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2014年2月21日

医師「落ち込んだ時には運動するのが一番」患者「…」


Exercise for depressive symptoms in stroke patients: a systematic review and meta-analysis.
2014  2月  カナダ

脳卒中後ウツへの運動療法の効果を調べてみたそうな。


運動プログラム(有酸素運動,レジスタンス運動,その組み合わせ)を用いた関連する研究を、データベースから厳選しデータを統合、解析した。


次のようになった。

・計1022人の被験者データを持つ13件の研究が見つかった。

・運動の直後、うつ症状が弱まった。

・しかしこの効果は長くは続かなかった。

・亜急性期、慢性期でも効果があった。

・運動が強い研究ほど高い効果になった。

・抗ウツ薬を併用した研究はほとんどなかった。


亜急性期、慢性期の脳卒中後ウツ予防と症状緩和に運動が効果的かもしれない、


というおはなし。



感想:

ウツの人に「頑張って」と 言ってはいけないと よく耳にする。

「運動で気分転換できるよ」とアドバイスするのは精神医学的にはどうなんだろう。
うつ病の人に言ってはいけない言葉


2014年2月20日

機能的電気刺激は下肢装具よりイイものなのか


The Effects of Peroneal Nerve Functional Electrical Stimulation Versus Ankle-Foot Orthosis in Patients With Chronic Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2014  2月  アメリカ

脳卒中で尖足の患者に、腓骨神経の機能的電気刺激(FES)と短下肢装具のどちらが効果的か調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上の399人の脳卒中患者について、FESまたは短下肢装具を6ヶ月間装着してもらった。

歩行速度や日常生活動作、バランス機能他 複数の評価指標を用い比較した。


次のようになった。

・FESが短下肢装具に劣った点はなかった。

・特に両グループとも10分間歩行距離が著しく伸びた。

・両グループ間で差は見られなかった。


腓骨神経の機能的電気刺激による尖足対策は、短下肢装具とほぼ同様の効果が見られた、


というおはなし。



感想:

電極貼ったり、バッテリー気にしたり、雨に濡れないか心配したり

って面倒くさくないのかね?


2014年2月19日

トランス脂肪酸は脳卒中のもとなのか?


Intake of trans fat and incidence of stroke in the REasons for Geographic And Racial Differences in Stroke (REGARDS) cohort.
2014  2月  アメリカ

トランス脂肪酸と脳卒中の関係はよくわかっていない。

調べてみたそうな。


17107人の男女が参加した脳卒中の地理、人種についてのREGARDS調査データを解析した。

トランス脂肪酸の摂取量は食事頻度アンケート結果を用いた。


次のようになった。

・7年間の追跡期間中479件の脳卒中が起きた。そのうち401件は脳梗塞だった。

・トランス脂肪酸の摂取量が1日あたり2g増えるごとに脳卒中リスクが男性で14%増加した。

・女性の脳卒中リスクは増えなかった。


トランス脂肪酸と脳卒中との関連は性別により異なった。2g/日の摂取で男性では14%脳卒中リスクが上がり、女性には変化はなかった、


というおはなし。



感想:

トランス脂肪酸 ほとんど気にしてなかったけど、

この資料↓がおもしろかったわ。まったく別の問題なのかもしれない...
トランス脂肪酸の何が悪い?(金城学院大学薬学部)pdf


2014年2月18日

療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!


Eliciting Upper Extremity Purposeful Movements Using Video Games: A Comparison With Traditional Therapy for Stroke Rehabilitation.
2014  2月  イスラエル

脳卒中リハビリの現場でビデオゲームが用いられるようになってきているものの、その特徴についてはよくわかっていない。

そこで、従来のリハビリに比べ ビデオゲームリハビリが意味のある動作を伴っているものかどうか、調べてみたそうな。


平均年令50、発症後1-7年の脳卒中患者29人について、ビデオゲームグループと従来リハビリグループに分け、同じ時間のトレーニングを行った。

ビデオゲームはXBOXやプレステなど市販のゲームを使い、従来リハビリは療法士の指示に従いボールやブロックを使った動作訓練を行う。

上肢トレーニング最中の患者の動作をビデオ撮影し、各動作の目的が明らかであるかどうかを判定した。

同時に手首に取り付けた加速度センサーの結果から、上肢の動きの強弱と運動機能との関連を解析した。


次のようになった。

・ビデオゲームグループでは上肢の動作37970回中、目的の明らかな動きが271回あった。

・従来型リハビリグループでは、上肢動作14872回中、目的の明らかな動きは48回だった。

・まったく無目的な動きは 従来リハビリで26回だったのに対し、ビデオゲームでは0回だった。

・上肢の運動能力と動作回数との間に関連があった。

・運動能力の高い者ほど動作回数も多かった。


ビデオゲームリハビリは、従来型リハビリに比べ 患者にとってより有意義な動作を数多く訓練することができる、


というおはなし。
写真:ゲームリハビリ


感想:

容姿抜群な異性のバーチャル療法士さんが画面に登場するようになったら、ますますモチベーションがアップするね。


2014年2月17日

前庭電気刺激は何回やると半側空間無視が治るのか


Galvanic vestibular stimulation in hemi-spatial neglect.
2014  1月  イギリス

近年、前庭感覚電気刺激の半側空間無視治療効果が報告されるようになった。

そこで、この効果がどのくらい持続するものなのか調べてみたそうな。


脳卒中で半側空間無視の患者52人について1回25分間の前庭感覚電気刺激を2週間にわたり計10回行った。

前庭感覚電気刺激は、両耳の後ろの乳様突起に左側にプラス極、右側にマイナス極を貼り、認識できないほど微弱な直流電流を流す。

患者は3グループに分けて、10回のセッションのうち、各々 本当に刺激する回数を1,5,10回とし、偽刺激回数を9,5,0回とした。

その後、注意力と自立度の評価を4週間後まで追跡した。


次のようになった。

・すべてのグループで注意力が著しく改善した。

・さらにこの効果は1か月後も持続していた。

・また、すべてのグループで自立度スコアが20%改善した。

・副作用や途中脱落者はなかった。


前庭感覚電気刺激は簡単で効き目が持続して どこでもできる半側空間無視治療法になりうるだろう、


というおはなし。




感想:

注意書きがあって、

この実験では偽刺激オンリーのグループをあえて設けなかった。

予想外に全グループで大きく改善してしまったことから
この実験行為そのものが強力なプラシーボ効果をもたらした可能性が疑われる。

だとしたら今度はそれを研究すればいいじゃん、

と開き直っている。

好感をもった。



似た過去記事
前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた

2014年2月16日

手首を握って前後に動かしてあげるととてもイイらしい


Manual mobilization of the wrist: A pilot study in rehabilitation of patients with a chronic hemiplegic hand post-stroke.
2014  1月  オランダ

脳卒中片麻痺患者の手首を動かしてあげると何か良いことがあるのか実験してみたそうな。


18人の脳卒中患者を2グループに分けて通常のリハビリを行い、一方には手首を動かしてあげる時間としてそのうち10分間を割いた。


6週間後に手首の可動域、痛み、痙縮、握力等を評価、比較した。


次のようになった。

・手首動かしグループで、手首を開く角度と手の機能が統計学的有意に改善した。


脳卒中片麻痺患者の手首を動かしてあげると、その回復に良い影響があるかもしれない、


というおはなし。
写真:手首の動かし方
こんなふうに前後に動かす。


感想:

ほんの一週間ほど 若くてかわいい女性のOTに担当してもらったことがあった。その頃手は感覚ゼロで脱力しきっていたけれども、手を握ってもらえて とても楽しかった。

そんな思い出がよみがえってきた。

2014年2月15日

体重支持トレッドミルよりも地上歩行トレーニングのほうが優れているという根拠


Body weight-supported treadmill training vs. overground walking training for persons with chronic stroke: A pilot randomized controlled trial.
2014  2月  アメリカ

体重支持トレッドミルと地上歩行とどちらが効果的か調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上経ち自立歩行のできる脳卒中患者20人について、体重支持トレッドミルと地上歩行の2グループに分けて1回30分間のトレーニングを2週間行った。

歩行スピード、持久力、姿勢の改善度を3ヶ月後までフォローし、比較した。


次のようになった。

・地上歩行グループの持続可能歩行スピードがトレッドミルグループより大きく改善した。

・同様に歩行時の姿勢の対称性も改善した。

・この効果は3ヶ月後も持続した。


地上歩行トレーニングは体重支持トレッドミルに比べ歩行スピードの改善により効果的だった、


というおはなし。



感想:

自立歩行できる患者をいつまでも体重支持しても意味ないよ、ということと理解した。

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