2020年2月21日

「リマインド・トゥ・ムーブ」が上肢の運動野を活性化


"Remind-to-Move" Treatment Enhanced Activation of the Primary Motor Cortex in Patients with Stroke
2020  2月  香港

脳卒中経験者の70%には半身になんらかの麻痺が残る。その結果、たとえば健常なほうの手ばかりを使って麻痺側の手の使用頻度が低下する。これを「学習された不使用」とよぶ。

この対策としてCI療法があるが、CI療法ではすでに手を開いたり閉じたりできるハイパフォーマンスな患者しか対象とならない。さらに1日6時間以上 健常手を束縛する厳しさから完遂できる患者がきわめて限られる。

CI療法の代わりとしての "Remind-to-Move" (リマインド・トゥ・ムーブ:RTM)の報告がいくつかある。RTMでは麻痺手に着けたデバイスが視覚メッセージとバイブレーションで手を使うことを思い起こさせてくれる。

RTMでは健常手を抑制する必要がないもののCI療法と同レベルの効果が得られているという報告もある。

さらに振動刺激が体性感覚野を活性化する効果、運動準備のための注意をうながし背外側前頭前野の活動を高める効果も期待される。

そこで、RTMによる脳皮質の活動を脳卒中患者と健常者で比べてみたそうな。




右脳損傷の脳卒中患者12人と健常者15人について、麻痺手にリマインドデバイスを着けさせて
RTMのつぎの3つの場合を経験させた。

・リマインドのタイミングで手をつかう:RTM
・リマインドなしに手を使う:Sham
・リマインドされても手を動かさない:RNoM

各状況下での脳皮質の活動を近赤外線センサーでマッピングし 比較した。


次のことがわかった。

・脳卒中患者では、RTMのときにShamにくらべ右脳の体性感覚野、一次運動野の活動レベルが高く、

・健常者では背外側前頭前野の活動レベルが高まった。

・RTMの効果は脳卒中患者よりも健常者で強くかつ広域にわたっていたが、患者と健常者いずれもRNoMの条件下では皮質の活性化はみられなかった。

リマインド・トゥ・ムーブ療法は脳卒中の損傷脳半球の運動野と背外側前頭前野の活性化が期待でき、上肢機能の回復に有用そうである、


というおはなし。

図:remind to move デバイス


感想:

リマインドするだけならこんなおおきな(上の写真)ものはいらない。スマートウォッチでじゅうぶん。→ バイブレーションが重要。