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2025年11月4日

「血栓を溶かせば救われる」は嘘だった──テネクテプラーゼ神話の崩壊

2025  10月  カナダ


軽い脳梗塞の患者に対して、血栓を溶かす薬を使うべきかどうかは、長く議論されてきたテーマである。

特に、言葉が出にくい、手足が少し動かしにくいといった、生活に支障のある症状(いわゆる「障害」)を持つ場合には、治療で回復が見込めるのではないかという期待があった。

そこで、軽症であっても障害のある人に、テネクテプラーゼ(tenecteplase)という血栓溶解薬を使う意味があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月3日

脳梗塞の1割はがんが関係? 治療中に起こる見えない血栓リスク

2025  11月  アメリカ


がんと脳梗塞は、どちらも高齢になるほど増える病気で、同時に起こることも少なくない。

がんのある人は血液が固まりやすく、血栓(けっせん)による脳梗塞を起こしやすいことが知られている。しかし、がんを持つ人の脳梗塞にどんな薬が一番合っているのかは、はっきりしていなかった。

そこで、「脳梗塞の人の中にどれくらいがんの人がいるのか」「どんな薬が使われているのか」「再発や出血はどのくらい起きているのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年11月2日

亜鉛不足が原因?脳出血を防ぐ毎日の食事メニュー

2025  10月  中国


脳出血は脳卒中の中でも死亡率が高く、重い後遺症を残すことが多い病気である。
主な原因として高血圧や抗凝固薬の使用などが知られているが、それだけでは発症のすべてを説明できない。

そこで、血管や血液脳関門を守る働きをもつ亜鉛に注目した。

亜鉛が不足すると血管がもろくなることが知られており、脳出血と関係している可能性があると考え、くわしくしらべてみたそうな。

2025年11月1日

ユーモアが痛い。リハビリ現場のもう一つの現実

2025  10月  カナダ


脳卒中リハビリの現場では、患者との信頼関係を築くうえでユーモアがしばしば用いられている。
しかし、リハビリ中の患者は情動の不安定さや認知機能の障害を抱えることが多く、冗談が誤解や不快感を生む可能性もある。

これまで「ユーモアは良い影響を与える」と経験的に語られてきたが、
どのようなユーモアが効果的で、どのようなユーモアが危険なのかを科学的に検証した研究は少なかった。

そこで、カナダの作業療法士を対象に、脳卒中リハビリにおけるユーモア使用の利点とリスクをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月31日

血栓は増えず、出血は黙殺──医学論文がつくる安心の幻想

2025  10月  カナダ


脳の血管が詰まって起こる急性虚血性脳卒中では、発症後90日以内に再び脳卒中を起こすリスクが最も高いことが知られている。

しかし、そのリスクが再灌流療法(血の流れを再開させる治療)によって変化するのかどうかは、これまで明確でなかった。

そこで、再灌流療法を受けた人と標準的な内科治療を受けた人を比較し、発症から90日以内に再発する脳卒中や、心筋梗塞や肺塞栓などの血栓性イベントがどのくらい起こるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月30日

「再発予防」のはずが致命傷に ダプトが突きつける脳出血の現実

2025  10月  デンマーク


抗血小板薬(PT)は、脳梗塞や心筋梗塞の再発を防ぐための薬である。
このうち、2種類を併用するDAPT(Dual Antiplatelet Therapy)は効果が高いとされ、心臓病や脳梗塞後に広く使われてきた。

しかし、PTは脳出血(ICH)を起こす危険性もある。
特にDAPTでは出血の重症化が指摘されており、発症後の死亡率を上げる可能性がある。

過去の研究は小規模にとどまり、全国規模での実態は十分に分かっていなかった。
そこで、DAPTの使用歴が脳出血後の死亡にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月29日

太らないはずの甘味料が、血管を詰まらせる?―エリスリトール研究の衝撃

2025  10月  中国


砂糖のかわりに使われる人工甘味料は、「カロリーが少なくて体にやさしい」と思われがちである。
なかでもエリスリトールは、自然由来で安全とされ、健康志向の人にも人気が高い。

しかし近年、エリスリトールを多く摂取している人ほど脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いかもしれないという報告が出ており、専門家のあいだで議論が起きている。
従来の研究はアンケートや食事記録に基づくものが多く、ほかの生活習慣の影響を完全には取り除けなかった。

そこで、より確かな方法で「本当にエリスリトールが関係しているのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月28日

頭のいいやつほどな、脳卒中でこもるんや──そんなんで社会戻れるかい?

2025  10月  中国


脳卒中を経験した人は、体のまひや言葉の障害だけでなく、「人とのつながりを失ったような気持ち」や「恥ずかしさ(スティグマ)」にも悩むことが多い。

入院中の人ほど、自分で動けず家族や社会に頼ることになり、孤立感が強まりやすい。
これまで、年齢や収入などとスティグマの関係は調べられてきたが、「社会的疎外感(まわりから切り離された気持ち)」がどのように関係するかは、あまり明らかになっていなかった。

そこで、脳卒中で入院している人の社会的疎外感とスティグマの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月27日

4.5時間の壁を越えたテネクテプラーゼ でも、それは奇跡か、錯覚か

2025  9月  中国


脳梗塞(脳の血管が詰まるタイプの脳卒中)の治療では、発症から4.5時間以内に「血栓を溶かす薬」を使うのが一般的である。しかし、それを過ぎた患者には使えないとされてきた。

最近、「テネクテプラーゼ(TNK)」という新しい薬が注目されており、4.5時間を超えても効果があるのではないかと言われている。ただし、これまでの研究は、血管内治療(カテーテルで血栓を取り除く治療:EVT)ができる病院とできない病院が混ざっており、本当の効果がはっきりしていなかった。

そこで、EVTができる環境とできない環境を分けて、TNKの効果と安全性をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月26日

ナインズ神話の崩壊――アルテプラーゼは0〜3時間でもダプトに敗れた

2025  10月  中国


脳梗塞のうち、軽症(NIHSSスコアが5以下)とされるタイプは全体の半分以上を占めるが、実際にはその後の経過で3人に1人が生活に支障を残すことが知られている。

この軽症群に対して、アルテプラーゼ(tPA)による血栓溶解療法が本当に有効なのかについては、いまも議論が多い。

一方で、アスピリンとクロピドグレルを併用する二重抗血小板療法(DAPT)は、CHANCE試験やPOINT試験で再発予防に効果があると報告されており、ARAMIS試験では軽症脳梗塞においてアルテプラーゼに劣らないとされた。

しかし、発症から治療までの時間(onset-to-treatment time:OTT)がこの治療効果にどのように関係するのかは明らかでなかった。
そこで、ARAMIS試験のデータを用い、DAPTとアルテプラーゼの効果がOTTによってどう変化するのか、特に早期神経悪化(END)との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2025年10月25日

なぜ“やばい薬”をほめるのか──クラゾセンタンに見る医療界のポジション心理

2025  10月  日本


くも膜下出血のあとに起こる「脳血管れん縮(SVS)」は、再出血や脳梗塞を引き起こして回復を悪くする原因になる。

クラゾセンタンという薬は、血管を強く縮める物質エンドセリン-1の働きを抑えるもので、海外の試験ではれん縮を防ぐ効果が確認されている。ただし、副作用としてむくみや低酸素などがあり、体の調子が変わりやすいことが知られている。

そこで、クラゾセンタンを使うと脳血管れん縮が減るだけでなく、歩き始めまでの回復も早まる可能性をくわしくしらべてみたそうな。

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