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2016年4月21日

tDCSってホントに脳を刺激してるの?


Cadaver study casts doubts on how zapping brain may boost mood, relieve pain
2016  4月  アメリカ

おでこに乾電池の電極を貼り付ける経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は記憶力アップや疼痛緩和、脳卒中リハビリに良いと言われているが、ほんとうに電気刺激が脳に届いているかはだれも知らない。

そこで死体をつかって実験してみたそうな。


今月の認知神経科学会のシンポジウムセッション7での発表。

・死体の頭部に脳まで届く電極を200本以上突き刺してtDCSによる脳への電流分布を測定した。

・90%以上の電流が皮膚に逃げていて、脳へ届く電流はわずかだった。

・生体であれば水分が豊富なぶん皮膚に逃げる電流はもっと大きいであろう。

・tDCSは通常1-2mAで行われるがこれでは脳神経を発火させるにはまったく足りない。

・最低でもスタンガンレベル(5mA~)の電流が必要である。

tDCSの電流はほとんど脳に届いていなかった。いっぽう tDCSの有効性を示す報告が多数あるので なにか別のメカニズムを考える必要があるだろう、


というおはなし。



感想:

「最近うちのパソコン遅いんだよねぇ」と言いながら、その筐体に乾電池の電極を貼ったところYouTubeの待ち時間がなんか短くなった気がする、、、

これがtDCSだと思うんだ。

2016年4月5日

tDCSで脳卒中患者の傾きが治る可能性について


Polarity-Dependent Misperception of Subjective Visual Vertical during and after Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS).
2016  3月  ブラジル

主観的な垂直方向(自覚的視性垂直位)は脳卒中患者でしばしば病的に傾く。

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)がこの感覚に影響するものか実験してみたそうな。


健常者13人について、側頭頭頂の縁上回 両側にtDCS電極を貼り自覚的視性垂直位を調べたところ、


次のようになった。

・偽刺激に比べて自覚的視性垂直位はプラス電極側に大きくシフトした。

・刺激を切ったあとに反対側に振れるリバウンド効果が確認できた。

・左プラス|右マイナス のときに自覚的視性垂直位がプラス電極側にシフトする効果がもっとも持続した。

・電界分布を計算したが内耳への影響はなさそうだった。


側頭頭頂へのtDCSで自覚的視性垂直位が明らかに影響を受けた。傾く脳卒中患者に応用できるかもしれない、


というおはなし。

図:tDCS

感想:

確信した、tDCSは前庭感覚電気刺激GVSの別解釈だな。

GVSの真偽はともかく。↓
脳卒中患者が傾く仕組みについて

プッシャー現象 なぜ脳卒中患者は傾くのか

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた

前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!

2016年3月25日

結局、tDCSって脳卒中にいいの?


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。

ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。


tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者748人を含む32の研究がみつかった。

・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。

・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。

脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、


というおはなし。

図:tDCS 経頭蓋直流電気刺激

感想:

頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。

2015年10月6日

脳卒中のtDCS治療は電極が小さいほど効果的


Transcranial Direct Current Stimulation Post-Stroke Upper Extremity Motor Recovery Studies Exhibit a Dose-Response Relationship.
2015  9月  アメリカ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)治療で、効き目と電流量に関連があるものか調べてみたそうな。


関係する過去の研究から信頼性の高いものを厳選し、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者213人を含む8件の上肢 関連研究が見つかった。

・偽刺激に比べ、tDCS治療には明らかな改善効果が認められた。

・特に、左右脳同時刺激で大きな改善が得られた。

・電流の大きさよりも、電極上の電流密度や電荷密度と改善効果に用量関係が見られた。

・電極が小さいほど効果的だった。


tDCSの上肢機能改善効果は明らかであり、小さな電極に電流が多いほど効果が高かった、


というおはなし。
図:tDCS


感想:

tDCSを信じていない理由は 以前ここに↓書いた。
tDCS(経頭蓋直流電気刺激)にもハイビジョンがあった
電極を小さくして電流密度を高くすればより激しくチクチクするわけで、それに連れて効果も上がるというのは まさにプラシーボ効果である証だと思うのだが、、、

2015年1月2日

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)にもハイビジョンがあった


Feasibility of using high-definition transcranial direct current stimulation (HD-tDCS) to enhance treatment outcomes in persons with aphasia.
2014  12月  アメリカ

従来型のtDCSにくらべより限局した範囲を強く刺激できるHD(ハイディフィニション)tDCSを実際に試してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症の8人の患者について従来型のtDCS もしくはHDtDCS を施し、併行して5日間の失語リハビリを行った。


次のようになった。

・HDtDCSは実験を行う上で従来型と比べ特に大きな違いはなかった。

・両グループともに失語リハビリの成果が見られた。

・訓練成果の正確さの点でHDtDCSの方がやや優れているように見えた。

HDtDCSは従来型のtDCSと同様に扱うことができ、効果も同程度以上はありそうだ、


というおはなし。


HDtDCSを自作して自分に試し、やけどしかけた人のビデオ




感想:

tDCSのニュースはこれまで30件以上取り上げてきた。
2015年にもなったし 今だから正直に言うと、tDCSで脳の神経が分極して興奮がどうのこうのという理屈は最初からぜんぜん信用していない。

上に貼ったビデオのように簡単に実験できるはずなのに まったく試してみる気にもならない。

その理由を書いてみる。


子供のころ006Pタイプの乾電池を舐めて 痛いくらいに舌がシビレた。tDCSで使用する電池、流す電流がまさにこのレベルのものである。

じっさい、tDCSの通電中のチクチク感は問題になっていて、この不快感を緩和するために電極の材質や頭皮との間にはさむジェルやスポンジを工夫している。

つまりtDCSで効果があるとされるレベルの電流を流すと多少のチクチク ピリピリ感はどうしても避けられない。

その結果、比較対照のための偽刺激(電流を流さない)実験が事実上意味をなさなくなる。

わかりやすく言うと、
実験中ずうっとアタマに貼った電極にチクチク感のある被験者は、自分がなにかすごい先端医療を施されていることを感覚的に体験し続ける。

いっぽう、偽刺激の被験者には全体を通してほとんどチクチク感は無く、なにかされているのかさっぱり実感がわかない。


これほどの実験状況の違いがあるとポジティブな結果がでないハズがなく、得られる成果のほとんどは「チクチク感によるプラシーボ効果」であると考える。


でも名のある研究機関も取り組んでいることを考えると、少しは本当の効果も含まれるのかな、、と思い 見守っている。

2014年12月22日

脳刺激効くの?効果続くの?いつ始めるの?


Enduring Poststroke Motor Functional Improvements by a Well-Timed Combination of Motor Rehabilitative Training and Cortical Stimulation in Rats.
2014  12月  アメリカ

脳への電気刺激とリハビリ訓練を組み合せる効果とベストなタイミングを調べてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にして前脚の運動機能を麻痺させた後、

*脳刺激+片脚でエサを取る訓練
*片脚でエサを取る訓練のみ

のグループを設け3週間継続し、運動機能の改善効果を10ヶ月後までフォローした。

脳刺激は経頭蓋直流パルスを100ヘルツ、運動を誘発する強度の半分で行った。

また 実験時期を、梗塞後14日後に開始する早期実験と、3ヶ月後に開始する慢性期実験に分けた。


次のようになった。

・早期実験では、エサ取り訓練のみに比べ脳刺激を与えたグループで機能改善効果が大きかった。

・脳刺激を加えることで効果が10ヶ月後も持続した。

・慢性期実験では、脳刺激の効果は見られなかった。


脳刺激はリハビリ訓練の効果を持続させた。しかしその適用時期で効果は変わる、


というおはなし。

ネズミの脳刺激

感想:

脳刺激系は試すなら早い方がいいってことなんだろな。

動物は空気を読まないから 人間での結果よりもはるかに信頼できる面がある。

2014年11月24日

片麻痺の子供のあたまに乾電池の電極を貼り付けても大丈夫?


Safety and Feasibility of Transcranial Direct Current Stimulation in Pediatric Hemiparesis: A Randomized Controlled Pilot Study.
2014  11月  アメリカ

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)は非侵襲的な脳刺激法であり、成人脳卒中患者のリハビリに用いられる。

子供への安全性を確かめてみたそうな。


脳卒中により 生まれついて片麻痺の子供13人(7-18歳)について、リアルtDCS、偽tDCSグループに分けて治療を行った。

治療内容は両側運動野へ0.7mAの刺激を10分間行った。

有害事象の有無を確認し、効果を1週間後までフォローした。


次のようになった。

・けいれん発作などの大きな有害事象はなかった。

・2人の被験者は不快感や効果測定上の理由で脱落した。

・残り11人は治療後のフォローまで完遂した。

・両グループ間で、運動誘発電位、行動面で有意な差は見られなかった。


子供へのtDCS治療は問題なさそうだった、


というおはなし。

子供のtDCS



感想:

tDCSってパラメータが少なすぎて奥行きが感じられないな、、と思ってたら、直流の代わりに交流やノイズ電流を使うtACS,tRNSなんてものがあることを知った。

2014年7月27日

tDCSは歩行リハビリにも効くのか


The effect of single session bi-cephalic transcranial direct current stimulation on gait performance in sub-acute stroke: A pilot study.
2014  6月  イギリス

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)の上肢リハビリ効果の報告は多い。

そこで、歩行機能への影響を調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者14人について左右脳半球を同時に刺激するtDCS治療を施した。

病側頭皮にプラス極、健常側頭皮にマイナス極を貼った。

このうち7人には偽の刺激を与えた。

歩行機能は複数の方法で評価した。


次のようになった。

・tDCSグループは偽刺激グループにくらべ敏捷性が大きく向上した。

・歩行バランス機能は両グループで差がなかった。


tDCSは歩行リハビリに使えるかもしれない、


というおはなし。


メモ:

tDCSの講義ビデオ 27分以降臨床応用編


このテーマでこんなにしゃべる人がいてオドロイタ

2014年7月6日

デュアルtDCSで失語症を治療してみた


Ipsilesional and contralesional regions participate in the improvement of poststroke aphasia: a transcranial direct current stimulation study.
2014  6月  イタリア

デュアルtDCS(経頭蓋直流電気刺激)の失語症への効果を調べてみたそうな。


右脳損傷で交差性失語の脳卒中患者について、

・右脳の下前頭回(ブロードマンエリア 44/45:下前頭回)にマイナス極、左脳の下前頭回(44/45)にプラス極を貼る治療を2週間おこなったところ、命名課題スコアが大きく改善した。

・同じ刺激をブロードマンエリア(39/40)について行ったところ、ほとんど改善効果はなかった。

・ところが電極の極性を入れ替えたところ、下前頭回を刺激したときよりも大きく改善した。


脳卒中の失語症回復には損傷側脳、健常側脳の両方のエリアが関与していそうである。tDCSが治療に役立つかも知れない、


というおはなし。
ブロードマンの脳地図
感想:

脳表面のずいぶんと細かい位置を指定をしているものの、塩水で湿らせたでかい電極スポンジを頭皮に貼っている風景を想像するに この種の実験をする研究者のおおらかさ というか心の広さを感じずにはいられない。

2014年6月8日

脳卒中になって間もない患者にtDCSをやってみた


The Ineffective Role of Cathodal tDCS in Enhancing the Functional Motor Outcomes in Early Phase of Stroke Rehabilitation: An Experimental Trial.
2014  5月  イタリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が亜急性期の脳卒中患者に効くかどうか実験してみたそうな。


発症19日前後の脳梗塞患者14人について、

*陰極tDCSグループ
*偽電気刺激グループ

に分けた。通常のリハビリ訓練の直前に電気刺激を10分間行った。

これを週5日☓2週間継続した。

その後の歩行能力、上肢機能を30日後まで追跡調査した結果、


次のようになった。

・両グループともに大きく改善した。

・改善程度にグループ間の差はなかった。


亜急性期脳卒中患者への陰極tDCSは機能回復を促すものではなかった、


というおはなし。



感想:

陰極tDCSの動物実験の記事はちょっとまえにあった。
脳を護る!乾電池のマイナス極で

さらにtDCSを埋め込んだヘッドギアを製作した有名音楽家を発見!

左右の頭頂と眉のあたりに電極がある。
tDCSの実験をやり過ぎたせいでこんなになっちゃったんだと思う。

2014年5月30日

脳を護る!乾電池のマイナス極で


Neuroprotective effect of cathodal transcranial direct current stimulation in a rat stroke model.
2014  5月  スイス

脳を虚血状態にすると周辺組織に脱分極が梗塞を拡大しながら周期的に拡がる。直流電気刺激(tDCS)はこの皮質興奮性に影響を与えると考えられる。

そこで乾電池のマイナス極を貼り付ける陰極tDCSで梗塞を抑えられるものかどうか実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミについて

*虚血手術の45分後から陰極tDCSを4時間行うグループ
*虚血手術直後から陰極tDCSを6時間行うグループ

に分けた。各グループは12匹ずつ。

比較のため通電しない12匹のグループも各々設けた。



次のようになった。

・45分後tDCSグループは梗塞体積が20%、直後tDCS開始グループでは30%小さかった。

・梗塞の及ぶ範囲も両tDCSグループで小さかった。

・陰極tDCSで脱分極の回数が減少した。

・梗塞体積と脱分極の回数に関連があった。



急性期脳卒中への陰極tDCSが、脱分極頻度を抑えることにより神経保護効果をもたらすことが確認できた。人にも応用できるかも知れない、


というおはなし。

写真:tDCSネズミ



感想:

tDCSって簡単そうだから、すべての家庭や職場施設に1つは備えるようにして、脳卒中の症状を確認したらとりあえず頭に電極を貼って それから病院を探すようにしたらどうだろう。


でも、あわてて電池を逆向きに入れたりすると大変なことになる。
tDCSは電極を間違えると脳梗塞が拡大することが判明


2014年3月24日

リタリン飲んで頭に乾電池の電極を貼ると上肢機能が大きく改善するそうです


Combination of transcranial direct current stimulation and methylphenidate in subacute stroke.
2014  3月  アメリカ

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)や精神病治療薬メチルフェニデートは脳卒中患者の運動機能の改善効果があると言われている。

両者を組み合わせたときの相互作用を調べてみたそうな。


脳卒中患者を
*tDCSのみ
*メチルフェニデートのみ
*tDCS+メチルフェニデート
の3グループに分けて上肢機能を評価、比較した。

次のようになった。

・上肢機能テストのスコアはtDCS、メチルフェニデート単体の場合よりも組合せたときのほうが大きく向上した。

というおはなし。


写真:メチルフェニデート
リタリンの主成分がメチルフェニデート


感想:

ハーバード大の研究。STAP細胞で有名なだけにtDCSに手を出してもなんら不思議はない。

2013年11月5日

tDCSの失語症改善効果はゼロ


No effects of anodal transcranial direct stimulation on language abilities in early rehabilitation of post-stroke aphasic patients.
2013  10月  ポーランド

最近の研究では失語症患者の左脳皮質の興奮性の高まりと言語能力との間に関連があると言われている。

そこで、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の左脳へのプラス電極刺激が失語症の改善に効果があるか調べてみたそうな。


脳卒中で失語症の37人の患者について、左脳ブローカ野へのプラス電極刺激グループと、偽刺激グループに分けて3ヶ月後の言語能力を評価比較した。

tDCSは15日間継続した。両グループには通常の言語療法も行った。


次のようになった。

・両グループ共に改善したが、

・改善程度に差はまったく見られなかった。


脳卒中で失語症患者へのプラス極tDCSはなんの役にも立たなかった、


というおはなし。



写真:tDCS失語


感想:

似たようなことを研究して成果を出してるひとがいっぱいいるみたいだけど、

この研究者は業界の空気を読めなかったのかも知れない。

2013年10月29日

tDCSはリハビリの役に立ちそうなのかい?


Transcranial direct current stimulation (tDCS): Does it have merit in stroke rehabilitation? A systematic review.
2013  10月  オーストラリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果について過去の研究を見なおしてみたそうな。


厳選した結果、15件、被験者計315人ぶんの研究データが見つかった。

これらのデータを統合し再解析したところ、


次のようになった。

・病側脳にプラス極、健常側にマイナス極または両側脳同時刺激のtDCSすべてについて、直後の運動機能測定では、偽刺激に比べ統計的に有意な改善効果は見られなかった。

・しかし脳卒中の特徴別に限定すると、慢性期患者および軽症、中程度の障害患者では大きな改善効果が確認出来た。


tDCSは患者を選べば一時的な改善効果を得ることが出来そうである。しかし刺激方法が具体的に定まっていないことや脳卒中の状態にもいろいろあることから実用への道のりは遠い、


というおはなし。


写真:tDCS

2013年9月29日

tDCSは何度も繰り返すと効果的


Transcranial direct current stimulation over multiple days improves learning and maintenance of a novel vocabulary.
2013  8月  オーストラリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)のこれまでの報告は刺激が1回だけのものが多い。
そこで複数回刺激した時の言語機能への効果を調べてみたそうな。


40人の健常人について、tDCSのプラス極刺激または、偽刺激のグループに分けて、計20回の刺激を行いながら、5日間にわたり新たな語彙の学習課題成績を比較した。
また、1週間後もフォローした。


次のようになった。

・言語学習スコアはtDCSグループで優れていた。

・認知課題ではtDCSグループが早い段階で最高スコアに達していた。

・これら両課題についてtDCSの効果は1週間後も持続していた。



tDCSは複数回行うとより効果的で、失語症の脳卒中患者の治療に使えるかも知れない、


というおはなし。



2013年9月7日

tDCSは電極を間違えると脳梗塞が拡大することが判明


Safety and Efficacy of Transcranial Direct Current Stimulation in Acute Experimental Ischemic Stroke.
2013  8月  イタリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)治療はもっぱら慢性期脳卒中患者でのみ行われている。
そこで、急性期に適用した場合の安全性、効果について調べてみたそうな。


ネズミについて、磁気共鳴スペクトロスコピーで脳の代謝状況を確認したのち、人為的に脳梗塞にしてtDCSを施した。
プラス極、マイナス極、偽電極でのそれぞれの代謝への影響も同様に測定した。

次のようになった。

・マイナス極刺激のときに梗塞領域が最も小さく、炎症も抑えられ、回復も早かった。

・これはスペクトロスコピーでグルタミン酸代謝の変化として確認できた。

・一方、プラス極刺激の場合、梗塞が大きくなり、脳血液関門の働きも乱れた。


急性期脳梗塞へのtDCS治療に神経保護効果を確認した。
しかし、その極性、適用時期には注意が必要である、

というおはなし。




感想:

こんなはなし いままで耳にしたことがない。

2013年7月2日

頭に乾電池の電極を貼り付けても失語症は治りそうもないことが明らかに


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving aphasia in patients after stroke.
2013  6月  ドイツ

失語症患者への経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の効果を調べてみたそうな。


世界の医学研究データベースから信頼の置ける関連論文を厳選し、内容を吟味した。


次のようになった。

・計54人の被験者を含む5件の研究が見つかった。

・いずれの研究も会話能力を正式に評価したものはなく、線画命名課題の成績をもって失語症を評価していた。

・tDCSが言語療法効果を高める結果は出ていなかった。

・有害事象はなかった。


いまのところ、tDCSが失語症に効くという証拠はなかった、


というおはなし。


 写真:tDCSの仕組み
tDCSに必要な物(乾電池と銅線2本、スポンジ)



感想:

手軽さが受けているようで、最近 やたらtDCSの論文をみかける。


2013年4月3日

tDCSで失語症治療をしてみた


Transcranial direct current stimulation (tDCS) of Broca's area in chronic aphasia: a controlled outcome study.
2013  3月  イタリア


tDCS(経頭蓋直流電気刺激)の失語症治療への効果を検証してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症のある8人の患者について、脳のブローカ野をターゲットにプラス電極を頭に貼り付けるtDCS治療を、安静状態で1回20分間×2週間行った。

比較のために偽の電気刺激を与えるグループも作った。


その前後で、言語機能の回復程度を物や動作の命名課題で評価したところ、


次のようになった。

・両グループでほとんど差がなかった。

・1名の患者でのみtDCSで顕著な改善を示した。



今回の実験条件ではtDCSの失語症改善効果はほとんど確認できなかった


というおはなし。


2013年3月21日

【デュアルtDCS 】脳卒中患者の頭部左右に乾電池の電極を貼ってみた


Single Session of Dual-tDCS Transiently Improves Precision Grip and Dexterity of the Paretic Hand After Stroke.
2013  3月  ベルギー



脳卒中になると脳の半球間相互バランスが崩れて手の麻痺に影響がでる。

この状況をデュアルtDCS(経頭蓋直流電気刺激)で改善できないか試してみたそうな。


慢性期脳卒中で軽中程度の片麻痺患者19人について、

損傷側頭部に乾電池のプラス極、健常側にマイナス極を貼り付けるデュアルtDCSを20分間行った。

偽刺激グループも設けて、麻痺手の動作の正確さ、巧緻さの変化を評価、比較した。


次のようになった。


・1回のデュアルtDCSの直後、握りの正確さが偽刺激グループに比べ著しく改善した。

・手指の巧緻さはデュアルtDCSを開始して徐々に高まり、終了20分後に最高レベルに達した。
(スコア40%増、偽刺激5%増)

・握りの正確さも刺激終了後20分で最高になった。





1回のデュアルtDCSで手の運動機能が大きく改善し、その効果が継続した。

詳細な刺激条件を検証する実験をやってみたくなった



というおはなし。




感想:

tDCSとTMSって考え方がとても似ている。

でも、デュアルTMSは耳にしたことがない。

tDCSとTMSの装置の価格差は1000倍以上の開きがあるはずだから、当然かな…と思った。

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