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2016年11月7日

脳内出血の予後に男女の違いはあるのか


No sex differences in long-term functional outcome after intracerebral hemorrhage.
2016  11月  ドイツ

脳内出血の予後は年齢、血腫の位置や体積、抗凝固薬の使用、脳室内出血などでおおきく変わる。しかし性差については諸説あり研究もおおくない。

そこで脳内出血患者の短長期的死亡率 予後不良率の男女の違いを調べてみたそうな。


脳内出血患者823人を1年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・女性患者の年齢は男性よりも平均3歳高く、男性は血腫位置が深かった。

・3ヶ月後の死亡率は42% vs. 35% で女性が高かったが、

・予後に関連する因子を考慮にいれると、3ヶ月 12ヶ月後の死亡率、予後不良率ともに差がなくなった。

脳内出血の予後に男女の違いはなかった。女性が予後不良がちなのは年齢のせいだった、


というおはなし。

図:脳内出血1年後の生活自立度


感想:

そういえば肥満パラドックスも年齢のせいだって言ってたな。(おでぶほど若くして脳卒中になるから回復がいい)

2016年11月6日

抗血小板薬つかってる人の脳内出血って酷いの?


Does prior antiplatelet therapy influence hematoma volume and hematoma growth following intracerebral hemorrhage? Results from a prospective study and a meta-analysis.
2016  11月  スペイン

脳内出血での血腫の大きさやその増大は予後の指標になる。
特に抗凝固薬の使用者では血腫体積と血腫増大リスクが明らかに高くなることがわかっている。

抗血小板薬ではどうなのか 調べてみたそうな。


平均年齢73、突発性の脳内出血患者223人について調査した。
血腫増大は発症からおよそ3日間に33%もしくは12.5mL以上と定義した。

また、過去の研究をメタ解析した。


次のようになった。

・33.2%の患者が抗血小板薬を使用していた。

・抗血小板薬使用者の入院時血腫体積は大きかった。

・37.7%に血腫増大が認められたが抗血小板薬の使用と関連がなかった。

・関連する7件の過去の研究データを統合 再解析したところ、抗血小板薬の使用者は血腫増大があり、回復も良くなかった。

抗血小板薬を使用していた脳内出血患者の血腫は大きかった。過去の研究をまとめると抗血小板薬は血腫増大リスクにも関連していた、


というおはなし。
図:抗血小板薬と血腫増大リスク

感想:

みんなくすりの良いところしか語らないからねぇ、、

2016年11月5日

水素水が脳卒中に効くはほんとうか?


Hydrogen does not Exert Neuroprotective Effects or Improve Functional Outcomes in Rats After Intracerebral Hemorrhage.
2016  11月  日本

脳卒中が原因の活性酸素は脳血液関門を傷つけ ついにはDNAを破壊する。通常、活性酸素除去にはエダラボンを用いるが その効果は今ひとつである。

近年 水素ガスや水素水による細胞保護効果が多くの疾患で報告されている。そこで 脳内出血での水素治療を実験してみたそうな。


63匹のネズミの脳尾状核に血液を注入して脳内出血状態にし 4グループに分けた。

・手術のみ
・脳内出血のみ
・脳内出血+水素ガス
・脳内出血+水素水(静脈注射)

水素治療を3日間継続し、運動機能、脳組織の水分含有量、酸化ストレスを比較したところ、


次のことがわかった。

・水素治療グループで酸化ストレスマーカーである8-OHsGが減少した。

・しかし脳組織の水分含有量は減少せず

・運動機能の改善もみられなかった。


脳内出血ネズミへの水素治療には神経保護効果が認められなかった、


というおはなし。
図:水素の脳卒中治療効果

感想:

参考文献リストみると日本人めっちゃおおい。水素好きは国民性なのか?

2016年11月4日

降圧薬が認知症を加速する やめてもええんか?


Antihypertensive withdrawal for the prevention of cognitive decline.
2016  11月  オランダ

降圧薬治療の心血管疾患予防効果ははっきりしている。そのいっぽうで認知機能に与える影響は明らかでなく、降圧薬治療が認知症を加速させるという研究結果もある。

降圧薬をやめれば脳への血液循環が元に戻り認知機能の低下を抑えることが期待できる。しかし脳血管障害が原因の認知症になる可能性が高くなる。

そこで 降圧薬を少なくとも1種類やめた場合の影響を過去の研究から調べてみたそうな。


次のことがわかった。

・被験者2490人を含む信頼性の高い2つの研究がみつかった。

・1つは降圧薬をやめて認知スコアが上がったという研究で、急性脳卒中後の患者を対象にしているため一般化が難しかった。

・もう1つの研究では降圧薬の中止により血圧が上昇した。

・両研究ともに降圧薬の中止で死亡率は上がらなかったが 心血管疾患はやや増える傾向にあった。

降圧薬治療をやめたときの認知機能への影響と認知症予防効果については結論はでなかった、


というおはなし。

図:降圧薬の中止と有害事象

感想:

これだけ世の中で使われてて結論でないってことは大した差はないんだろうな。

わたしが降圧薬をやめた理由は頻尿。
2015年にきっぱりとやめた。頻尿は瞬時になおった。今朝寒かったけど血圧は127/95。

2016年11月3日

ミラーセラピー vs 神経筋電気刺激 vs 理学療法


Comparison of the effects of mirror therapy and electromyography-triggered neuromuscular stimulation on hand functions in stroke patients: a pilot study.
2016  12月  トルコ  

ミラーセラピーと神経筋電気刺激の上肢リハビリ効果を比べてみたそうな。


平均年齢58、発症5ヶ月前後の脳卒中で上肢麻痺の患者24人を、
ミラーセラピー、神経筋電気刺激、通常リハビリ(理学療法)のみの3グループに分けた。

1回30分x週5日x3週間の治療をおこなった。

ミラーセラピーグループのみ自宅へも持ち帰り訓練を続けた。


次のことがわかった。

・手首の伸展範囲と握力について 通常リハビリグループはまったく改善がなかった。

・ミラーセラピーと神経筋電気刺激グループでは上肢運動機能と握力、手首可動域に改善が見られた。

・さらにハンドスキルはミラーセラピーのほうが神経筋電気刺激よりも明らかに向上していた。

ミラーセラピーは通常リハビリに優れているばかりか神経筋電気刺激よりも効果的かもしれない。これはミラーセラピーが自宅へ持ち帰り可能だからではないか、、


というおはなし。
図:Adnan Menderes University

感想:

ミラーセラピーのようにいまだ効果のさだかでない治療法であっても、長時間取り組むことができさえすれば標準治療や先端機器治療をしのぐことができる
ってことなのかね。

2016年11月2日

エナジードリンク飲んだ直後に脳内出血


Hemorrhagic stroke after consumption of an energy drink.
2016  10月  アメリカ

エナジードリンクと脳内出血との関連が強く疑われる事例があったそうな。


・57歳男性が右上下肢の運動失調と感覚麻痺で病院に運ばれてきた。

・彼には3年前に脳内出血の経験があったが障害は残っていなかった。

・入院時血圧は187/119 mm Hgで、CTで左脳の視床に1-2センチの血腫がみつかった。

・患者いわく『レッドラインというエナジードリンクを初めて飲んだ15分後に症状が起きた』とのこと。

・2日後、症状が軽くなったので退院した。

・3ヶ月後に電話フォローしたところ身体バランス問題と右上下肢のしびれが残っていた。

エナジードリンクにはカフェインの他 強い興奮作用を持つ多くの物質が含まれている。どの成分が影響したのかは不明だが注意が必要だろう、


というおはなし。
図:エナジードリンクで脳内出血

感想:

眠眠打破はよく飲んでた。空き瓶を机に並べては仕事ガンバってるアピールをしたものだった。

2016年11月1日

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報


Early Intensive Rehabilitation Intervention Raises the Risk for Death in Severe Stroke
2016  10月  オーストラリア

超早期リハビリテーションの安全性を調べた臨床試験(AVERT)の続報が先週インドの世界脳卒中会議であったそうな。


脳卒中患者2104人を超早期リハビリグループと通常ケアグループに分けた。

超早期リハビリは発症から24時間以内に患者をベッドから引きずり出し 立ったり座ったりの訓練を1日3セット以上 ほぼ毎日14日間継続した。


次のようになった。

・死亡者の割合は 4.6% vs. 3.0%で超早期グループが高く、通常ケアグループよりも1.76倍死んでしまいやすかった。

・主な死因は脳卒中の悪化で超早期グループに倍ちかく多かった。

・血栓溶解治療の有無は関連がなかった。

早期リハビリが流行っているけど ちょっと危な過ぎるんじゃない?


というおはなし。

図:世界脳卒中会議2016


感想:

これ↓思い出した。
超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

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