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2016年11月28日

パラフィンセラピーは痙縮に効く?


Reduction in spasticity in stroke patient with paraffin therapy.
2016  11月  中国

パラフィンセラピーは温熱療法の一種で 溶かした蝋(ろう)に患部を浸す。

脳卒中後の痙縮に効果があるか調べてみたそうな。


上肢痙縮の脳卒中患者52人をパラフィンセラピーとプラセボにグループ分けした。

パラフィンセラピーでは仰向け患者の肩から手を42-45℃の蝋で30分間パックする。

これをほぼ毎日4週間継続し上肢の痙縮度 疼痛 運動機能を評価したところ、

2016年11月27日

帯状疱疹の位置とタイミング脳卒中の種類が判明


Risk of Stroke after Herpes Zoster - Evidence from a German Self-Controlled Case-Series Study.
2016  11月  ドイツ

帯状疱疹は幼少時に感染した水ぼうそうウィルスの再活性化によって生じ、脳梗塞や脳出血につながる血管障害の原因となることがある。

帯状疱疹の位置とおきやすい脳卒中の種類や時期を調べてみたそうな。


ドイツ2000万人を対象とした薬剤疫学研究データベースを使って調査したところ、


次のことがわかった。

・124462人の脳卒中患者のうち5%が帯状疱疹の診断を受けたことがあった。

・帯状疱疹後3ヶ月間の脳卒中リスクは通常の1.3倍 脳梗塞リスクも同じくらいで、

・脳出血リスクは1.5倍だった。

・特に眼部帯状疱疹で脳卒中リスクが高かった。

・脳卒中リスクは帯状疱疹発症後3-4週間でピークになり そのご減少した。

脳卒中リスクの上昇は帯状疱疹後3-4週間がもっとも高かった。とくに眼部帯状疱疹でリスクが高く脳梗塞よりも脳出血が多かった、


というおはなし。

図:帯状疱疹と脳卒中

感想:

帯状疱疹ネタいくつかあったけど やっと詳しいものがでたって感じ。

2016年11月26日

脳卒中後の骨折リスクが明らかに


Risk of fractures after stroke
2016  11月  カナダ

脳卒中はのちの骨密度の低下や転倒と関連が高く、骨折のリスクが高まると考えられている。健常者にくらべ骨折リスクが4倍に達するとの報告もある。

実際のところどうなのかTIAの場合についてもしらべてみたそうな。


2003-2012カナダの脳卒中患者データベースを使って脳卒中から24ヶ月間の骨折関連情報を抽出し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3万4000人あまりの患者記録から、骨折率は脳卒中で5.7%、TIAは4.8%、健常者4.1%だった。

・脳卒中経験者の骨折リスクはTIAに比べ1.32倍、健常者の1.47倍だった。

・骨折関連要因は、高齢、女性、中等度の障害、骨粗しょう症などだった。

脳卒中は骨折リスクの増加と関連する。 脳卒中で骨折のリスク要因を有する患者には骨密度検査と骨折予防治療が必要かも、、


というおはなし。

図:脳卒中後の骨折リスク

感想:

ぜんぜんたいしたことないのね。もっと骨折しまくりかとおもってた。

2016年11月25日

前庭電気刺激は半側空間無視にほんとうに効くのか


Effects of repetitive galvanic vestibular stimulation on spatial neglect and verticality perception-a randomised sham-controlled trial.
2016  11月  ドイツ

脳卒中で右脳を損傷すると左方の半側空間無視を示すことがある。さらに垂直方向への感覚も障害をうける。

直流電流による前庭神経への刺激で半側空間無視が改善するという報告があるが 詳しい研究が少ないので検証してみたそうな。


前庭感覚電気刺激:GVS(Galvanic Vestibular Stimulation)は左右の耳の後ろに電極を付け微弱な電流でプラス極側に身体が傾いたと感じる現象を指す。

右脳損傷で半側空間無視の患者24人について、次の3グループに分けた。
*左にマイナス極
*右にマイナス極
*偽刺激

1.5mAの電気刺激を1回20分間x週5回で10-12セッション行ったのち、空間探索能力、視覚垂直位、触覚垂直位の改善度を4週間後までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・いずれのグループも無視症状はあまり改善されなかった。

半側空間無視の脳卒中患者に前庭感覚電気刺激のランダム化比較試験を行ったが効果を確認できなかった、


というおはなし。
図:前庭感覚電気刺激と半側空間無視

感想:

16日のためしてガッテンに阪大教授がきてGVSのデモやってた。被験者の反応がおおげさすぎて興ざめ。
空気を読む力が試される実験であると確信した。

これ↓思い出した。
半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた

前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!

2016年11月24日

リハビリは病院と自宅どっちが効果的なの?


Comparison of Two Post-Stroke Rehabilitation Programs: A Follow-Up Study among Primary versus Specialized Health Care.
2016  11月  スペイン

脳卒中患者のリハビリを自宅で行うものと病院外来の場合とでその効果のちがいをくらべてみたそうな。


145人の脳卒中患者を自宅グループと病院外来グループに分けた。

両グループともにリハビリセッションを週に2-3回おこなった。
自宅グループには療法士と医師のチームを派遣し、患者の生活状況を考慮したリハビリを行った。

これ以上の改善はないと医師が判断するか 患者が希望した時点でリハビリを終了した。


次のようになった。

・両グループともに日常生活動作があきらかに改善した。

・平均セッション回数は 21 vs. 29 で自宅グループが少なかったが、

・回復度は自宅グループのほうが優れていた。

自宅ベースの脳卒中リハビリは少なくとも病院外来リハビリと同程度に効果的だった、


というおはなし。

図:自宅リハと外来リハ

感想:

回復の程度は病院固有の設備や器具にはまったく依らないってことなんだな。

2016年11月23日

血管性認知症 血圧と年齢との関連


Blood Pressure and Risk of Vascular Dementia
2016  5月  イギリス

血管性認知症はTIAや脳卒中がきっかけで発症し 認知症原因の第2位を占める。

高血圧は脳卒中のリスク要因であるいっぽう、血圧の低い高齢者は認知症リスクが高いとする報告がある。

そこで血圧と年齢、血管性認知症との関連を大規模に調べてみたそうな。


428万人健康情報データベースを使って解析したところ、


次のことがわかった。

・7年間に11114件の血管性認知症事例があった。

・血圧にたいする認知症リスクの上昇度は 年齢が高くなると低下した。

・高齢者の血圧と認知症リスクの逆相関は確認できなかった。

TIAや脳卒中のあと 血圧は70歳以下での血管性認知症のあきらかなリスク要因だった。しかし高齢者の血圧と認知症の逆相関は認められなかった、


というおはなし。
図:血圧と血管性認知症と年齢

感想:

グラフみると71-90歳の収縮期血圧120あたりのHRが爆上げ状態にみえる。けど統計学的には意味がないんだって。

2016年11月22日

脳卒中経験者にPM2.5 長期死亡率は、、


Effect of Exhaust- and Nonexhaust-Related Components of Particulate Matter on Long-Term Survival After Stroke.
2016  11月  イギリス

大気汚染が脳卒中の発症リスクになるという報告は数多くある。

そこで大気汚染が脳卒中経験者の長期死亡率にも影響するものか調べてみたそうな。


ロンドン脳卒中患者データベースの1800の患者事例をつかって 浮遊粒子状物質PM2.5,PM10と死亡率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・PM2.5に曝された脳卒中経験者の5年内死亡率は明らかに上昇した。

・特に脳梗塞で高く、前方循環梗塞で2倍、ラクナ梗塞では1.78倍だった。

・PM10でもラクナ梗塞患者の死亡率は1.45倍になった。

・汚染源を排気系、非排気系に分けると死亡率上昇は見られなかった。

脳梗塞のあと大気汚染物質PM2.5に曝されると死亡率が上昇する、


というおはなし。

図:大気汚染と脳卒中経験者の死亡率

感想:

黄砂現象も影響しうるってことだよな。
中国からの飛来物質が原因と思われる脳梗塞被害が福岡で多発!

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