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2017年8月21日

健常側の運動野のはたらきと時期


Time-dependent functional role of the contralesional motor cortex after stroke.
2017  8月  ドイツ

脳卒中でいっぽうの脳半球が損傷して手が麻痺したときに、健常側の脳がどのように関わってくるかについてはいまだよくわかっていない。

健常側の脳が、損なった機能を補うように働くのかそれとも逆に邪魔をするのかは報告によってまちまちである。

健常側の脳のはたらきが発症からの時期や運動課題によってかわってくるものか実験してみたそうな。


軽中等度麻痺の脳卒中患者12人について 損傷脳とは反対側の脳の1次運動野をオンラインTMSで干渉しながら麻痺手での3つの課題(指のタップ頻度、握力、反応速度)を測定した。
これを脳卒中から1-2週および3ヶ月以降に行った。

健常者14人についてもどうようの実験をした。

オンラインTMSは磁気刺激パルスを浴びながら課題をこなす実験方法をさす。


次のようになった。

・1-2週後では反対側の運動野への干渉によって指のタッピング頻度が明らかに向上した。いっぽう握力と反応速度には変化はなかった。

・3ヶ月後、磁気刺激による干渉は3つの課題いずれにも影響はなく、健常者を対象にした場合とおなじ結果になった。

脳卒中患者の健常側の脳の1次運動野が特定の時期と課題に対して抑制的にはたらいていることがわかった、


というおはなし。
図:反対側の運動野のTMSで指のうごき改善

感想:

これはTMSのただしい使い方だとおもう。みなオフラインにこだわって失敗してる。

2016年9月25日

[結論] rTMSの上肢リハビリ効果について


Transcranial magnetic stimulation combined with upper-limb training for improving function after stroke: A systematic review and meta-analysis.
2016  9月  ブラジル

rTMS(経頭蓋反復磁気刺激)は非侵襲的な脳治療法である。脳の活動を促す高周波刺激と これを抑制する低周波刺激の選択により脳半球間の活動バランスをコントロールでき、脳卒中片麻痺リハビリに効果的であるとする報告もある。

ほんとうのところはどうなのか、これまでの研究を総括してみたそうな。


rTMSの上肢リハビリ効果に関する信頼性の高い研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・3234の研究から被験者199人を含む11の臨床研究を選んだ。

・"rTMS+通常の上肢リハビリ" と "通常の上肢リハビリのみ" の各場合で運動機能、痙縮度に有意な差は見られなかった。

通常の上肢リハビリにrTMSを加えるべき十分な根拠は存在しない、


というおはなし。

図:TMSの上肢リハビリ効果

感想:

これってスマートフォンの調子が悪いから電子レンジに入れて軽くチンしてみた、って発想にみえるんだよね。

2016年3月9日

脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは


The Effect of Electromagnetic Field Treatment on Recovery from Ischemic Stroke in a Rat Stroke Model: Clinical, Imaging, and Pathological Findings.
2016  2月  イスラエル

脳卒中のあとの非侵襲的な脳刺激法としてrTMSやtDCSがあるがいまいちパッとしない。

そこで、低強度 低周波数の電磁場に身体をまるごと置く治療法を考案し実験してみたそうな。


ネズミ18匹を人為的に脳梗塞にして次の3つのグループに分けた。

1) 電磁場なし
2) 4Hzシータ変動の電磁場刺激
3) 16Hzベータ変動の電磁場刺激

電磁場刺激は地磁気(0.5ガウス)相当強度の場にネズミを置き、これを1日2分間x4週間行った。

さらに1ヶ月間フォローして前肢運動機能、MRIおよび脳組織標本を調べたところ、


次のことがわかった。

・電磁場グループで前肢運動機能および神経症状が大きく改善した。

・電磁場グループで脳浮腫と脳室拡大が治まった。

・白質繊維は電磁場なしグループよりも良くまとまっていた。

・さらに 組織検査では神経新生を示すいくつかの物質を確認できた。

低強度低周波数の電磁場に曝すことで脳卒中後の神経ネットワークの可塑性が促されるのかもしれない、


というおはなし。

図:VLIFE図:前肢機能の改善

感想:

よく読むと 地球規模の電離層固有振動数であるシューマン周波数7.83Hzの1/2と2倍で実験してるんだよね。発想がオカルトがかっているわりには資料がしっかりしている印象があった。

2015年7月21日

上肢機能の回復を促す準備刺激とは


Primed Physical Therapy Enhances Recovery of Upper Limb Function in Chronic Stroke Patients.
2015  7月  ニュージーランド

上肢リハビリ直前の磁気パルス準備刺激の効果について調べてみたそうな。


慢性期脳卒中で片麻痺の患者18人について45分間の上肢理学療法の直前にシータバースト磁気刺激を与えた。

偽刺激グループも設けて、これを2週間行い 1ヶ月後、3ヶ月後の機能改善度、皮質運動興奮性、脳機能MRIの結果を比較した。


次のようになった。

・上肢機能を示すアクション・リサーチアームテストのスコアは1か月後も改善値を保っていた。

・治療2週間の中盤から成果が現れ始め 用量効果を示していた。

・1か月後、上肢機能の改善度と 皮質運動興奮性バランスおよび損傷脳側の前運動皮質の活動増加との関連が認められた。


リハビリ直前にシータバースト準備刺激を与えることで慢性期脳卒中患者の上肢機能が改善し、1ヶ月間以上効果が持続した。通常のリハビリ単体では十分な効果が得られなかった、


というおはなし。

iTBS



感想:

この研究者グループは準備刺激が好きで、かつて両手パタパタ法を提唱していた。
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

こんかい、通常ならTMS治療の話になるところを「準備刺激」にキーワードをすり替えている。タイトルにTMSと載せると時代遅れに見えてだれも読んでくれなくなるからではないだろうか。


おまけ:シータバーストとはなんなのか

2014年11月12日

失語症治療に効果的な磁気刺激方法が判明


Efficacy of Synchronous Verbal Training During Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation in Patients With Chronic Aphasia.
2014  11月  台湾

言語療法に効果的な磁気刺激(rTMS)のやりかたを調べてみたそうな。


非流暢性失語の脳卒中患者45人を次の3グループに分けた。

*rTMSの最中に言語訓練を行う。
*rTMSの直後に言語訓練を行う。
*偽のrTMSと一緒に言語訓練を行う。

言語訓練は線画命名課題を、rTMSは脳の健常側への1Hz刺激で1日1セッションx10日間行った。

効果を3ヶ月後までフォローした。


次のようになった。

・rTMSを言語訓練の最中に行ったグループで 表現力、叙述力など複数の側面で失語テストスコアが他の2グループに比べ著しく向上した。

・この効果は3ヶ月後も持続し、言語訓練とrTMSを同期したグループで優れていた。


磁気刺激と言語訓練は別々に行うよりも一緒に行ったほうが効果的かつ持続的だった、


というおはなし。



感想:

磁気刺激で手が動くって話をすっかり聞かなくなったけど、同じように刺激しながらつまむ訓練をするといいんじゃないのかな。

2014年9月25日

低頻度rTMSの慢性期脳卒中への効果について


Does inhibitory repetitive transcranial magnetic stimulation augment functional task practice to improve arm recovery in chronic stroke?
2014  8月  アメリカ

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は脳卒中後の上肢麻痺を非侵襲的に改善できる方法である、と言われている。

これを確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者22人について、損傷脳と反対側に低頻度rTMSを、週4回x4週間行った。

患者はリアルrTMSと偽rTMSの2グループに分類された。

rTMSの直前に、個別に最適化された上肢運動訓練が1時間行われた。

改善度を比較したところ、


次のようになった。

・リアル、偽rTMSの両グループ間で、上肢機能の改善度に差はなかった。

・脳の皮質興奮性を示す運動誘発電位にもグループ間の差はなかった。


この実験ではrTMSの上肢機能の改善効果は確認できなかった。患者が適していなかったのかも知れない、


というおはなし。

運動誘発電位rTMSによる


感想:

いままで「rTMS万歳!」的な報告ばかりだったのでかえって新鮮に感じた。

2014年8月16日

低頻度rTMSで左脳を刺激したら注意力が改善した


Contralesional rTMS relieves visual extinction in chronic stroke.
2014  8月  イタリア

右頭頂葉を損傷した患者は注意力に障害をきたすことがある。特に左右両側に視覚刺激があった場合、左方への刺激に反応できないことがあり、これを視消衰という。

この原因として脳卒中でダメージを受けていない左脳が過剰に働いてダメージのある右脳の機能を抑制してしまうという考え方がある。

それに則れば、亢進した左脳の働きを低下させると機能が回復するはずである。

確かめてみたそうな。


右脳頭頂葉を損傷し視消衰のある慢性期脳卒中患者6人について、低頻度rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)および偽刺激を左脳頭頂葉に行い、直後に注意力テストを行った。


次のようになった。

・低頻度rTMSの直後に左方への注意追跡能力が著しく改善した。

・偽刺激では改善はなかった。

・右方への注意力に変化はなかった。


rTMSが亢進した左脳を抑え、半球をまたいで抑制されていた右脳を解放した。その結果、認知機能に改善が見られたのではないか...


というおはなし。
頭頂葉

感想:

visual extinction(視消衰)と半側空間無視の違いがよくわからなかった。

2014年5月23日

最新の磁気刺激治療はちょっと違う


Therapy Pioneered In Chicago Could Be Breakthrough For Stroke Patients
2014  5月  アメリカ

世界的に有名なシカゴ・リハビリテーション研究所が新しい磁気刺激法を使って成果を挙げたそうな。

・患者の脳のMRI画像上で磁気刺激(TMS)コイルの位置を正確にナビゲートできる新たなシステムを使用した。

・ダリーホルム氏(下記ビデオ参照)は5年前に脳卒中になり、左片麻痺でネクタイや靴ひもを結ぶことができなかった。

・ところが研究所にきてこの脳刺激を1回15分☓週3日☓6週間受けたところ、

・手が動くようになってネクタイ、靴ひももバッチリ、自動車も運転できるようになった。

・この脳刺激はダメージを負っていない方の脳半球の活動を抑え、損傷脳とのバランスを整える働きがある、と考えられている。

・この効果は6ヶ月後も持続していた。

・FDAの認可は未だ。

というおはなし。

磁気刺激ビデオ
 これがそのニュースビデオ(CM15秒のあと 別ウィンドウ)




感想:

この種のナビって、10年以上前からあってぜんぜん珍しくない。

なにかに取り憑かれたように大げさに語る女性医師の表情と、異常に元気な脳卒中経験者の男性に 言葉にし難い気持ちの悪さを強く感じた。

2014年3月19日

下肢治療に使える新しい磁気刺激はどこが違うのか?


Deep repetitive transcranial magnetic stimulation with H-coil on lower limb motor function after stroke: a pilot study.
2014  3月  イタリア

反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の下肢への効果を検証してみたそうな。


10人の慢性期脳卒中患者について、3週間11回のrTMS治療を行った。

rTMSは刺激が深部まで届くHコイルを用い、20Hzで刺激した。

4週間の間を空けて偽刺激での実験も行った。


次のようになった。

・rTMS治療により下肢の運動機能が著しく改善した。

・この効果は4週間以上持続した。

・歩行スピードも改善した。


3週間のrTMS治療によって下肢機能が改善しその効果が持続した、


というおはなし。



感想:

Hコイルのwikipediaがあった。

深部刺激とは別の良い点があって、

・ヘルメットの中に偽刺激用のコイルを内蔵できるので

・施術者が治療中にリアル刺激か偽かを知りえなくできる。

・偽刺激でもリアル刺激と同じ音を発生できる。

とのこと。


二重盲検が捗るな…

2014年2月28日

顔面神経磁気パルス刺激で脳梗塞が治る


Effects of Noninvasive Facial Nerve Stimulation in the Dog Middle Cerebral Artery Occlusion Model of Ischemic Stroke.
2014  2月  アメリカ

脳梗塞のあとの顔面神経刺激が脳血管を拡張させ血流を改善すると言われている。

そこで、磁気刺激パルスによる非侵襲的な顔面神経刺激の効果を動物で実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にした犬を用いて、顔面神経の膝神経節を5分間磁気パルス刺激した。

直後の脳血流、ATPの量変化をMRIで観察した。


次のようになった。

・顔面神経磁気パルス刺激によって梗塞を起こした側の脳半球の血流がおおきく改善した。

・偽刺激を与えた犬に比べて梗塞の体積も小さかった。

・偽刺激犬のATP量は顔面神経刺激犬よりもおおきく減少した。


脳梗塞の治療に非侵襲的な顔面神経磁気パルス刺激が有効かも知れない、


というおはなし。

写真:顔面神経磁気パルス刺激
THE GUIDE TO MAGNETIC STIMULATION


感想:

やってることがrTMSよりも直截的で好感が持てる。


2013年11月29日

脳の深部を刺激するHコイルで失語症のrTMSやってみた


Excitatory Deep Transcranial Magnetic Stimulation With H-Coil Over the Right Homologous Broca's Region Improves Naming in Chronic Post-stroke Aphasia.
2013  11月  イタリア

脳卒中失語症患者の右脳の役割をrTMSで調べてみたそうな。


5人の脳卒中失語症患者について、右脳半球のブローカ野を含む下前頭回にrTMSを施した。
刺激は深部へ届くH-coilを用いた。
rTMS周波数は、促進:10Hz, 抑制:1Hz ,偽刺激をそれぞれ時期を分けて行った。


次のようになった。

・10Hz刺激の時のみ命名課題のスコアが著しく向上した。

・1Hz、偽刺激では改善効果はほとんどなかった。


右脳の下前頭回を刺激する深部rTMSの1セッションで脳卒中失語症患者の命名課題スコアが大きく改善した。この結果は 左脳損傷患者にとっての右脳の重要性を示唆している、


というおはなし。




感想:

従来型の8の字コイルが表面から1cm程度しか届かないのに対し、Hコイルでは同じ電力で3cmくらいまでOK。



2013年8月31日

磁気刺激する脳を反対側にしてみた


Inhibitory Theta Burst Stimulation of Affected Hemisphere in Chronic Stroke: a Proof of Principle, Sham-Controlled Study.
2013  8月  イタリア

磁気刺激によるリハビリは両半球の競合モデルに基いて、損傷側に活性化刺激を、健常側に抑制刺激を与えるのが通常である。

そこで、損傷側の脳に抑制刺激を与えてみたらどうなってしまうのか、実験してみたそうな。

12人の慢性期脳卒中患者について、損傷側脳への抑制磁気刺激、または偽刺激のグループに分けて上肢機能の改善程度を比較した。

併せて通常のリハビリも行った。


次のようになった。

・両グループ共に上肢機能が大きく改善し、3ヶ月後も持続した。

・磁気刺激グループでは、上肢課題実行時間の短縮ぶんが倍以上速くなった。


これまで、損傷側の脳には活性化刺激を与えるという考えが当たり前だったが、抑制刺激を与えても改善効果があることがわかった、


というおはなし。



感想:

この種の改善効果が一体なにに由来するのか?を考えなおすきっかけになる研究だと思った。


2013年8月12日

rTMSは片脳刺激だけでは不十分と判明


Efficacy of Coupling Inhibitory and Facilitatory Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation to Enhance Motor Recovery in Hemiplegic Stroke Patients.
2013  5月  台湾

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の抑制促進効果の最適な組み合わせについて調べてみたそうな。


54人の慢性期片麻痺脳卒中患者について次の4グループに分け、20日間の治療を行った。

A)健常側に抑制1Hz刺激+病側に促進バースト刺激

B) 健常側に偽刺激+病側に促進バースト刺激

C)健常側に抑制1Hz刺激+病側に偽刺激

D)両側に偽刺激

この前後での運動野皮質興奮性変化および上肢運動機能の改善度評価を行った。


次のようになった。

・グループAで、筋力、運動機能、反応速度がもっとも向上した。

・脳健常側での皮質活動の低下が運動機能の向上と関連していた。

・病側脳の皮質活動の増加が反応時間の短縮と関連していた。

・他のグループB,C,Dではこのような関連は見られなかった。


rTMS治療は、左右の脳にそれぞれ同時に抑制刺激、促進刺激を与える方法が最も効果的である、


というおはなし。



感想:

これまでの2倍のハードウェアが要るわけで、皆やりたくてもなかなか手が出なかった実験って感じ。

2013年8月9日

rTMSでほんとうに失語が治るのか確かめてみた


Transcranial magnetic stimulation combined with speech and language training in early aphasia rehabilitation: a randomized double-blind controlled pilot study.
2013  6月  ポーランド

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が失語症に効くか実験してみたそうな。


脳梗塞で失語の40人の患者について、3週間の言語リハビリ訓練に加えて、
右脳半球のブローカ野相当の位置への抑制的rTMSを行った。
比較のために偽刺激グループも設けた。

リバビリ前後、15週間後の回復程度を評価、比較した。


次のようになった。

・3週間のリハビリの後、両グループ共に言語機能が改善した。

・回復程度は両グループ間でわずかな差しか見られなかった。

・しかし15週間後、rTMSを受けた複数の重症失語患者で偽刺激グループよりも大きな改善効果が確認できた。


脳卒中失語患者の右脳半球への抑制的rTMSは全ての患者に効くというわけではなかった、


というおはなし。


感想:

前回の話につながるのかな
rTMSで失語症を治す方法が判明


2013年7月13日

rTMSで失語症を治す方法が判明


Effects of Noninvasive Brain Stimulation on Language Networks and Recovery in Early Poststroke Aphasia.
2013  6月  アメリカ

rTMS(経頭蓋反復磁気刺激)の失語症治療効果を検証してみたそうな。


24人の脳卒中患者について、右脳の下前頭回の働きを抑制する1Hzの磁気刺激を 20分間×10日間 施した。
比較のための偽磁気刺激グループもつくった。

両グループには並行して1回45分間の言語療法も施した。

治療前後での脳の言語ネットワークの活動を調べるPET検査も行い、言語能力の改善程度との関連を解析した。


次のようになった。

・rTMSグループの言語命名スコア、理解度スコアの向上が著しかった。

・rTMSグループの左脳の活動領域の拡大が偽刺激グループに比べ著しかった。

・この活動領域が大きくなった人は、言語テストスコアの改善度も高かった。


脳梗塞で失語症患者の右脳の下前頭回を抑制するrTMS治療は、結果的に左脳の言語ネットワークを刺激して、言語療法の効果を強める、


というおはなし。

写真:下前頭回
下前頭回

2013年6月19日

で、結局 rTMSの磁気刺激治療ってどうなのよ


Repetitive transcranial magnetic stimulation for improving function after stroke.
2013  5月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を使って、健常側の脳活動を抑制したり、損傷側の脳を活発にすることで脳卒中リハビリがはかどると言われている。

その効果を検証するべく、世界の医学論文データベースから、信頼の置ける研究を2名の調査員が厳選し、その内容を吟味したそうな。

次のようになった。

・19件の論文が見つかった。これら被験者の総計は588人に及んだ。

・183人が関わった2つの研究ではrTMS治療による自立度の改善は見られなかった。

・73人参加の4つの研究では、運動機能に何の影響もなかった。

・刺激の頻度や発症からの適用時期を変えた研究でも、何の違いも見られなかった。

・有害事象として、ごく稀に軽い一時的な頭痛が見られた。


現在のところ、rTMS治療が脳卒中リハビリに有効であるとする証拠は見つからなかった


というおはなし。

写真:rTMS



感想:

歴史もないし、いまはしょうがないと思う。

にしても最近はrTMSリハビリ関連の論文をすっかり見かけなくなった...気がする。


2012年12月30日

健康なほうの脳を磁気刺激したら、麻痺した手が動き出した


Low frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to the non-lesioned hemisphere improves paretic arm reach-to-grasp performance after chronic stroke.
2012  12月  タイ



rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療の

上肢麻痺改善効果を検証してみたそうな。



発症5年前後で上肢麻痺のある

9人の脳卒中経験者について、

健常側の脳に1ヘルツのrTMSを20分間与えたあとの

手の動き、運動誘発電位等を調べた。

また、比較のための偽刺激の際には、

本刺激と同様の音を発生させるようにした。




次のようになった。


・磁気刺激後、麻痺していない方の指筋肉への運動誘発電位が大きく下がった。

・麻痺手の動作速度、動作範囲が大きくなり、正確さも増した。

・偽刺激ではこのような変化はなかった。

・非麻痺手の運動を抑制することと麻痺手の動作向上との間に相互関連が見られた。





健常側の脳を抑制するrTMSが

麻痺手の運動機能を改善することがわかった



というおはなし。





感想:

最近、rTMS関連の研究を目にする機会が減った気がする。

あらたな進展が無く、途上国にブームが移りつつある感。

2012年7月28日

半側空間無視の治療はTMSのシータバーストで決まり


Theta burst stimulation reduces disability during the activities of daily living in spatial neglect.
2012  7月  イギリス



脳卒中後の半側空間無視は

右脳損傷によって半球間相互抑制のバランスが崩れて、

左側の健常な脳が過活動になるため

視野に偏りができると考えられる。



経頭蓋磁気刺激TMS)は過活動にある

健常側の脳の働きを抑制することができる。


この抑制効果が日常生活動作の改善に

つながるかどうか、調べてみたそうな。






半側空間無視のある脳卒中患者の健常側の頭頂葉に

連続シータバースト刺激を1日8セット×2日間与えた。


偽刺激を与えるグループも用意して同様の治療手順を施した。





その結果、

・日常生活動作の37%に改善が見られた。

・この効果は少なくとも3週間持続した。

・この効果により神経心理学的なテストスコアも向上した。

・偽刺激グループにはこれらの改善効果は見られなかった。







連続シータバースト刺激は半側空間無視患者の

リハビリに非常に有効であることがはっきりした



というおはなし。




感想:

かなり自信があるみたい。


過去の記事を思い出した。


半側空間無視が磁気刺激で治る理由

半側空間無視が磁気刺激で治る



2012年6月23日

磁気刺激治療20年間のまとめ


Effects of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Motor Functions in Patients With Stroke: A Meta-Analysis.
2012  6月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激rTMS)を使った脳卒中患者の

上肢麻痺治療効果について過去の研究をまとめてみたそうな。



研究データベースから1990-2011の関連する論文を厳選抽出、

解析して、rTMS治療の効果を検証した。





次のことがわかった。

・主に運動機能の改善に効果があった。

・皮質下梗塞のケースで効果があった。

・低頻度rTMSのほうが高頻度rTMSより効果的である。

・副作用はほとんどなかった。

・最近では間欠的シータバースト刺激がより効果的とされている。





磁気刺激治療にはもっともっと研究が必要だ、


というおはなし。

2012年6月6日

新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか


Intermittent theta burst stimulation over ipsilesional primary motor cortex of subacute ischemic stroke patients: A pilot study.
2012  5月  台湾



脳卒中リハビリに役立つ新しい磁気刺激方法を開発したので早速患者に試してみたそうな。


12人の脳梗塞患者を6人ずつ、

・磁気刺激グループ

の刺激グループ

に分けて10日間治療を行った。

並行して通常のリハビリも行った。


新しい磁気刺激は、

間欠的シータバーストiTBS :intermittent theta burst stimulation)

という方法を採用し、

合計で1200個のパルス刺激をダメージを負った脳の運動野に与えた。(iTBS1200




この効果を、

治療直後と60日後に6つの評価方法と

脳磁図検査で検証した。




その結果、

・この磁気刺激治療は発作や悪影響なしに完了した。

・2つの評価基準で偽刺激グループに比べ改善が確認できた。

・他の4つの評価基準では両グループで違いはなかった。

・脳磁図検査では運動に関連した脳の働きの増加が、治療直後に確認できた。




このあたらしい磁気刺激方法は

脳卒中リハビリにさらなる革命をもたらすかもしれない



というおはなし。





感想:

最近は磁気刺激というとrTMSよりもTBS(シータバースト刺激)のほうがよくでてくる…気がする。


調べてみると、シータバースト刺激(TBS)ってこんな感じで、




この図では、各パルスは細かい4つの子パルスの束からできている。


この一連のパルス(シータバースト)を5Hzで2秒間(=40発)与えて、

20秒ほど間を開けて(間欠)


また繰り返す・・・・・・


と、11分で1200発打ち終える。



TBSがいままでのrTMSと異なる点は、

1パルスを構成する子パルスの数が増えているところにある、と考える。


いっぱいパルスを当てることができるので、

rTMSよりも長い持続効果が期待されている。



一方、パルス数が増えた分、安全性の観点から

磁気強度を大幅に下げることになると思う。


そのため、被験者がその最中に磁気刺激を受けていることが

まったくわからないほどに刺激が弱いかもしれない。




いままでのTMSは電気ショック療法の延長だったけど、

TBSは 少し お上品な刺激法である、


と 勝手に推測してみた。

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