~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2011年12月31日

腿までの浸水療法で脳卒中リハビリがはかどる


Water Immersion to the Femur Level Affects Cerebral Cortical Activity in Humans: Functional Near-Infrared Spectroscopy Study.
2011  12月  日本



浸水療法の脳卒中片麻痺治療への

可能性について調べてみたそうな。



健康な男性9人について、

座らせたまま次の3つの状態に5分間ずつ曝した。


1.水のない状態

2.水を注いでいる状態

3.水に浸っている状態




水位は腿までとし、

水温、気温共に34度に保った。




各状態での大脳皮質の活動を

近赤外線分光法で観察した。


また、血圧、心拍、体温なども測定した。





その結果、

浸水が完了してから1分半ほどの間に

脳の感覚野、運動野の酸素化ヘモグロビンの

量が著しく増加した。


この間、血圧、心拍、体温に変化はなかった。




浸水療法は脳皮質の活動レベルを高めるので、

脳卒中リハビリを促す効果が期待できるかも知れない、


というおはなし。






感想:

要するに風呂に入れってことだと思う。



自分のいたリハビリ病院には温泉があった。


毎日入っていた。



すっごいスピードで回復したのは

そのおかげだったかも知れない。

2011年12月30日

下肢装具の効果は不明


Effect of ankle-foot orthosis in postural control afterstroke: a systematic review.
2011  12月  スペイン




脳卒中患者が着ける下肢装具

姿勢安定効果について調べたそうな。



18-80歳の急性期、慢性期脳卒中患者の下肢装具

ついての世界中の研究を調べ、内容を見なおした。



その結果、

下肢装具によって歩行スピードや歩調を改善する

効果は見られるものの、


歩行の対称性、姿勢のブレ、バランスの改善効果が

あるかどうかはわからなかった。





研究対象とした患者の病状の多様さや

研究方法が統一されていないなどの理由から、


今のところ、脳卒中患者への下肢装具の姿勢安定効果は

"不明" と言わざるを得ない


というおはなし。







感想:

最初の1週間ほど着けていた記憶がある。

足首が脱力しきっていたときには

下肢装具がとても頼もしく感じた。



ただ、こういうものをいつも着けていると

かえって回復の妨げになるんじゃないか...


という印象は持った。

2011年12月29日

脳卒中で退院後の気持ちの変化


On parallel tracks: newly home from hospital-people with stroke describe their expectations.
2011  12月  スウェーデン



脳卒中経験者の退院後の

気持ちの変化を調べたそうな。



5人の脳卒中患者について、

リハビリ病院から退院、帰宅した後、

3ヶ月間面談を繰り返し調査した。




その結果、


●退院時:

病院という安全な環境から切り離されて

自宅に戻るには不安がいっぱい、

という気持ちを感じていた。




●数週間が過ぎるころ:

・ 回復への非常に強い期待感と

・ 実生活に適応しなければならない

という2重の気持ちが交錯していた。





●3ヶ月後:

回復への強い期待は持ち続けているものの、

かつてのような生活にはもう戻れない、

と思い始めるようになっていた。





脳卒中患者は退院後も非現実的なまでの

回復への強い期待感を持ち続けていることがわかった。



現実の生活とのバランスを促すサポートが必要

かも知れない、



というおはなし。







感想:

ぴったり。


まさに おっしゃるとおりでございます。

2011年12月28日

半側空間無視が磁気刺激で治る理由


Excitability out of balance: Treating hemineglect with transcranial magnetic brain stimulation.
2011  12月  アメリカ




半側空間無視のリハビリは難しい。


注意を促す訓練の繰り返しや脳への外部刺激によって

視野への適切な注意行動を取り戻す試みがなされている。




特に脳への外部刺激による方法は、

左右の脳が互いの働きを補ったり、

足を引っ張ったりしながらバランスをとって活動

しているという仮定に基づいている。




一方の脳の梗塞によって、

健常側の脳への抑制が効かなくなり、

バランスが崩れると視野への関心が偏ると考えられる。




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いて、

損傷側の脳の活動を高める、または

健常側の脳の活動を抑制することで

この崩れたバランスを正すことができる。




rTMSによるシータバースト刺激は脳の興奮を

安全かつ効果的に抑制し、

半側空間無視を改善することができるかもしれない、



というおはなし。

2011年12月27日

レボドパの脳梗塞治療効果について


Levodopa Treatment Improves Functional Recovery After Experimental Stroke.
2011  11月  スウェーデン




脳卒中後のレボドパ投与は運動機能回復に効くという。


その仕組みについて調べてみたそうな。



ネズミを人為的に脳梗塞にした2日後、

レボドパを12日間投与した。


梗塞の大きさと運動機能の回復程度、

脳内で発現しているタンパク質と分布を調べた。



その結果、

・レボドパ投与によって運動機能が著しく改善した。

・梗塞の大きさには変化はなかった。

・梗塞周辺の細胞に機能的な変化があった。





やっぱりレボドパは効果があって、

脳梗塞周辺の細胞に影響があることがわかった、


というおはなし。







感想:

つい先日、"レナードの朝" という古い映画を観た。

それがレボドパがテーマの映画だった。


効果が長続きしないため、

結局 問題解決にならなかった、という内容。




脳卒中治療の効果もイマイチっぽい印象がある。


写真:レボドパ

2011年12月26日

tDCSの効果は単なる気のせいではなさそう...なことが判明


Cortical activation changes underlying stimulation-induced behavioural gains in chronic stroke.
2011  12月  イギリス


経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の脳卒中リハビリ効果

については多くの報告がある。

しかしその背景にどんな仕組みがあるのかは

明らかになっていない。



tDCSと脳活動、脳卒中患者の運動機能の改善が

どう関連しているか、について調べてみたそうな。



発症後6ヶ月以上経った脳卒中患者13人について

次の3つの各状況ごとに実験を行った。


・損傷脳側に乾電池のプラス極を貼り付ける。

・健常脳側に乾電池のマイナス極を貼り付ける。

・頭に電極だけを貼り付ける。




電流を流す時間は20分間。


電流刺激の前後での麻痺側手指の動作反応時間と

脳機能MRIによる脳活動を記録、比較した。




その結果、

プラス電極を貼った場合には動作反応速度が

5-10%改善し、対応する脳の活動領域も増加した。


マイナス電極を貼った場合には動作反応速度

のみが改善した。


電極を貼っただけの場合は、何の改善も起きなかった。



損傷脳側への直流電気刺激が麻痺した手指の動作を改善し、

脳の活動も増加させることがはっきりとわかった、



というおはなし。







感想:

これは無視できないくらいに まともそうな人達の研究。


正直、tDCSはいまも信用していないけど、


もしかしたら本当に効果があるのかもしれない。




ちょっと乾電池買ってくるかな。



2011年12月25日

脳卒中後うつは重症でなくてもよく起きる


Depression after minorstroke: prevalence and predictors.
2011  12月  イタリア



そんなに重症ではない脳卒中患者の

うつになる割合について調べたそうな。



105人の脳卒中患者について、

2年半ほど追跡調査したところ、

41%の患者が脳卒中後うつの状態にあった。

よく見られた症状としては、


やる気興味の喪失

・慢性的な疲労感

などがあった。



悲嘆に暮れ、罪悪感を感じている患者ほど

脳卒中後うつになりやすかった。



また、

高学歴糖尿病

うつとの関連が高かった。




脳卒中後うつは重症でない患者でも

よくあることで、発症部位との関連も見られなかった、


というおはなし。

2011年12月24日

脳梗塞を再発しやすい日本人の特徴が判明


Risk Factors Predisposing toStrokeRecurrence within One Year of Non-CardioembolicStrokeOnset: The FukuokaStrokeRegistry.
2011  12月  日本



脳梗塞の再発は発症後の1年間に多い。

脳梗塞が再発しやすい患者の特徴を調べてみたそうな。




福岡県で入院した心臓が原因でない脳梗塞患者

876人(平均70歳)について、入院時の身体の状況と

その後の1年間の経過を追跡調査したところ、

71人(8.1%)が脳梗塞を再発した。




解析の結果、


・高齢であること

・HDL(善玉)コレステロール値が低いこと

・慢性腎臓病であること




が1年以内に脳梗塞を再発する人の特徴である

ことがわかった、


というおはなし。







感想:

でも、脳梗塞を再発した西城秀樹は まだ56歳なんだよね。

2011年12月23日

rTMS、やっぱ高頻度の方がイイかも


Comparison of the Effects of High- and Low-frequency Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Upper Limb Hemiparesis in the Early Phase ofStroke.
2011  12月  日本


早期脳卒中患者の上肢麻痺に効く

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の条件を調べてみたそうな。


発症早期の脳卒中患者29人を

次の3つのグループに分けた。


高頻度(10ヘルツ)rTMSを損傷側の脳に施す。

低頻度(1ヘルツ)rTMSを健常側の脳に施す。

・偽(ニセ)のrTMSを施す。



5日間の刺激治療を施した後、

握力と指を動かす速さを計測比較した。


その結果、

高頻度グループの改善程度がもっとも優れていた、


というおはなし。








感想:

TMSには大きな可能性を感じてはいるけれど、


・10ヘルツで刺激すると脳の活動が亢進し、

・1ヘルツで刺激すると抑制される。

といった話はどうにも理解ができない。


人の身体を単純化しすぎていると思う。




2011年12月22日

水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった


The influence of fluid intake onstrokerecurrence - A prospective study.
2011  12月  ドイツ

一日に水を2リットル以上飲むと脳卒中予防になる、という噂をよく耳にする。

ほんとかどうか調べてみたそうな。


465人の脳卒中患者について、飲み物日記をつけてもらい、約2年間、3ヶ月ごとに訪問しては記録を回収し、同時に血液検査も行った。



結果は、

一日に水を2リットル以上飲むグループと

2リットル未満のグループに分けて評価したところ、

水をよく飲むグループでは
脳卒中の再発率は12.3%

水をあまり飲まないグループ
脳卒中再発率は16.8%

だった。


また、水をよく飲むグループでは血液が固まりにくくなっていた。



たしかに、水をよく飲むと脳卒中予防になることがよーくわかった、

というおはなし。
図:水を飲む量と生存率

2011年12月21日

経頭蓋磁気刺激治療、10年間のまとめ


French guidelines on the use of repetitive transcranial magnetic stimulation (rTMS): Safety and therapeutic indications.
2011  12月  フランス



過去10年間に経頭蓋磁気刺激(TMS)

についてのたくさんの研究が行われてきた。


これらをザッと総括してみたそうな。



TMSはすでに何千人もの健常人、病人での実施事例がある。


副作用の報告例は極めて少なく、

失神の事例がいくつかあった。


これらの失神事例は推奨閾値を超えて強い刺激を

与えた場合に起きている。


rTMSはもっと弱い刺激を用いている。


ちなみに、2009年には新たな安全基準が設けられた。



rTMSの治療効果の研究は最近のものである。


慢性疼痛、運動障害、脳卒中、てんかん、耳鳴りや精神疾患

への適用が検討されてきた。



すでにrTMSの慢性神経痛、うつ、幻聴などへの多くの臨床報告がある。


今後、刺激パラメータの最適化が進み、

さらなる臨床事例が増えることが予想される。



というおはなし。





感想:

さいきん、磁気刺激治療のはなしばかりひっかかる。

20年後が楽しみ ではある。

2011年12月20日

チーズを もりもり食べると脳卒中予防になることが判明


Delay ofStrokeOnset by Milk Proteins inStroke-Prone Spontaneously Hypertensive Rats.
2011  12月  日本



一般に乳製品の摂取量が増えると

脳卒中になりにくくなる、と言われている。


乳製品のどの成分が関連しているのかを調べたそうな。



脳卒中になりやすい高血圧ネズミを使って、


・乳製品、大豆、卵由来のタンパク質

・これらを構成する同等のアミノ酸

・バター、牛脂、ココアバター由来の脂肪



を それぞれ摂らせて観察した。



その結果、

乳製品由来のタンパク質を摂るネズミで

明らかに脳卒中の発生が遅くなった。

他の食品由来のタンパク質や、アミノ酸、脂肪では

このような効果はまったく見られなかった。



乳製品に含まれるタンパク質が脳卒中予防に

役に立つことがわかった、


というおはなし。

2011年12月19日

磁気刺激治療は重症片麻痺にも効く


Transcranial magnetic stimulation in mild to severe hemiparesis early after stroke: a proof of principle and novel approach to improve motor function.
2011  12月  ブラジル



脳梗塞で重症の上肢麻痺になった患者への

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の効果を調べたそうな。



脳梗塞発症後5-45日以内の患者30人について、

ダメージを負った脳と反対側の脳に

低頻度のrTMS治療を2週間にわたり10セッション施した。


比較のために偽の刺激を与えるグループも作った。



その結果、

・ほとんど全ての患者で全セッションをクリアすることができた。

・副作用はまったく見られなかった。

・上肢機能に著しい改善が見られた。

・ただし偽刺激グループでは何の改善もなかった。






rTMS治療法は重症片麻痺患者にも効果が

ありそうなことがわかった、

というおはなし。

2011年12月18日

脳卒中後うつのサポートが必要な人


The lived experience ofstrokesurvivors with early depressive symptoms: A longitudinal perspective.
2011  12月 ノルウェー



脳卒中患者のうつ経験について調べたそうな。


9人の患者に、発症後6,12,18カ月に面談して

その状況を語ってもらった。




脳卒中後の喪失感は強く、

ほとんどの患者が強い疲労や燃え尽き感を持っていた。


多くの場合、うつ経験自体が

おおきな問題になることは少なく、


時が経つにつれ、

・なんとか自分の生活を取り戻すことができる人

・障害を持って生活が一転してしまう人

・回復のために非常な努力を続けている人



に分かれてくる。




その中でも特に、

・一人暮らしの高齢者

・一家の大黒柱だった人




には特別な精神的サポートが必要と考えられた、


というおはなし。

2011年12月17日

半側空間無視が磁気刺激で治る


Theta-burst stimulation of the left hemisphere accelerates recovery of hemispatial neglect
2011  12月  イタリア



脳卒中後の半側空間無視への

経頭蓋磁気刺激治療(TMS)の効果を調べたそうな。



右脳損傷の脳梗塞患者に

左脳頭頂部への磁気刺激治療を

2週間施したところ、

行動性無視検査のスコアが16%改善した。


偽の刺激ではスコアの改善は見られなかった。




磁気刺激により亢進した左脳の活動が

抑制されたためと考えられる、


というおはなし。

2011年12月16日

あれっ 脳卒中かな? とりあへず仕事を片付けて...と


Time to presenting to hospital and associated factors in stroke patients.
2011  12月  日本




脳卒中患者の発症から入院までの時間を調べたそうな。


287人の脳卒中患者の記録を調べたところ、


・発症から入院までの時間は、だいたい12時間前後だった。


17%の患者は発症から2時間以内に到着していた。


・2時間以内に到着した患者は重症であることが多かった。








ほとんどの人は脳卒中になっても

すぐには入院しないことがわかった、


というおはなし。





感想:

自分も体調異変を感じてから入院まで

8時間以上かかっている。



仕事場から一旦 家にかえって

一眠りしてから病院に行こうと思っていたら


帰宅途中に力尽きて救急車で運ばれた。

2011年12月15日

脳梗塞後の早期移動訓練は超オススメ


Early mobilization out of bed after ischaemicstrokereduces severe complications but not cerebral blood flow: a randomized controlled pilot trial.
2011  12月  スイス



脳梗塞後の早期移動訓練と

合併症、脳血流への影響について調べたそうな。



50人の脳梗塞患者について、

移動訓練を、

・52時間後に始める:早期グループ

・7日後に始める:後期グループ


に分けて


合併症、脳血流、3ヶ月後の回復具合

を比較した。




その結果、

重度の合併症になる率は、

・早期グループ→2%

・後期グループ→8%


だった。


また、超音波装置で脳血流を調べたところ、

両グループで違いは見られなかった。


3ヶ月後の回復具合も同程度だった。




早期移動訓練は合併症も減らせるし、

大した危険もないのでお勧めかも、


というおはなし。

2011年12月14日

女性の脳卒中死亡率は男性より高いのか?


Gender Difference in Stroke Case Fatality: An Integrated Study of Hospitalization and Mortality.



2011  12月  アメリカ


脳卒中死亡率の性差について調べたそうな。


2005-2009のネブラスカの脳卒中患者15806人

について調べたところ、


入院後30日以内の死亡件数は

女性のほうが5割ほど多かった。



しかし、年齢や合併症を考慮に入れると

死亡率は男女でほとんど変わらないことがわかった、


というおはなし。

2011年12月13日

脂の乗った魚を選ぶことで脳梗塞を予防、特に女性


Fish Consumption and Ischemic stroke in Southern Sweden.
2011  10月  スウェーデン



魚の摂取と脳梗塞との関連を調べたそうな。



2469人の脳梗塞患者と

2722人の健常者について、

どんな魚をどれくらい食べていたかを

アンケート調査し、脳梗塞との関連を解析した。



その結果、

脂の乗った魚を食べると、男女共に脳梗塞の

リスクが低下し、


一方、脂の少ない赤身魚を多く食べると、

女性の脳梗塞リスクが高くなることがわかった、


というおはなし。


写真:脂の乗ったさかな

2011年12月12日

病院の営業時間外に入院すると死亡率が1.5倍


Off-hours admission for acute stroke is not associated with worse outcome - a nationwide Israeli stroke project.
2011  12月  イスラエル



営業時間外に担ぎ込まれてきた脳卒中患者の

予後の良し悪しを調べてみたそうな。



・営業時間→一般の労働時間帯

・営業時間→休日も含めた上記時間帯以外

とし、


2139人の時間患者と2688人の時間患者

について比較した。




その結果、

営業時間患者の入院中の死亡率は9%

営業時間患者は6% 

だった。



また、その後の回復程度については

ほとんど差はなかった、


というおはなし。

2011年12月11日

発症時、手が動かない人はいつまで経っても動かない


Predictors of upper limb recovery after stroke: a systematic review and meta-analysis.
2011  10月  イギリス




脳卒中後の上肢運動機能の回復目安になる特徴

について過去の研究を見なおしてみたそうな。



研究データベースから信頼性の高い論文を探したところ、

58件の研究論文が見つかった。



年齢、性別、発症部位、初期の障害程度、運動誘発電位などの

条件を考慮に入れて回復具合を評価したところ、



発症初期の上肢機能の障害程度が

その後の回復具合と一番関連がありそうなことがわかった。



つまり 初め重症な人はいくら頑張っても大して良くはならない、


というおはなし。






感想:

自分も、発症時は 腕も手も1mmも動かなかった。


複数の療法士さんに、

『そのうち動くようになりますよね?』

と訊くと、

『いいえ、そういうことはありません。』

と キッパリ言われたことを思い出す。




ところが、2ヶ月もしないうちに自由に動くようになった。



だからこういう研究は真に受けない方がいい。

2011年12月10日

脳の電極刺激で失語症がなおる


Epidural electrical stimulation to improve chronic poststroke aphasia: A 5-year follow-up.
2011  5月  フランス




失語症は左脳脳梗塞患者のおよそ25%が経験する。

自発的な治癒は発症後3-6ヶ月の間に起きる。

この期間を過ぎると、通常はほとんど回復しない。



脳に電極を貼りつけた患者で、

失語症が著しく回復した事例があったそうな。



左脳損傷で失語症のある女性(58歳)が、

脳卒中後に薬の効かない疼痛に悩まされていた。



発症から4年後、疼痛治療のために

脳への電極刺激治療トライアルに参加したところ、

電気刺激の間は失語症も明らかに改善することがわかった。




慢性期の失語症でも、脳を直接電気刺激することで

症状を改善できるかもしれないことがわかった、


というおはなし。

2011年12月9日

来年はタンゴリハビリが流行る予感


Application of Adapted Tango as Therapeutic Intervention for Patients With Chronic Stroke.
2011  12月  アメリカ



タンゴリハビリの効果について調べたそうな。


慢性期脳卒中患者で片麻痺、視覚障害のある

73歳のアフリカ系アメリカ人男性について


11週間にわたりタンゴ教室に通わせたところ、

バランス、歩行、耐久力、などが改善した。



また、このタンゴリハビリをとても楽しんで、

今後も続けたい、と思っていることも分かった。




タンゴでリハビリはかなりお勧めかも知れない、

というおはなし。





感想:

こんなリハビリなら良くならないはずがない。


2011年12月8日

不眠脳卒中患者の自殺傾向について


Is insomnia associated with suicidality instroke?
2011  12月  中国




脳卒中経験者の不眠と自殺傾向について調べたそうな。



787人の脳卒中患者について、

発症から3ヶ月後に、不眠と自殺傾向のアンケート調査を行った。


そのデータを年齢、性別、既往歴などを

考慮して解析したところ、



87人(11.1%)の患者で高い自殺傾向が確認された。

これら自殺傾向の高かった患者の多くが、

睡眠の中断を頻繁に経験していた。




夜中によく目が覚めちゃう脳卒中経験者は

自殺しちゃうかも知れないので注意が必要、


というおはなし。


写真:不眠

2011年12月7日

脳出血の位置はBMI(ボディマス指数)でわかる


Impact of body mass index on the location of spontaneous intracerebral hemorrhage.
2011  11月  日本




脳出血の位置は予後に大きく影響する。


突発性脳出血の位置とボディマス指数(BMI)

との関連を調べたそうな。



463人の突発性脳出血患者の記録を調査し、

その脳内の発生位置を、

被殻、視床、皮質、脳幹、小脳

に分類し、ボディマス指数BMI(kg/m2)

との関連を調べた。



その結果、

・皮質下出血の患者でBMIが特に低かった。

・脳幹出血の患者で特にBMIが高かった。

・皮質下出血の患者は高血圧との関連は低く、

低体重、女性、70歳以上で多かった。

・脳幹出血の患者は肥満が多かった。




BMIと脳出血の位置には

関連があることがわかった、


というおはなし。






感想:

自分は被殻出血で、BMIは20


あってる。

2011年12月6日

近い将来、医者がスマホで脳卒中治療の可能性


ZigBee-based Wireless Neuro-Stimulator for ImprovingStrokeRecovery.
2011  12月  韓国



脳卒中患者の頭をインターネット経由で

電気刺激する装置を開発したそうな。



脳卒中患者の脳表面に電極を埋め込み

脳を直接電気刺激することでその回復が

促されることがわかっている。

(大脳皮質運動野電気刺激療法)



しかしながら、脳卒中患者にとって、

通院するのは大変なことなので、

その電極に無線コントローラを取り付け、

インターネットに接続できる装置を開発した。




この技術により、医師は離れた場所からボタンひとつ

で患者の頭に電気を流せるようになる、


というおはなし。






感想:

エロサイトにアクセスした医者のパソコンが

ハッキングされて、

電流が流れっぱなしになり

全身が硬直する患者が各地で続出する予感。

2011年12月5日

大脳皮質運動野電気刺激療法で脳卒中後の上肢機能が改善する


Changes in Motor Function Induced by Chronic Motor Cortex Stimulation in Post-StrokePain Patients.
2011  11月  日本


脳卒中患者への大脳皮質運動野電気刺激療法(MCS)

の効果について調べたそうな。


運動機能障害のある脳卒中患者6人の

脳表面に電極を埋め込んで、

1日4時間前後の電気刺激を6ヶ月間行った。


その結果、

4人の患者では上肢の運動機能が著しく向上した。

一方、

2人の患者は痙縮がより強まり、

運動機能が低下してしまった。

これは電気刺激の時間を減らすことで解消した。



大脳皮質運動野電気刺激療法は脳卒中患者の

運動機能を改善するあらたな治療法になる

かもしれない、

というおはなし。

2011年12月4日

血圧があんまり低くても脳卒中は再発しやすい


Level of systolic blood pressure within the normal range and risk of recurrent stroke.
2011  11月  アメリカ



脳卒中の再発率と血圧コントロールとの

関連を調べたそうな。


50歳以上 20330人の脳梗塞経験者について、

2年半追跡調査した。

彼らの収縮期血圧をレベル別に5つに分類して

それぞれのグループでの脳卒中再発率を求めた。



各血圧グループでの再発率は次のようになった。


120mmHg未満 →8.0%

・120-130 →7.2%

・130-140 →6.8%

・140-150 →8.7%

・150より高 →14.1%



収縮期血圧が140mmHgを超えるグループと

120mmHg未満のグループで再発率が高かった。


血圧は低けりゃ良いってもんでもない、


というおはなし。



このブログを始めてまる2年が経った。
皆勤賞
やったぁ!

2011年12月3日

乾電池で上肢麻痺が改善!奇跡のtDCS療法、エネループなら充電して何度も使えます。


Optimizing recovery potential through simultaneous occupational therapy and non-invasive brain-stimulation using tDCS.
2011  11月  アメリカ



経頭蓋直流電気刺激(tDCS)と作業療法(OT)

を組み合わせたときの効果をしらべたそうな。



脳卒中患者の脳損傷部位と反対側の脳に、

乾電池のマイナス極を30分間貼りつけて、

続いて作業療法を行う組み合わせを、

5日間連続して行った。(tDCS+OTグループ)



偽の電気刺激+作業療法 のグループと比較したところ、


tDCS+OTグループの方が上肢機能が顕著に向上した。

この効果は少なくとも1週間継続した。


ついでに脳機能MRIを撮ったところ、

刺激した側の脳の運動野の活動が減少していた。


これはtDCSによって損傷脳と反対側の脳の活動が

抑制されたためと考えられる、


というおはなし。






感想:

あたまに乾電池のプラス電極を貼ると

脳の働きが亢進し、

マイナス電極を貼ると活動が抑制される。


これが最先端医療技術 tDCSの原理。



じつは 19世紀にも同じようなことをやっていました。
写真:経頭蓋直流電気刺激

2011年12月2日

発症1年後 ひきこもり → 3年後も ひきこもり


Social activity one and three years post-stroke.
2011  11月  オランダ




脳卒中経験者の社会活動レベル

について調べたそうな。



190人の脳卒中患者について、

発症から1年後、3年後の社会活動レベルを

追跡調査した。




その結果、

社会活動レベルについて、

・ほとんどの人で、発症後1年~3年は同じ状態が続いた。

・10人に1人は活動レベルが低下し、

・10人に1人の割合で活動レベルが向上した。






つまり、1年後の社会活動レベルを見れば、

3年後の状態もかなり正確に予測できることがわかった、


というおはなし。








感想:

わたしも 間もなく発症から まる3年になる。


たしかに2009年のころからなにも変わっていない。

...


安定感があってイイ、と思う。

2011年12月1日

歩行リハビリ決戦 : イメージトレーニング vs ボバーステクニック


Task-oriented circuit class training program with motor imagery for gait rehabilitation in poststroke patients: a randomized controlled trial.
2011  12月  インド




脳卒中患者の80%は歩行機能に障害を受ける。

亜急性期脳卒中患者への

歩行イメージトレーニングの効果を調べたそうな。



発症後4-12週の脳卒中患者30人を


イメージトレーニング+サーキットトレーニング

ボバーステクニックに基づくトレーニングのみ



の2グループに分けて6週間フォローし、

歩行機能を評価、比較した。




その結果、

イメージトレーニング+サーキットトレーニング

を行ったグループの歩行機能が、

統計学的にも明らかに、著しく良好な結果を示した、



というおはなし。








感想:

この研究ではイメトレがボバースに勝利、

に見えるけど、


ところで ボバースとはいったいなんなのか?


検索しても具体的な説明が一切出てこない。


...

2011年11月30日

イメージトレーニング能力をリハビリする必要性について


Recovery of Motor Imagery Ability in Stroke Patients.
2011  4月  オランダ




イメージトレーニングを脳卒中リハビリに応用する

研究例がしばしば見られる。


そこで脳卒中患者の、運動をイメージする能力

について調べたそうな。



運動イメージ法にはいくつかの種類があって、


たとえば

身体の動きを視覚的にイメージするものや

物体の回転、反転動作をイメージするもの、

指示にしたがって手足の動作を正確に

イメージするものなどがある。



これらのイメージ能力は

脳卒中後いったん衰えることがあるが

リハビリにより比較的早い時期に回復することができる。



これを放って置くと運動イメージ能力も低下

したままになるので、


イメージトレーニング能力それ自体をリハビリする

専用のトレーニングが必要になるであろう、



というおはなし。

2011年11月29日

オゾン療法で脳梗塞が治療できる可能性について


Brain ischemia and hypometabolism treated by ozone therapy.
2011  10月  スペイン

オゾン療法が脳梗塞の治療に役に立った

かもしれない例の報告。



脳腫瘍で放射線治療を受けていた75歳の患者

を調べたら脳に血の巡りの悪い部分が見つかった。


そこでオゾン療法(血液を採って、オゾンを加えて輸血)

を施したところ、


脳の血の巡りが改善されたことが最新の核医学

検査によって明らかにされた。


これは患者の運動機能改善程度とよく一致していた。



オゾン療法は脳卒中治療にも役に立つのではないか、


というおはなし。

図:オゾン療法の脳梗塞治療効果


感想:

オゾン療法なるものの存在をしらなかった。


ozone therapy (wiki)

によると、科学的な根拠はほとんどないものの、

ガンやエイズにも効く万能の治療法とされている。


今回の研究は、脳卒中分野への新規市場開拓の一環と理解した。


なるほど"オゾン療法"で検索して広告表示をみてみると、

すでにちょっとした市場を形成していることがわかる。


オゾン療法の血液クレンジングとは?

2011年11月28日

寒くなってまいりました。脳出血に注意しましょう。


AreStrokeOccurrence and Outcome Related to Weather Parameters? Results from a Population-Based Study in Northern Portugal.
2011  11月  ポルトガル



気候条件と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


ある地域に住む86023人の2年間の疾病記録と

気象記録を解析した。



この間に462件の脳卒中があった。

・20%が脳出血

・75%が脳梗塞


だった。


・脳出血発生率は、日中の気温が前日比で

1度下がるごとに12%増えた。


・脳梗塞発生率は、前日からの最低気温

1度下がるごとに4%増えた。


・脳卒中死亡率は最高気温が前日よりも

1度下がるごとに16%増えた。



急に寒くなったときには脳卒中に注意しましょう、


というおはなし。

2011年11月27日

貧乏人は仕事上のストレスが原因で脳卒中になったりはしない

Perceived Psychological Pressure at Work, Social Class, and Risk ofStroke: A 30-Year Follow-Up in Copenhagen Male Study. 2011  11月  デンマーク


社会経済的状況と仕事のプレッシャーが
脳卒中発生率に関連するかどうかを調べたそうな。


健常な4943人の中年男性を30年間にわたり追跡調査した。


その結果、
社会経済的レベルが中クラス以上の人は、
仕事上の心理的プレッシャーを強く感じていて、
脳卒中になった人のおよそ10%はこの心理ストレス
との関連が強く疑われた。

一方、低所得者クラスでは仕事上の心理ストレスと
脳卒中との関連はまったく見られなかった。


金持ちはそれなりのリスクと代償を払っているのかも
しれない、 というおはなし。




感想:
実際に脳卒中になって手足が動かなくなってみて、
お金のちからの限界を痛切に感じた。


持っているお金の多寡に関わらず、
治る人は勝手に治るし、
治らない人は なにをやっても治らない。


だから寿命を縮めるようなストレスに耐えてまで
仕事をして お金を貯めることの意味、
についてよく考えるようになった。

2011年11月26日

大気汚染と脳卒中死亡率との関連はない in ジャパン


Exposure to Particulate Matter and Long-term Risk of Cardiovascular Mortality in Japan: NIPPON DATA80.
2011  11月  日本



大気汚染と脳卒中死亡率との関連を調べたそうな。


日本全国から選んだ30歳以上の日本人7250人について、

1980-2004まで追跡調査した。



その間の大気中の粒子物質濃度と

脳卒中を含む心血管系疾患での死亡率との

関連を調べた。


この間に1716人が死亡した。

内訳は

心血管系疾患で571人

冠動脈疾患で116人、

脳卒中で250人

だった。




解析の結果、

性別、血圧、肥満度、喫煙、飲酒などの

要因を考慮にいれても、


大気汚染濃度と脳卒中死亡率との間には

なんの関連も見いだせなかった、


というおはなし。

2011年11月25日

脳卒中経験者はいろいろな痛みに悩んでいる


Pain followingstroke: a population-based follow-up study.
2011  11月  デンマーク




脳卒中患者の慢性痛について調べたそうな。


発症後2年を経過した脳卒中経験者608人にアンケートを送り、

3ヶ月以上持続して現れる慢性的な痛みの種類と頻度

について調査した。



比較のため、同じ年齢、性別の一般人519人にも

同様の調査をおこなった。




その結果、

・脳卒中経験者の39%

・一般人の29%

が何らかの慢性痛を経験していた。



また、

15%の脳卒中経験者、

・9%の一般人

が痛み対策の薬を毎日飲んでいた。



頭痛、肩の痛み、筋肉の緊張などが

主に脳卒中経験者に共通する痛みで、


関節痛は一般人にも共通していた。



脳卒中経験者は慢性的な痛みに

悩まされやすいことがわかった、


というおはなし。


写真:脳卒中経験者の慢性痛の種類と頻度
慢性痛の種類と頻度





感想:

自分は発症時も含め、ひどい頭痛にはなったことがない。

左肩の痛みは半年以上続いた。

今は左足の裏の筋肉が緊張して若干の痛みがある。

2011年11月24日

急性期脳卒中患者は意外に動き回っていることが判明


Stroke patients do not need to be inactive in the first two-weeks after stroke: results from a stroke unit focused on early rehabilitation.
2011  11月  ノルウェー




脳卒中専門病棟にいる患者の一日の活動状況について

調べてみたそうな。



発症後14日以内の脳卒中患者117人

(平均年齢79歳、男女半々)について、


朝8:00から夕方5:00までの活動状況を10分刻みで

記録、分析した。




その結果、

患者たちは日中時間の


・30%をベッドのなかで、

・46%は椅子に座って、

・20%の時間を立ったり、歩いたり活動して



過ごしていた。



特に、

・軽症患者は日中の80%の時間を、

・中程度患者は59%、

・重症患者は31%の時間を



椅子に座っているか動いているかしていた。




急性期脳卒中患者は

日中の多くをベッドの外で過ごし、

少なくとも20%程度の時間は動きまわってもOKで、


重症者ですら、ずっとベッドで寝ていなくても良い

ことがわかった、


というおはなし。







感想:

ほんとかね、とおもった。


自分の居た病院では、

発症後1週間過ぎたころ、

車椅子をこいでトイレに行っただけで

看護師から大目玉を食らった。



それがあまりにも恐ろしい体験だったので、

以来 動いていはいけないものと思い込み、

ベッドでひたすらじっと本を読んでいた思い出。

2011年11月23日

『希望を持ちなさい』 → 『どこで買えるんですか?』


Understanding hope afterstroke: a systematic review of the literature using concept analysis.
2011  10月  ニュージーランド



希望を持っているひとは病気になっても忍耐強く

リハビリを続け回復も良い、と言われている。



脳卒中患者の"希望"について調べてみたそうな。



脳卒中患者の視点で、"希望"について言及している

研究論文を検索した。



その結果、

20件の研究論文が見つかった。


それらによると、希望にはつぎの3つの側面があった。


・心の状態としての希望

・回復目標としての希望

・努力過程としての希望





また、希望は良い回復結果をもたらし、

リハビリのヤル気の源になると考えられた、


というおはなし。






感想:

一見面白そうだったが、何が言いたいのかよくわからなかった。



希望を持つから回復が良いのか、

回復が良いから希望を持つのか?




有効な治療法がまったくないこの分野。


もはや希望にすがるしかない、ってことなのか…

2011年11月22日

超早期リハビリについて、専門家は概ね好意的


Does evidence really matter? Professionals' opinions on the practice of early mobilization after stroke.
2011  10月  スウェーデン




超早期リハビリについて専門家の意見を

まとめてみたそうな。


リハビリ学会に参加していた医師、看護師、療法士等へ

次のような内容のアンケート調査を行った。


1.脳卒中後、移動訓練はいつ始めればよいか。

2.超早期リハビリで予後は変わると思うか。

3.超早期リハビリの実施にはどんな根拠が必要か。





202名にアンケートした結果、

40%の専門家は発症後24時間以内に移動訓練を始める

超早期リハビリに好意的だった。


しかし脳出血患者については慎重で

24時間以降が良いとする意見が多かった。

また、7日以降を良しとする意見はなかった。



多くの専門家が超早期リハビリは運動機能、認知機能、

抑うつ症状に良い結果をもたらすと考えていた。



19%の専門家のみが超早期リハビリについて

懐疑的だった。



超早期リハビリの適用基準については

専門家の間で広く意見の相違があった、

より確かな根拠となる研究が必要である、


というおはなし。

2011年11月21日

復職のための有効なリハビリは、これといって ない


The Effect of Vocational Rehabilitation on Return-to-Work Rates Post Stroke: A Systematic Review.
2011  10月  オーストラリア




脳卒中患者の20%は労働可能年齢である。

脳卒中患者の復職リハビリの効果について調べたそうな。



研究データベースを使って、

復職リハビリに関する信頼のおける研究成果を厳選した。



その結果、

462人の被験者を含む6件の復職リハビリの研究事例が見つかった。


その復職率は12%-49%と幅があり、


どのリハビリ法が効果的であるかについては

結論がでなかった。



復職リハビリについての規模の大きい研究が必要である、


というおはなし。


2011年11月20日

脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明


Self-evaluation of driving simulator performance afterstroke.
2011  10月  カナダ
脳卒中経験者の自動車運転に関する自己評価の精度について調べてみたそうな。


30人の脳卒中経験者と30人の健常人について、

・ドライビングシミュレータ検査

・神経心理テスト
を実施した。


事前予想、事後評価を申告させて、実際のスコアとのズレの大きさを評価し、自己認識障害の程度とした。


その結果、

脳卒中経験者はいずれの検査についても

自らの能力を著しく過大評価する傾向がみられた。




しかしながら、脳卒中経験者も健常者と同様に、事後に自身の能力を正しく評価しなおしてフィードバックできることもわかった。


この傾向は神経心理テストよりもドライビングシミュレータ検査の結果について顕著であった。


ドライビングシミュレータは脳卒中経験者の自己認識を改める良い機会になる安全な方法であることがわかった、


というおはなし。
図:脳卒中経験者の運転過信



感想:

そのとおり。


適性検査に合格して運転を再開した当初は自分の病状をナメきっていた。



崖から落ちそうになったり、駐車中の車にぶつかりそうになったりバイクに追突しそうになったりと
冷や汗ものの体験をいくつもした。

いまは反省し、もう そういうことはない。

2011年11月19日

アイパッチ療法で半側空間無視がいつの間にか改善する


Stimulating visual exploration of the neglected space in the early stage of stroke by hemifield eye-patching: a randomized controlled trial in patients with right brain damage.
2011  11月  イタリア



急性期脳卒中の半側空間無視患者への

右視野アイパッチ療法の効果を検証したそうな。



右脳損傷の脳卒中患者56人から

18人の半側空間無視患者を厳選して、


・10人には右視野アイパッチ療法

1日8時間×15日間 行った。


・8人は視野探索訓練を

1日40分間×15日間行った。




この治療の前後、及び7日後の回復具合を評価した。




その結果、

両グループで同じ程度に著しい改善がみられた。



右視野アイパッチ療法はアイパッチ眼鏡をかけて

生活するだけの簡単、人手いらずで経済的

かつ効果的な半側空間無視の治療方法である、


というおはなし。






感想:

これならおもちゃのメガネを買ってきて紙を貼るだけで作れる。



外出はお勧めできない。

2011年11月18日

血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない


Cardiovascular-emotional dampening: the relationship betweenbloodpressureand recognition of emotion.

Clemson researcher says high blood pressure may lead to missed emotional cues
2011  11月  アメリカ

血圧と共感能力との関係を調べたそうな。


アフリカ系アメリカ人106人について人の顔や文章から感情を読み取るテストを行い、

その際の血圧、末梢血管抵抗、心拍などを測定した。



その結果、

血圧や末梢血管抵抗が高くなるほど感情認識テストのスコアが低くなった。


投薬状況、心理状態、肥満程度などの要因を考慮に入れても、

感情認識テストのスコアは血圧や末梢血管抵抗が

上がるほど 低くなった。


高血圧の人は他人の感情を読み取る能力が低いため、人間関係やコミュニケーションに問題を抱える可能性が大きいことがわかった、



というおはなし。
写真:高血圧の感情受容能力


感想:

あぁ …

高血圧が原因だったのか…

2011年11月17日

脳卒中になりやすい血液型が判明!


Blood type may affect stroke risk, study finds
2011  11月  アメリカ 



脳卒中と血液型との関係を調べたそうな。


62000人の男性、28000人の女性を20年以上

追跡調査した結果、


この間に2901件の脳卒中があった。


血圧などの他の要因も考慮に入れてなお、


AB型の人はO型に比べ、男女問わず

26%ほど脳卒中になりやすい。


B型の女性も同年令のO型女性に比べ

15%ほど脳卒中になりやすい。



ということがわかった。



その仕組みについては未だ不明、


というおはなし。


感想:

わたしはB型。


是非、星座と脳卒中との関係についても調べていただきたい。

2011年11月16日

精神病患者扱いされるなんて まっぴら御免


Effect of low dose levodopa on motor outcome of different types ofstroke.
2011  10月  バングラデシュ



向精神薬のレボドパが脳卒中患者の運動機能向上に

役に立つかどうか調べたそうな。



97人の脳卒中患者について、次の2グループに分けた。


・51人は低用量のレボドパを与えるグループ

・46人はレボドパを与えないグループ





両グループには8週間の理学療法を施した。


また、脳梗塞(72%)と脳出血(28%)の患者を分けて評価した。




その結果、

運動機能を評価したリバミードモビリティ指数

(Rivermead Mobility Index)は、


・レボドパありグループで6.9

・レボドパなしグループでは3.0だった。




脳梗塞、脳出血の患者いずれもレボドパありの方が

運動機能の回復程度は大きかった。



レボドパは脳卒中リハビリに効果があるかも、


というおはなし。







感想:

じぶんの心は最後の砦。


医者といえども踏み込んで欲しくないし、


向精神薬を飲んでまで良くなりたいとも思わない。


写真:レボドパ

2011年11月15日

女性脳梗塞患者は男性よりも死亡率が高いし回復も遅い


Sex differences in risk factor distribution, severity, and outcome of ischemicstroke.
2011  11月  ポーランド



脳梗塞患者の予後の男女の違いについて調べたそうな。


1995-2007に入院した脳梗塞患者、

女性1379人(平均74歳)、男性1155人(平均69歳)について

そのリスク要因、生活習慣、発症30日後の回復具合などを調査した。



その結果、

・女性は高血圧や心臓病などの障害を持っている場合が多かった。

・女性は入院時の意識低下がしばしば。

・男性は喫煙、アルコール、心筋梗塞、一過性脳虚血発作などの経験が多かった。

・男性の頸動脈狭窄率が高かった。

・女性の前頭葉の血流障害率は高かった。

・死亡率および予後不良率は女性の方がずっと高かった。
(女性 vs 男性 それぞれ: 17% vs 13%、60% vs 46%)






女性であるという理由だけで、脳梗塞の回復不良が予想される。


女性脳梗塞患者には より集中的、長期的な治療が必要であろう、



というおはなし。

2011年11月14日

脳卒中で入院→ついでに禁煙でもするか


Smoking Cessation 1 Year Poststroke and Damage to the Insular Cortex.
2011  11月  スペイン




脳卒中での入院は禁煙する貴重なチャンスでもある。

禁煙に成功する要因について調べてみたそうな。



入院時に喫煙習慣のあった急性期脳卒中患者110人

について1年間追跡調査した。



その結果、

退院時には69.1%の患者が禁煙できていたが、

1年後には40%にまで減っていた。



110人の患者のうち

27人(24.5%)は脳の島皮質に病変があり、

その19人(70.3%)が1年後の禁煙に成功していた。



また、発症以前に禁煙を真剣に考えていた患者ほど

禁煙に成功しやすいこともわかった。



脳卒中をきっかけに禁煙に成功するひとは4割程度であり、

その成否は脳の損傷部位と事前の禁煙意志の有無に大きく左右される、



というおはなし。





島皮質の位置(赤いところ)
写真:脳の島皮質
wiki




感想:

脳卒中をきっかけにしてなにかポジティブな行動を起こそう

とするアイデアは立派。


自分も入院で数カ月間 ネットへのアクセスを絶たれたので

これでネット中毒から抜けられる… と思ったのもつかの間、


よけいにひどくなってしまった。

2011年11月13日

酒とラーメンが好きな日本人男性の脳卒中死亡率は…


Salt preference and mortality fromstrokeand coronary heart disease for Japanese men and women: The JACC study.

2011  10月  日本



日本人の食塩嗜好性と脳卒中死亡率との関連を調べたそうな。


男性35515人、女性49275人についてアンケートをとり、

食塩嗜好性について調査した。

16年あまりの追跡期間に脳卒中で1970人が死亡した。



1000人あたりの年間脳卒中死亡率は、

男性2.0人、女性1.3人だった。



食塩嗜好性と脳卒中死亡率との間には関連がみられ、

食塩好きな人とそうでもない人との間で比較すると、

脳卒中での死にやすさの指標は2割増しになった。


特に酒好きの男性でこの傾向が強かった。


また、冠動脈疾患での死亡率は

食塩嗜好性が高いほど低くなることがわかった、



というおはなし。





感想:

たしかに自分は塩辛いものが好き。


リハビリ病院退院の直前に栄養士さんから指導があって、

その間約30分、

とにかくラーメンのスープだけは飲まないように

と何度も何度も繰り返し説教されたのを思い出す。



写真:ラーメンのスープ

2011年11月12日

rTMSにボツリヌス療法と集中的作業療法を組み合わせてみた


Combined therapeutic application of botulinum toxin type A, low-frequency rTMS, and intensive occupational therapy for post-stroke spastic upper limb hemiparesis.
2011  11月  日本




磁気刺激療法(rTMS)にボツリヌス療法と集中的作業療法を

組み合わせてみたそうな。



慢性期脳卒中患者14人について


・痙縮を起こしている筋肉にボツリヌス毒素Aを注射し、





その4週間後入院させて、

・20分の低頻度rTMS治療と

・120分の集中的作業療法を




15日間にわたり合計22セッション施した。



これら治療の前と直後、退院4週間後の

上肢運動機能をいくつかの方法で評価した。





その結果、

これら治療のあとで上肢運動機能が著しく改善され、

痙縮の程度も小さくなった。

この効果は4週間後でも継続していた。



この組み合わせ治療法は有効かも知れない、


というおはなし。






感想:

磁気刺激治療で有名な病院なのに、

ボツリヌス毒素、集中的作業療法、過去にはCI療法、レボドパ...

組み合わせ過ぎだと思う。



磁気刺激治療一本で勝負できないのかね?

ブログランキング・にほんブログ村へ pv

過去7日間の人気記事10

回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』