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2013年4月6日

左脳『これからはお前にも仕事をしてもらう』、右脳『へっ、楽勝っすよ! ん?わけわか※@△』


Recovered vs. not-recovered from post-stroke aphasia: The contributions from the dominant and non-dominant hemispheres.
2013  3月  アメリカ

左脳梗塞で失語になり、そこから回復できる患者とそうでない患者の違いを調べてみたそうな。


発症後1年以上経ち、

・言語能力が回復した脳梗塞患者9人と

・未回復だった患者18人について、

言語テスト中の脳の活動状況をMRIで撮影し、解析した。


次のようになった。
・言語能力が回復した患者は、左脳優位の典型的な言語活動パターンを示していた。

・言語回復できなかった患者は、右脳半球に代償的な言語活動パターンが見られた。

・左脳の活動信号強度が高いと、言語テストのスコアも高かった。

・梗塞が大きいと言語テストの成績が悪かった。



言語機能は左脳が担うようにできているので、

その機能を一部右脳へシフトしてしまった患者は回復が遅い。

右脳シフトと梗塞の大きさとの関連も調べてみたい


というおはなし。




感想:

脳っておもしろい。

むかし同じ職場の、フロアいち可愛かった女の子の脳(実像)↓を思い出した。

左の前頭前野の脳回曲線がとっても魅力的だった。

2013年3月27日

【脳の可塑性の限界】ピアニストにデュアルtDCSやってみた


Early optimization in finger dexterity of skilled pianists: implication of transcranial stimulation.
2013  3月  ドイツ



非侵襲的な脳刺激法であるtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は

健常人や脳卒中患者の運動機能を改善することが知られている。

高度に技能訓練された人にこの神経可塑変化が現れるのかどうか調べてみたそうな。


大会受賞歴のある熟練ピアニスト12人について、デュアルtDCSを約20分間行った。

tDCSの最中にメトロノームにあわせて両手の指を使ってピアノの鍵盤を叩く訓練を行った。

tDCSは極性を入れ替えたもの、1/10強度の偽刺激も行い、

その前後に鍵盤キーを叩くスピード、正確さをテストしてデータ解析した。


次のようになった。

・あきらかな指の動きの改善はなかった。

・ただし、歳をとってからピアノを始めた人には若干の改善が見られた。





熟練ピアニストへのtDCSの運動機能改善効果はピアノを始めた年齢に依っていた。

脳の可塑性には上限があり、若くして熟達してしまうと可塑の余地がなくなるのかもしれない



というおはなし。


写真:熟練ピアニスト

2013年2月6日

これが可塑性か? 内側前運動野が生まれ変わった


Stroke damage in mice overcome by training that 'rewires' brain centers
2013  2月  アメリカ



より有効な脳卒中リハビリ法を探るべくネズミを使った実験をしてみたそうな。


ネズミに餌をこぼさずに握って取れるよう訓練を施したのち、

人為的に脳梗塞にして運動機能の中枢でもある一次運動野を破壊した。

もちろん餌を握れなくなったが、48時間後に再び餌を取る訓練を開始したところ、

1週間後に再び餌をこぼさずに握れるようになった。

このときの脳の働きを調べたら、内側前運動野という部位が活動していた。

さらにこの内側前運動野を梗塞にしたところ、餌を握ることができなくなった。






普段はなにをやっているのかよくわからない内側前運動野が、

一次運動野の代わりの機能を担うようになった。

脳卒中のあとは集中的なリハビリを速やかに始めた方がよいのではないか



というおはなし。

2011年5月14日

音楽サポート療法で脳の可塑性がアップ


Music-Supported Therapy induces plasticity in the sensorimotor cortex in chronic stroke: A single-case study using multimodal imaging (fMRI-TMS).
2011 5月 ドイツ




音楽サポート療法Music-Supported Therapy)の

脳卒中上肢麻痺の治療効果を最新測定機器を使って調べたそうな。



音楽サポート療法

直径20センチほどのパッドを8つ連ねて、

それらをたたくとピアノの音階が鳴るようにした装置を利用する。



麻痺手、健常手の人差し指をもちいてパッドを叩き曲を演奏する。

上達に合わせて難度を調節できる。



脳卒中発症後1年半程たった患者について

このトレーニングを4週間実行する。



動作および脳の活動領域、皮質の反応のしやすさ等を

MRITMS機器を用いて評価した。




その結果、

音楽サポート療法によって、脳の活動領域とその反応の仕方に

良好な変化が観察できた。


音楽サポート療法は慢性期脳卒中患者の脳の

感覚運動野を鍛えるのにとても適しているのではないだろうか…


というお話。






感想:

パッドを叩く動作に伴い音が出るところがポイントだと思う。


そのうち 太鼓の達人療法が論文になる予感。


これはリハビリに使える

2009年12月18日

便利な用語 "脳の可塑性"

脳卒中になって、頻繁に "脳の可塑性" という言葉を
耳にするようになった。


初めて聞いたのは
理学療法士に
『歩けるようになると思いますか?』
と尋ねた時だった。

するとなにやらムツカシイ顔をして
『のうのかそせいがねぇ…』と考える素振りをしてごまかされた。


おおっ、なにか奥の深いことに思いを巡らせているに違いない!、
と その時は 思った。



しかししばらくすると、この"脳の可塑性"という言葉は、
ただ便利でかつ、なにも説明していない用語であることに気がついた。



"脳の可塑性"というのは、脳の新たな環境への適応能力を
言い換えたものであって、単に学習能力といってもいいかもしれない。

リハビリがうまくゆけば、この方法は脳の可塑性を活性化した、と言い、

リハビリに失敗すれば、あなたの脳にはもう可塑性がないと言う。



これで何かの説明になっているのだろうか?

そもそも可塑性は測定可能な量なのか?

そうではない思う。

これに触れることで意味があるのか?





たぶんこういうことだと思う。


この脳卒中リハビリについての研究は、
流行りの科学分野から置き去りにされている非常に地味な世界である。

遺伝子解析やコンピュータ技術とはまったく無縁で、
運動機能の客観的指標を得ることすらとても難しい世界である。


再現性をもって患者を回復させるなんてとんでもない、

いわば、勘と経験に頼る職人の世界でもある。


関係者はどうにかして そこに学問の匂いをさせたい、と考えていた。


あるときだれかが、脳ブームにあやかって、
単に患者が環境に適応することをもって、
"脳の可塑性" と呼ぶことにした。


するとどうだろう、
会話の中に"脳の可塑性"という言葉を挟み込むだけで、
なにやら自分は最新の神経生理学と脳機能解析技術に多少なりとも通じている、
という印象を漂わせることができるようになったのである!

で、瞬く間に広まった。


そんなとこかな、と思う今日この頃。

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