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2016年3月28日

1ヶ月も経たずに運転始めてしまう脳卒中患者の特徴


Driving in stroke survivors aged 18-65 years: The Psychosocial Outcomes In StrokE (POISE) Cohort Study.
2016  3月  オーストラリア

脳卒中から1ヶ月以内に自動車運転を始めてしまう患者の特徴を調べてみたそうな。


18-65歳で脳卒中になった359人について調査したところ、


次のことがわかった。

・26.7%が発症後1ヶ月以内に自動車運転を再開した。

・彼らの多くは男性で、一家の大黒柱だった。

・うつや疲労の症状は無く、日常生活動作は自立し、復職もしていた。

・また 運転再開を控えるよう言われた記憶もなかった。

脳卒中の発症後 4人に1人が1ヶ月以内に自動車運転を再開していた。この種の問題について誰が責任を持つのかはっきりさせたほうがいい、


というおはなし。
写真:脳卒中の自動車運転

感想:

入院中、病院はこの問題を避けている雰囲気を感じた。こちらから訊いて初めて答えた。答えもあいまいだったな、、、
こんなことまで責任負いたくないんだろうね。

2016年3月27日

脳卒中患者の睡眠の質について


Polysomnographic Characteristics of Sleep in Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠研究は 呼吸障害についてのものが多い。ほかの要素についてはどうなのか調べてみたそうな。


関連するこれまでの研究を厳選し データを統合再解析したところ、


次のことがわかった。

・9件の研究が該当した。

・健常者に比べ脳卒中患者では睡眠効率が低く、 75% vs 84%

・総睡眠時間も短かった。 309.4 vs 340.3 min

・就寝中の覚醒時間が長かった。 97.2 vs 53.8 min

・睡眠ステージ1の時間は長く 13% vs 10%、ステージ2は短かった。36% vs 45%

・REM睡眠時間に差はなかった。

・研究はいずれも発症後早期のもので、慢性期の研究はなかった。

脳卒中患者の睡眠の質はさまざまな点で良くなかった。今後、発症から長く時間の経った患者についても調べる必要があるだろう、


というおはなし。
図:睡眠ポリグラフ
感想:

枕元に紙とペンを置いて 夢日記をつけるようになって1年以上経つ。実生活の役には立たないけど おもしろくてやめられない。

2016年3月26日

牛肉 豚肉 この量までなら脳卒中的にOK


Red Meat Consumption and the Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-analysis of Prospective Cohort Studies.
2016  2月  中国

赤肉(鶏肉や魚肉以外、牛や豚肉)の摂取量と脳卒中との関連については諸説ある。

そこで これまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者2百万人、脳卒中2万1千件を含む7つの研究が見つかった。

・赤肉トータルの摂取量と脳卒中全体、脳梗塞、脳虚血発作は関連があった。

・加工した赤肉の摂取量と脳梗塞に明らかな関連があった。

・非加工の赤肉は脳虚血発作と明らかな関連があった。

・脳出血はどの種類の赤肉とも関連がなかった。

・脳卒中リスクが有意に高くなる摂取量の閾値は、赤肉トータルでは50g/日、加工肉では0g/日、非加工肉では70g/日以上だった。

赤肉 特に加工肉の摂取量が多いほど脳卒中リスクは高くなる、


というおはなし。

写真:加工肉

感想:

少なくとも脳出血リスクは増えない ってことなんだよな。

2016年3月25日

結局、tDCSって脳卒中にいいの?


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。

ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。


tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者748人を含む32の研究がみつかった。

・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。

・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。

脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、


というおはなし。

図:tDCS 経頭蓋直流電気刺激

感想:

頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。

2016年3月24日

耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について


Auricular vagus nerve stimulation promotes functional recovery and enhances the post-ischemic angiogenic response in an ischemia/ reperfusion rat model.
2016  3月  中国

迷走神経への電気刺激は1997年よりてんかん治療に用いられており、損傷した脳神経の回復効果も報告されている。

耳介を走行する迷走神経への電気刺激が 脳梗塞の回復に影響するものか調べてみたそうな。


人為的に右脳を虚血にしたネズミの左耳にパルス状の電気刺激を1回1時間x1日2回x3週間行った。

運動機能、梗塞の体積、脳組織サンプルを分析したところ、


次のことがわかった。

・偽刺激グループに比べ 迷走神経刺激グループの梗塞体積は明らかに小さく、

・運動機能も大きく改善した。

・梗塞周囲の虚血領域での細血管密度が上がり、

・神経成長を促す複数のタンパク質も増えていた。

耳介の迷走神経への繰り返し電気刺激には運動機能改善効果、神経保護効果、血管新生を促す効果があった、


というおはなし。

図:迷走神経刺激と脳梗塞体積


感想:

迷走神経は耳介の裏側と穴の壁を走行している。耳かきが気持ちいい理由だとか。

低周波治療器の電極は脚や肩に貼るよりも 損傷脳と反対側の耳に貼り付けた方が効果的なんじゃないかな、、、、

2016年3月23日

日本人が脳卒中で死なないための食事がわかった


Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study
2016  3月  日本

食事と脳血管疾患リスクとの関連を大規模に調べてみたそうな。


日本全国の男女79600人について生活習慣および食事調査をし 15年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・食事をバランス良く摂っている人は総死亡、循環器疾患死亡、脳血管疾患死亡のリスクが低かった。

・特に、肉、魚、卵、大豆をしっかり摂れている人ほど脳血管疾患死亡リスクが低かった。

バランスの良い食事を心がけている人は脳血管疾患で死亡するリスクが明らかに低かった、


というおはなし。

図:脳血管疾患死亡率


感想:

詳しくは国立がん研究センターの記事で↓
食事バランスガイド遵守と死亡との関連について

2016年3月22日

磁気刺激が脳卒中の神経ネットワークに与えるえいきょう


Shaping Early Reorganization of Neural Networks Promotes Motor Function after Stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者への磁気刺激治療が脳活動にどう影響するのか調べてみたそうな。


発症から16日以内、手に麻痺のある脳卒中患者26人について1回45分の理学療法訓練を5日間行った。

各訓練の直前に5分間のシータバースト磁気刺激を 損傷脳側の運動野に与えた。
比較グループではつむじのあたりを刺激した。

直前、直後、3ヶ月後までの各段階での手の機能、安静時の脳機能MRIを測定したところ、


次のことがわかった。

・運動野へ刺激を受けたグループで握力が明らかに強くなった。

・運動ネットワーク結合度と手の機能回復には関連があり、

・特に比較グループで両半球間および半球内の結合性が低下した。これは運動野刺激グループには見られなかった。

脳卒中患者への理学療法訓練の直前にシータバースト磁気刺激を追加することで運動ネットワークの質の低下を食い止めたのかもしれない、


というおはなし。

図:結合度変化iTBSによる


感想:

最近ネットワーク評価おおい。たぶんデータ取得が異常に簡単で あとはソフトウェアの力だけで表現の自由度の高いグラフィカルな結果が得られるとこがウケてるんだと思う。
ディフュージョンテンソル描画も同じで、、、

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