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2016年3月14日

tPA治療って脳卒中患者のなん%がやるものなの?


International benchmarking for acute thrombolytic therapy implementation in Australia and Japan.
2016  2月  オーストラリア

虚血性脳卒中への tPA血栓溶解治療の実施状況を日本とオーストラリアで比べてみたそうな。


日本の済生会熊本病院と オーストラリアのジョン・ハンター病院に入院した脳卒中患者についてtPA治療の実施率を調査したところ、


次のことがわかった。

・tPA治療の実施率は 41% vs. 25%でオーストラリアが明らかに高かった。

・両病院ともに軽症や類似症状にはtPA治療を行わなかった。

・特に日本では神経症状の軽い患者は除外する傾向が強かった。

・病院到着から治療までの時間は 63分 vs. 54分でオーストラリアが長く、

・CT撮ってから治療までの時間も 34分 vs. 27分でオーストラリアが長かった。

脳卒中患者へのtPA治療についてオーストラリアと日本の違いを示すことができた、


というおはなし。

図: tPA除外条件除外理由


感想:


少し前までtPAの対象になるのは数%って認識だった。世の中変わってんのね、、

2016年3月13日

クロスエデュケーションは片麻痺に効くの?


Cross-education of strength has a positive impact on post-stroke rehabilitation: a systematic literature review.
2016  2月  アイルランド

一方の手足を訓練した効果がもう一方の手足に移る 「クロスエデュケーション」が発見されたのが1894年。

これまで脳卒中患者への応用で成果が出ているものかどうか調べてみたそうな。


脳卒中片麻痺患者に応用した研究論文をデータベースから抽出し、信頼性の高いものを厳選したところ、


次のことがわかった。

・質の高い研究成果は2件のみだった。

・片麻痺患者の 麻痺側の訓練していない方の手足に それぞれ31.4%、45.5%の筋力増強効果が報告されていた。

・いずれの研究も 訓練課題や運動機能の転移効果の可能性も示していた。


これまでの研究によると脳卒中片麻痺患者へのクロスエデュケーション効果は期待できそうである。さらに質の高い研究が望まれる、


というおはなし。


図:クロスエデュケーション

感想:

これ↓思い出した。
健側の手首を筋トレしたら麻痺手がグイグイ動くようになった

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

2016年3月12日

長時間睡眠は脳内出血のもと?


Prolonged sleep increases the risk of intracerebral haemorrhage: a nationwide case-control study.
2016  3月  韓国

睡眠時間と脳内出血リスクとの関連を調べてみたそうな。


国内33ヶ所の病院の脳内出血患者490人と 同性同年齢の980人について調査したところ、


次のことがわかった。

・8時間以上睡眠をとる者の割合は 30.4% vs. 22.6%で脳内出血グループに多かった。

・睡眠時間が長いほど脳内出血リスクは高くなり、

・7時間睡眠に比べると 8時間では1.57倍、9時間以上では5倍になった。

睡眠時間が長くなるほど脳内出血リスクが高くなった、


というおはなし。

図:長時間睡眠

感想:

どうやら7時間でも長すぎる↓↓みたいなんだよね、、
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!

2016年3月11日

脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに


Low level of low-density lipoprotein cholesterol is related with increased hemorrhagic transformation after acute ischemic cerebral infarction.
2016  2月  中国

脳梗塞のあと脳出血を起こす出血性変化はめずらしくない。

その関連要因を調べてみたそうな。


脳梗塞患者348人について 入院翌日に空腹時血液検査を行った。1週間後脳の断層像を撮り 出血の有無を調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・35人に出血性変化が確認できた。

・出血性変化のなかった313人に比べ出血性変化のあったグループでは 総コレステロール、HDL LDLコレステロールが低くかった、

・一方 神経症状は重く、糖尿病、心房細動、血栓溶解剤使用者は多かった。

・心原性や原因不明の脳梗塞と出血性変化との関連が強く、

・特にLDLコレステロールは出血性変化に対する保護因子だった。

脳梗塞のあとLDLコレステロール値が低いと出血性変化が起きやすかった。このような患者への脂質低下指導は注意が必要だろう、


というおはなし。
 
図:出血性変化因子


感想:

コレステロールは悪みたいな風潮があって、健康診断すると下限近くでもA判定。オレは健康なんだぁ、、、と 得意になってたら脳に血が漏れた。

2016年3月10日

高度な機能的能力の低下は脳卒中の予兆なのか


Impaired Higher-Level Functional Capacity as a Predictor of Stroke in Community-Dwelling Older Adults
2016  1月  日本

日常生活動作よりも高度な機能的能力の低下が脳卒中の予兆となりうるのか調べてみたそうな。


日常生活動作が自立している平均年齢70の健康な1493人を10年間フォローした。

高度な機能的能力は、東京都老人総合研究所が開発した指標TMIG-ICに従い評価した。

TMIG-ICは *手段的日常生活動作(料理、掃除、買い物)、*知的能動性および*社会的役割 の3つの評価からなる。


次のようになった。

・この間に191人が脳卒中を発症した。

・機能的能力の低下と脳卒中は有意に関連していた。

・特に、知的能動性との関連がもっとも強かった。

・社会的役割については75歳以上でのみ関連があった。


日常生活動作が自立している高齢者の高度な機能的能力、特に知的能動性の低下は脳卒中の予兆であり得る、


というおはなし。
図:TMIG-IC
図:知的能動性


感想:

日常生活動作(ADL)と手段的日常生活動作(iADL)の違い、ふつうわかんないよな。

2016年3月9日

脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは


The Effect of Electromagnetic Field Treatment on Recovery from Ischemic Stroke in a Rat Stroke Model: Clinical, Imaging, and Pathological Findings.
2016  2月  イスラエル

脳卒中のあとの非侵襲的な脳刺激法としてrTMSやtDCSがあるがいまいちパッとしない。

そこで、低強度 低周波数の電磁場に身体をまるごと置く治療法を考案し実験してみたそうな。


ネズミ18匹を人為的に脳梗塞にして次の3つのグループに分けた。

1) 電磁場なし
2) 4Hzシータ変動の電磁場刺激
3) 16Hzベータ変動の電磁場刺激

電磁場刺激は地磁気(0.5ガウス)相当強度の場にネズミを置き、これを1日2分間x4週間行った。

さらに1ヶ月間フォローして前肢運動機能、MRIおよび脳組織標本を調べたところ、


次のことがわかった。

・電磁場グループで前肢運動機能および神経症状が大きく改善した。

・電磁場グループで脳浮腫と脳室拡大が治まった。

・白質繊維は電磁場なしグループよりも良くまとまっていた。

・さらに 組織検査では神経新生を示すいくつかの物質を確認できた。

低強度低周波数の電磁場に曝すことで脳卒中後の神経ネットワークの可塑性が促されるのかもしれない、


というおはなし。

図:VLIFE図:前肢機能の改善

感想:

よく読むと 地球規模の電離層固有振動数であるシューマン周波数7.83Hzの1/2と2倍ということで周波数を選んでいた。発想が飛んでいるわりには資料がしっかりしている印象があった。

2016年3月8日

適度な飲酒って脳卒中的にはどうなの 結局


Alcohol and Immediate Risk of Cardiovascular Events: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis.

CV Risk Rises, Falls After Moderate Alcohol Intake, but Heavy Drinkers Beware: Meta-Analysis
2016  3月  アメリカ

飲酒により脳卒中リスクが時間的にどう変化するものか調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選し、データを統合再解析したところ、


次のことがわかった。

・3万人の被検者を含む23の研究が見つかった。

・1日に2-4杯もしくは週に6杯程度の控えめな飲酒の場合、脳卒中リスクは直ちに急上昇するが24時間以内に収まり、(1杯はビール350ml相当)

・その後1週間ほど脳出血、脳梗塞リスクが 全く飲まない場合に比べそれぞれ30%、19%低い状態が続く。

・しかし1日に6-9杯もしくは週に19-30杯の過度な飲酒の場合、脳卒中リスク2-6倍の状態がしばらく続く。

控えめな飲酒でも脳卒中リスクは急上昇するが24時間で収まる。過度な飲酒の場合はその限りではない、


というおはなし。

図:控えめな飲酒

感想:

脳卒中やってからアルコール一切飲んでない。夏のビールはアサヒドライゼロのみ。

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