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2017年7月5日

脳神経の病気への音楽療法のはたらき


Music-based interventions in neurological rehabilitation.
2017  6月  フィンランド

The Lancet neurologyの脳神経疾患への音楽療法のレビューから。
図:脳卒中患者への音楽療法の脳内機序
・音楽刺激で脳血流が増加し 活動レベルに応じた可塑的変化が生じる。

・これは動物実験の刺激豊富な環境での回復過程に似ている。

・音楽が中脳辺縁系を刺激してドーパミンを介して報酬、覚醒、感情反応をもたらす。

・なかでも 側坐核がその中心としてはたらき 認知機能の改善にいたる。

・また  副交感神経が活発になりカテコラミンやサイトカインを介し交感神経は抑制されリラックス効果がもたらされる。

・その結果 ストレスホルモンのコルチゾールは減少し、心血管系への負担が低下する。

・リズムへの同期反応(Rhythmic Entrainment)は聴覚系と運動系の結合の強さを示す生まれ持った仕組みである。

・好きな音楽への特別な反応には 音楽記憶に関係の深い前帯状皮質、前頭前皮質の関与がかんがえられる、


というおはなし。

感想:

上の図がとても綺麗に見えたので関心をもった。

2017年3月22日

脳損傷の音楽療法のいま


Music interventions for acquired brain injury.
2017  1月  アメリカ

事故や病気で脳に損傷を負った患者へのリハビリ手段の1つとして音楽療法がある。
たとえばリズムに合わせて歩行動作を円滑にする、歌いながら発話 発声を促す、リスニングで疼痛や気分を癒やす、といったものがある。

これまでの研究成果をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者775人を含む29の研究がみつかった。

・音楽リズムが歩行とQoLの改善に役立った。

・音楽療法は腕の反復動作スピードやコミュニケーション能力の改善にも効果があった。

・単に拍子をとるよりも音楽と拍子を組み合わせることでより効果がでた。

・音楽療法の専門家が行うほうが効果的かも。

・有害事象を報告する研究はなかった。

・データの多くは偏りが強く エビデンスの質は概ね低かった。

音楽療法は歩行や上肢機能、コミュニケーション能力、QoLの改善に役立つかもしれない。よりハイレベルな研究が期待される、


というおはなし。
図:音楽療法

感想:

有害事象がない、ってことだけで価値があるよ。

2017年2月25日

脳卒中の音楽感情と脳半球支配


Post-stroke acquired amusia: A comparison between right- and left-brain hemispheric damages.
2017  2月  イラン

脳卒中が感情に与える影響については言葉や韻律、音声、表情についての研究がすでに行われている。

音楽への感情反応について実験してみたそうな。


31-71歳、慢性期の脳卒中で右脳損傷の25人、左脳損傷の20人と健常者25人について
短い音楽から感情をよみとる正確さを評価する「音楽感情テスト」"Musical Emotional Bursts"を行い比較したところ、


次のようになった。

・脳卒中グループはいずれも音楽感情スコアが明らかに低かった。

・右脳損傷グループは左脳損傷にくらべ「悲しみ」「中性」感情の認識力が有意に低かった。

・全グループで年齢がたかいほど音楽感情スコアは低下し、特に右脳損傷で顕著だった。

左脳よりも右脳の脳卒中で失音楽症がおきやすいと考えられた。右脳がネガティブな感情をつかさどるとする"感情価仮説"(valence hypothesis)を支持する結果になった、


というおはなし。
図:感情価仮説と右脳優位仮説

感想:

たしかに音楽聴いて心震わすことはなくなったね、とくにさいきん。

ちなみに脳の感情支配のもうひとつの説に、感情の種類によらず右脳がつかさどるとする"右脳優位仮説"がある。

2017年2月18日

アクティブ音楽療法を脳卒中患者でやってみた


Active music therapy approach for stroke patients in the post-acute rehabilitation.
2017  1月  イタリア

アクティブ音楽療法は神経学的音楽療法の1つで、おもに患者の心理 コミュニケーションの改善を目的としている。同時に上肢機能への影響も期待されている。

この効果を脳卒中患者でたしかめてみたそうな。


脳卒中患者38人を2グループにわけて、両グループに通常のリハビリと いっぽうにはアクティブ音楽療法をほどこした。

アクティブ音楽療法は、木琴やドラム、パーカッションなどのリズム楽器をもちいて患者と療法士が非言語的にコミュニケーションをはかる取り組みである。これを1回30分間、3週間で20セッションおこなった。


次のようになった。
・両グループともに生活の質スコアが向上した。

・とくにアクティブ音楽療法グループで不安やうつの程度が低下した。

・また、非利き手(麻痺手ではない)のつまみ動作スコアがアクティブ音楽療法グループで有意に向上した。

・患者と音楽療法士との関係性スコアも向上した。

脳卒中患者へのアクティブ音楽療法により心理面と上肢機能面でポジティブな結果が得られた、


というおはなし。

図:アクティブ音楽療法と脳卒中

感想:

脳卒中やってから言葉を紡ぐのがホント面倒くさくかんじるようになった。
これがわるいこととは思ってないんだけど、太鼓たたきたい気持ちも理解できる。

2016年12月5日

脳卒中の音楽療法は4種類あった


Effectiveness of music-based interventions on motricity or cognitive functioning in neurological populations: a systematic review.
2016  11月  ベルギー

脳卒中などの神経疾患には長期のリハビリが求められる。

近年、神経学的音楽療法(Neurologic Music Therapy)を謳う

*療法的楽器演奏 (Therapeutic Instrumental Music Performance)
*音楽による記憶訓練法 (Musical Mnemonic Training)
*リズム性聴覚刺激(Rhythmic Auditory Stimulation)
*メロディック・イントネーション・セラピー(Melodic Intonation Therapy)

等が導入されるようになった。

そこで神経疾患への音楽療法の種類と効果についてレビューしてみたそうな。


今日までの関連論文を検索して内容を吟味したところ、


次のことがわかった。

・19の研究がみつかった。多くは脳卒中患者を対象とし、パーキンソン病や多発性硬化症もあった。

・従来型リハビリに同等か上回る効果があった。

・音楽療法は大きく4種類に分類できた。
1)楽器演奏→ 上肢の運動機能、手の器用さの改善
2)リスニング→ 言語記憶、注意力の改善
3)リズム同期→ 歩行速度やペースの改善 
4)複合→ これらの合わせ技

神経疾患への音楽療法は4種類に大別できた。多くは脳卒中患者の運動機能の改善に関わるものだった。音楽療法には患者の心的健全性をうながしリハビリへの意欲を高める効果があるのかもしれない

というおはなし。
図:音楽療法の種類と疾患

感想:

なかでも音楽リスニングの研究は極端に少ないんだよね。

2016年9月2日

失音楽症と関係する脳の場所がわかった


Neural Basis of Acquired Amusia and Its Recovery after Stroke.
2016  8月  フィンランド

失音楽症は音の細かい高さやリズムがわからなくなる症状で、脳卒中のあとによく経験される。これが脳のどの部位と関係しているのか調べてみたそうな。


77人の脳卒中患者について、急性期と3,6ヶ月後にMRI撮影および失音楽症、失語症の検査を行った。
この結果をVLSM解析して脳の損傷部位との関連を求めたところ、


次のことがわかった。

・失音楽症は右脳の上側頭回、横側頭回、島皮質、線条体の損傷と関連していて、

・失語症でのパターンとは明らかに異なっていた。

・失音楽症が回復しなかった患者の右の上 中側頭回の灰白質体積が明らかに減少していた。

・この脳萎縮パターンは、失音楽症のリズムの障害、音の高さの障害で はっきりと異なっていた。

脳卒中後の失音楽症は右脳 側頭の皮質下の領域と深い関係にありそうである、


というおはなし。
図:失音楽症と脳の部位



感想:

じぶんは↓(動画) まさにその辺りに出血おこしたわけで、


発症数日後にiPodで音楽聴いたら 茶碗か空き缶を連打しているように聴こえて 『あらあら こんなとこまでやられたのか、、』と思った。

2016年8月3日

知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、、


Music Listening modulates Functional Connectivity and Information Flow in the Human Brain.
2016  7月  アメリカ

好きな音楽を聴くことが脳卒中からの回復に良いといわれている。

その理由を 脳機能測定から探ってみたそうな。


18-82歳の健常者12人について

*自分の好きな音楽
*まったく馴染みのない音楽(日本の雅楽やバッハの曲)
*アフリカの舌打ち言語
*チャプリンの扇情的スピーチ
*アナウンサーの感情のない読み上げ

をそれぞれ聴かせているときのfMRIを撮り、機能結合、インフォメーションフロー等を解析したところ、


次のことがわかった。

・おのおの脳の賦活パターンは非常に異なっていた。

・機能結合的に関連の近いいくつかの音刺激があった。

・もっとも脳が広く反応していたのは 好きな音楽と馴染みのない音楽だった。

・すべての音刺激でブロードマンエリアがもっとも強く反応しており 脳血流を促す効果は明らかだった。

好きな音楽や馴染みのない曲を聴くと脳が広く活動し 機能結合と血流が増加した。これは他の音楽や言語刺激とは対照的だった。このあたりが音楽療法での脳回復に関係があるのかも、


というおはなし。

図:音楽の種類とfMRI



感想:

実はGoogle Play Music を契約して半年くらい。よく知らない国の伝統音楽を検索してはBGMにしている。
聴いてもなんの思い出も連想も浮かばないところがなぜか心地よくて、、、

患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様

2016年4月1日

音を識別する能力への脳卒中の影響


Auditory Temporal Processing Deficits in Chronic Stroke: A Comparison of Brain Damage Lateralization Effect.
2016  3月  イラン

聴覚の時間的処理能力と脳卒中の損傷脳半球との関係を調べてみたそうな。


31-71歳 失語症のない 脳卒中で右脳損傷の25人 左脳損傷の20人 および健常者25人について、聴覚の時間分解能を測定する2種類のテストを行った。


次のことがわかった。

・すべての脳卒中患者で 損傷脳と反対側の聴覚テストのスコアが明らかに低かった。

・全グループで加齢にしたがい聴覚の時間分解能が低下していた。


脳卒中患者では損傷脳と反対側の耳の聴覚の時間分解能が低下していた、


というおはなし。

図:脳卒中と聴覚時間分解能

感想:

オレは右脳損傷だから左耳に難あり か、、、そんな気はしてたんだ。

2016年3月3日

音がすぐに出ないピアノでリハビリした結果、、


The role of auditory feedback in music-supported stroke rehabilitation:A single-blinded randomised controlled intervention.
2016  2月  フランス

脳卒中患者への音楽サポート療法では ピアノの演奏訓練によってリハビリ成果をあげている。

このメカニズムとして音のフィードバックが動作を矯正し運動学習になっている と考えることもできる。

この仮説を検証するべく音が鳴るタイミングを変えて実験してみたそうな。


音楽経験のない中等度麻痺の脳卒中患者34人について単純なピアノ演奏訓練を行った。
患者は次の2グループに分けた。

*鍵盤を押すと直ちに音が出る
*音が出るまでに遅延時間がある


次のようになった。

・両グループでリハビリ効果に明らかな差はなく、

・むしろ遅延時間グループのほうが成績が良かった。

音楽サポート療法の運動回復メカニズムは音響フィードバックがメインではなかった。もしくは直ちに音が返ってくるよりも 少し焦らされたほうがやる気が出るのかもしれない、


というおはなし。

写真:ピアノ演奏

感想:

むつかしく考えすぎ。音が鳴るものは楽しいんだよ、、、

パチンコセラピーはどうかな?昔の指で弾くタイプで 左手用の台もあったりして。「ちょっとリハビリ行って来るわ」って。

2016年1月11日

音楽サポート療法は脳の可塑性を促すのか?


Music supported therapy promotes motor plasticity in individuals with chronic stroke.
2015  12月  スペイン

音楽サポート療法は 視覚、運動、聴覚、感情、認知など多くのモードを通して脳の可塑性を促すリハビリ法である。

脳機能を測定するMRIを使ってその効果を確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中患者20人について音楽サポート療法での 運動、認知、情動の変化を調べた。

また、脳活動と聴覚-運動野の結合性をfMRIで測定し 健常者と比較したところ、


次のことがわかった。

・損傷側の脳半球に聴覚-運動野の活動および結合性の明らかな変化が確認できた。

・これは健常者には見られない変化だった。

・脳活動と聴覚-運動野の結合性の上昇は 麻痺手の運動機能の改善と連動していた。

音楽サポート療法は慢性期脳卒中患者のリハビリに適しているのかも知れない、


というおはなし。


感想:

結合性(connectivity)のはなしはどの程度信用できるものなのか いまいち実感がないな、、

10年前に10分で撮った私の脳の機能画像↓↓↓(ビデオ)

2015年11月15日

最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)


Music therapy in neurological rehabilitation settings.
2015  10月  ポーランド

神経学的リハビリシーンでの音楽療法についての総説。


・神経学的音楽療法(NMT:neurologic music therapy)は 神経疾患患者を対象としたあたらしい考え方である。

・音楽がもたらす固有の刺激で脳を活性化する。

・実際のリハビリへの応用では 楽器や音楽の特性を利用する。

・そのなかでもリズムはもっとも重要で、「エントレインメント効果」により 与えたリズムに生体リズムがシンクロするようになる。

・一定のリズムパターンには記憶能力を活性化するはたらきもある。

・また 音楽は情動システムに作用して知覚、認知、感情に影響をもたらす。

・たとえば「モーツァルト K.448」のてんかん抑制効果は 多くの研究で確認されている。

・近年あらたな感覚刺激技術として「バイノウラルビート(Binaural Beat Stimulation)」などが登場している。

・これら多様な音楽刺激方法が脳卒中、脳損傷、認知症などの治療に用いられ、音楽療法のエビデンスが増えつつある、

というおはなし。

図:バイノウラルビートと覚醒
バイノウラルビート周波数で注意力をコントロール
Turow G, Lane J D. Binaural beat stimulation: altering vigilance and mood states. In: Berger J, Turow G. ed. Music, science, and the rhythmic brain. New York, London: Routledge; 2011. p. 122–136.



感想:

やっと時代が追いついてきたか、、

2015年10月28日

神経学的音楽療法とは NMT(Neurologic Music Therapy)


How music is helping stroke patients walkand talk again
2015  10月  アメリカ

ボストンの2人の若者が音楽療法の会社を立ち上げた。

MEDRhythms 

・神経学的音楽療法 NMTに基づく1回60分間ほどのセッションを

・ギター、ピアノ、歌唱の専門家を派遣して行う。

・リズムによる聴覚刺激:Rhythmic Auditory Stimulation(RAS)の歩行リハビリの事例(2分間)

従来型リハビリを3週間受けても歩行がまったく改善しなかった脳卒中の男性が、派遣された音楽療法士がギターを奏でるや杖を放り出し その日のうちに数倍のスピードで歩けるようになった。

・治療的歌唱とメロディックイントネーション療法の失語症事例(2分間)


設立から6ヶ月の会社ではあるが これからも神経学的音楽療法を世に広めてゆきたい、


というおはなし。


感想:

自分のために目の前でギター演奏してくれたら そりゃぁ頑張っちゃうよなぁ、、

けど上の歩行ビデオはやり過ぎだね。

2015年7月9日

音階演奏は半側空間無視に効くのか?


Improving left spatial neglect through music scale playing.
2015  7月  イタリア

半側空間無視が楽器の音階演奏で改善するものか 実験してみたそうな。


右脳損傷の脳卒中患者で半側空間無視の11人と
半側空間無視のない12人  および健常者12人について、

キーボードを右から左へ順番に音階演奏させた。

キーを押したときの反応別に次の3つの状況下で演奏を行った。

*正しい音階が鳴る
*無音
*ランダムな音が鳴る

キーを打つタイミングも記録し、空間探索能力評価との関連を解析したところ、


次のようになった。

・半側空間無視患者の空間探索能力は正しい音階がフィードバックされた状況下でもっとも高かった。

・無音のとき、キーを打つペースが速かった。


連続した音階演奏時の聴覚刺激が空間感覚に影響して、右脳損傷患者の左方探索能力が改善したと考えられる、


というおはなし。

ピアノ演奏


感想:

この15年ほど腕時計を持たなかったんだけど、ソーラー電波のGショック腕時計が欲しくなって2週間前に買った。

ところが左腕の触覚が鈍いため 装着感がまっっっ ったく ない。

その後 ふと目に入って腕時計を着けていたことに気がつき驚くことしばしば。左方への関心の薄さに幾度も気付かされる。

で思った。 アップルウォッチに頻繁に注意喚起するアプリを入れたら半側空間無視の治療にいいべな、、って。

2015年7月7日

音の方向感覚は? 脳梗塞患者の


Auditory Spatial Deficits in the Early Stage of Ischemic Cerebral Stroke.
2015  6月  ポーランド


脳梗塞により聴覚に障害を受ける患者の割合と特徴について調べてみたそうな。


61人の急性期脳梗塞患者および60人の健常者について、音源探査能力の検査を行い梗塞形状との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳梗塞患者の82%で音源の最小弁別角度テストのスコアが明らかに低かった。

・54.1% vs.27.9%で 両耳より片耳での障害が多かった。

・梗塞が 両側、多発、ラクナの各ケースで音源の最小弁別角度が大きく異なった。

・特に、前頭葉、側頭葉に梗塞があるとこの違いは顕著だった。

・語音弁別能が低く 感音性難聴の患者で音源探査能力が低かった。


脳梗塞患者で音源探査能力の低下はよくあることで、梗塞の特徴とよく関連していた、


というおはなし。



感想:

『片側が難聴なんですけど、、』というメールが多い理由がわかった気がする。

2015年7月4日

音楽を聴く力と表現する力 脳卒中患者のばあい


Clinical investigations of receptive and expressive musical functions after stroke.
2015  6月  ドイツ

脳卒中が音楽能力に及ぼす影響を調べてみたそうな。


側頭部に梗塞があって失語や麻痺などの重い障害のない脳卒中患者34人(左脳損傷15、右脳19)と健常者34人について、

*リズムやメロディを聞き分ける音楽識別テストと
*聴いた曲を声で真似たり木琴で再現する表現テスト

を行い、結果を音楽の専門家が解析した。


次のことがわかった。

・若い頃に音楽教育を少しでも受けていた患者はその種の経験の無い者に比べテストスコアが高かった。

・左脳損傷患者の音楽識別能力は低下していない一方、

・右脳損傷患者のメロディ、リズム識別スコアは低かった。

・表現力の差は歌を歌わせたときに明らかだった。


音楽能力テストは脳卒中患者の脳機能評価に役立つかもしれない、


というおはなし。

右脳と左脳 音楽識別能力

感想:

これ↓思い出した。
急に音痴になったら脳卒中を疑え

2015年5月25日

言語聴覚療法に音楽療法を組み合わせると


Improvement of spontaneous language in stroke patients with chronic aphasia treated with music therapy: a randomized controlled trial.
2015  5月  イタリア


脳卒中で失語症の患者への言語聴覚療法に、音楽療法を組み合わせたときの効果を調べてみたそうな。


*患者10人に言語聴覚療法+音楽療法
*別の患者10人には言語聴覚療法のみ

とし、各々15週間30セッション行った。

音楽療法では 即興の音楽に乗せて訓練を行った。


次のようになった。

・音楽療法グループでは自発的な発話能力が有意に改善した。

・音楽療法グループの50%は健康上の活力スコアも改善した。


言語聴覚療法には音楽療法を組み合わせるとより効果的かも知れない、



というおはなし。

音楽療法

感想:

PTやOTが任天堂Wiiを利用するように、STは患者にカラオケやらせればイイんじゃないかな、、と思った。

2015年5月2日

音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?


Music-supported therapy (MST) in improving post-stroke patients' upper-limb motor function: a randomised controlled pilot study.
2015  4月  中国

楽器の演奏ついでに動作を繰り返す「音楽サポート療法」は、脳卒中患者の運動機能のリハビリに有効と言われている。

この効果が動作の繰り返しによるものなのか、それとも音楽そのものに由来するのか、確かめてみたそうな。


音楽訓練を受けたことのない脳卒中患者33人について、通常のリハビリ訓練に加えて楽器演奏訓練を4週間おこなった。

患者は2グループに分けて、一方には音がでない設定にした。


次のようになった。

・4週間後、両グループの上肢の運動機能は大きく改善した。

・音のでないグループに比べ、音が出るグループで改善度が有意に高かった。


音楽サポート療法では 繰り返し訓練の効果以上に 「音楽」そのものが上肢機能の改善に特別な役割を演じているらしいことがわかった、


というおはなし。

図:音楽サポート療法

感想:

たまにビデオゲームを音量ゼロにしてやってみると異常にいいスコアが出たりする。でもすぐに飽きちゃう。

そういうことかな、、

2015年3月25日

不安を訴える脳卒中経験者にCDを渡した


Self-help relaxation for post-stroke anxiety: A randomised, controlled pilot study.
2015  3月  オーストラリア

脳卒中経験者の不安対策にリラクゼーショントレーニングを試してみたそうな。


不安スコアの高い脳卒中経験者21人を2グループに分け、一方にリラクゼーションの自律訓練を週に5回x1ヶ月間以上行った。

自律訓練は、専門家の立会いなしでできるようCDを利用した。


次のようになった。

・リラクゼーションの自律訓練を受けたグループでは 明らかに不安が低下した。

・1か月後、自律訓練グループ10人中7人が訓練を完遂し、その後も継続した。

・この訓練方法は、簡単でかつ経済的、副作用はほとんどなし が特徴だった。


不安を抱える脳卒中経験者にリラクゼーション用自律訓練CDを与えたところ、不安が低下した、


というおはなし。


感想:

この種の問題で薬に頼らないところがエライ。

2015年1月16日

カルフォルニア大学が開発した最新の上肢リハビリ法とは


Musical glove helps stroke patients
2015  1月   アメリカ

脳卒中で麻痺した手の動きを改善する FDAも認めた新装置「ミュージックグローブ」を使ってみた事例ビデオ。


見れない場合はこちらから

あらすじ
・元タイピストで脳卒中経験者のジャネットさんは何年もリハビリを受けてきたけど手の動きは一向に良くならなかった。

・カルフォルニア大学でミュージックグローブのテストをしていると聞き、実験に参加した。

・音楽に合わせ指でつまむ動作を毎日繰り返した。

・2週間後、ジャネットさんは再びタイピングができるようになった。

・そればかりか ドアを開けたり、コップを洗ったり、食器を使ったりできるまでになった。


このミュージックグローブ療法は、従来型のリハビリに比べ運動機能の改善が20-30%優れていることがわかった、


というおはなし。



感想:

指を曲げ伸ばしできる時点で非常に軽度の麻痺であることは明らか。

しかし同様な軽度麻痺患者のみを対象とするCI療法に比べると、はるかにわかりやすくて、たのしくて、健常手にミットをはめる必要もないし、なにより1人でできる点で圧倒していると思う。

2014年12月26日

リズムに合わせた歩行訓練がメッチャ効果的と判明


Walking training with cueing of cadence improves walking speed and stride length after stroke more than walking training alone: a systematic review.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者がメトロノームや音楽の一定のリズム(キューイング)に合わせて歩行訓練をしたばあい、ただ歩行するだけの場合よりも効果的なものなのか 調べてみたそうな。


医学研究データベースから過去の関連する論文を厳選して、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・計211人の被験者を含む7件の研究が見つかった。

・キューイングありの歩行訓練の場合、ただ歩行する訓練に比べ

・歩行速度が 0.23m/秒 向上した。

・歩幅は0.21m広くなり、歩数は19ステップ/分増えた。

・歩行対称性も15%改善した。

・1回30分間x週4回x4週間の訓練で効果があった。


脳卒中患者の リズムに合わせた歩行訓練で、単に歩くだけの訓練に比べ スピード、歩幅、歩数、対称性が明らかに向上した。簡単に実行できるのでオススメ、


というおはなし。

リズム歩行



感想:

リズムに乗るまでがたいへんそうだけど、それなりのペースがあるかもな。

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