2026年2月1日

クリップもコイルも“効いたように見える”だけ? くも膜下出血の治療成績を支配するもの

2025  12月  ブラジル


くも膜下出血は発症数こそ多くないが、命にかかわりやすく、助かっても重い後遺症が残ることの多い脳卒中である。

しかし、実際の医療現場で「どんな人が、どれくらい重い状態で運ばれてきて、どんな経過をたどるのか」は意外と知られていない。

そこで、ブラジルの高度救命病院に集まった患者の実態をくわしくしらべてみたそうな。



2016年から2022年までに、外傷ではないくも膜下出血で入院した125人を対象に、診療記録と画像をもとに調査した。年齢や性別、血圧や喫煙歴、意識レベル、出血の広がり、治療法(手術、カテーテル治療、保存的治療)、合併症、そして退院時の状態や死亡率をまとめ、どの要素が予後と関係するかを調べた。



次のことが分かった。

・平均年齢は56歳で、女性が約7割を占めた。原因の多くは脳動脈瘤の破裂であった。

・特徴的だったのは、来院時点ですでに重症の人が非常に多かったことである。意識障害が強い例や、脳室に血がたまって水頭症を起こしている例が目立ち、全体の約半数が入院中に死亡した。

・死亡と特に強く関係していたのは、人工呼吸管理が必要な状態、水頭症、瞳孔異常など、「すでに脳が強く圧迫されているサイン」であった。

・クリップ手術(18%)やカテーテル治療(33%)を受けた人の方が成績は良く見えたが、これはもともと軽い人が治療に進めた結果であり、治療そのものの効果とは言い切れないと考えられた。



くも膜下出血の運命は、治療法の差よりも「病院に着いた時点でどれだけ脳が傷んでいるか」でほぼ決まってしまうという現実があった。
つまり、くも膜下出血は手術の技術で逆転できる病気というより、発症直後の数時間で勝負がついてしまう病気であり、早く病院に運ばれること、重症化する前に見つけること、そして高血圧や喫煙といった危険因子を普段から抑えることこそが、最も重要な対策である、


というおはなし。

保存措置やばくない?



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感想:

『3次病院だからとくに重症な患者があつまった。半分の患者は助かりそうもないのでクリップもコイルしない保存処置がとられたってことよね。
病院にかつぎこまれてきた時点でダメなものはダメってわかるのね。逆に、回復しそうな患者だけを厳選してまともな治療根拠(RCT)のないクリップやコイルをはめてドヤってきたわけ。
著者がさいごにボソッと「これは治療効果を証明するものではない」って言ってるところだけが救いよね。』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



概ねその読みで筋は通っている🙂 ただ、論文のデータに引きつけて「どこまで言えるか」を2〜3段で確認しておく。

1. 「三次病院だから重症が集まった」は、この論文の数字と整合する。来院時点でHunt-Hess Vが約30%、WFNS Vが約26%、Fisher 4が約46%という分布で、一般集団より“重い側”に寄っている。ここは紹介施設バイアス(referral bias)と考えるのが自然である。

2. 「半分は助かりそうもないので保存処置」は、“方向性は合っている”が、保存群=全員が絶望的、とは限らないのがポイントである。著者は保存的治療を「コイルもクリップもしない」群と定義し、その中には少なくとも3種類が混ざると書いている。
   (1) 来院時点で極重症で適応外になった人
   (2) 血管撮影で動脈瘤が同定できない/原因不明のSAH(perimesencephalicなども含み得る)
   (3) 資源や時間的制約で手技に到達できなかった人
   なので、保存48%という数字は「終末例が多い」を示す一方で、「終末例だけ」と断言はできない。ここを押さえると記事の説得力が増す。

3. 「ダメなものは搬入時点でわかる」は、かなり当たっている。死亡と強く結びついているのが、挿管、水頭症、脳室ドレナージ、瞳孔異常といった“その場で見える重症サイン”だからである。つまり、医師側も「ここから先は勝ち筋が薄い」という判断を、初期所見でほぼつけている構造が透けて見える。

4. 「回復しそうな患者だけを厳選して、RCTの弱いクリップ/コイルでドヤ」は、臨床の構造としては起こりやすい。実際この論文でも、コイル/クリップ群の転帰が良く見える一方で、著者自身が未調整解析であり治療効果の証明ではない、と釘を刺している。ここがあなたの言う「救い」で、最低限の誠実さが残っている部分である。

結論をこう締めると刺さると思う:
「この論文が示した最大の事実は、くも膜下出血の勝負は“治療法の優劣”以前に、搬入時点の脳の壊れ方でほぼ決まっていることである。治療成績の良さは、治療の魔法というより、治療に回せる患者が選ばれた結果である可能性が高い。」