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2013年9月7日

tDCSは電極を間違えると脳梗塞が拡大することが判明


Safety and Efficacy of Transcranial Direct Current Stimulation in Acute Experimental Ischemic Stroke.
2013  8月  イタリア

経頭蓋直流電気刺激(tDCS)治療はもっぱら慢性期脳卒中患者でのみ行われている。
そこで、急性期に適用した場合の安全性、効果について調べてみたそうな。


ネズミについて、磁気共鳴スペクトロスコピーで脳の代謝状況を確認したのち、人為的に脳梗塞にしてtDCSを施した。
プラス極、マイナス極、偽電極でのそれぞれの代謝への影響も同様に測定した。

次のようになった。

・マイナス極刺激のときに梗塞領域が最も小さく、炎症も抑えられ、回復も早かった。

・これはスペクトロスコピーでグルタミン酸代謝の変化として確認できた。

・一方、プラス極刺激の場合、梗塞が大きくなり、脳血液関門の働きも乱れた。


急性期脳梗塞へのtDCS治療に神経保護効果を確認した。
しかし、その極性、適用時期には注意が必要である、

というおはなし。

図:tdcs電極と脳梗塞体積


感想:

こんなはなし いままで耳にしたことがない。

2013年9月6日

上海の大気汚染と脳卒中死亡率との関係


Epidemiological evidence on association between ambient air pollution and stroke mortality.
2013  5月  中国

大気汚染と脳卒中死亡率との関連を調べてみたそうな。


2003-2008の上海にて、65歳以上の日々の脳卒中死亡率を収集し、大気汚染データ(PM10,SO2,NO2濃度)との関連を解析した結果、


次のようになった。

・脳梗塞死亡率はいずれの大気汚染物質とも強い関連があった。

・脳出血はSO2,NO2とのみ関連し、PM10との関連は薄かった。

・特に心臓病を持っていると、NO2濃度が10μg/m3増える毎に脳梗塞死亡率が7%増加した。



大気汚染と脳卒中死亡率との関連が明らかになった。心臓病+NO2曝露で脳梗塞死亡率が増加することもわかった、


というおはなし。

写真:上海大気汚染


感想:

中国発の大気汚染と脳卒中の研究をよく見かけるようになった。

近い将来、日本でも低レベル放射線被曝と脳卒中についての論文がたくさんでるんだろな。


2013年9月5日

禁煙のため無煙タバコにしました → 脳卒中で死亡


Smokeless tobacco and cardiovascular disease in low and middle income countries.
2013  7月  インド

喫煙は脳卒中など心血管系疾患の主なリスク要因である。

そこで、無煙タバコについても心血管系疾患との関連を調べたそうな。


過去の研究を調べたところ、

・無煙タバコは東南アジア、北ヨーロッパでよく使われている。

・冠動脈疾患や脳卒中で死に至るリスクの上昇が指摘されている。

・無煙タバコと通常の喫煙を行うと、そのリスクが倍になる。

・無煙タバコ利用者には高血圧やメタボが多い。

・無煙タバコは、喫煙同様、アテローム性血栓症を加速する。


緊急に無煙タバコ中毒対策が必要である、


というおはなし。




感想:

無煙たばこ=スモークレスたばこ、かぎたばこ、かみ(噛み)たばこ、 SNUS(スヌース)


煙がないぶんヘルシーなイメージがあるけど、検索するとロクな記事がない。

画像を貼ろうと思ったけど、グロ画像しかヒットしない。


2013年9月4日

職場騒音と脳卒中との関係について


Occupational Noise Exposure and the Risk of Stroke.
2013  8月  デンマーク

60デシベル未満の交通騒音は脳卒中リスクと関連がある。
そこで、80-86デシベルの職場騒音との関連を調べてみたそうな。


工業労働者116568人と金融関連労働者47679人の職場騒音環境と脳卒中の発生を2001-2007追跡調査した結果、


次のようになった。

・981人の脳卒中患者が発生した。

・工業労働者は金融関連労働者にくらべ脳卒中リスクが27%高かった。

・工業労働環境の騒音の大きさ、騒音持続時間は脳卒中リスクと関連はなかった。


職場騒音と脳卒中との関連は見られなかった。工業労働者のリスク上昇は生活スタイルの違いによるものと考えられる、

というおはなし。




感想:

音源が飯のタネになるかどうかが重要ってこと。

脳の解釈次第で騒音は脳卒中リスクにもなるし癒やしにもなる。


2013年9月3日

脳が可塑っているときは脳波がゆっくりになるのか?


Plastic Changes Following Imitation-Based Speech and Language Therapy for Aphasia: A High-Density Sleep EEG Study.
2013  8月  アメリカ

睡眠時のゆっくりとした脳波は、脳皮質の可塑的変化を反映していると言われている。

そこで、ミラーニューロンの働きを応用したイミテーション言語療法(IMITATE)の効果を、睡眠時脳波で確認してみたそうな。


脳卒中で左脳損傷の13人の患者について、IMITATE前後での言語機能、睡眠時脳波を測定し、比較した。


次のようになった。

・1回のIMITATEで睡眠時のゆっくり脳波が期待通りの位置(下頭頂小葉、運動前野腹側)で増加した。

・脳波の変化が言語テストスコアとよく相関していた。



イミテーション言語療法のあとのゆっくり脳波は、脳の可塑的変化を反映しているのかもしれない、


というおはなし。



感想:

IMITATEって
パソコン画面上の人の口の動きを観察して、真似る。
動作観察療法のなかまらしい。


IMITATE: An intensive computer-based treatment for aphasia based on action observation and imitation

2013年9月2日

【蘇生措置拒否指令】 先生、妻はこのまま逝かせてあげてください


Sex Differences in the Use of Early Do-Not-Resuscitate Orders After Intracerebral Hemorrhage.
2013  8月  アメリカ

一般に、病気の急性期に蘇生措置(延命治療)拒否指令がでる割合は女性の方が多い。

脳内出血患者については良く知られていないので調べてみたそうな。


2006から2010に脳卒中センターに入院した脳内出血患者データを見なおして、入院24時間以内に出された蘇生措置拒否指令と性別との関連を解析した。


次のようになった。

・372人の脳内出血患者データが対象となった。

・22%の患者に蘇生措置拒否指令が出た。

・蘇生措置拒否指令の対象には、女性のほうが男性の3倍以上なりやすかった。

・他の病院から転院して来たケースでは蘇生措置拒否指令が出ることは少なかった。


脳内出血患者の家族が、入院後すぐに延命治療を拒否するケースは女性患者で多くなりがちだった、


というおはなし。



感想:

なぜなのかな。

以前の記事をおもいだした。
【蘇生措置拒否】脳卒中患者はどう扱われるのか?

2013年9月1日

靴の中敷き療法できれいに歩けるようになる


Effect of a textured insole on balance and gait symmetry.
2013  8月  アメリカ

神経障害のある患者は立位バランスが崩れがち。
そこで、靴の中敷を使って歩行の対称性をコントロールできるか実験してみたそうな。

11人の健常な男女について、歩行姿勢をコンピュータ解析する装置を使って、靴の中敷を右または左のみに使用した場合、使用しない場合でのバランス、対称性を評価したところ、


次のようになった。

・中敷きの効果は直ちに出て、立位の対称性が大きく変化した。

・歩幅と歩行の対称性も大きく変化した。

・脳卒中患者への先行研究では、健常側の足裏に中敷きを入れることで歩行の非対称性が改善した。


歩行や姿勢のバランスが崩れた患者には靴の中敷き療法が効果的かも知れない、


というおはなし。



感想:

入院中、担当の療法士さんが中敷き療法が好きで、すごく凝った中敷きを作ってくれた。

そのときは たしかに歩きやすくなった。


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