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2017年2月7日

脳卒中の女性は代替医療を好む


Gender-based differences in mortality and complementary therapies for patients with stroke in Taiwan.
2017  1月  台湾

女性の脳卒中予後は悪い、いや男女同じだ、女性のほうが良い、などさまざまな報告がある。

台湾での脳卒中予後の男女差と関連要因をしらべてみたそうな。


2009-2013台湾衛生福祉局の患者データベースをつかって解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中関連の入院患者12万人、外来患者62万人の記録がみつかった。

・脳卒中死亡率と医療コストは男性が高く、特に50歳未満で顕著だった。

・既婚女性は既婚男性よりも死亡率があきらかに低かった。

・西洋医学に鍼や漢方薬を組み合わせることに女性のほうが明らかに好意的だった。

・伝統中国医学を組み合わせたほうが西洋医学のみよりも死亡率が低かった。

台湾では脳卒中関連死亡率は男性のほうが高かった。結婚や性ホルモンが女性をまもるのかもしれない。また、女性のほうが代替医療を志向していた。西洋医学の治療と鍼や漢方薬の組み合わせが効果的なのかも、


というおはなし。
図:脳卒中死亡率の男女比


感想:

女性のほうが予後良しとするはなしはあまりきいたことないな。

2017年2月6日

脳内出血の48時間致命率の年代推移


Temporal trends in early case-fatality rates in patients with intracerebral hemorrhage
2017  1月  フランス

この数十年間で脳梗塞の発生率は減少傾向にあるのに脳内出血はそうはなっていない。

脳内出血の致命率の年代推移を48時間 30日間で区切ってしらべてみたそうな。


1985-2011の脳内出血患者531人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・30日致命率は この間に40.9%→29.6% へ徐々に低下した。

・1ヶ月内死亡の43.6%は48時間以内に起き、この比率は全期間通じて変わらなかった。

過去27年間で脳内出血の30日致命率はあきらかに低下した。いっぽう48時間致命率はなんの改善もなかった、


というおはなし。

図:

感想:

まったく進歩がないってことは、二日間は実質的に 特別なことはなにもやっていないんだろね。

2017年2月5日

片麻痺のアームスリングは"害" 使わないほうがいい


A randomized controlled trial on the immediate and long-term effects of arm slings on shoulder subluxation in stroke patients.
2017  1月  ベルギー

脳卒中で片麻痺患者の肩関節の亜脱臼をふせぐために腕吊り(スリング)がよく使用される。

しかしその効果はよくわかっていないので実験してみたそうな。


重度の上肢麻痺の脳卒中患者28人を次の3グループに分けた。

*スリング1(商品名:Actimove,BSN medical社)
*スリング2(商品名:Shoulderlift,V!GO社)
*スリングなし

6週間使用して、肩関節の間隙mm、痛み、関節可動域、痙縮度、運動機能を比較したところ、


次のことがわかった。
・スリングによる肩関節の間隙の補正度は時間が経つにつれ低下した。

・脱臼程度をしめす肩峰と上腕骨頭までの距離があきらかに縮まったのはスリングなしグループのみだった。

・スリング1では安静時の痛みが増加した。

・スリング1,2で関節可動域が減少した。

スリングは片麻痺の肩の亜脱臼の治癒を妨げる。スリングを使用しないほうが治りは早いようだ、


というおはなし。

図:片麻痺スリング

感想:

スリングは「肩が痛い!」と文句を言う患者を病院にいるあいだだけ黙らせるためのツールなんだろな。

2017年2月4日

太ももの裏をサワサワするとリハビリがはかどる


Effect of sensory training of the posterior thigh on trunk control and upper extremity functions in stroke patients.
2017  1月  トルコ

脳卒中患者への触覚刺激が運動機能の回復をうながすとする報告がいくつかある。

実験で確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中患者26人を触覚トレーニングと比較グループに分けた。

触覚トレーニングでは患者の両腿のうしろを次の方法で刺激する。

*トゲトゲボールをやさしくころがす。
*バイブレータで振動刺激をあたえる。
*硬さのことなるスポンジでこする。
*電気刺激をあたえる。

これら刺激の組み合わせを1回45分間、2週間で計10セッション行った。

両グループに通常のリハビリも施し、体幹、上肢、肩、バランス、ADL、触覚能力の評価を行ったところ、


次のようになった。

・セッション終了後、触覚トレーニングの患者で座位での上肢前方リーチ課題のスコアが明らかにすぐれていた。

・触覚トレーニングから10日後、生活自立度の向上も確認できた。

・触覚能力にグループ間の差はなかった。

ふともも裏への触覚刺激トレーニングを脳卒中リハビリに追加するべき、


というおはなし。
図:脳卒中の触覚トレーニング

感想:

こういう考え方は ボバース法に通じるところがあるんだって。

2017年2月3日

Stroke誌:これ エビデンス? 早期リハビリの...


Impact of Rehabilitation on Outcomes in Patients With Ischemic Stroke
2017  1月  日本

脳卒中患者のリハビリを開始するタイミング、リハビリ量と日常生活動作ADL改善度との関連をしらべてみたそうな。


日本の診断群分類包括評価DPCデータベースから2012-2014にリハビリを受けた脳卒中入院患者10万人ぶんの記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・ADL改善度は、入院から3日以内にリハビリを開始し かつ

・1日5単位以上こなした患者で有意に高かった。

早期の集中的リハビリテーションが脳卒中患者のADLを改善した、


というおはなし。


感想:

おかしいなぁ "早期リハは効果なし" がトレンドなのに、、と思って目を通すと

いちばん最後に数行、
『今回使用したデータベースには患者の重症度の情報は含まれていない』って書いてある。
図:エビデンスの作り方

ショックを受けた。

圧倒的多数を占める軽症の患者ほどおおくのリハビリに耐えられるのだから、重症度を無視したらリハビリ量とADL向上度が相関するのは当然だろう。調べるまでもない。


それ以前に バーセルインデックスの差分を比較することにどれほどの意味があるのか。

2017年2月2日

ビタミンBサプリ 再発防止のエビデンス


Meta-analysis reveals protective effects of vitamin B on stroke patients.
2015  8月  中国

ビタミンB(B6,B9,B12)には動脈硬化の原因となる血中ホモシステインを低下させる働きがあり脳卒中予防に有効であるとする報告が数多くある。

いっぽうで脳卒中になったあとでのビタミンBサプリメントの効果については結論がでていない。そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


ビタミンBサプリメントの脳卒中治療に関する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・7474人の脳卒中患者を含む12の研究がみつかった。

・ビタミンBサプリメントはあきらかに血中ホモシステインを低下させ、

・脳卒中の再発や心筋梗塞による死亡が減少した。

・好意的結論のみが公表される偏り(バイアス)はみられなかった。

ビタミンBサプリメントを脳卒中患者の正規の治療に加えてもいいのではないか、、


というおはなし。
図:

感想:

これまでの [ビタミンB関連記事] をみなおした。

2017年2月1日

脳卒中患者がTimed Up and Goをイメージする能力


Evaluating the Effect of Cognitive Dysfunction on Mental Imagery in Patients with Stroke Using Temporal Congruence and the Imagined 'Timed Up and Go' Test (iTUG).
2017  1月  フランス

運動イメージは脳卒中のリハビリに深く関わっていて、その能力は実際の運動に要した時間とイメージの時間とのズレで評価できる(Temporal Congruence:TG)。

歩行動作について運動イメージ能力をしらべてみたそうな。


脳卒中患者20人と健常者20人について、
タイムアップアンドゴーテスト:TUG(椅子から立ち上がってひとまわりしてまた座るまでの時間計測)
の実動作とイメージに要する時間(iTUG)をそれぞれ測定した。

運動イメージは、動作を感覚的にとらえる方法と1人称または3人称視点で視覚的に描く方法のいずれでもよしとした。

TG(%)=(TUG-iTUG)/((TUG+iTUG)/2)x100 と定義した。

認知機能テストもおこない関連を解析したところ、


次のようになった。

・運動イメージ能力のズレの大きさTGは脳卒中患者で45%、健常者で24%だった。

・イメージに要した時間iTUGは注意力を測るBells Test スコアと正の相関があった。

脳卒中リハビリに運動イメージ訓練を応用するばあい、患者の注意障害の可能性を考慮するひつようがあるだろう、


というおはなし。

図: temporal congruence

感想:

この↓はなしに似ているとおもった。
重度感覚麻痺がイメージ能力に及ぼす影響とは

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