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2016年3月21日

片麻痺の安静代謝率からわかること


Reduced Resting Metabolic Rate in Adults with Hemiparetic Chronic Stroke.
2015  12月  アメリカ

安静代謝率は1日のエネルギー消費のもっとも大きな割合を占め、脂肪を除く組織に由来することから肥満や筋萎縮の目安になる。

慢性期脳卒中で片麻痺の安静代謝率を調べてみたそうな。


45-80歳 平均年齢61、発症後9年前後の脳卒中経験者39人について、X線検査で脚の組成(脂肪や筋肉量)を測定した。

間接熱量測定を行い安静代謝率を求めた。


次のことがわかった。

・身長、体重、性別から推定される安静代謝率に比べ脳卒中経験者のそれは14%低かった。(1438 vs. 1669 kcal/日)

・安静代謝率は年齢や発症からの期間によらなかったが、

・麻痺脚、非麻痺脚の筋肉の各体積と 安静代謝率がよく相関していた。

脳卒中のあと 筋肉量の減少により 安静代謝率が低下していた、


というおはなし。

図:安静代謝率の実際

感想:

筋肉落ちないようスクワットは毎日やってるで。

2016年3月20日

飽和脂肪酸は脳卒中予防になるの?


Can dietary saturated fat be beneficial in prevention of stroke risk? A meta-analysis
2016  3月  中国

食事から摂る飽和脂肪酸と脳卒中との関連について過去の研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・47万人の被験者、1万1千人の脳卒中患者を含む15の研究がみつかった。

・飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中リスクは低かった。

・この関連は特に 東アジア人、1日に25g未満、男性、BMI24未満で顕著だった。

飽和脂肪酸を多く摂るほど脳卒中リスクは低下した。これには人種、性別、肥満度が影響し、摂ってよい量には上限があるようだった、


というおはなし。

図:飽和脂肪酸と脳梗塞リスク

感想:

脳出血だけじゃなく脳梗塞予防にもなるんだよね。

これ↓思い出した
【ラクナ梗塞予防】日本人は飽和脂肪酸をたくさん摂るべし

2016年3月19日

脳梗塞でコレステロールを下げるとやがて再発 要介護


Low total cholesterol level is the independent predictor of poor outcomes in patients with acute ischemic stroke: a hospital-based prospective study.
2016  3月  中国

脳梗塞患者のコレステロールが低い場合の長期的な回復度について 大規模に調べてみたそうな。


アテローム血栓性脳梗塞の患者6407人について入院時の総コレステロール値と3,12,36ヶ月後の回復度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・19.6%がコレステロールが低いグループ(157mg/dl未満)で、これは男性に多かった。

・コレステロールが低いグループには高齢、前頭部梗塞、心房細動、喫煙、飲酒、糖尿病、肥満の者が多かった。

・36ヶ月後に要介護または再発した患者はコレステロール低いグループで明らかに多かった。

・この関連は年齢、性別、重症度を考慮に入れても変わらなかった。

・ただし 死亡率と脳卒中後のコレステロール値との有意な関連はなかった。

アテローム血栓性脳梗塞患者がスタチン治療でコレステロールを下げると やがて要介護状態や再発を引き起こすかもしれない、


というおはなし。

図:総コレステロール値


感想:

総コレステロール値157って低めだけど異常ではないよな。

アテローム性の梗塞になった人は 当然のごとくコレステロール下げることに血道になってるだろうし 笑い事じゃないよね、、、、
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに

2016年3月18日

下肢のミラーセラピーをfMRIで観察してみた


The neuronal correlates of mirror therapy: a functional magnetic resonance imaging study on mirror-induced visual illusions of ankle movements.
2016  3月  中国

脳卒中患者へのミラーセラピーは効果的であるとされているが そのメカニズムはよくわかっていない。

そこで下肢のミラーセラピーを脳機能MRIで調べてみたそうな。


健常者5人と左片麻痺の脳卒中患者5人について、

右足首の屈伸運動の鏡像が左足に重なるよう設定し、鏡の有無で脳の活動状況がどう変化するか実験したところ、


次のことがわかった。

・鏡像ありの場合、健常者では両側の運動野に強い活動があった。

・脳卒中患者の場合も同様に、損傷脳側の運動野、後頭部、前頭前部の脳皮質にも明らかな活動を確認した。

足首のミラーセラピーが脳卒中患者の損傷脳側の感覚運動野の活動を促した、


というおはなし。

写真:下肢のミラーセラピー


感想:

ホントかな?と思って原文みたんだけど図貼り間違えてるとしか思えないんだよな、、、

[ミラーセラピー 下肢]の関連記事

2016年3月17日

なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?


Self-rated health and return to work after first-time stroke.
2016  3月  デンマーク

脳卒中のあとの主観的な健康度と復職との関連、および その後の仕事の継続状況を調べてみたそうな。


60歳未満の脳卒中患者590人について、発症後3ヶ月時点での健康度を自己評価してもらい1年後、2年後の復職状況との関連を解析した。


次のことがわかった。

・3ヶ月時点での主観的健康度と1年後 2年後の復職状況は強く関連していた。

・1年後、 50%は復職または求職しながら自活しており、11%は完全退職、39%は療養中だった。

・2年後、 48%が自活(復職or求職中)しており、36%が完全退職、16%が療養中だった。

・3ヶ月時点で療養中だった者の30%は 1年後、2年後には仕事ができるようになっていた。

・3ヶ月時点で復職できていた者の91%は1年後も自活していた。

脳卒中後、仕事ができるようになって自活している者は50%に過ぎなかった。3ヶ月時点での主観的健康度が1-2年後の復職状況に強く関連していた、


というおはなし。

写真:職場復帰

感想:

仕事から完全に退く人が1年間で11%→36%ってことは、差の25% つまり4人に1人は復職できたとしても1年持たない ってことなんだよな。

2016年3月16日

笑いの脳卒中予防効果と 笑い療法士とは


Laughter is the Best Medicine? A Cross-Sectional Study of Cardiovascular Disease Among Older Japanese Adults.
2016  3月  日本

日々の笑いの頻度と高齢者の脳卒中との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の日本人男女2万人あまりにライフスタイルや身体の状態についてアンケート調査した結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・毎日笑う人に比べ ほとんど笑うことのない人の脳卒中の有病率は1.60倍で、

・心臓疾患では1.21倍だった。

毎日笑うことのある高齢者は脳卒中や心臓疾患がすくなかった、


というおはなし。



感想:

数日前やたらニュースになって記者会見まであったので関心をもった。

ようするに病気の人はあまり笑わないってことなんだろけど、

たとえ病気になっても「笑い療法士」がいるから安心。(←動画リンク)

2016年3月15日

自殺を企てたことのある脳卒中経験者の割合は


Factors related to suicidal ideation in stroke patients in South Korea.
2016  2月  韓国

韓国はOECD加盟国中 もっとも自殺率が高い。

そこで自殺念慮をもったことのある脳卒中経験者の割合を調べてみたそうな。


23万人を対象に行われた福祉面談調査の結果に含まれた脳卒中経験者225人のうち 十分なデータが揃っている143人について解析したところ、

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