ラベル 両手運動 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 両手運動 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年2月10日

片麻痺の両手訓練と日常生活動作


Effectiveness of Bilateral Arm Training for Improving Extremity Function and Activities of Daily Living Performance in Hemiplegic Patients.
2017  2月  韓国

上肢の運動支配は 左右それぞれ対側の脳半球が90%、同側の脳半球が10%を担っている。また、損傷した脳皮質は 麻痺手のみを動かす場合に比べ 両手運動時により活発になることがわかっている。

これらの事実から脳卒中の上肢リハビリには両手を用いる運動が推奨できるが、日常生活動作への影響はよくしらべられていない。


脳卒中で片麻痺の患者30人について、両手訓練と通常リハビリのみのグループにわけた。

両手訓練では皿洗い、コーヒー準備、タイピング、くだものをむく、洗濯物たたみ の5つの動作を訓練した。

両グループには通常のリハビリも行い、8週間後の上肢機能と日常生活動作を評価 比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともに上肢機能、日常生活動作がおおきく改善した。

・それらの改善度は両手訓練グループであきらかにすぐれていた。

脳卒中で片麻痺の患者には両手を使う訓練を加えると 日常生活動作の改善により効果的である、


というおはなし。
図:両手運動リハビリの効果

感想:

かつて麻痺手のみの強制訓練がベストであると かたくなに信じられていた時代があった。それを知らないと なぜことさらに "両手" をアピールするのか理解できないだろう。

2014年3月18日

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


Bilateral Priming Before Wii-based Movement Therapy Enhances Upper Limb Rehabilitation and Its Retention After Stroke: A Case-Controlled Study.
2014  3月  オーストラリア

両手準備運動には 脳卒中によって崩れた脳半球間のバランスを整える効果があるという。

実際のところどうなのか実験してみたそうな。


10人の脳卒中患者について14日間の上肢リハビリを行う。

リハビリに際して 15分間の両手準備運動を行い、つづいてゲーム機Wiiを用いた運動訓練を行った。

両手準備運動は健側の手首と連動する器具を用い麻痺手が受動的に動く仕組みになっている。

併行して両手準備運動の無い比較グループも用意した。

訓練前後の運動機能を評価した。


次のようになった。

・両グループともに上肢機能が改善した。

・両手準備運動グループで上肢機能スコアがずっと優れていた。

・この効果はリハビリのあと28日間以上継続していた。


上肢リハビリのまえに両手準備運動をすると回復がとてもはかどることが確認できた、


というおはなし。

写真:両手準備運動装置


感想:

元はといえば前脚だから、歩行訓練と同じように左右同期運動させるのはアリだと思う。

2014年2月25日

上肢ミラーセラピーの効果的なやり方


Effects of a Mirror-Induced Visual Illusion on a Reaching Task in Stroke Patients: Implications for Mirror Therapy Training.
2014  2月  オランダ

ミラーセラピーの効果的な実行条件について調べてみたそうな。


発症6ヶ月以上の脳卒中患者93人を次の5つの条件ごとのグループに分けて、リーチ課題訓練を行い 効果を測定した。

1)鏡を使わずに麻痺手の訓練を直接見る。(→ 通常のリハビリ)
2)健側手の訓練を直接見る。
3)鏡に映した健側手の訓練を見る。(→ ミラーセラピー)
4)両手を使い、麻痺手は衝立てで隠す。
5)両手を使い、健側手を鏡に映す。

1)-3)は片手訓練。


次のようになった。

・1)がもっとも効果があった。

・3)は1)とほぼ同程度の効果があった。

・2)は1)に比べ改善程度がずっと低かった。

・両手運動での動作に要する時間は、鏡の有無に関わらずあまり改善しなかった。


鏡に映した健側手の動作を観察する いわゆるミラーセラピーが運動学習を促すことがわかった。鏡を使った両手訓練は片手訓練より優れているわけではなかった、


というおはなし。

図:ミラーセラピー


感想:

鏡1枚でクロスエデュケーション効果が激増するってことか。

リハビリ革命だな。

2013年11月6日

両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


Bilateral Priming Accelerates Recovery of Upper Limb Function After Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  10月  ニュージーランド
Priming Before Physical Therapy Facilitates Stroke Rehab

脳卒中後の自立の可否は上肢機能の回復にかかっている。

そこで、PTリハビリ前の両手準備運動が脳のバランスと機能回復に影響するか調べてみたそうな。


亜急性期の脳梗塞患者57人について、次の2グループに分けた。

*両手準備運動グループ→PTリハビリのまえに、左右連動する器具を使って両手首を鏡対象に運動させる。
*比較グループ→PTリハビリ前に、前腕に電気刺激を間欠的に与える。

これを15分間×週5回×4週間続ける。

6,12,26週間後の上肢機能を計測、比較した。
また、両脳半球の興奮性をTMSで測定した。


次のようになった。

・12週時点で、もうこれ以上良くなりそうもないってレベルまで回復を遂げた患者の割合は、両手準備運動グループが比較グループの3倍以上だった。

・左右脳半球間のバランスも両手準備運動グループで抜群に良かった。


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが大いに加速することがわかった、


というおはなし。

写真:両手準備運動マシーン



感想:

そんな気がしてた。

だって両手、両腕を一緒に動かすと気持ちいいもん。

しびれた左手くんを右手兄さんが手本を示しながらサポートしてくれるような安心感、心地よさを 今でも感じる。

2013年5月12日

普段から両手をよく使っている人は上肢麻痺になってもすぐに回復できる


Laterality affects spontaneous recovery of contralateral hand motor function following motor cortex injury in rhesus monkeys.
2013  5月  アメリカ

脳の利き手への偏りと上肢機能の回復との関係を調べてみたそうな。


アカゲザルの利き手と反対側の脳半球の運動皮質を人為的に損傷させて、その後の自発的な回復を測定した。

フードペレットを拾う作業を通じて、脳損傷前後での上肢機能と利き手依存度の評価を行った。


次のようになった。

・利き手依存度が大きいほど上肢運動機能の回復が悪かった。

・運動皮質の損傷が大きいほど、上肢の障害が大きく 回復も良くなかった。



利き手依存度が大きいほど、それを支配する運動皮質の損傷からの回復が良くないことがわかった。

このことから両手を均等に使える人ほど、脳卒中からの回復が早いと予想できる


というおはなし。




感想:

一方の脳に偏っている人は、それがダメージを受けた時に他方からの支援を受けにくいんじゃないか...ってこと と理解。

2013年4月28日

上肢リハビリは両手でやった方がいいと思うの


Bilateral coupling facilitates recovery of rhythmical movements from perturbation in healthy and post-stroke subjects.
2013  4月  アメリカ

脳卒中で麻痺が残った腕はリズミカルに振ることがむつかしい。

両腕をシンクロさせてリズミカルに動かすことが脳卒中患者の上肢リハビリに役立ちそうか調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者と健常人について、立った状態で肩関節を軸に片腕または両腕を前後に一定の周期で振らせる。

途中、異なる周期で電磁石を使い一瞬だけ片腕の振りを強制的に妨害する。
このあと再び元の周期の腕振りに戻るまでの時間を計測、比較した。


次のようになった。

・健常者では、妨害を受ける腕の左右に関わらず、片腕よりも両腕を振っていたときに腕の振り周期が早く戻った。

・脳卒中患者では、麻痺腕に妨害を加えたときにのみ、両腕振りでの回復が片腕の場合より早かった。

・これは非麻痺腕の動きが麻痺腕の乱れからの回復を促したと考えられた。

・さらに脳卒中患者ではリズム妨害の直後、両腕の振り幅がいったん狭くなった。

・これらの結果は、両腕振りが単体の運動系として制御されていることを示す、と考えられた。



片腕のリズムの乱れが両腕の協調によって収まった。

両腕を振ったり、麻痺していない腕をリハビリ訓練に加えることで回復が促されるかも知れない


というおはなし。





感想:

わかる気がする。

歩きながら普通に両腕を振るのは意識しないとむつかしい。

また、階段登り降りや自転車こぎはなんでもないのに、

両足でジャンプするのはいまだに非常な困難がある。


麻痺側ばかり訓練しても絶対に超えられない壁があることを実感している。


2012年8月16日

両手リハビリはそんなにすごいのか?


Comparison of unilateral versus bilateral upper extremity task performance after stroke.
2012  8月  アメリカ




脳卒中後の上肢リハビリは片手だけで行うよりも

両手の方が効果的、と言われている。


その効果を検証してみたそうな。





16人の脳卒中片麻痺患者と12人の健常人について、


手を伸ばして物を掴んで持ち上げて離す動作 


両手および片手で行い、


掴むまでの時間、手の軌跡、指の動き、握力、離すタイミング

などを解析、比較した。






次のことがわかった。


両手運動が片手運動を上回っているという動作要素は見つからなかった。


・むしろ、両手運動時は手を離すタイミングが遅れる傾向があった。


・他の動作要素にも違いはなかった。








両手運動が片手運動よりも圧倒的に優れている

わけではない ことがわかった



というおはなし。





感想:

そりゃそうだろな。





両手訓練と聞いて …

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練

手のリハビリは両手をシンクロさせて対称に動かすとよい

両手運動リハビリが優れている理由を東大の天才科学者が解明



2012年6月3日

両手運動リハビリが優れている理由を東大の天才科学者が解明


Recovery in Stroke Rehabilitation through the Rotation of Preferred Directions Induced by Bimanual Movements: A Computational Study.
2012  5月  日本



脳卒中リハビリは片手運動よりも両手運動の方がより効果的である。


その仕組みの解明に挑戦してみたそうな。




計算モデルを作ってシミュレートしたところ、

ダメージを負った脳の運動野ニューロンの働きの

最適方向が両手運動により回転することがわかった。


これは両半球間の抑制バランスの再編につながる。


そのためリハビリが捗(はかど)るのである、


といったおはなし。

両手運動リハビリ最適方向




感想:

難しくて よくわからないけれども、

"学習された不使用理論" と同じくらい面白そうに感じた。

2012年5月11日

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練


Is modified constraint-induced movement therapy more effective than bimanual training in improving upper arm motor function in the subacute phase post stroke? A randomized controlled trial.
2012  5月  ノルウェー



脳卒中患者へのCI療法と両手を使った訓練との

効果の比較をしてみたそうな。



発症後2-16週間の脳卒中患者30人を

・CI療法(片手訓練)グループ

・両手訓練グループ

に分けた。


療法士による週4時間の訓練を4週間続け、

その後、毎日2-3時間の自己訓練を課した。




CI療法グループでは訓練時間中、健常側の手にミット(デカ手袋)を着け

麻痺手のみを使用するよう強制した。




訓練後の回復程度を複数の評価方法でスコア化して比較した結果、


両グループで回復程度に明らかな違いは見られなかった。


両手訓練はCI療法と同程度に有効であり、

わざわざ手にミットをはめる必要は無いことがわかった、


というおはなし。





感想:

自分の経験上、

麻痺手を動かそうとするときには

必ずしも意識的ではないけれど、

健常な側の手の状態、感覚を常に参照し、

心で見比べながら麻痺側の動きを修正している

という強い確信がある。


こういうときに腕を釣られ、ミットも被せられていると、

これはもう ストレスの原因にしかならないんじゃないか...

と考える。






補足:CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測できるという特長もある。


2012年4月5日

手のリハビリは両手をシンクロさせて対称に動かすとよい


Mirror symmetric bimanual movement priming can increase corticomotor excitability and enhance motor learning.
2012  3月  ニュージーランド




両手対称リハビリの効果について調べたそうな。


健常人を使った実験。


身体の正中線に対して鏡対称になるように

左右の手首を同時に繰り返し動かしたときの

脳の皮質運動野興奮性を調べたところ、



片手を別々に動かした場合よりも

皮質運動野興奮性が長時間維持された。



このことから、

手のリハビリをする場合、

療法士が麻痺手を動かしてあげたときに

健常側の手で同じ動きをすると

脳の可塑性が促されるんじゃない?

rTMSのような高価で面倒な装置も要らないし…


というおはなし。





感想:

なんとなく共感する。


片麻痺になってから、

よく 左右の手のひらを胸の前で合わせて

指をもぞもぞさせることが増えた。



お祈りをしているように見えるけど、

こうしているとなぜか心地が良い。


それに似ていると思った。

2011年1月28日

これからはバイマニュアルトレーニングの時代がくる


Bimanual Training in stroke: How do coupling and symmetry-breaking matter?
2011 1月 フランス


脳卒中後の上肢麻痺の改善に、
Bimanual training両手指協調トレーニング
をどのように応用したらよさそうか、
について語っている。



これまでの上肢リハビリは
健常側の手で麻痺手を補うように訓練する、

もしくは
麻痺手を集中的に訓練する(CI療法)
のいずれかが主であった。



このBimanual trainingは両側上肢療法とも違って、
両手指の動きを協調させるのだけれども
まったく同じ動きをさせるわけではなく
あえて異なる動作を求める。




このような動作トレーニングは脳に複雑な刺激を
与えることになり
可塑性を促すとても有望な考え方なんじゃないだろうか、

という なんか そんな話。



正直よくわからなかったけれども
関連する研究が最近増えている様子。


CI療法の効果がかなり疑わしくなってきた昨今、
このBimanual trainingに期待したくなる空気を感じる。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■

 無料メールマガジン:脳卒中をやったなら
 おぼえておきたい回復のヒント100
メールアドレス  例:stroke@example.co.jp


過去7日間で人気の記事ベスト10