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2013年8月7日

歯周病をほうっておくと脳卒中が再発することが判明


Periodontal Disease and Recurrent Vascular Events in Stroke/Transient Ischemic Attack Patients.
2013  7月  アメリカ

歯周病と脳卒中の再発との関連を調べてみたそうな。


脳卒中またはTIAの患者について歯周病の程度を評価した。
また、アタッチメントロスが5mm以上を重度歯周病とした。
血液中の複数の炎症関連タンパク質濃度も調べた。

次のようになった。

・106人の患者のうち38%が重度歯周病だった。

・27人(26%)が24ヶ月以内に再発した。

・重度歯周病患者の血中に、高濃度の炎症関連タンパク質が複数確認できた。

・年齢、性別、教育レベル、既往症等を考慮に入れてなお
歯周病と脳卒中の再発との間に非常に強い関連が見られた


というおはなし。


写真:アタッチメントロス




感想:

歯周病が治るのならこういう情報も役に立つんだけど。

2013年8月6日

6ヶ月後、自立歩行は3分の2以上の患者で可能になる


Models containing age and NIHSS predict recovery of ambulation and upper limb function six months after stroke: an observational study.
2013  6月  オーストラリア

脳卒中発症から6ヶ月後に歩行と上肢がどの程度回復するのか調べてみたそうな。


200人の脳卒中患者について調査した結果、


次のようになった。

・当初歩くことができなかった114人のうち80人(70%)が6ヶ月後、自立歩行できるようになった。

・テーブル上のカップを取ることができなかった51人のうち21人(41%)ができるようになった。

・自分で食事することのできなかった56人のうち25人(45%)ができるようになった。

・年齢と神経症状の軽重が6ヶ月後の回復とよく関連していた。


脳卒中後、3分の2以上の患者が自立歩行できるようになった一方、上肢機能が回復したのは半分以下だった。これらの回復予測は年齢と神経症状をみればなんとなくわかる、


というおはなし。



感想:

よく、手のほうが回復は難しい、遅いっていうけど、
実感としては手も足も似たようなもの、って印象がある。

手に要求される動作が足に比べ極端に細かいがゆえに、
できないことが多くみえる...そういうことだと思う。


足でキーボード打たないもんな。


2013年8月5日

神経筋電気刺激で手の麻痺が治るのか


High-versus low-frequency stimulation effects on fine motor control in chronic hemiplegia: a pilot study.
2013  7月  アメリカ

神経筋電気刺激(NMES)療法はどんな周期で刺激すると手の麻痺に効くのか実験してみたそうな。


16人の慢性期脳卒中患者の麻痺手の母指球筋群にNMES療法を行った。40ヘルツまたは20ヘルツの刺激を、週に4回、1ヶ月間継続した。

患者は事前に麻痺の軽重を調べておいた。


次のようになった。

・重症麻痺手の患者は、周波数の高低に関わらず、なんの違いも起きなかった。

・軽症麻痺手の患者では手の機能が大きく改善した。

・このうち特に、高い周波数40ヘルツのグループでは握力、運動機能が向上し、

・低い周波数20ヘルツグループでは手の器用さに改善があったようだった。


神経筋電気刺激治療は軽症麻痺患者にのみ効き、高い周波数のほうがより効果的のようだ、


というおはなし。


写真:拇指球筋軍


2013年8月4日

脳卒中がきっかけで共感覚を持つようになったオッサン


From the thalamus with love: A rare window into the locus of emotional synesthesia.
2013  7月  カナダ
Stroke leaves man able to taste colors, feel music


共感覚についての報告は少ない。

左脳の視床梗塞ののちしばらくして共感覚を持つようになった男性の事例報告だそうな。

以下の本人インタビュービデオでは、 
ラズベリーを食べると青色が見えて、青色を見るとラズベリーの味がする、
と言っている。



この共感覚が脳卒中の直後に起きたわけではないことから、回復の過程で脳の配線がそのように変わったのだろう、


というおはなし。





感想:

感覚関連の思い出。

発症後まもないころ、左手は全くの無感覚で、車椅子に巻き込まれても痛さを感じなかった。

すこし日が経つにつれ、手を挟んだりすると頭の右上方20cmくらいの位置に、なにかいやな物が漂っている印象を持つようになったのを憶えている。

2013年8月3日

脳卒中になっても死なないための秘訣 →太る!


Prestroke Factors Associated with Poststroke Mortality and Recovery in Older Women in the Women's Health Initiative.
2013  7月  ハワイ

脳卒中のあとの死亡率に関連してくる生活習慣について調べたそうな。


脳卒中でない50-79歳の女性の生活習慣を調査して、脳卒中になった者の予後との関連を解析したところ、


次のようになった。

・3173人の女性が脳卒中になり、35%が亡くなった。

・発症以前に過体重または肥満だった者の脳卒中後の死亡リスクは、標準体重者に比べ約30%低かった。

・一方、標準体重を下回っていた者のリスクは2倍だった。

・糖尿病、喫煙、運動不足も脳卒中後死亡リスクと関連があった。


高齢女性の脳卒中後の死亡リスクを下げるためには、太ることと運動不足にならないことが大事、


というおはなし。

感想:

太りたい...

2013年8月2日

右脳がやられた脳卒中患者は感情認識がおかしい


Review of Emotion Recognition in Stroke Patients.
2013  7月  マレーシア

脳卒中患者の感情認識の問題を、神経心理的に調べてみたそうな。


過去の関連する研究論文を厳選して見なおしたところ、

次のようになった。

・92件の論文がみつかった。

・表情や口調、言葉を通じた感情知覚力の欠如は、左脳損傷患者よりも右脳損傷患者でずっと多かった。


どうやら右脳は感情を認識するうえで重要な役割を担っているらしい。

右脳が損傷することで対人関係上の困難、社会に対する欲求不満や孤立感が生じるのかも知れない、


というおはなし。

損傷脳半球と感情認識
感想:

自分が右脳ケースなので関心がある。

感情がわからないんじゃなくて、自分の感情が圧倒的すぎて他がどうでもよくなる...そんな印象がある。

2013年8月1日

スウェーデンでは単純労働に就いているほうが脳卒中リスクが低い


Occupational status and incidences of ischemic and hemorrhagic stroke in Swedish men: a population-based 35-year prospective follow-up study.
2013  7月  スウェーデン

職業階層と脳卒中のなりやすさとの関連を調べたそうな。


脳卒中経験のない47-56歳の男性6994人を35年間追跡調査した結果、


次のことがわかった、

・この間に1442件の脳卒中があり、年間発生率は1000人あたり脳梗塞5.5人、脳出血1.2人だった。

・全体的には職業階層と脳卒中とは関連がなかった。

・しかし51歳以上に限ると、知的オフィス労働者よりも単純手作業労働者のほうが脳梗塞リスクがずっと低かった。

・51歳未満では、このような関連は見られなかった。

・他のリスク要因を考慮しても同様だった。



社会経済的レベルが低くても脳出血や脳梗塞のリスク上昇にはならなかった。むしろ高齢者では単純手作業労働に携わる者の方が脳梗塞リスクはずっと低かった、


というおはなし。




感想:

手厚い社会保障国スウェーデンの特殊事情じゃね?





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