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2015年12月15日

脳卒中経験者の脚の筋力は健常者の何%なのか?


Lower limb strength is significantly impaired in all muscle groups in ambulatory people with chronic stroke: a cross-sectional study.
2015  11月  オーストラリア

脳卒中経験者の下肢筋力が どのくらいなものか調べてみたそうな。


発症後1-6年 歩行可能な60人の脳卒中経験者について 両下肢の主な12種の筋肉の収縮力を調べ 健常者35人と比較したところ、


次のことがわかった。

・麻痺側の脚のすべての筋力は明らかに弱く 健常者の48%程度だった。

・特に影響が大きかったのは 大殿筋で38%、足首背屈筋 35%、股関節内転筋 38%だった。

・非麻痺脚も足首内回旋筋を除く全ての筋力が有意に弱く健常者の66%程度だった。


脳卒中経験者はたとえ歩行可能であったとしても 両脚のほとんどの筋力が健常者に比べ大きく低下していた、


というおはなし。

図:下肢筋肉

感想:

さいきん 片足首ジャンプ訓練をはじめたら 駅の階段の上りでかつてのような感覚を取り戻すことができて 静かに感動している。

2015年10月10日

背もたれ我慢すれば運動したことになるかなぁ、、


Characterizing energy expenditure during sedentary behavior after stroke.
2015  9月  オランダ

脳卒中患者のエネルギー消費量を測定してみたそうな。


リハビリ病院の平均年齢61、27人の脳卒中患者について、

臥位、座位、立位、歩行時のエネルギー消費量を測定し、臥位(安静時)の何倍に相当するか(単位:METs)で表現し、歩行能力分類と比較した。


次のようになった。

・背もたれありの座位 1.04METs、

・背もたれなしの座位 1.09METs、

・立位 1.31METs、

・車いす漕ぎ 1.91METs、

・歩行 2.52METs だった。

・歩行能力にかかわらず、座位活動に相当する1.5METs以上のエネルギー消費は車椅子漕ぎと歩行時のみだった。

・例外的に、歩行不可能患者の立位が 1.6METsだった。


座位は背もたれ有無によらずほぼ1.0METsだった。立位であっても1.5METsを下回っていた。車椅子漕ぎと歩行時のみ1.5METs以上の軽運動に相当した、


というおはなし。



感想:

背もたれなしで座ってても 立ってても、寝てるのとあんまり変わんないんだな、、

歩かないといかんな。

2015年9月4日

やや重度の脳卒中患者でもグループセラピーでじゅうぶん間に合った


Group therapy task training versus individual task training during inpatient stroke rehabilitation: A randomised controlled trial.
2015  8月  ドイツ

グループ訓練と個人訓練の効果の違いを調べてみたそうな。


脳卒中でリハビリ病院に入院中の中等度-重度の脳卒中患者73人を、グループ訓練と個人訓練に分けた。

歩行能力を改善するための訓練を1回90分間、計30セッションを6週間にわたり行った。


次のようになった。

・いずれのグループも有害事象はなかった。

・脳卒中影響尺度の移動能力面でグループ間の有意な差はなかった。

・歩行スピード、他の歩行パラメータ、ウツや疲労の面でもグループ間の差は見られなかった。


中等度-重度の脳卒中患者へのグループ訓練で、個人訓練と同等の成果が得られた


というおはなし。



感想:

この種の研究は近い将来の遠隔リハビリを見据えたものであり、顧客の大量獲得、人件費の大幅削減を可能とする病院経営改革プランのエビデンスとして利用される、と考える。
Wiiが脳卒中リハビリに有効であることを文句なしに証明することにした

2015年8月9日

歩数計をここに着けろ. 歩みの遅い脳卒中経験者は


"Stepping Up" Activity Poststroke: Ankle-Positioned Accelerometer Can Accurately Record Steps During Slow Walking.
2015  8月  カナダ

脳卒中のあとは運動不足になりがちである。歩数計はモチベーションアップにつながるが超低速度歩行では正しくカウントされないことも多い。

そこで歩数計を着ける位置と精度を脳卒中経験者で検証してみたそうな。


脳卒中経験者43人の非麻痺側の腰と足首に歩数計(Fitbit One)を着けた。
歩行スピードを0.3-0.9m/sまで7段階に区切り歩かせた。
ビデオ映像から測った数値と歩数計のカウントを比較したところ、


次のようになった。

・腰での歩数カウントは、速度域0.8-0.9m/s を除き10%以上のエラーがあり、

・特に0.3-0.5m/s の低速度域ではカウントゼロになる被検者が少なくなかった。

・足首での歩数カウントは、速度域0.4-0.9m/s でエラー率10%以下だった。


腰位置にくらべ足首に歩数計を着けると、脳卒中経験者の超スロー歩行を より正しくカウントできる、


というおはなし。

Fitbit One ankle

感想:

スマホGPSで移動距離みればいいじゃん、って思ったけど、歩数計は屋内歩行を見れるとこが優れてるんだよな、、

2015年7月28日

短下肢装具利用者にロッカーシューズを履かせたら


The effect of different shoes on functional mobility and energy expenditure in post-stroke hemiplegic patients using ankle-foot orthosis.
2015  7月  イラン

脳卒中片麻痺患者の短下肢装具に適した靴形状を調べてみたそうな。


30人の患者を、
*短下肢装具+船底型ソールの靴(ロッカーシューズ)
*短下肢装具+普通の靴
ロッカーソールシューズ
の2グループに分け、移動能力、エネルギー消費を測定したところ、


次のようになった。

・ロッカーシューズグループでは酸素コストおよびタイム Up & Go が明らかに改善し、

・最も心地よく感じる歩行速度は増加した。


短下肢装具を使う患者がロッカーシューズを履くと、移動能力が向上し、エネルギー効率も上がる、


というおはなし。

感想:

ロッカーソールシューズ、ロッカーボトムソールズとも呼ぶ。90年代に発案されたが、転倒しやすくなる点が普及しない理由と考える。


ロッカーシューズ専門家の解説

2015年6月24日

ひごろ連続して30分以上歩いてたひとは脳卒中になってもやたら回復が良いことが明らかに


Effects of premorbid physical activity on stroke severity and post-stroke functioning.
2015  6月  ノルウェー

脳卒中になる直前の身体活動状況と、発症後の回復度との関連を調べてみたそうな。


脳卒中患者183人について発症前の歩行習慣をアンケート調査し、急性期、1年後までの神経症状、生活動作の自立度、歩行スピード、バランス能力をフォローした。


次のことがわかった。

・習慣的な歩行の持続時間と、急性期のあらゆる機能回復度に明らかな関連があった。

・1回に連続して30分間以上歩行していた患者は非常に回復が良かった。

・歩行とバランス機能に関しては1年後も同様の関連を示していた。


発症前の歩行習慣と回復度に明らかな関連が見られた。30分以上歩行する習慣があると脳卒中になっても順調に回復できるだろう、


というおはなし。

歩行

感想:

歩く頻度とは関連はなかったらしい。

障害は脳のやられた位置で必ずしも決まるわけではなくて、しぶとい人というのはあまり乗り物に頼らない性向を持っていたりするのかもしれんね、、

2015年6月10日

6ヶ月過ぎても歩行リハビリの効果は期待できるのか?


Rehabilitation interventions to improve locomotor outcome in chronic stroke survivors: A prospective, repeated-measure study.
2015  6月  インド

発症後6ヶ月を過ぎてもリハビリで歩行が改善するものかどうか実験してみたそうな。


22-65歳、発症後1年半前後の脳卒中経験者40人について、下肢の負荷運動およびトレッドミル歩行訓練を、

1回90分 x 週5回 x 4週間=20セッション行ったところ、


次のようになった。

・80%の被検者が訓練を完遂した。

 各評価指標は、リハビリ前、直後、3ヶ月後の順で

・脳卒中重症度: 41.71, 44.09, 43.96

・バランススコア: 36.28, 46.75, 46.82

・歩行スピード: 0.41, 0.53, 0.51

・自立度スコア: 77.34, 89.06, 92.32

となり、全ての指標で有意な改善を示した。


脳卒中経験者の歩行能力は慢性期であってもリハビリによって大きく改善できる、


というおはなし。

歩行

感想:

比較するグループがないからリハビリのおかげとは言い切れないんだけど、『多くの人に見守られて訓練するとなぜか成果が出る』 ってことだと思う。

ブログやツイッターに毎日歩数を上げている人は、そういう意味ではとても効果的と考える。

2015年5月9日

脳卒中経験者の1日の歩数がわかった


Physical activity profiles and sedentary behaviour in people following stroke: a cross-sectional study.
2015  5月  イギリス

脳卒中経験者の身体活動レベルを健康な人と比べてみたそうな。


平均年齢55、発症後4年ほどの脳卒中経験者22人と同年齢層の健常者22人について、加速度計を7日間装着してもらい活動内容、歩数、じっとしてる時間等を解析、比較した。


次のことがわかった。

・1日あたりの歩数は 4035 vs. 8394 で脳卒中経験者は非常に少なかった。

・睡眠を含むじっとしてる時間は、20.4 vs. 17.5 で脳卒中経験者が長かった。

・脳卒中経験者の歩行はいつもマイペースで健常者に比べ非常に遅かった。


脳卒中経験者は1日の歩数が少なく 歩くペースもゆっくりで、じっとしている時間が多かった。もっと運動させたほうがいい、


というおはなし。

歩数


感想:

もっと差があるかと思ってた。意外にみんな元気じゃん。

2015年3月7日

麻痺脚を強制使用させる方法とその効果


Effect of forced use of the lower extremity on gait performance and mobility of post-acute stroke patients.
2015  2月  台湾

麻痺脚の強制使用訓練の効果を調べてみたそうな。


発症後3ヶ月以上経った脳卒中片麻痺患者21人を2グループに分け、一方には麻痺脚の強制使用訓練、他方には通常の理学療法訓練を2週間施した。

強制使用訓練では、健常側の靴に 外側が高くなる傾斜の入った中敷きを入れ 麻痺脚へ体重が掛かるようにした状態で様々な訓練を行った。


次のようになった。

・強制使用グループのほうが歩行、移動能力が向上した。

・歩行スピードの向上度および対称性が強制使用グループで著しく優れていた。

・しかし いずれのグループもQoLの改善はなかった。


脳卒中患者の麻痺脚の強制使用訓練により歩行スピードと対称性が従来型訓練よりもおおきく改善した、


というおはなし。

wedged insole

感想:

麻痺してる側の脚をついついかばってしまう。気づくと脚を引きずっていたりする。靴に工夫を加えるだけで改善できるならアリかな。

2015年3月4日

夢のサンダル Step Aidステップエイドとは


Relationship between the weight-bearing ratio on the affected lower extremity and gait ability using a portable electronic foot sensor shoe (Step Aid(®)) in hemiplegic stroke patients.
2015  2月  日本

シューズ型の荷重計測装置Step Aid(ステップエイド)を脳卒中患者で試してみたそうな。


17人の脳卒中片麻痺患者について、自立歩行の可能なグループと不可能なグループに分けた。

10m歩行テストを平行棒の内と外で行い、バランス機能評価も行った。

Step Aidの測定結果から歩行中、立位での麻痺脚への荷重率、変動係数をもとめ比較した。


次のようになった。

・自立歩行不能患者のバランス機能および麻痺脚への荷重率は明らかに低く、

・10m歩行タイムおよび変動係数は著しく大きかった。


麻痺脚への荷重率や変動係数は片麻痺患者の歩行能力の指標になる。このシューズ型荷重計はリハビリに役立つかもしれない、


というおはなし。

ステップエイド


感想:

歩行中に音が鳴って荷重状況を知らせてくれる。

このサンダルおいくらかしら、、、と思ってウェッブサイトを見ると、798000円(税別)と書いてあった。

Suzukiアルトが同じくらいの値段。貧乏人にもなんとか手が届きそうではある。

2015年1月30日

歩行活動を毎日測って教えてあげたらこうなった


Use of Accelerometer-Based Feedback of Walking Activity for Appraising Progress With Walking-Related Goals in Inpatient Stroke Rehabilitation: A Randomized Controlled Trial.
2015  1月  カナダ

脳卒中で入院中の患者がリハビリの時間以外にもどのくらい歩いているものなのか調べて、それを療法士さんがフィードバックしたらどうなるのか実験してみたそうな。


57人の脳卒中患者の両足首に加速度センサーを着けて1日の歩行状況(時間、歩数、歩調など)を記録し、

*半数の患者には理学療法士から毎日フィードバックを行い、
*残りの半数へはなにも報せなかった。


次のようになった。

・両グループ共に歩行時間や歩数の増加は見られなかった。

・しかしフィードバックしたグループでは歩調が著しく増加していた。

・よく調べるとフィードバックグループで 歩行速度が高くなり、歩行周期の変動性は低下していた。


脳卒中患者への歩行状況のフィードバックは、歩行量の増加にはならなかったが、歩調が増えた。これは歩行強度と速度が上がる理由でもある、


というおはなし。


感想:
フィードバックを受けると 歩きの周波数が高値で安定 つまりキビキビ歩くようになるってことで、たくさん歩く動機にはならないんだな、、

歩数計で代わりになりそう。


[歩数]の関連記事


 

2015年1月18日

歩行が安定する腕の振り方のコツ


Effect of arm swing strategy on local dynamic stability of human gait.
2014  12月  オランダ

転倒の多くは歩行中に起きる。歩行の安定には腕の振りが影響している。

歩行中にどんな腕の振り方をすればより安定するのか実験してみたそうな。


健康な若い男性10人について歩行中の4種類の腕の振りと、7段階の歩行スピードを与え、その様子をモーションキャプチャーして解析したところ、


次のことがわかった。

・通常の腕の振りに比べ 過大なまでに腕を振った場合、正中面方向(前後、上下)への安定性が向上した。

・特に低速時に効いた。


大げさに腕を振ることで歩行時の安定性が著しく向上する。転倒しやすい高齢者や脳卒中経験者に教えてあげるとイイかも、、


というおはなし。

腕のふり


感想:

まったく凄いことを発見してくれだものだ。さっそく実践してみたいけど ちょっとはずかしい。

2015年1月7日

平地をいくら歩いても無駄、階段を登り降りしなきゃ


The Effects of Stair Gait Exercise on Static Balance Ability of Stroke Patients.
2014  11月  韓国

階段歩行訓練のバランス改善効果について実験してみたそうな。


脳卒中の慢性期で平地を30mくらい歩くことのできる患者30人について、

*階段歩行グループ
*平地歩行グループ

に分けて、1回30分間x週3回x4週間の訓練を行った。

階段歩行は理学療法士が腰と膝をサポートしながら、手すりにつかまりつつ登り降りを行った。


次のようになった。

・階段歩行グループでは麻痺脚と非麻痺脚にかかる体重負荷の差が非常に小さくなったが、

・平地歩行グループでは体重負荷の分布に変化がなかった。

・身体前後への安定度の限界は階段歩行グループで著しく向上した。

・姿勢安定性の神経学的検査であるロンベルグ試験の結果も階段歩行グループで大きく向上した。


慢性期脳卒中患者を階段で登り降りさせることで姿勢の安定性を改善できた、


というおはなし。



感想:

最初の階段トライはかなりの恐怖体験だった。それだけにクリアしたあとの自信と喜びは大きかったなぁ、、

2015年1月5日

鍛えるべきは、、膝を伸ばす筋肉? or つま先を持ち上げる筋肉?


Associations between lower limb strength and gait velocity following stroke: A systematic review.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者の下肢筋力と歩行速度との関連を過去の研究から調べてみたそうな。


医学論文データベースから関連する研究を複数の審査者が厳選し、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・21件の研究が見つかった。

・いずれの研究も被験者数は多くはなかった。

・膝の伸筋の力は歩行速度と強い関連になかった。

・一方、つま先を持ち上げる背屈筋の力は歩行速度ともっとも強い関連があった。


下肢筋肉群にあって足首の背屈筋が歩行速度と強く関連していた。足首の背屈筋を鍛えることで速く歩けるようになるかもしれない、


というおはなし。
足首背屈

感想:

当時 一歩ごとにつま先が地面をこするので、左の靴の先端にすぐに穴が開いてしまったことを思い出す。

2014年12月31日

片麻痺の歩行リハビリに適した杖の種類が判明


Which type of cane is the most efficient, based on oxygen consumption and balance capacity, in chronic stroke patients?
2014  12月  韓国

片麻痺患者のバランス能力別に適した杖の種類を調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者29人を

*バランス能力の低い15人と
*バランス能力比較的良い14人

に分け、一本杖、4点杖、ヘミウォーカーのそれぞれについて3日間使用させた。

各々の杖でのエネルギー消費量、酸素使用量、歩行中の心拍数等を測定し、比較した。


次のようになった。

・一本杖が最もエネルギー消費量が大きく、歩行速度が高かった。

・一本杖使用時、バランス能力良好な患者では酸素使用量は多くなかった。

・バランス能力の低い患者では4点杖での酸素使用量がいちばん少なかった。


バランス能力のある片麻痺患者にとっては一本杖の方が酸素消費が少なく歩くスピードも速い。一方、バランス能力の低い患者は接地面積の大きい杖が適している、


というおはなし。

ヘミウォーカー
ヘミウォーカー


感想:

予想通りの結果ではある。

この記事を思い出した。
片麻痺の歩行リハビリに適した杖の長さが判明

2014年12月24日

麻痺脚にウェイトバンドを巻いて歩かせてみたところ、、


The Use of Cuff Weights for Aquatic Gait Training in People Post-Stroke with Hemiparesis.
2014  12月  アメリカ

麻痺した脚に重りを着けたときの歩行が どう変わるのか調べてみたそうな。


平均年令66、脳卒中で片麻痺の患者21人について、次の3つの状況下での水中歩行を記録、解析した。

*膝に重りを着ける
*足首に重りを着ける
*重りをつけない


次のようになった。

・重りを着けたときに平均歩行スピードが著しくアップした。

・歩調、歩幅、関節の動きなどは "非"麻痺脚で変化し、

・麻痺脚での歩行パラメータの変化はほとんどなかった。


麻痺脚に重りを着けると歩くスピードが速くなった。しかし麻痺脚に動作の変化がなかったのはちょっと残念、


というおはなし。


感想:

これって 重りで筋肉が鍛えられたわけではなくて、「おもり着けられちゃったからいつもよりガンバらなきゃ」という気持ちの勢いだけで速くなったんだよね。

ただでさえ動きにくい麻痺脚へのさらなる負荷は健常な脚が代償してしまう、ってことと理解。

2014年12月18日

モモとヒザにテーピングしたら速く歩けるようになった


Kinesthetic Taping Improves Walking Function in Patients with Stroke: A Pilot Cohort Study.
2014  12月  デンマーク

テーピングによって脳卒中患者の歩行と痙縮が改善するものかどうか実験してみたそうな。


発症50日前後で歩行に障害を持った脳卒中患者32人について、テーピング前後での歩行速度、歩数、痙縮の程度を測定した。

テープは、麻痺側の脚の腿とひざの前面に貼った。


次のことがわかった。

・テーピング後、歩行速度が秒速8㎝ほど有意に高くなった。

・同じ距離に要する歩数は減少した。

・痙縮は軽減する傾向がみられたが、有意な変化はなかった。


脳卒中患者の腿とひざへのテーピングで歩行機能が即座に改善された、


というおはなし。

テーピング

感想:

おそらくテープの色によっても効果が大きく変わると思うんだよね、、

2014年12月8日

地上歩行とトレッドミル 効果があるのはどっち?


Effect of an Overground Training Session Versus a Treadmill Training Session on Timed Up and Go in Hemiparetic Patients.
2014  12月  フランス

片麻痺患者の歩行訓練に、地上歩行とトレッドミルとどちらが効果的なのか実験してみたそうな。


脳卒中で片麻痺の57人について、
*地上歩行グループ
*トレッドミルグループ
に分けて、訓練セッションを1回行った直後にタイムアップアンドゴーテストを行い比較したところ、


次のようになった。

・両グループともにタイムが短縮した。

・短縮できたタイムの割合はどちらも同程度だった。(5.9% vs. 5.2%)


地上歩行訓練とトレッドミル訓練は片麻痺患者にとって同程度の効果を示した。20分ほど近所を歩きまわることで経済的かつ効果的な歩行訓練になる、


というおはなし。

トレッドミル


感想:

そういえば療法士さんも オレと一緒に外に出て地上歩行に付き添うことが良い気分転換になるって言ってたなぁ、、訓練室に1日中いると息が詰まるんだって。

2014年12月6日

速く歩けるようになると遠くまで歩けるようにもなる


Maximum Walking Speed Is a Key Determinant of Long Distance Walking Function After Stroke.
2014  12月  アメリカ

脳卒中経験者の遠くまで歩く能力と最大歩行スピードとの関連を調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上経つ脳卒中経験者57人について、
長距離歩行能力と、立位バランス、歩行バランス、下肢運動機能、最大歩行速度およびトレーニング効果との関連を解析した結果、


次のことがわかった。

・他の要素に関わらず最大歩行速度が長距離歩行能力ともっとも強く関連していた。

・トレーニングによる最大歩行速度の変化と長距離歩行能力の改善度がよく関連していた。


慢性期脳卒中では最大歩行速度の改善が長距離歩行能力の向上につながるのかもしれない、


というおはなし。



感想:

難しさの順番が

スピード>距離>>バランス>パワー 、ってことなんだと思う。

速く歩けるひとは遠くまで歩けるし、当然バランスもパワーも申し分ない。

2014年11月13日

脳卒中の再発予防に必要な歩数が明らかに


Predictive impact of daily physical activity on new vascular events in patients with mild ischemic stroke.
2014  11月  日本

脳梗塞患者の身体活動度と再発の可能性について調べてみたそうな。


平均年齢64、発症後3ヶ月以内の166人の軽症脳梗塞患者について、日々の歩数を測定した。

その後の再発状況を追跡し、関連を解析した。


次のことがわかった。

・4年前後の追跡期間中に脳卒中などの血管障害が34件起きた。

・これら血管障害が起きたグループは、そうでない者に比べ日々の歩数が少なかった。

・他の要因(年齢、体重、血圧、別の病気など)に関わらず1日の歩数が血管障害の可能性をよく反映していた。

・1日あたり6025歩を基準にしたときに血管障害の差がもっとも顕著になった。


軽症脳梗塞患者の1日あたりの歩数は予後をよく反映していた。とりあえずは6000歩を目安にすれば再発を防げるだろう、


というおはなし。
図:再発予防に適した歩数

感想:

退院してすぐの頃は一所懸命に歩くけど だんだん面倒くさくなって歩かなくなるんだよね。
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痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』