。

・感覚運動障害および学習、記憶能力がペアグループで大きく改善した。

・シナプス可塑性に関するいくつかの遺伝子の発現が両グループで異なっていた。

・ペアグループでは脳由来神経栄養因子BDNFが増加しミエリン構成タンパク質を調整していた。

脳卒中のあとの社会的な孤立による死亡率の上昇、神経症状の悪化、梗塞の拡大、特徴的な遺伝子発現、BDNFレベルの低下が確認できた、


というおはなし。

図:BDNF同居

感想:

これ↓思い出した。
一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?

2016年4月25日

孤独感 社会的孤立は脳卒中のもと?


Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies
2016  4月  イギリス

孤独感や社会的孤立と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


脳卒中など心血管疾患と社会との関わりについての過去の論文を厳選、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・23の論文がみつかり、冠動脈疾患4628件、脳卒中3002件を3-21年間フォローしたデータを得ることができた。

・社会との関係が乏しいと、冠動脈疾患のリスクが29%、脳卒中リスクは32%増加した。

・男女の差はなかった。

社会的関係が希薄だと冠動脈疾患や脳卒中リスクが30%程度増加する、


というおはなし。

図:孤独

感想:

オレは逆だな。仕事辞めて収入途絶えてでもひとりになりたいタイプ。

2016年4月18日

しゃがむ動作 脳卒中患者の想い


Importance of squatting and sitting on the floor: perspectives and priorities of rural Indian patients with stroke.
2016  3月  インド

アジアでは床にしゃがんだり座ったりする動作が多い。

脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作をどの程度重要視しているかを調べてみたそうな。


インド グジャラート州の脳卒中患者123人にアンケート調査したところ、


次のことがわかった。
・68%の脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作が重要であると考えていた。

・重要な順に、トイレ、入浴、食事、祈り、仕事で、これらは男女共通だった。

・特に女性は料理、洗濯、掃除も重要と考えていた。

かなりの割合の脳卒中患者が膝を深く曲げる動作が日常生活に重要であると考えていた。床にしゃがんだり座ったりをできるようにするリハビリが大切だろう、


というおはなし。

図:しゃがみが重要な日常生活動作
感想:

和式トイレは健康でもキツイ。
難しい理屈はいいからスクワットをやれ

2016年4月17日

マクロファージが脳卒中の回復に役立っていた


Monocyte-Derived Macrophages Contribute to Spontaneous Long-Term Functional Recovery after Stroke in Mice
2016  4月  スウェーデン
Immune cells help the brain to self-heal after a stroke

脳卒中後の炎症反応についてはこれまで 脳のダメージを大きくする厄介事と考えられてきた。

ところがそうではなさそうなことがわかってきたそうな。


・脳卒中が起きると損傷部位に免疫システムから白血球が集まってくる。

・ネズミの白血球の単球を除いて脳卒中にしたところ、脳のダメージが通常よりもひどかった。

・単球はマクロファージに変化し 死んだ細胞を食べると考えられてきた。

・しかし一部のマクロファージは抗炎症性を示し分泌する物質が脳を修復し機能回復を促していた。

脳卒中のあと単球由来のマクロファージが脳の回復に重要な役割を担っていた、


というおはなし。

図:マクロファージ


感想:

自分で勝手に治す仕組みがちゃんと備わってたんだね。
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脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』