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2017年5月20日

23年後、突然手がうごくようになった脳梗塞患者の例


Motor Recovery Beginning 23 Years After Ischemic Stroke.
2017  5月  カナダ

脳卒中からの回復はおもに最初の6ヶ月間におき、1年2年と経つとさらなる回復の見込みはほとんどなくなると考えられている。

脳卒中で手がまったく動かなくなってから23年後に突然動くようになった患者がみつかったそうな。

・1979年 15歳だったその男性は父親の車に重いスーツケースを運び込んだあとしばらくして意識をうしなった。胸部動脈の圧迫が原因の脳塞栓症だった。

・右脳の前頭頭頂部に広い梗塞が生じ左半身に重い麻痺が残った。

・4ヶ月後になんとか支えなしに歩けるようにはなったが、肩と肘がすこし動く程度で左手指はまったく使えなくなった。

・その後 2001年 ダイエットのために水泳を始めたところ、翌年に手の指がわずかながら動きはじめた。

・2009年 本格的にリハビリを始め その2年後にはコインやクリップをつまみ上げられるまでになった。

・このときの脳機能MRIを撮ったところ、両脳半球におよぶ広い活動域を確認できた。

何年経っていても回復をあきらめる必要がないことを教えてくれた今回の事例は、脳卒中患者とリハビリ業界におおきな希望をもたらすだろう、


というおはなし。
図:重症脳卒中のあと23年後に左手が動くようになった患者のfMRI

感想:

リハビリしていなくても水面下で回復が進むんだな、、
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について

2014年7月29日

重度に手が麻痺した患者の回復可能性がわかった


Can stroke survivors with severe upper arm disability achieve clinically important change in arm function during inpatient rehabilitation? A multicentre, prospective, observational study.
2014  7月  オーストラリア

脳卒中で重度の上肢麻痺になった患者のうち、まともに回復できる人の割合を調べてみたそうな。


16ヶ所のリハビリ施設に入院した重度上肢麻痺の脳卒中患者618人について、入院時と退院時の上肢機能を評価した。

そのスコアから、

ⅰ)統計学的有意な改善、
ⅱ)臨床的に意義のある最小レベルの改善、
ⅲ)重度→軽度への明らかな改善

おのおのに当てはまる者の割合を調べた。


次のようになった。

・226人が退院時に統計学的有意に改善した。

・そのうち68%(155人)が臨床的に意義のある最小レベルの改善を示した。

・また、45%(102人)は重度から軽度への明らかな改善が見られた。

・大きく改善した者には、発症からリハビリ入院までの期間が非常に短いという特徴があった。


脳卒中で重度上肢麻痺になった患者は、リハビリ病院入院中に臨床的に明らかな回復を示しうる、


というおはなし。



感想:

618人全員に対する割合で計算すると、重度上肢麻痺患者のうち 実感できる程度に回復する者の割合は20%前後になる。

なるほど って感じかな、、

2013年11月2日

手がまったく動かない...一生このまんまなのか...


The impact of time on quality of motor control of the paretic upper limb after stroke.
2013  10月  オランダ

脳卒中のあと6ヶ月間に、何日くらいで上肢動作が復活してくるのか調べてみたそうな。


44人の脳梗塞で やや片麻痺の患者について、1,2,3,4,5,8,12,26週間後の上肢の動作スピード、スムーズさ、正確さ等について3次元的に動作解析した。

この間、特別なことはしなかった。


次のようになった。

・最初の5週間に動作スピード、スムーズさ、正確さの点で大きな改善が見られた。


脳卒中後、おおむね8週間以内には麻痺上肢の動作が改善した。これは脳の自発的な回復によるもの、と考えられた、


というおはなし。




感想:

思い出すと1ヶ月と2週間くらいは手の指の開きが全くできなくて暗澹たる気持ちが続いたものだった。


2013年4月1日

6ヶ月以上経ってから上肢機能が回復する患者の特徴


Temporal recovery and predictors of upper limb dexterity in the first year of stroke: A prospective study of patients admitted to a rehabilitation centre.
2013  1月  シンガポール



脳卒中患者が手先をうまく使えるようになるまでの時間を調べたそうな。


100人の脳梗塞患者について調査したところ、


次のようになった。

・18%、26%、32%の患者がそれぞれ3,6,12ヶ月後に手先の器用さを取り戻した。

・6ヶ月以上経ってから回復する患者には、若くかつ入院時の麻痺が重いという特徴があった。

・上肢機能の回復の程度は入院時の運動機能検査結果との相関が強かった。





32%の脳卒中患者が1年以内にその上肢機能を取り戻している。

一方、時間が経ってから回復する患者は非常に少ないことが再確認できた



というおはなし。

2009年12月14日

廃用手という言葉の持つおそろしさ

"廃用手" 問題について再度考えてみた。


"廃用手"という用語を使う人の理屈は、

『廃用という言葉は、単に用をなさないという意味であり、したがって廃用手は
手としての機能を持たない状態を指しているに過ぎない。』

というものだろう。



次の例を考えてみた。


・走行距離30万キロの自動車を査定に出した。
『査定価値がありません。車を勧めます。』
と言われた場合、その車は通常、スクラップになる。


・年老いて乳の出なくなった乳牛について牧場主が
『こいつも廃用だな…』
この場合、牛は殺処分になり、食肉になる。


・競馬牧場で、獣医師が、
『この種馬、廃用ですね。』
といったら、通常、殺処分である。


"廃用"とか"廃"といった言葉には、その文字に続く機能を持たなくなったという意味の他に、
多くの場合、その存在自体を抹消するべく動作や意味が付随する。


そう考える。



だから、

リハビリに携わる方々には、

どうか "廃用手" という言葉の持つ恐ろしさに思いを巡らせて欲しい、

と思う。↓↓↓
リハビリ病院が "廃用手" って言うかな?

2009年12月12日

"廃用手"という言葉に疑問を感じない人々

以前、"廃用手"という言葉に出会った時の衝撃について記録した。


普通、文字のとおりに理解して、

"廃用手"=廃棄するしか用のない手

と思ってしまう。



これは結構深刻な問題だと思う。



例えば、寝たきり状態の人にはなんと説明するのだろうか?


『あなたの場合ですと、廃用手が2本、廃用足が2本です。』
とでも言うのだろうか。


もし、寝たきりの人が"廃用手"という用語の存在を知ったら、

『あなたは社会にとってなんの役にも立ちません。死んでくださった方が良いのです。』
と 遠まわしに言われていると感じないだろうか。



ところが これが病院のなかで普通に使われている。



観察可能な機能評価項目のみにしたがって
他人の腕を勝手に"廃用"と言う無神経さにはただ驚くばかりである。




別の言い方はないのか?



"廃用手" は明らかに不愉快。

2009年12月9日

リハビリ病院が "廃用手" って言うかな?

リハビリ病院に転院して1週間ほどしたころに、
リハビリテーション計画面談なるものがあった。

家族も立会うように言われた。

その時のこと。


事前に行われた身体機能検査の結果に基づいて
評価の書いてある紙を渡された。

その紙を見てパッと目に入ってきた文字があった。

廃用手

とある。

背筋にゾッとするものを感じた。

紙を渡されてこの間、ほんの0.5秒ほどのことである。


落ち着いてその文字の隣をみると、
補助手、実用手
といった言葉が並んでいることから
どうやら残っている機能で大別した呼び名であることは理解できた。


ただ、頭の中に 
あるはっきりとしたイメージが出来上がってしまい、
振り払うことができなくなっていた。


それは、
切り落とされた血だらけの自分の腕が、
青いビニールゴミ袋に入れられて
部屋の隅の床に捨てられているシーンである。



漢字はひと目でその意味を伝える。



廃用手 という文字を見たら、ふつう、

"廃棄するしか用をなさない手"

と理解しないだろうか?


機能回復への一縷の希望をもって入院してきた者に対して
このような表現を用いることの無神経さに愕然とした。



頻繁に使用されている学術用語なのかも知れないけれど、
利用するというものを考えないのだろうか?



全国的にも有名で、検索すると1位に出てくる事もある
世間の評価の高いリハビリ病院でのことである。



この問題は思い出しただけで非常に不愉快になる
イヤーなテーマなので今日はこの位にしておこ。



似たような事を言っている人がいないか調べてみた。


どれも"廃用身" という本の感想だった。

http://blog.livedoor.jp/cherrybookcafe/archives/22861073.html

http://blog.goo.ne.jp/-wuyue-/e/9e3c7135d119b661b2a44d9cf7546643



この本はフィクションだけど
現実の方が 現場がそれを認識していない分
もっと陰湿で根が深い、と感じた。

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