ラベル イメージ訓練 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル イメージ訓練 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年8月14日

運動イメージ訓練の歩行リハビリ効果がわかった


Effects of motor imagery on walking function and balance in patients after stroke: A quantitative synthesis of randomized controlled trials.
2017  8月  中国

実際に身体をうごかすことなくイメージだけで練習を行うことを「運動イメージ訓練」や「メンタルプラクティス」とよび、視覚的にイメージする方法や運動そのものをイメージする方法などがある。

脳卒中片麻痺患者への運動イメージ訓練の有効性は数多く報告されているが、歩行能力に限定したシステマティックレビューはおおくない。

そこで最新の研究をふくめてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


研究データベースから関係するものを厳選し データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者735人を含む17のランダム化比較試験がみつかった。

・訓練期間は6週間、1回あたり15分間、ビデオやオーディオを用いる方法がおおかった。

・通常訓練にくらべ運動イメージ訓練は歩行能力や運動機能の改善に より効果的だった。

・ただしバランス能力に有意な改善はなかった。

・歩行能力の改善効果は短.長期的にも有効だった。

・6週間未満の短期に限定すればバランス能力の改善もみられた。

運動イメージ訓練は脳卒中患者の歩行リハビリに有効であると考えられた。ただし測定値や方法にばらつきが大きいので さらなる研究が期待される、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練

感想:

ちなみに上肢に限定すると、数ある治療法のなかでいちばん効果がでているのが運動イメージ訓練。
上肢リハビリ 良い方法 と ダメな方法

2017年2月1日

脳卒中患者がTimed Up and Goをイメージする能力


Evaluating the Effect of Cognitive Dysfunction on Mental Imagery in Patients with Stroke Using Temporal Congruence and the Imagined 'Timed Up and Go' Test (iTUG).
2017  1月  フランス

運動イメージは脳卒中のリハビリに深く関わっていて、その能力は実際の運動に要した時間とイメージの時間とのズレで評価できる(Temporal Congruence:TG)。

歩行動作について運動イメージ能力をしらべてみたそうな。


脳卒中患者20人と健常者20人について、
タイムアップアンドゴーテスト:TUG(椅子から立ち上がってひとまわりしてまた座るまでの時間計測)
の実動作とイメージに要する時間(iTUG)をそれぞれ測定した。

運動イメージは、動作を感覚的にとらえる方法と1人称または3人称視点で視覚的に描く方法のいずれでもよしとした。

TG(%)=(TUG-iTUG)/((TUG+iTUG)/2)x100 と定義した。

認知機能テストもおこない関連を解析したところ、


次のようになった。

・運動イメージ能力のズレの大きさTGは脳卒中患者で45%、健常者で24%だった。

・イメージに要した時間iTUGは注意力を測るBells Test スコアと正の相関があった。

脳卒中リハビリに運動イメージ訓練を応用するばあい、患者の注意障害の可能性を考慮するひつようがあるだろう、


というおはなし。

図: temporal congruence

感想:

この↓はなしに似ているとおもった。
重度感覚麻痺がイメージ能力に及ぼす影響とは

2016年10月5日

重度感覚麻痺がイメージ能力に及ぼす影響とは


Mental chronometry and mental rotation abilities in stroke patients with different degrees of sensory deficit.
2016  9月  ドイツ

脳卒中のリハビリでもっとも有効とされる方法の1つにイメージ訓練がある。

イメージ訓練には動作を3次元的にシミュレートする能力と、各動作の時間を正確に構築する能力(メンタルクロノメトリー)が要求される。

これら能力は深部感覚麻痺の患者で低下しているとの報告がある。

そこで、脳卒中で体性感覚(触覚、温度感覚、深部感覚など)障害の患者でのイメージ能力を調べてみたそうな。


発症6ヶ月未満の脳卒中患者70人について、体性感覚の障害度別に3グループに分けた。(グループ1は障害ゼロ、グループ3は重度)

これに健常者23人を加え、ボックス&ブロックテストでの実際の動作およびイメージ上の動作に要した時間を 麻痺手 非麻痺手で計測した。

メンタルクロノメトリー能力=(実動作時間-イメージ動作時間)/(実動作時間)
と定義した。

またメンタルローテーション課題も行い正確さを評価した。


次のことがわかった。

・麻痺手のメンタルクロノメトリー能力は、グループ3で明らかに低下していた。

・非麻痺手ではすべてのグループでメンタルクロノメトリー能力は同等だった。

・メンタルローテーション能力はすべてのグループで同等だった。

重度の体性感覚障害の脳卒中患者ではメンタルクロノメトリー能力が明らかに低下したが、メンタルローテーション能力には影響はなかった、


というおはなし。
図:体性感覚障害とメンタルクロノメトリー

感想:

ようするに重度に感覚麻痺してるとイメージに要する時間がゼロに近づき瞬間的に動作が成立してしまうってこと。

思い出す... さいしょの数週間は左腕の感覚が「完全にゼロ」だった。そのころは幻肢がよくでた。
見舞客を見送る際にいつの間にかひだり腕を振っている。反動で胴が揺れる感覚まで再現されていた。
手を開こうとするとイメージの指だけが開いた。

2016年8月12日

損傷脳の左右の違いで運動イメージ能力に差はでるか?


Do Motor Imagery Performances Depend on the Side of the Lesion at the Acute Stage of Stroke?
2016  6月  フランス

運動イメージ訓練は脳卒中患者の上肢リハビリにもっとも効果的な方法の1つである。

しかし急性期患者の運動イメージ能力についてはよくわかっていないので調べてみたそうな。


発症後3週間未満の脳卒中患者24人と健常者24人について、運動イメージテストを行い 反応速度、エラー率、時間あたりのイメージ回数 等を測定し損傷脳の左右、麻痺手、非麻痺手の区別との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・写真の手の左右を判断する能力は、脳卒中患者は麻痺手側で反応速度が遅くエラー率が高かった。

・非麻痺手側では右脳損傷患者のエラー率が健常者よりも高かった。

・時間あたりのイメージ回数は両側の手で脳卒中患者が劣っていた。

・手を実際に動かせる回数とイメージで動かせる回数は対応関係にあったが、右脳損傷患者だけは両手ともに関連を確認できなかった。

運動イメージ訓練を脳卒中の上肢リハビリに応用する際には、損傷脳の左右の違いに注意が必要かも、


というおはなし。
図:運動イメージと実行能 左右脳の違い

感想:

これ思い出した。↓
手の写真をみて 右手か左手かすぐにわかる?

2016年6月16日

手の写真をみて 右手か左手かすぐにわかる?


An observational study of implicit motor imagery using laterality recognition of the hand after stroke.
2016  6月  オーストリア

手の写真を見せて右手か左手か判別させる課題(Hand Laterality Recognition Task:HLRT)は運動イメージ能力を反映すると考えられている。これを脳卒中患者で調べてみたそうな。


脳卒中患者32人と健常者36人についてHLRTの精度、反応速度および身体機能、メンタルローテーション能力を測定し 比較したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者は写真の手の判別精度が 69% vs 80% と低く、

・反応速度も 3.0 vs 1.9秒 と長かった。

・この精度低下または反応遅延のあった患者は53%に及んだ。

・HLRT精度は日常生活上の身体機能の低下、メンタルローテンション能力の低さ、失行と関連があった。

HLRTの精度 スピードで評価される運動イメージ能力は脳卒中患者の半数で低下していた。これは物体の心的回転能力の低下や失行、身体機能と関連していた、


というおはなし。

表:3Dローテーション精度

感想:

車運転してるとき、交差点のカーブミラーに映る車の方向指示器と進行してくる向きの予測がよく外れるんだけどこれと関係あるかな。

2016年6月12日

片麻痺イメージ訓練の分散効果とは?


Retention of the spacing effect with mental practice in hemiparetic stroke.
2016  6月  アメリカ

メンタルプラクティスは頭のなかで運動をリハーサルする方法で、脳卒中リハビリで最も成果を挙げている治療法のひとつである。

メンタルプラクティスは集中的に行うべきか それとも何回かに分けた方が効果的なのか実験してみたそうな。


慢性期の脳卒中経験者27人について、麻痺上肢の理学療法リハビリとメンタルプラクティスの組み合わせを週3回x10週間おこなった。

1日あたりのメンタルプラクティスについては、

*60分間 集中するグループと 
*20分間x3回に分散するグループ

に分けた。

上肢機能を複数の指標で計り 比較したところ、


次のようになった。

・10週間後、分散グループでいずれの評価スコアも明らかに優れていた。

・さらに3ヶ月後にも この関連は有意な傾向にあった。

脳卒中の麻痺上肢へのメンタルプラクティスは、集中訓練よりも分散訓練のほうがより効果的である、


というおはなし。

図:メンタルプラクティス分散と集中

感想:

イメージ訓練の類は見た目と違ってあたまが非常に疲れる。よほどの強い意志や動機がないと5分間だって続けることは難しい。
しかも サボっても他人にはわからない。

だから分散効果(spacing effect)にはなっとく。

2016年5月27日

運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、


Conditional Granger Causality Analysis of Effective Connectivity during Motor Imagery and Motor Execution in Stroke Patients.
2016  5月  中国

運動イメージ訓練は脳卒中リハビリ法のなかでも最も効果的な方法の1つとされている。しかしそのメカニズムはいまだよくわかっていない。

そこで運動イメージ中の脳卒中患者の皮質ネットワークの結合がどの方向に変化しているのか調べてみたそうな。


左脳損傷で右手麻痺の患者10人と健常者10人について、
右手の指を実際に動かしている時とイメージのみの場合での60秒間のfMRIデータを撮り、

一次運動野(M1)、前運動皮質(PMC)、補足運動野(SMA)間の結合性変化を解析したところ、


次のことがわかった。

・実際に指を動かしている時、患者は健常者にくらべ損傷脳のM1,PMC,SMAの相互の結合が明らかに低下していたものの、

・非損傷側のPMCとM1の相互の結合は強まっていた。

・運動イメージ中は患者の方が各皮質間のネットワークの結合が強く、

・特に非損傷側の皮質間相互の結合が顕著だった。

実運動では損傷脳での結合性は患者で低下していたが、それを補うように非損傷脳でのネットワークが強化されていた。運動イメージは損傷脳の影響を受けにくく各皮質間ネットワークを強化しているように見えた


というおはなし。

図:運動イメージ時の皮質結合性変化


感想:

イメージトレーニングは気のせいじゃないんだな。

2016年5月5日

運動イメージ訓練の下肢リハビリ効果


Motor Imagery Training on Muscle Strength and Gait Performance in Ambulant Stroke Subjects-A Randomized Clinical Trial.
2016  3月  インド

運動イメージ訓練は実際に運動をすることなく頭の中だけで特定の運動動作を行う。この訓練効果を脳卒中患者の下肢の運動機能について調べてみたそうな。


発症後3ヶ月以上経つ脳卒中で片麻痺の患者40人について、運動イメージ訓練あり、なしのグループに分けた。

運動イメージ訓練では 動作課題の音声指示を録音したものを リラックスした環境で聴きイメージする。1回30分x週4回x3週間行う。

並行して通常の理学療法も行う。

この前後で下肢筋力、歩行スピードを測定した。


次のようになった。

・3週間後、両グループ共に下肢の運動機能が大きく改善した。

・特に運動イメージグループで大腿の屈筋 伸筋、膝の伸筋、足首の背屈筋および歩行スピードの改善度が比較グループに比べ明らかに優れていた。

通常訓練に運動イメージ訓練を加えることで下肢筋力、歩行パフォーマンスが大きく改善できた、

というおはなし。

図:運動イメージ訓練

感想:

初めてのエスカレータの前日には頭が疲れて気を失うくらいイメージ訓練やったよ、 自己流だけど。

2015年10月26日

脳のここをやられていると運動イメージ訓練が効かない


Motor imagery-based skill acquisition disrupted following rTMS of the inferior parietal lobule.
2015  10月  カナダ

運動イメージ訓練 いわゆるメンタルリハーサルは脳卒中リハビリで効果のある治療法の1つである。

これには脳の様々な部位が関わっているが、なかでも視空間プロセスを司る左側の下頭頂小葉に大きく依存していると考えられれている。

そこでこの部位を磁気刺激(TMS)で抑制した場合に 運動イメージ訓練の効果がどうなるか調べてみたそうな。


27人の脳卒中患者について、運動イメージ訓練ベースの潜在系列学習を行わせ、その前後での反応時間を測定した。

患者は2グループに分け、
一方には左側の下頭頂小葉へ抑制効果を持つシータバーストTMSを与え、
もう一方はTMSコイルを外に向けて偽刺激グループとした。


次のことがわかった。

・反応時間の改善度は、偽刺激グループで36.1ms、本刺激グループでは7.7msだった。


左側の下頭頂小葉の働きを抑制したところ、運動イメージ訓練の効果が弱まった。この部位が運動イメージ訓練に重要な役割を担っているであろうことが確認できた、


というおはなし。


写真:下頭頂小葉下頭頂小葉


感想:

下頭頂小葉には角回という脳のひだが含まれていて、そこは 刺激すると体外離脱を体験できることで有名な部位でもある。

刺激されてみたい、、

2015年10月4日

運動イメージ中の脳半球間バランスについて


The functional anatomy of motor imagery after sub-acute stroke.
2015  7月  ドイツ

運動イメージ訓練は脳の運動皮質の活動と密接な関連がある。

脳卒中患者での運動イメージ中の脳半球間バランスを調べてみたそうな。


亜急性期脳梗塞患者17人と健常者12人について、握り動作とその運動イメージ時の脳活動をfMRIで観察した。脳活動の優位半球度(Laterality index)を前運動野について評価した。


次のことがわかった。

・握り動作時の優位半球度は、健常者0.48、患者0.12で両者の差は大きかったが、

・運動イメージ時は健常者-0.03、患者-0.12で、両グループともに半球間バランスが保たれていた。

・患者では運動イメージ時に損傷脳と反対側に活動がシフトする傾向があった。


脳卒中患者の運動イメージ時に、脳の運動皮質の活動バランスが半球間で保たれていた。運動イメージ訓練をリハビリに追加する根拠になるかもしれない、


というおはなし。

図:半球間バランス


感想:

最初の数週間 左腕の感覚が完全にゼロだった頃、動作をイメージすると身体から見えない腕が分離して出てきたものだった。こういうときの脳活動をみてもらいたいものだねぇ、、

2015年9月10日

立っているとヨロヨロする脳卒中患者に効くイメージトレーニングのやり方


Effects of ankle strengthening exercises combined with motor imagery training on the timed up and go test score and weight bearing ratio in stroke patients.
2015  7月  韓国

脳卒中患者の足首強化訓練に運動イメージ訓練を組み合わせた効果を調べてみたそうな。


30人の脳卒中片麻痺患者を次の2グループに分けた。

*足首強化訓練15分+運動イメージ訓練15分
*足首強化訓練30分のみ

足首強化訓練は、バランスパッド、バランスボード使用した。

運動イメージ訓練は、背もたれのある椅子に座り、目を閉じて足首や膝、腰の関節、関連する筋肉の動き感じ、動作中のバランスをイメージする。

これらを週4回 x 4週間継続したところ、


次のようになった。

・両グループ共に、タイムアップアンドゴーテスト、麻痺側下肢荷重率、麻痺側前後荷重率、バランスエラーが改善した。

・特に、運動イメージ訓練グループは全ての評価項目で比較グループよりも優れていた。


運動イメージ訓練は脳卒中患者の静的バランス能力を改善する有効な方法である、


というおはなし。




感想:

階段昇降訓練を始める前の晩は怖くて怖くて、おなじイメトレをベッドのなかで気を失うまでやってた思い出。

2015年8月11日

脳のここをやられると運動イメージ力が低下する


Specific brain lesions impair explicit motor imagery ability: a systematic review of the evidence.
2015  8月  カナダ

身体の動作を心に思い描く「運動イメージ」リハビリはすべての患者で効果があるわけではない。

そこで、脳のどの位置に損傷があると運動イメージ能力に障害が起きやすいのか過去の研究から調べてみたそうな。


運動イメージと損傷部位に関する論文を厳選した結果、


次のことがわかった。

・3861の論文が検索ヒットし、さらに被検者196人を含む23件の研究に絞り込んだ。

・運動イメージ力の評価方法がまちまちだったのでスコアを標準化した。

・脳の損傷位置は、小脳を含め皮質、皮質下の多くの箇所におよんでいた。

・脳損傷の原因は主に脳卒中とパーキンソン病だった。

・頭頂葉に損傷を受けた患者で もっとも運動イメージ力が障害されていた。

・次いで前頭葉や大脳基底核の損傷患者も運動イメージ力が低かった。


頭頂葉や前頭葉にダメージを受けた患者の運動イメージ能力は大きく損なわれていた。運動イメージリハビリの適否はこのあたりの事情を考慮するべきかも、


というおはなし。

頭頂葉
感想:

いちばん影響あるのは前頭葉だと思ってた、、

2015年7月30日

運動をイメージする力で手が動くようになるのだろうか


Effect of Motor Imagery on the F-Wave Parameters in Hemiparetic Stroke Survivors.
2015  6月  イラン

神経活動電位のF波は運動皮質の興奮性を反映すると考えられている。

そこで 運動イメージ法を使った脳卒中リハビリの効果を F波について検証してみたそうな。


発症後72時間以内の脳卒中片麻痺の患者21人について、

麻痺した手の指を動かすイメージをしている間のF波を、腕をとおる正中神経、尺骨神経で測定した。

麻痺していない側でも同様の測定を行い 比較した。


次のことがわかった。

・麻痺手と非麻痺手でF波は大きく異なっていた。

・運動イメージ中の麻痺手のF波持続性が両神経で改善し、

・F波反応強度も正中神経で改善した。


運動イメージ中のF波強度と持続性が改善された。運動イメージリハビリは脳卒中で弱った運動神経の働きを回復するのかもしれない、


というおはなし。

F波

感想:

「凄絶」なはずの脳卒中リハビリが「想う」だけで済むわけがないとフツーは考える。一方で運動イメージ法やメンタルプラクティスを超える効果的な治療法が存在していないのも事実。
上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2015年4月10日

メンタルプラクティス+理学療法の効果を脳のネットワーク的に見ると、、


Functional organization and restoration of the brain motor-execution network after stroke and rehabilitation
2015  3月  アメリカ

脳の運動に関係する複数の領域は、なにもしていない状態でも低い周期(<0.1Hz)で同期して情報のやりとりをしている。

脳卒中によってこのネットワークがどう影響を受け、メンタルプラクティスや理学療法などのリハビリでこれがどのように回復するのか実験してみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者13人と健常者17人についてグループ分けし、

*メンタルプラクティスのみ または、
*メンタルプラクティス+理学療法

を1日4時間x2週間行い、その影響をfMRIで調べた。

fMRI 結果から 脳の5箇所の領域(左右の一次運動野と前運動皮質、補足運動野)のネットワークのつながりを解析した。


次のことがわかった。

・健常者も脳卒中患者も0.06-0.08Hzで脳のネットワークが同期していた。

・脳卒中患者では活動が低下しているネットワークパターンがあった。

・この低下したネットワークパターンはメンタルプラクティスのみでは改善しなかった。

・メンタルプラクティス+理学療法のグループでこのネットワーク活動が回復し、

・実際の運動機能の回復にも反映していた。


メンタルプラクティスと理学療法を組み合わせたリハビリは非常に効果的であり、脳機能ネットワークを調べることでリハビリ成果を評価できるかもしれない、


というおはなし。

脳機能ネットワーク


感想:

ちかごろ話題のデフォルト・モード・ネットワークってやつか、、

2015年1月10日

ゴルフ療法が鍛えるメンタルローテーション能力とは


The effects of golf training in patients with stroke: a pilot study.
2015  1月  ドイツ

ゴルフ療法の脳卒中リハビリ効果について実験してみたそうな。


23-74歳の脳卒中患者24人について、

*ゴルフトレーニンググループ
*ミーティングおしゃべりグループ に分け、

1回1時間x週2回x10週間 実施ののち、複数の認知機能テストを行い比較した。


次のことがわかった。

・両グループ共に、抑うつ度テスト 視空間記憶テスト バランステスト のスコアが向上した。

・特に ゴルフトレーニンググループで、物体を心的に回転させる能力:メンタルローテーション のテスト結果が著しく向上した。


脳卒中患者へのゴルフトレーニングは視覚イメージ能力をおおきく改善する、


というおはなし。

ゴルフ訓練


感想:

たぶんパターゴルフだろうからラインを読む訓練が効くのかな。

2014年12月3日

手のリハビリにイメージ訓練を組み合わせた結果‥


Mental practice combined with physical practice to enhance hand recovery in stroke patients.
2014  11月  中国

脳卒中患者の手のリハビリに イメージ訓練と身体訓練を組み合わせたときの効果を調べてみたそうな。


20人の脳卒中患者の上肢について、

*イメージ訓練+実際に手を動かす身体訓練
*身体訓練のみ

の2グループに分けて4週間の訓練を行い、手の運動機能および脳機能画像上での改善度を比較した。


次のようになった。

・アクション・リサーチアームテストのスコアがイメージ訓練を組み合わせたグループで12.65ポイント、身体訓練のみのグループで5.20ポイント改善し、有意な差だった。

・fMRIによる健常側脳の運動野の活性化ボクセル数がイメージ訓練グループで勝り、手の運動機能の改善度とよく相関した。


脳卒中患者の手の訓練には、単に動かすだけではなく、イメージ訓練も組み合わせるとより効果的である、


というおはなし。

イメージ訓練の結果

感想:

この記事おもいだした。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

2014年11月28日

動作観察とイメージ訓練を連続するとより効果的なのか


Combined action observation and imagery facilitates corticospinal excitability
2014  11月  イギリス

脳卒中のリハビリに用いられる動作観察療法とイメージ訓練法は脳の似たような場所を活性化する。
通常これらの方法は別々のものとして扱われる。
そこで、一緒にやってみたときの効果を調べてみたそうな。


19人の健常者を対象に、人差し指を開く動作を訓練させた。

以下の各々の状況下で訓練を行った。

*動作ビデオを観たあとに指示に従ってイメージ訓練をする
*動作ビデオを観るのみ
*イメージ訓練のみ
*比較のための状況

訓練ののち、TMSを使って脳皮質から人差し指および小指筋肉への運動誘発電位を測定した。


次のことがわかった。

・動作観察とイメージ訓練を組み合わせた状況下で運動誘発電位が最も大きかった。

・この効果は人差し指の筋肉についてのみ現れた。


動作観察やイメージ訓練は、個々に行うよりも組み合わせたほうがより効果的であろう、


というおはなし。

人差し指のうごき


感想:

ロッキーを観たあとにシュッシュッシュッってやるのは意味があるんだな。

2014年11月20日

歩行を改善するためにイメージする力を6週間 鍛えてみた


Influence of motor imagery training on gait rehabilitation in sub-acute stroke: A randomized controlled trial.
2014  11月  ベルギー

脳卒中患者の歩行イメージ訓練の効果を調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者44人を

*イメージ訓練グループ
*筋肉リラクゼーショングループ

に分けた。

イメージ訓練は しずかな部屋で目を閉じて、歩行動作を指示にしたがって視覚的、感覚的に想像する。1回30分間で6週間行った。


次のようになった。
・イメージ能力スコアおよび10m歩行テストの結果がイメージ訓練グループで著しく優れていた。

イメージ訓練は亜急性期脳卒中患者の歩行機能改善に役立ちそうである、


というおはなし。

イメージ訓練

感想:

リバビリ病院で階段のぼり降りチャレンジが始まったころ、あまりの緊張感に ベッドの中で同じようなイメージ訓練をしまくった思い出。

2014年10月18日

メンタルプラクティスでリハビリがはかどり脳の働きも変わった


Changes in brain activation in stroke patients after mental practice and physical exercise: a functional MRI study.
2014  8月  中国

メンタルプラクティスが運動機能の改善に伴う脳の活動にどう関連するものなのか調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中患者15人の上肢機能について、通常の理学療法を行い、そのうち10人には運動イメージ訓練を伴うメンタルプラクティスを追加した。

4週間の訓練の後、脳の活動域をfMRIで確認し、上肢の機能回復程度との関連を解析した。


次のことがわかった。

・メンタルプラクティスのグループでは上肢の機能回復程度が著しく高かった。

・fMRIでは左脳感覚野の活動が増強され、右脳運動野の活動強度が弱くなった。

・そして 麻痺した右手の運動イメージ中の右小脳の活動が強くなった。

・これら脳皮質上の変化は上肢機能の回復度と関連があった。


上肢機能の回復につながったメンタルプラクティスのあとに大脳皮質および小脳機能の再編が起きたに違いない、


というおはなし。
MP+PPとFMA
MPありだと成績がこんなに伸びる


感想:

この結果と似ている。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

この機会に用語をまとめてみた。

運動イメージ(motor imagery)は外部からの運動動作上の細かい指示に従うことを指し、視覚的シミュレーションは伴わない。
メンタルプラクティスは運動全体の様子を目的意識を持って主に一人称視点で視覚的に思い描くこと。
・これに加えて、五感や感情までも含めたリアルな体験を頭のなかで行うのがイメージトレーニング

こんなふうに理解している。

2014年9月6日

目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに


Motor imagery during movement activates the brain more than movement alone after stroke: A pilot study.
2014  9月  アメリカ

実際の動作に運動イメージを組み合わせたときの脳の働きを調べてみたそうな。


58歳前後で右片麻痺の慢性期脳卒中患者7人について、脳機能MRI検査を行った。

検査時に、

*右手を内側、外側にひねる動作を行う。 
*上記動作中にノブを回してドアを開閉するシーンをできるだけリアルに頭に思い描く。

の2種類の条件下で各々測定し、結果を比較した。


次のことがわかった。

・ひねり動作のみ場合、左脳の感覚運動野と右の小脳に活動が見られた。

・運動イメージを加えた場合、左の下頭頂小葉と右の背外側前頭前野の強い活動がプラスされた。


訓練動作に具体的な目的のイメージを加えることで、脳卒中患者の運動ネットワークのより広い範囲にアクセスできるのかも知れない、


というおはなし。
運動イメージ fMRI


感想:

目的意識のない漫然とした動作の繰り返しだけでは リハビリとして不十分なんじゃない?
ってことと理解。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■

 脳卒中をやったなら
 おぼえておきたい回復のヒント100(無料
メールアドレス  例:stroke@example.co.jp


過去7日間で人気の記事ベスト10