~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2011年10月5日

脳卒中 縮む余命は 約10年


Premature mortality due to stroke and trend in stroke mortality in Japan (1980-2005).
2011  10月  日本

日本人の脳卒中による損失生存年数を調べたそうな。


1980-2005の脳卒中死亡率をWHOデータベースから取得し解析した。


この間、脳卒中死亡率は男性で68%、女性が74% 低下した。

年毎の損失生存年数平均値
(ある健康リスク要因が短縮させる余命年数)は、

以下のとおりだった。


男性
1980→20.6
1995→11.2
2005→11.7


女性
1980→19.4
1995→10.5
2005→10.5



というおはなし。

図:脳卒中患者の余命男女



感想:

意外に少ない と感じた。

たとえ脳卒中で死んだとしても、すでに十分に長生きしている人が多い、ってことなんだと思う。

2011年10月4日

HALを片麻痺患者の歩行訓練に使ってみた


Efficacy of a hybrid assistive limb in post-stroke hemiplegic patients: a preliminary report.
2011  9月  日本



ロボットスーツHALを使った脳卒中片麻痺患者の

歩行訓練効果を調べたそうな。




16人の片麻痺患者で試したところ、

12人がHAL装着後歩行スピードが

著しく低下した。




HALで効果を得るためには

事前にある程度歩行ができるようになっている

必要があることがわかった。




もうちょっと研究すれば

HALが歩行リハビリに役立つようになるかも知れない、


というおはなし。








感想:

このリハビリ手法の目的は、

片麻痺患者の歩行をHALがアシストして

たくさん歩行できる機会を作り、

それが神経の可塑性を促して、

やがては自力で歩行できるようになること

を期待する点にある  と考える。




ところが現実は、

患者側にHALに対する非常に高い順応力が求められる。



その歩行は危なっかしくて理学療法士が

常に付きっきりでいなくてはならない。


この状況は簡単には改善されないと思う。





手すりでも付けたトレッドミル訓練の方が

患者を選ばず、安全性も高く、療法士の負担も軽く、


多くの点ではるかに ずっと優れているだろう。




追記:

HALリハビリ 期待外れだった

2011年10月3日

いつも満腹食べていると、治る脳梗塞も治らなくなる


Calorie restriction and stroke.
2011  9月  オーストラリア




動物実験では、食事のカロリー制限や断食によって

寿命が伸びたり病気にかかりにくくなったりすることが知られている。


脳梗塞患者へのカロリー制限がもたらす影響について考えてみたそうな。




マウスの実験では、

脳梗塞前のカロリー制限によって

神経保護を促すタンパク質やホルモンの増加が見られ、


結果として脳組織への白血球の侵入やグリア化を防ぐことができ、

脳細胞の壊死を抑えることができた。


ただしこの効果は高齢になるほど小さくなった。





食事のカロリー制限が脳梗塞治療に

活かせるようになる日が来るかもしれない、


というおはなし。





感想:

病院食の量が少なくて

いつもお腹が空いていたのにもわけがあった。

なるほど。




写真:脳梗塞のカロリー制限効果

2011年10月2日

“元気・やる気”がリハビリテーションによる運動機能回復と関連することを脳科学的に証明


“元気・やる気”がリハビリテーションによる運動機能回復と
関連することを脳科学的に証明

2011  9月  日本



神経損傷後のうつ症状が運動機能回復の妨げになっていたことを、

サルを使った実験で明らかにすることが目的。



脊髄損傷後のサルの脳を調べたところ、

やる気を司る部位と、運動機能を司る部位との間に

強い関連が見られた、とのこと。




神経損傷後の運動リハビリには、

やる気を維持するための心のサポートが必要であろう、



という ありがたいお話。






感想:

科学の進歩は凄まじい。

いつの間にかサルの 気持ち までわかるようになっている。



動物愛護団体の思うツボと思う。





そのうちサルが市民権を得るようになって…
写真:サルの気持ち

2011年10月1日

触覚が回復してくると手も動くようになる


Increase in Sensorimotor Cortex Response to Somatosensory Stimulation Over Subacute Poststroke Period Correlates With Motor Recovery in Hemiparetic Patients.
2011  9月  アメリカ



片麻痺患者の運動機能回復と

触覚との関係を調べたそうな。




10人の片麻痺患者について、

発症後1年間、


麻痺側の指への触覚刺激に対する反応を

ファンクショナルMRIで確認し、

ついでに運動機能の回復具合を調べた。




その結果、

触覚刺激への反応の増加と

運動機能の回復具合との間に強い関連が見られた。





亜急性期の脳卒中患者では、

触覚(体性感覚)の回復が

運動機能の回復につながるのではないか、


というおはなし。






感想:

そのとおり、と思う。


体性感覚が無いと、自らが起こした運動の結果を

頭の中のイメージと結びつけることができず

いつまでたっても動作を身につけることができない。




でも、

この体性感覚の無さは視覚で補うことが出来ると思う。




感覚運動野と体性感覚野

2011年9月30日

隣近所が貧乏人ばかりだと脳梗塞になりやすい


Neighborhood Disadvantage and Ischemic Stroke: The Cardiovascular Health Study (CHS).
2011  9月  アメリカ



住んでいる地域の人々の経済的状態が

脳梗塞に及ぼす影響をしらべたそうな。



65歳以上の、白人3824人、黒人785人について、

居住地域の社会経済的状況を調査し、解析した。



その結果、

社会経済的に恵まれない地域に住んでいる白人は

脳梗塞になる危険性が、

豊かな地域の白人に比べ3割増しになった。



一方、黒人ではこのような関連はまったく見られなかった。





白人のみに見られる脳梗塞と貧困地域との関連は

行動学上の理由というよりは

生物学的な要因によるものと考えられる、   



というおはなし。








感想:

もともと社会経済的に厳しい状況を強いられてきた黒人は

ストレス耐性が高くなっている、 というだけの話と思う。


こういった背景も考慮に入れているんだろうけれども、


それを生物学的要因に帰着させようとする姿勢に 

人種差別を感じる。

2011年9月29日

PTの時間に太極拳教えてくれたらよかった


Community-based Yang-Style Tai Chi is safe and feasible in chronic stroke: a pilot study.
2011  9月  アメリカ



脳卒中リハビリへの太極拳の応用について調べたそうな。


50歳以上、発症後3ヶ月以上の脳卒中患者について、

週3回の楊式太極拳トレーニング(50分/回)に12週間参加させた。


その結果、


途中脱落する者もほとんど無く、

転倒や体調を崩す者もいなかった。


回復具合も悪くなく、参加者の満足度は非常に高かった。




理学療法の代わりに太極拳はいいかも、

というおはなし。



楊式太極拳




感想:

これは現場に取り入れて欲しい、と思う。


科学的根拠に乏しいという点では

促通理論とドッコイドッコイだけど


太極拳にはとても長い歴史がある。

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *