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2012年8月21日

ヨーガで脳卒中後のウツ気分が晴れるのか


Yoga and exercise for symptoms of depression and anxiety in people with poststroke disability: a randomized, controlled pilot trial.
2012  8月  オーストラリア




脳卒中片麻痺患者のメンタルヘルスにヨーガ

役に立つかどうか調べてみたそうな。



慢性期脳卒中患者14人について、


ヨーガ+エクササイズ

・エクササイズ のみ


の2グループに分けて、

6週間継続した。


その後、抑ウツや不安の程度を調べるアンケート調査を行い比較した。





結果は、


・ヨーガグループでは抑ウツや不安が、皆 大きく改善していた。

ヨーガに副作用はなく、皆 楽しんで参加していた。







ヨーガリハビリは気分の改善に良さそうなので

もっと研究してみたい



というおはなし。





感想:

↓顔色の悪い先生がこの論文の著者(Dr. Maarten Immink)




よけいに気分が落ち込みそう。

2012年8月20日

【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明


Dynamics of obesity paradox after stroke, related to time from onset, age, and causes of death.
2012  8月  韓国

病気になったとき 太っている人ほど長生きするという

"肥満パラドックス"が脳梗塞にも当てはまるのかどうか、

調べてみたそうな。


韓国脳卒中データベースから34132人分の脳梗塞患者の

データを抽出し、肥満度と死亡率との関連を解析した。


次のことがわかった。

・標準的なボディマス指数(BMI)20-23の死亡危険率を1.0とすると、


・BMI18.5以下だと 危険率1.36

・BMI18.5-20で 危険率1.14

・BMI27.5-30で 危険率0.83

BMI30-32.5で 危険率0.77  だった。


・この傾向は発症90日以内では目立たず、

・発症から1年経ったあたりで顕著になった。


・全年齢でこの傾向が見られたが、

・特に65歳未満で明らかだった。


・他の死因を含めてもこの傾向が見られた。

脳梗塞患者はおデブさんであるほど

しぶとく生き残ることがわかった



というおはなし。



感想:

メタボとはいったいなんだったのか?



過去記事:
肥満も極めれば 脳梗塞すら敵ではない

2012年8月19日

【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く


Neuroprotective activity of lavender oil on transient focal cerebral ischemia in mice.
2012  8月  中国

ウイグル自治区では古来より、乾燥粉末にした

ラベンダーの香りを脳卒中の治療に用いてきた。


脳梗塞に対するラベンダーの神経保護効果

について調べてみたそうな。



人為的に脳の血の巡りを悪くしたネズミにラベンダーオイルを与え、

神経症状や梗塞の大きさ、脳組織に含まれる様々な物質の解析を行った。


次のことがわかった。


ラベンダーオイルを与えたグループは与えなかったグループに比べ、

・神経症状、梗塞の大きさ、酸化ストレス物質が著しく減少した。

・また、ストレスや活性酸素の除去に関わる様々な酵素が増加した。


ラベンダーオイルの抗酸化作用が、脳梗塞から神経を護ることがわかった



というおはなし。

図:ラベンダーオイルの脳梗塞治療効果


写真:ラベンダーオイル
サフランの香りの素が脳梗塞に効く理由

2012年8月18日

急に音痴になったら脳卒中を疑え


Amusia for Pitch Caused by Right Middle Cerebral Artery Infarct.
2012  8月  アメリカ



脳卒中で失音楽症になった事例。




高血圧で脂質代謝異常のある右利き61歳の男性が

ある日、カーステレオから流れる曲に合わせて歌っていたところ、

ひどく音痴になっていることに気がついた。



6日後、病院で脳をMRI検査してもらうと

右頭頂葉と島皮質に梗塞が見つかった。



突然音痴になったことがきっかけで

脳の関連する部位の異変が発見できた珍しい例である。





ある日いきなり歌が下手クソになったら

脳卒中を疑った方がよいかも知れない



というおはなし。





感想:

この記事↓思い出した。


失音楽症という脳卒中症状がある



音楽がわからなくなる失音楽症は右脳損傷と関連する


2012年8月17日

【脳卒中急性期】なぜ病院到着が遅れるのか?


Prehospital delay in acute stroke and TIA.
2012  8月  ノルウェー




脳卒中の発症から病院到着までの遅れの原因を調べてみたそうな。




平均年齢71、440人の脳卒中患者について調査した結果、


次のことがわかった。


・66%が脳梗塞、14%が脳出血、23%がTIA だった。

・発症から病院到着までの中央値は3時間だった。

・病院へ行こうと決めるまでの時間は1.5時間だった。

・310人(71%)は救急車で病院に来た。

・神経症状が重くて、救急車で来る 比較的若い患者は到着が早かった。








病院到着が遅れる要因の半分以上は、

『病院に行こうかな… どうしようかなぁ…』

と躊躇する時間にあることがわかった



というおはなし。






感想:

そのとおりだと思う。


手足のちからが急速に抜けてゆき、

明らかに脳に問題が起きたことを認識していて なお、

アパートに帰ってしばらく眠ればなんとかなるだろう…


と考えていた自分を思い出す。

2012年8月16日

両手リハビリはそんなにすごいのか?


Comparison of unilateral versus bilateral upper extremity task performance after stroke.
2012  8月  アメリカ




脳卒中後の上肢リハビリは片手だけで行うよりも

両手の方が効果的、と言われている。


その効果を検証してみたそうな。





16人の脳卒中片麻痺患者と12人の健常人について、


手を伸ばして物を掴んで持ち上げて離す動作 


両手および片手で行い、


掴むまでの時間、手の軌跡、指の動き、握力、離すタイミング

などを解析、比較した。






次のことがわかった。


両手運動が片手運動を上回っているという動作要素は見つからなかった。


・むしろ、両手運動時は手を離すタイミングが遅れる傾向があった。


・他の動作要素にも違いはなかった。








両手運動が片手運動よりも圧倒的に優れている

わけではない ことがわかった



というおはなし。





感想:

そりゃそうだろな。





両手訓練と聞いて …

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練

手のリハビリは両手をシンクロさせて対称に動かすとよい

両手運動リハビリが優れている理由を東大の天才科学者が解明



2012年8月15日

【また奇跡】乾電池のマイナス極を頭に貼ったら、手の痙縮が治った


Effects on decreasing upper-limb post-stroke muscle tone using transcranial direct current stimulation: A Randomized Sham-Controlled Study.
2012  8月  中国




経頭蓋直流電気刺激(tDCS)で

脳卒中後の上肢痙縮を和らげることができるかどうか試してみたそうな。




上肢痙縮のある90人の脳卒中患者について、

tDCSグループ 45人

・偽刺激グループ 45人

に分けた。


tDCS治療は、損傷側脳の運動野に相当する頭皮に

乾電池のマイナス極を貼り、20分間通電する。


これを週5日×4週間継続し、回復具合を計測、比較した。



次のことがわかった。

tDCSグループは偽刺激グループに比べ、筋緊張が著しく減少した。

・さらに、運動機能も自立度も激しく向上した。






損傷側脳へのマイナス極のtDCSにより

脳の過活動が抑えられ、上肢筋肉の緊張を減らせることがわかった



というおはなし。





感想:

これまでは

脳卒中により活動の落ちた病側脳を補うべく、

健常な側の脳が過活動になるとされ、

健常側の脳を抑制対象としてきた。



ところが今回は逆に、

病側脳を抑制するという

あらたなチャレンジを行い、

おまけに思惑通りの結果も得ている。



やっぱりtDCSは奇跡の治療法にちがいない。

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