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2017年7月9日

退院したばかりの脳卒中患者の過ごし方の内訳


Sleep Duration, Sedentary Behavior, Physical Activity, and Quality of Life after Inpatient Stroke Rehabilitation.
2017  6月  カナダ

脳卒中のあと運動不足が続くと心血管疾患のリスクがあがる。

リハビリから退院した脳卒中患者の1日の身体活動状況をくわしくしらべてみたそうな。


平均年齢64、発症から3.6ヶ月前後の自立歩行のできる脳卒中患者30人について、activPAL3という加速度計を装着させ7日間の活動状況を測定 解析したところ、


次のことがわかった。
・半数の患者が1日9時間を超える睡眠をとっていた。

・目が覚めている時間の74.8%は座っていて、17.9%が立位、7.3%が歩行に費やされていた。

・全歩行時間のうち1.1分間のみが中レベル(100歩/分)以上の歩行ペースだった。

・座っている時間、歩行時間、歩数は麻痺の左右側でおおきく異なり、性別や脳卒中の種類にはよらなかった。

・これらの測定値と発症からの時間には有意な関連はなかった。

脳卒中リハビリから退院したばかりの患者は睡眠時間が長く、起きている時間の4分の3を座って過ごし、歩行時間も極めて短かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の過ごし方チャート

感想:

わけもなく疲れて ものごとへの関心もなくなって うごく気がしないんだよ、、

2017年6月30日

離婚で脳卒中リスクアップ!


Divorce Linked to Increased Stroke Risk
2017  6月  デンマーク

結婚は独身でいるよりも脳卒中リスクをさげると考えられている。

そこで離婚や死別もふくめた結婚状況と脳卒中との関連をしらべてみたそうな。
先月の欧州脳卒中会議での発表。


デンマークの脳卒中患者データベースから58807人ぶんを抽出して、発症1年前の結婚状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・52%は結婚していて、9%が独身、13%が離婚、26%が配偶者と死別していた。

・結婚している場合にくらべ、独身、死別での脳卒中リスクにはほとんど差はなく、

・離婚した場合でのみあきらかなリスク上昇があった。

・このとき男性が脳卒中リスク1.23倍、女性は1.11倍だった。

結婚している者にくらべ離婚を経験すると独身や死別よりも脳卒中リスクが とくに男性で高くなった、


というおはなし。
図:妻に離婚された

感想:

離婚に至るまでにドロドロとしたストレスフルな生活が何年間か続いているに違いなく、さらに酒やたばこに逃げ続けてきた結果の脳卒中、ってことのようだ。

2017年6月21日

脳梗塞の有病率 さいきんの傾向


Long-term trends in the prevalence of patients hospitalized with ischemic stroke from 1995 to 2010 in Sweden.
2017  6月  スウェーデン

高齢化で脳卒中患者数の増加が予想される。そこで 脳卒中のおよそ85%を占める脳梗塞の有病率のさいきんの傾向をしらべてみたそうな。


スウェーデンの患者データベースから脳梗塞で入院した事例を抽出して1995-2010の傾向を解析したところ、


次のことがわかった。

・過去15年間の総患者数は1995年時点で129418人で、2010年時点では148778人だった。

・この間に脳梗塞で入院したことのある患者は人口10000人あたり189人の有病率だった。

・有病率は2000年までは増加傾向にあったがそれ以降 ほぼ安定した。

・45歳未満の有病率は増加したが その増加スピードは低下傾向にあった。

・85歳以上では有病率はやや低下傾向にあった。

脳梗塞の有病率は2000年までは増加し、その後緩やかに減少している。しかし若年者脳梗塞の有病率は増加傾向にあった、


というおはなし。
図:

感想:

日本で脳血管疾患で入院か通院中の患者は2014に118万人だから、1.2億人で割ったら10000人あたり約100人ってことになる。
スウェーデンのはんぶん。

総患者数の決め方が調査によってまちまちなんだな。

2017年6月11日

日本の新規脳卒中患者数と種類別発生率


Incidence, Management and Short-Term Outcome of Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese - Shiga Stroke Registry.
2017  6月  日本

50年以上にわたり日本人の脳卒中は死亡率が低下傾向にあるものの、いまだ主要な死亡原因のひとつである。

日本の最新の脳卒中状況をまとめてみたそうな。


滋賀県の脳卒中患者データベースから2011の急性脳卒中患者および死亡事例を抽出して解析したところ、


次のようになった。

・トータル2956件の脳卒中のうち、2176件は初回脳卒中だった。

・10万人あたりの年間発生率は脳梗塞91.3人、脳内出血36.4人、くも膜下出血13.7人だった。

・2011 日本全体では22万人のあらたな脳卒中の発生があったと推定できた。

・2956件の脳卒中事例のうち、ほとんどの患者が画像検査を受け、268人は手術や血管内治療を、2158人はリハビリを、78人は血栓溶解治療を受けた。

・退院時、1846人の患者は死亡または要介護状態で、発症後28日以内に390人が死亡した。

日本の脳卒中の新規患者数と種類別発生率が推定できた。半数以上の患者が死亡か要介護状態にあった、


というおはなし。
図:滋賀県の位置

感想:

いま2017なのに2011の結果もどうかな、、とおもったけど、脳卒中治療ガイドラインも2009以来ネット公開されていないのをおもいだした。
2015の書籍版があるみたいなんだけど、中身はなにも変わっていないってことなんだろうね きっと。

2017年6月10日

脳卒中から2年以上たっても解決されない課題とは


Long-term unmet needs and associated factors in stroke or TIA survivors
2017  5月  オーストラリア

脳卒中を経験すると障害や日々の生活での解決できない課題をかかえることになる。

これら解決されない脳卒中患者のニーズの種類と特徴についてしらべてみたそうな。


脳卒中またはTIAから退院して2年以上経った患者485人をアンケート調査した。

解決されない課題(unmet needs)は、以下の5つに分類した。

*社会参加
*環境
*身体機能
*慢性期のケア
*再発予防


次のことがわかった。

・81%から回答を得た。

・そのうち87%が1つ以上の解決されない課題を抱えており、特に71%が再発予防でなやんでいた。

・これら解決されない課題に絡む要因に 高齢、機能回復度、かかりつけ医の質 との関連度は低く、

・うつや地域サービスとの関連は強かった。

脳卒中やTIA患者は退院後2年以上たっても解決されない課題を少なからず抱えていた。とくに再発予防問題でなやんでいた、


というおはなし。
図:解決されないニーズの関連要因


感想:

再発予防策は 脳梗塞 脳出血いずれも なっとくのいくエビデンスないからなぁ、、そら解決しないわ。

2017年5月28日

インド人 vs. 中国人 脳卒中なりやすさ


Temporal trends in stroke incidence in South Asian, Chinese and white patients: A population based analysis.
2017  5月  カナダ

先進国の脳卒中発生率は低下傾向にあるものの途上国ではいまだ上昇傾向にある。インドや中国からの西欧諸国への移民も多くのリスク要因を抱えていると考えられる。

カナダ住民について民族ごとの脳卒中のなりやすさを比べてみたそうな。


1997-2010の脳卒中(脳梗塞、脳内出血)患者の記録を、南アジア人(インド、パキスタン、バングラデシュ)、中国人(中国、台湾、香港)、白人に分けて解析したところ、


次のことがわかった。

・南アジア人の発症年齢は、脳梗塞と脳内出血いずれも白人より若かった。

・脳梗塞発生率は白人にくらべて南アジア人で43%低く、中国人で63%低かった。

・脳内出血発生率は白人にくらべて中国人で18%高く、南アジア人で66%低かった。

・この間、脳梗塞と脳内出血の発生率はすべての民族で減少傾向にあった。

脳卒中の発生率はすべての民族で減少傾向にあった。白人に脳梗塞がおおいことと 中国人に脳内出血がおおい理由はこんごの研究に期待する、


というおはなし。
図:民族と脳卒中

感想:

なにげにインド人がいちばん優秀だな、、

2017年4月28日

ほんとうに "回復良好" な脳卒中患者とは


“Good Outcome” Isn’t Good Enough
Cognitive Impairment, Depressive Symptoms, and Social Restrictions in Physically Recovered Stroke Patients
2017  4月  カナダ

脳卒中からの回復はおもに日常生活動作についてのみ評価される。
しかし脳卒中患者は身体機能が回復したのちも社会参加や精神機能、孤独感、生活の質に困難をおぼえることが考えられる。

そういった問題がどのくらいの割合で起きているのかしらべてみたそうな。


発症から2-3年経つ脳卒中患者142人について複数の指標で回復程度を評価したところ、


次のことがわかった。
・全体の68%の患者は日常生活動作にあきらかな障害がないレベル(modified Rankin Scale<2)の回復を遂げていた。

・彼らのうち54%は "Montreal Cognitive Assessment" で認知障害が認められ、

・52%には "Reintegration to normal living index" で社会復帰に制約があった。

・また32%は " Patient Health Questionnaire-2" でうつ症状が認められた。

・mRS上での活動制限の有無は他の指標のスコアにほとんど反映されなかった。


日常生活動作の点で回復良好な脳卒中患者であっても 半数以上が認知障害や社会参加、3分の1がうつになやんでいた。なにをもって回復良好とするか考え直したほうがいいのではないか、


というおはなし。
図:脳卒中患者のmRSと他の指標


感想:

せっかく手足がうごくようになっていい気でいるのに『君には認知障害、社会不適合、うつの兆候がある』なんてわざわざ言って欲しくないわな。

2017年4月2日

脳卒中経験者の社会ネットワークの変化


A Typology to Explain Changing Social Networks Post Stroke.
2017  3月  イギリス

脳卒中のあと人々は社会との接点をうしないがちになるという。

脳卒中経験者の社会的ネットワークがどのように変化するのかしらべてみたそうな。


シティ・オブ・ロンドンの脳卒中センター2箇所の患者87人について6-15ヶ月ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・彼らの社会的ネットワークは、多様なつながり、友人ベース、家族ベース、親しい家族のみ、家族なし、のいずれかに分類できた。

・ぜんたいのおよそ3分の1が 多様なネットワークから家族中心のネットワークに移っていた。

・もともと友人関係の強い人や家族のいない人の友人ネットワークは安定していた。

・家族がいない人でさらに社会的に孤立するケースが、脳卒中前の3%から脳卒中後17%に増加していた。

・引きこもりになりがちな要因として 身体障害のみならず地域に根ざしたサポートの不足や精神的なダメージが考えられた。

脳卒中を経験すると社会的ネットワークが変化しがちである。身体的、精神的ダメージにより 家族よりも友人たちとの接点が失われてゆく傾向がある、



というおはなし。
図:

感想:

みな死ぬときはひとりなんだから、その前段階として孤独が深まるのは自然なこと。無理して社会とつながることはないかな。

2017年2月28日

脳卒中急性期に上体を起こしておくのは意味があるの?


In Stroke, No Clear Benefit for Head Positioning
2017  2月  オーストラリア

脳卒中の急性期に上体を起こしておくと脳の浮腫や肺炎の防止によいかも...といわれている。

ほんとうのところはどうなのか大規模に調べてみたそうな。

先週の国際脳卒中会議での発表。


世界114病院の脳卒中患者11000人以上について、入院直後の24時間を水平寝または上体起こし(30度以上)で過ごす2グループに分けて90日後の状態を比較したところ、


次のようになった。

・水平寝の13%、上体起こしの4%がなんらかの理由で姿勢維持を中断した。

・90日後、完全回復でなかった者の割合は 水平寝47.7%、上体起こし48.2%だった。

・水平寝の29%、上体起こしの40%が要介護または死亡で、

・両グループともに7%が死亡した。

・ぜんたいとして、頭の位置で障害の重さに明らかな差はなかった。

・年齢、脳卒中の種類、重症度などによらず 頭の位置の違いで結果の優劣はなかった。

急性期脳卒中患者のあたまの位置は、水平寝または上体起こしにかかわらず 予後に影響がなかった、


というおはなし。

図:脳卒中急性期の上体起こしの効果


感想:

片方の鼻が詰まっているときその側を上にして寝ると鼻が通る。だから左向きに寝れば右脳の腫れがひくかなとおもった。初期はまだ肩は痛くなかったけど左腕の感覚がゼロで、下にして寝ると腕が変な角度に折れ曲がっていた。ほうっておくとそのまま腕が壊死しそうな気がしてけっきょく左向きでは寝れなかった思い出。

2017年2月26日

糖尿病の脳卒中への影響を生涯リスクで比較してみた


Diabetes and lifetime risk of stroke and subtypes in an urban middle-aged population.
2017  2月  日本

糖尿病は脳卒中のリスク要因ではあるがどのていど影響するものなのか直観的に理解しにくい。

年齢のある時点から死亡するまでに疾患を発症する確率 "生涯リスク" で糖尿病の影響を比較してみたそうな。


大阪 吹田市民5515人を1989から2007までフォローし、脳卒中の生涯リスクを解析したところ、


次のようになった。

・40歳時点では、男性の脳卒中生涯リスクは糖尿病なしで15.98%、糖尿病があると26.64%で、

・女性の脳卒中生涯リスクは、糖尿病なしで17.29%、糖尿病があると30.72%だった。

・これら糖尿病による生涯リスクの増加度は 計算開始時点の年齢をあげても同じだった。

・脳卒中の種類別では脳梗塞で同様の結果が得られた。

糖尿病は中年の男女ともに脳卒中の生涯リスクにつよく影響することがわかった、


というおはなし。

図:糖尿病 脳卒中の生涯リスク


感想:

糖尿病があると脳卒中患者数がだいたい10%増えるんだな。

2017年2月13日

脳梗塞の発生率が低下している理由


Declining Incidence of Ischemic Stroke
What Is the Impact of Changing Risk Factors? The Tromsø Study 1995 to 2012
2017  2月  ノルウェー

この数十年で脳梗塞の発生率が低下している。なにが理由で低下しているのかしらべてみたそうな。


ノルウェー・トロムソの住民26329人を対象とした1995-2012の調査記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に1226人の脳梗塞があった。

・心血管リスク要因の変化が脳梗塞発生率の低下の57%に影響していた。

・とくに収縮期血圧の平均値と喫煙率の低下がもっとも関連していた。

・いっぽう糖尿病率の増加は脳梗塞発生率の低下傾向を相殺していた。

近年の脳梗塞発生率の低下は おもに収縮期血圧と喫煙率の低下によるもの と考えられた、


というおはなし。
図:脳梗塞の発生率推移

感想:

でも脳内出血の発生率はさがってないんだって。↓
脳内出血の48時間致命率の年代推移

2017年1月24日

要介助の割合 3年間の傾向


How Many Patients Become Functionally Dependent after a Stroke? A 3-Year Population-Based Study in Joinville, Brazil.
2017  1月  ブラジル

脳卒中のあと3年間でどのくらいの患者が要介助にあるのかしらべてみたそうな。


ブラジル・ジョインヴィレでの2009年の脳卒中患者407人について電話アンケートもつかって3年後までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・患者内訳は脳梗塞が83%、脳出血10%、クモ膜下出血7%だった。

・退院時点での要介助状態(mRS=3-5)の患者は32.7%だった。

・退院時から3年後までの要介助患者の割合は、脳梗塞で33%→8%、

・脳出血で38%→14%、クモ膜下出血で19%→4% と推移した。

・脳梗塞のなかでは心原性のタイプがもっとも要介助リスクが高かった。

脳卒中のあと最初の1年間は3分の1の患者が要介助だった、


というおはなし。
図:脳卒中後の要介助割合

感想:

うえのグラフだと要介助の減少は回復したからではなく 死亡が理由のようにもみえる。

2017年1月19日

PTとOTの違い 上肢麻痺患者のばあい


Content of conventional therapy for the severely affected arm during subacute rehabilitation after stroke: An analysis of physiotherapy and occupational therapy practice.
2017  1月  オランダ

脳卒中リハビリで麻痺上肢に費やされる時間にはかたよりがあると言われているが内訳がよくわかっていない。

そこでPT(理学療法)とOT(作業療法)にわけて上肢の麻痺が重い脳卒中患者へのリハビリ時間で比べてみたそうな。


上肢が重度に麻痺した脳卒中患者46人の医療記録を解析した。
各リハビリ内容に要した時間を国際生活機能分類(ICF)のメインカテゴリ別(心身機能、活動、参加、その他)に集計した。

次のことがわかった。

・PT,OTともに30分間のセッションのうち4-7分間を上肢リハにあてていた。

・PTは麻痺上肢よりも心身機能へあきらかに多くの時間を費やしていた。

・OTは移動や身支度 家事の 活動カテゴリに特に多くの時間を費やしていた。

・ICFの全15のサブカテゴリのうち上記3つを除く12では時間配分がPT,OTで酷似していた。

重度に上肢が麻痺した脳卒中患者は上肢に特化したPTやOTの時間がほとんどなかった。療法士は上肢リハビリの時間をおもに心身機能向けに使っていた。PTとOTの時間配分では15あるリハビリカテゴリのうち12が完全にダブっていた、

というおはなし。

図:PTとOT 上肢に割く時間


感想:

いっそ資格を統合して PTOT(ピィーティーオーティー) にすればよくね? (㌰
じつは上肢リハビリがほとんど行われていなかった!

2016年12月29日

左脳をやられても言葉の感情がおかしくなるの?


Affective speech prosody perception and production in stroke patients with left-hemispheric damage and healthy controls.
2016  12月  ニュージーランド

脳卒中で右脳を損傷すると発する言葉に感情が乗らなくなる。これは「プロソディ障害」として多くの報告がある。

左脳損傷ではどうか、調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中男女11人と 同性同年齢の健常者15人について

聴き取った言葉の韻律から感情を判断する精度、および言葉に感情を乗せる能力を評価したところ、


次のようになった。

・グループ間で感情の感受精度にあきらかな違いがあった。

・言葉に感情を乗せる能力についてもおおきな差があった。

脳卒中で左脳損傷の患者は言葉の韻律に感情を読み取る能力 感情を込める能力が低下していた、


というおはなし。

図:左脳損傷での感情韻律の感受精度

感想:

でも右脳のばあいよりもはやく治っちゃうみたいだね。

これら↓を思い出した。
[右脳感情] ←関連リンク

2016年12月16日

結婚回数と脳卒中後の生存率


Marital History and Survival After Stroke
2016  12月  アメリカ

脳卒中になったとき結婚しているかどうかがその後のサポートや予後に大きく影響すると言われている。

そこで結婚歴と脳卒中後の生存率との関連を調べてみたそうな。


脳卒中を経験した2351人について5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に1362人死亡した。

・配偶者が健在の患者と比べたときの脳卒中死亡リスクは生涯独身者で1.55倍、再婚者で1.22倍、離婚で1.22倍、死別だと1.32倍だった。

・さらに死別や離婚を繰り返し結婚回数が増えると 現在の結婚状況にかかわらず生存率が明らかに低くなった。


脳卒中患者の結婚歴はその後の生存率と関連していた、


というおはなし。

図:結婚歴と脳卒中生存率

感想:

これ↓思い出した。
脳梗塞後の一人暮らし 早く亡くなるのは女か男か

2016年11月24日

リハビリは病院と自宅どっちが効果的なの?


Comparison of Two Post-Stroke Rehabilitation Programs: A Follow-Up Study among Primary versus Specialized Health Care.
2016  11月  スペイン

脳卒中患者のリハビリを自宅で行うものと病院外来の場合とでその効果のちがいをくらべてみたそうな。


145人の脳卒中患者を自宅グループと病院外来グループに分けた。

両グループともにリハビリセッションを週に2-3回おこなった。
自宅グループには療法士と医師のチームを派遣し、患者の生活状況を考慮したリハビリを行った。

これ以上の改善はないと医師が判断するか 患者が希望した時点でリハビリを終了した。


次のようになった。

・両グループともに日常生活動作があきらかに改善した。

・平均セッション回数は 21 vs. 29 で自宅グループが少なかったが、

・回復度は自宅グループのほうが優れていた。

自宅ベースの脳卒中リハビリは少なくとも病院外来リハビリと同程度に効果的だった、


というおはなし。

図:自宅リハと外来リハ

感想:

回復の程度は病院固有の設備や器具にはまったく依らないってことなんだな。

2016年11月12日

5年後も障害が残る脳卒中患者の割合と特徴


The Disability Rate of 5-Year Post-Stroke and Its Correlation Factors: A National Survey in China.
2016  11月  中国

脳卒中後の障害についての研究は短期的なものがおおい。

そこで長期的 大規模に調べてみたそうな。


中国全土から脳梗塞患者893人を選び5年後の状態を調査した。

障害ありは modified Ranking Score (mRS)が2以上とした。


次のことがわかった。

・なんらかの機能的障害のある者の割合は45%だった。

・高齢、低教育レベル、脳卒中歴、入院時に重症、うつ、3ヶ月時点の認知障害、5年以内の脳卒中再発 が明らかな関連要因だった。

脳卒中から5年後にも障害が残っている割合は高かった。うつ対策や再発予防が重要だろう、


というおはなし。
図:5年後の障害要因

感想:

逆の印象だな。55%は明らかな障害はないってこと。
テレビや雑誌で刷り込まれた脳卒中への恐怖に比べたらハッピーな現実ではなかろうか。

2016年9月10日

脳卒中のあと突発性難聴になりやすいは本当?


Risk of sudden sensorineural hearing loss in stroke patients: A 5-year nationwide investigation of 44,460 patients.
2016  9月  台湾

脳卒中のあとの突発性難聴は周囲とのコミュニケーションを困難にしリハビリの妨げとなる。

実際のところ 脳卒中と難聴が関連があるのか、調べてみたそうな。


台湾の健康保険データベースより脳卒中患者11115人と他の病気の患者33345人を抽出し、突発性難聴の有無を5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中患者の66人が、その他患者の105人が突発性難聴になった。

・発症率は年間1000人あたりそれぞれ、1.19人 vs. 0.63人で2倍の差があった。

・発症後1年間に限定すると脳卒中患者の突発性難聴リスクは5.65倍だった。

脳卒中患者の突発性難聴リスクは高かった。特に脳卒中から1年内ではリスク5倍以上だった、


というおはなし。

図:ヒラリー・クリントン脳梗塞疑惑 突発性難聴 後遺症

感想:

ヒラリー・クリントンが集会で着けていたイヤフォンが脳梗塞後の難聴をカバーするため?というニュース疑惑とちょうど重なって関心をもった。

2016年9月5日

脳梗塞患者が何歳ぶん老化がすすんでいるのかわかった


Ischemic stroke patients are biologically older than their chronological age.
2016  8月  スペイン

DNAの特定領域のメチル化率には生物学的な老化度が反映されていると考えられる。

そこで、脳梗塞患者についてメチル化率を調べ健常者との比較から経時的な年齢と生物学的な年齢を比べてみたそうな。


39-82歳、82人の脳梗塞患者および41人の健常者について、
イルミナ社のDNAチップを用いてCpGサイトのメチル化解析を行ったところ、


次のことがわかった。

・同年齢の健常者に比べ、脳梗塞患者の生物学的な年齢は平均で2.5歳高かった。

・年齢層別にみると、57歳以下の脳梗塞患者では健常者よりも生物学的年齢が明らかに高く、

・年齢が高くなるほどこの差は小さくなった。

脳梗塞患者は同年齢の健常者よりも生物学的年齢が高かった、


というおはなし。
図:脳梗塞患者の実年齢と生物学的年齢



感想:

15年ほどまえ、メチル化解析を1文字ずつせっせとやってた思い出。

グラフみるとたとえば45歳で脳梗塞だと55歳相当だな、、

2016年8月29日

90歳超えでも血栓溶解治療は効果あるの?


The impact of intravenous thrombolysis on outcome of patients with acute ischemic stroke after 90 years old.
2016  8月  フランス

超高齢脳梗塞患者への血栓溶解治療効果について、実際のところどうなのか調べてみたそうな。


急性脳梗塞で入院した90歳以上の患者記録を見なおして、経静脈血栓溶解治療と3ヶ月後の回復度や出血性変化との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢92、78人の患者が見つかり、37人が血栓溶解治療を受けていた。

・3ヶ月後の生活自立度は、血栓溶解治療の有無とは関連がなかった。

・出血性変化は54% vs. 12%で血栓溶解治療グループに多かった。

・入院期間も血栓溶解治療グループで長かった。

血栓溶解治療を受けた超高齢者の予後は 受けない場合に比べ良いとは言えなかった、


というおはなし。

図:超高齢者の血栓溶解治療

感想:

これ↓思い出した。
103歳の脳卒中女性に血管内治療を施した結果、、

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再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』