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2015年6月14日

高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?


Old benefit as much as young patients with stroke from high-intensity neurorehabilitation: cohort analysis.
2015  6月  ドイツ

いっぱんに 高齢脳卒中患者へのリハビリは効果が薄いと考えられ、リハビリ病院への転院が敬遠される傾向がある。

若い人に比べてほんとうに高齢患者は回復しないのか、きっちりと調べてみたそうな。


発症後4週間までの日常生活動作の自立度変化を、リハビリ病院に入院した患者について年齢別に次の3グループに分け比較した。

*65歳未満 422人
*65-80歳 1399人
*80より上 473人


次のことがわかった。

・自立改善度の大きさは各年令層でほぼ同じだった。(バーセルインデックス~15ポイント相当)

・機能回復の程度はリハビリ総時間と関連があった。

・このリハビリ量と回復度との関連は年齢に依らなかった。


80歳以上の超高齢者であってもリハビリ病院で相当量の訓練を受けることで若い患者と同レベルの回復を期待できる、


というおはなし。

年齢別バーセルインデックス

感想:

高齢者にはリハビリで手加減するから訓練量も減って回復が良くないんだと思う。

「甘ったれんなジジイっ!」って鬼軍曹式に厳しく接するほうが本人のためになるんだろうね。

2015年6月13日

3ヶ月後できるようになっている日常生活動作は


In What Daily Activities Do Patients Achieve Independence after Stroke?
2015  6月  イタリア

脳卒中から3ヶ月時点で自立できる日常生活動作の種類を調べてみたそうな。


平均年齢68、435人の脳卒中患者について調査した結果、


次のことがわかった。

・もっとも良く回復するのは排便排尿機能およびベッド移動能力で、

・難しいままなのが 入浴、身支度、階段昇降だった。

・食事は半側空間無視や入院の遅れがあると難しかった。


脳卒中患者や家族はどんな機能回復が期待できるのか知っておいたほうがいいだろう


というおはなし。


感想:

この記事↓も参考になるな。
脳卒中患者はいつごろまでに何の機能がどのくらい回復するものなのか?

2015年6月12日

むずむず脚症候群と脳卒中の関連が明らかに


Study links severe restless legs syndrome to increased risk of stroke
2015  6月  アメリカ

むずむず脚症候群と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

今週の米国睡眠学会での発表内容。


41‐58歳の女性看護師72916人について6年間追跡調査した結果、


次のようになった。

・この間に161人が脳卒中になった。

・重度のむずむず脚症候群と脳卒中の発症に関連があった。

・軽いむずむず脚症候群では脳卒中との関連は確認できなかった。


むずむず脚症候群でひどく悩んでいる人は脳卒中の心配もしたほうがいい、


というおはなし。



感想:

このテーマは何度かあったけどあんまりはっきりしてないんだよね、、
むずむず脚症候群と脳幹の脳卒中との関連

むずむず脚症候群と脳卒中との関連は…

むずむず脚症候群は脳卒中の予兆かな

2015年6月11日

血糖値の指標ヘモグロビンA1cは低すぎても脳卒中になりやすい


Hemoglobin a1c levels and the risk of cardiovascular disease in people without known diabetes: a population-based cohort study in Japan.
2015  5月  日本

ヘモグロビンA1c (HbA1c)は過去1-2ヶ月間の血糖値の指標となる。これと脳卒中との関連を調べたそうな。


46-80歳で健康な男女29059人について9.4年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・この間に770人が脳卒中、165人が冠動脈疾患になった。

・HbA1cと脳卒中リスクとの関係は直線的ではなく、

・HbA1cが高くなるにつれ、脳卒中リスクは 1.50→1.01→1.04→1.77 と変化した。

・この関連は他の要因を考慮に入れてなお変わらなかった。


HbA1cは低くても高くても脳卒中リスクが上がった、


というおはなし。

HbA1cとCVD


感想:

HbA1cが低いのに…の理由はまだよくわかんないらしい。上のグラフ見ると脳出血ヤバイ、、

国立がんセンターのプレスリリース↓
ヘモグロビンA1c (HbA1c)と心血管疾患リスクとの関連について

2015年6月10日

6ヶ月過ぎても歩行リハビリの効果は期待できるのか?


Rehabilitation interventions to improve locomotor outcome in chronic stroke survivors: A prospective, repeated-measure study.
2015  6月  インド

発症後6ヶ月を過ぎてもリハビリで歩行が改善するものかどうか実験してみたそうな。


22-65歳、発症後1年半前後の脳卒中経験者40人について、下肢の負荷運動およびトレッドミル歩行訓練を、

1回90分 x 週5回 x 4週間=20セッション行ったところ、


次のようになった。

・80%の被検者が訓練を完遂した。

 各評価指標は、リハビリ前、直後、3ヶ月後の順で

・脳卒中重症度: 41.71, 44.09, 43.96

・バランススコア: 36.28, 46.75, 46.82

・歩行スピード: 0.41, 0.53, 0.51

・自立度スコア: 77.34, 89.06, 92.32

となり、全ての指標で有意な改善を示した。


脳卒中経験者の歩行能力は慢性期であってもリハビリによって大きく改善できる、


というおはなし。

歩行

感想:

比較するグループがないからリハビリのおかげとは言い切れないんだけど、『多くの人に見守られて訓練するとなぜか成果が出る』 ってことだと思う。

ブログやツイッターに毎日歩数を上げている人は、そういう意味ではとても効果的と考える。

2015年6月9日

リハビリ病院で視力検査しておいて欲しかった


Review of experience with a collaborative eye care clinic in inpatient stroke rehabilitation.
2015  6月  アメリカ

脳卒中のあとの視覚障害は見過ごされることが多い。

その特徴と適切な評価方法について調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院中で視覚障害のありそうな患者131人について、作業療法士がスクリーニングを行い、その後 検眼医が確認した。


次のことがわかった。

・作業療法士が選んだ患者すべてで 検眼医により1つ以上の視覚障害が確認された。

・衝動性眼球運動、追従眼球運動、輻輳運動に関する診断が7-8割を占めていた。

・作業療法士が見た症状の数と検眼医のそれはけっこう近かった。


脳卒中患者の視覚評価は必要であろう。作業療法士の協力と検眼医のリハビリチームへの参加が期待される、


というおはなし。



感想:

運転再開してあまりに前が見えないので怖くなって初めてメガネ屋に行った。視力1.5→0.3程度になっていた。夜道、片目で街灯をみるとダブって見える。左右の目いずれも、 なぜなのか? 

2015年6月8日

脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!


Does Stroke Contribute to Racial Differences in Cognitive Decline?
2015  6月  アメリカ  

黒人が白人に比べ認知症になりやすい理由が 脳卒中にあるのか調べてみたそうな。


65歳以上4908人の黒人および白人について4年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・この間に黒人の7.5%、白人の6.7%が脳卒中になった。

・黒人の認知力の低下は白人よりも大きかった。

・脳卒中の発症率の違いを考慮にいれてもこの傾向は変わらず、

・脳卒中により7.9年分の老化に相当する認知力が失われていた。

・脳卒中による認知力の低下は人種間で有意な差はなかった。


黒人-白人間の認知力低下の違いは脳卒中では説明がつかなかった、


というおはなし。
認知力8年分

感想:

8年間ぶんの脳の劣化、たしかにそのくらい働きが鈍くなっている、、そんな実感がある。

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