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2016年3月7日

脳出血の長期的死亡率 貧困との関係


Impact of socioeconomic deprivation on mortality in people with haemorrhagic stroke: a population-based cohort study.
2016  3月  イギリス

社会経済的貧困度と脳出血後の死亡率との関連を長期的に調べてみたそうな。


脳出血患者782人について社会的貧困度をスコア化した。17年間フォローして死亡事例との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に498人が死亡した。

・貧困度スコアを4層に分けたとき、最上位層に対して貧困度が深まる毎に17年死亡率は 0.94→1.17→1.36倍となった。

・脳内出血に限定した場合も同様の傾向だった。

・しかしクモ膜下出血では、2.50→2.96→1.74倍となった。

・10年後死亡率も同パターンだったが、1年後死亡率にはあきらかな傾向は見られなかった。

社会経済的貧困は脳出血後の死亡率に長期的に大きく影響していた、


というおはなし。

図:社会経済的地位と1年後死亡リスク


感想:

明日にでも死んでしまいそうな気がしてきた、、、

2016年3月6日

脳梗塞再発リスク計算機(RRE)を使ってみた


Prediction of Early Recurrence After Acute Ischemic Stroke.
2016  2月  アメリカ

バーバード メディカルスクールがウェッブ上で公開している

脳梗塞再発リスク計算機(RRE)
http://www.nmr.mgh.harvard.edu/RRE/

の妥当性を複数施設で検証してみたそうな。


アメリカ、ブラジル、韓国の3つの大学病院で、発症72時間以内の脳梗塞患者についてRREで再発リスクスコアを出し、90日後の再発状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢69、1468人の患者を対象にし、59人が再発した。

・90日後の再発率は4.2%で再発患者のRREスコア平均は2.2、非再発患者では1.0だった。

・RREスコアが高いほど再発リスクも高かった。

・ROC曲線下面積は0.76、

・再発率10%を超えるハイリスク患者への感度は41% 特異度90%だった。

脳梗塞再発リスク計算機(REE)は高リスク患者の判別に役立つかもしれない、


というおはなし。

図:REEスコアと再発リスク

感想:

わずか3ヶ月後の再発予測されても できることはあまりないような、、

2016年3月5日

人工知能に尋ねてみたら痙縮患者が10倍になった


Predictive analysis for identifying potentially undiagnosed post-stroke spasticity patients in United Kingdom.
2016  2月  イギリス

イギリスの健康改善データベースでは 脳卒中のあとの痙縮の割合が2%であり これまでの他の報告に比べ著しく低い。

そこで過小評価されているであろう 痙縮のある脳卒中患者数を推定するための方法を検討してみたそうな。

2016年3月4日

配偶者と離婚や死別のあとになる脳卒中の種類は


Marital Transition and Risk of Stroke
How Living Arrangement and Employment Status Modify Associations
2016  3月  日本

配偶者間の関係が離婚や死別によって変化したあとの脳卒中リスクについて調べてみたそうな。


日本人の男女それぞれ24162人、25626人を15年間ほどフォローした結果、


次のことがわかった。

・この間に男性1732人、女性3205人の配偶関係変化があり、2134件の脳卒中があった。

・配偶関係変化のあと男女共に脳出血リスクが明らかに高かった。

・子供が一緒に住んでいる場合は脳卒中リスクはさらに高くなった。

・女性にとっては職がない状態や親と暮らす状況が重なると脳卒中リスクが高かった。

離婚や死別による配偶者間の関係に変化があった場合 特に脳出血リスクが上昇し、居住様態や性別が影響した、


というおはなし。

図:配偶関連移行

感想:

やはり脳出血はストレスが原因になるのかね。

2016年3月3日

音がすぐに出ないピアノでリハビリした結果、、


The role of auditory feedback in music-supported stroke rehabilitation:A single-blinded randomised controlled intervention.
2016  2月  フランス

脳卒中患者への音楽サポート療法では ピアノの演奏訓練によってリハビリ成果をあげている。

このメカニズムとして音のフィードバックが動作を矯正し運動学習になっている と考えることもできる。

この仮説を検証するべく音が鳴るタイミングを変えて実験してみたそうな。


音楽経験のない中等度麻痺の脳卒中患者34人について単純なピアノ演奏訓練を行った。
患者は次の2グループに分けた。

*鍵盤を押すと直ちに音が出る
*音が出るまでに遅延時間がある


次のようになった。

・両グループでリハビリ効果に明らかな差はなく、

・むしろ遅延時間グループのほうが成績が良かった。

音楽サポート療法の運動回復メカニズムは音響フィードバックがメインではなかった。もしくは直ちに音が返ってくるよりも 少し焦らされたほうがやる気が出るのかもしれない、


というおはなし。

写真:ピアノ演奏

感想:

むつかしく考えすぎ。音が鳴るものは楽しいんだよ、、、

パチンコセラピーはどうかな?昔の指で弾くタイプで 左手用の台もあったりして。「ちょっとリハビリ行って来るわ」って。

2016年3月2日

健康的ライフスタイルは脳卒中の障害も軽いのか?


Healthy Lifestyle and Functional Outcomes from Stroke in Women.
2016  2月  アメリカ

健康的なライフスタイルは脳梗塞リスクを低下させる。脳卒中後の障害の程度についてはどうか調べてみたそうな。


脳卒中歴のない女性37634人について、喫煙、身体活動量、肥満度、飲酒、食習慣などを調査し、健康的な生活レベルを0-20点で評価した。

その後17年間 脳卒中の有無をフォローし、障害の程度を生活自立度スコアにしたがい軽度、中等度、重度に分類し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に867件の脳卒中が起きた。

・健康生活スコアが最も低かった(0-4点)グループに比べ最も高かった(17-20点)グループでは、障害の重症度リスクは軽度、中等度、重度いずれも半分だった。

・ほどほどに健康生活(5-8点)のグループであっても障害リスクが明らかに低下していた。

・この関連は脳梗塞に見られ、脳出血には見られなかった。

健康的なライフスタイルは 徹底しなくともほどほどの実践により脳梗塞になった際の障害の程度を明らかに抑えることができる、


というおはなし。

図:健康生活

感想:

でも太ってるほうが回復いいんだよねぇ、、
限界まで太った高齢者は脳卒中からすぐに復活できる

肥満 脳卒中患者のリハビリ効果は 日本人の場合

リハビリにベストな体重とは

2016年3月1日

重度麻痺にミラーセラピーをするメリットとは


Mirror therapy in chronic stroke survivors with severely impaired upper limb function: a randomized controlled trial.
2016  2月  スペイン

脳卒中患者への上肢ミラーセラピーの研究は麻痺が軽いケースを対象にしたものが多かった。

そこで上肢が重度麻痺の慢性期脳卒中患者へのミラーセラピーの効果を調べてみたそうな。


患者31人をミラーセラピーグループ15人、受動運動グループ16人に分け、

訓練を1回45分x週3回、計24セッション行ったところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能テストの時間スコアは改善したが、

・いずれも運動機能自体に改善はなかった。

・しかしミラーセラピーグループで軽いタッチに対する触覚の有意な改善が確認できた。

慢性期脳卒中で上肢が重度麻痺の患者へのミラーセラピーは、運動機能の改善は期待できないが軽いタッチへの触覚の改善効果があるのかもしれない、


というおはなし。

図:軽い接触


感想:

脳卒中やって触覚の奥深さを知った。いまは左手が物に触れているかどうかが かろうじて分かる程度で質感はまったくわからない。

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