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2017年3月31日

糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由


Diabetes mellitus and the risk of aneurysmal subarachnoid haemorrhage: A systematic review and meta-analysis of current evidence.
2016  12月  中国

さいきん糖尿病がクモ膜下出血リスクの低下と関連があるとする報告がいくつかでてきた。

はたしてそうなのか、これまでの研究を再検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血と糖尿病に関係する研究を厳選して データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・18の研究がみつかり、このうち6件は日本のものだった。

・全体的に糖尿病があるとクモ膜下出血リスクが低かった。

・研究の質にはバラつきが小さくなく、

・特にハイクオリティな研究でクモ膜下出血のリスク低下が大きかった。

一部の質の高い研究で 糖尿病が脳動脈瘤の破裂リスクを低下させる可能性が示された。原因をたしかめるべくさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:糖尿病とクモ膜下出血リスク

感想:

動脈瘤に貼り付いたアテロームのおかげで破れにくくなるのではないか、、、って言ってる。

歯に自信のある爺さんが数十年ぶりに歯医者に行き ながねん積もらせた歯石をぜんぶ取ってもらったところ すぐにぜんぶの歯が抜けてしまった、という話を思い出したよ。

2017年3月30日

脳卒中を防ぐヨーグルトの量がわかった


Consumption of Yogurt and the Incident Risk of Cardiovascular Disease: A Meta-Analysis of Nine Cohort Studies.
2017  3月  中国

乳製品と脳卒中など心血管疾患との関連についてまとめた研究はあるが、ヨーグルトに特化したものはまだない。

これまでの研究からヨーグルトの摂取量と心血管疾患との関連をしらべてみたそうな。


関係する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・全体として、ほとんど摂らないグループに比べもっとも多く摂るグループの心血管疾患リスクには差がなかった。

・しかし摂取量が1日あたり200gを超えるグループに限定すると心血管疾患リスクは明らかに低く、

・より多く摂るほどそのリスクはさらに低くなった。。
ヨーグルトは毎日200g以上摂ると心血管疾患の予防効果が期待できる、


というおはなし。
図:ヨーグルト摂取量と脳卒中リスク

感想:

200グラム、、ありえない量ではないな。

[ヨーグルト]の検索結果。

2017年3月29日

アスピリンでクモ膜下出血を予防できるはほんとうか


Aspirin and Risk of Subarachnoid Hemorrhage
Systematic Review and Meta-Analysis

2017  3月  オーストラリア

さいきん抗血小板薬のアスピリンがクモ膜下出血を予防するという噂がまことしやかに語られている。ほんとうかどうか、これまでの研究を検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血とアスピリンに関する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・7つの研究がみつかった。

・全体としてアスピリン使用者と非使用者でのクモ膜下出血リスクに差はなかった。

・ただし3ヶ月未満の使用に限っては、クモ膜下出血リスクが明らかに上昇した。

・3ヶ月以上 さらに3年以上の使用ではリスクの差はなかった。

・週2回以下、週3回以上の頻度別にわけてもリスクの差は確認できなかった。

これまでの研究によると、アスピリンは使い始めの3ヶ月間にクモ膜下出血のリスクが高くなった。長期使用 低用量での予防効果も確認できなかった、

というおはなし。
図:アスピリンとクモ膜下出血


感想:

毒をもって毒を制す?

最初の3ヶ月間アスピリンの攻撃をのりきった患者には、過剰耐性を獲得して血管がやぶれにくくなる者が現れる...ってことか。

2017年3月28日

脳卒中で幻覚がおきる患者の割合と特徴


Visual hallucinations in patients with acute stroke: a prospective exploratory study.
2017  3月  スペイン

視覚に関係する脳内の経路は多岐に及んでいることから脳卒中で幻覚が生じる可能性は低くない。しかし脳卒中患者の幻覚についての報告はこれまであまりないので、くわしくしらべてみたそうな。


発症から24時間以内の急性期脳卒中(脳梗塞、脳出血)患者77人について調査したところ、


次のことがわかった。

・13人 16.7%で幻覚がおき、10人は3日以内に経験していた。

・幻覚は1日以上続かず、すべて自然に治まっていた。

・幻覚内容のおおくは複雑で白黒の映像だった。

・幻覚の有無は年齢、性別、重症度によらなかった。

・脳の病変が後頭部にある場合や入院前に睡眠障害があるケースで幻覚がおおかった。

急性期脳卒中の幻覚はめずらしくなく自然に治っていた。後頭葉の損傷や睡眠障害で幻覚がおきやすかった、


というおはなし。
図:幻覚をみた脳卒中患者

感想:

数日後、ベッドのテーブルからたくさんの小さな虫が湧き出てくる幻覚をみたよ。あと幻肢も。

2017年3月27日

再発予防にワルファリンをすすめられた日本人の末路


Clinical Features and Prognosis in Patients with Atrial Fibrillation and Prior Stroke: Comparing the Fushimi and Darlington AF Registries.
2017  3月  日本

心房細動患者の脳卒中の特徴は民族によって異なるという。

脳卒中経験のある心房細動患者を日本人とイギリス人でくらべてみたそうな。


京都 伏見の患者688人とイギリス ダーリントンの患者428人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・日本人患者の年齢はとても若く、女性がすくなかった。

・心原性脳塞栓症の可能性を示すCHA2DS2-VAScスコアは日本人が低かったが、

・抗凝固薬を処方された患者は日本人のほうがはるかに多かった。

・日本人の再発率は明らかに低かったが 総死亡率は著しく高かった。

脳卒中歴のある心房細動患者の再発率はイギリス人のほうが高かったが、抗凝固薬を使っている患者は少なかった。日本人は再発率は低かったが 総死亡率は高かった、


というおはなし。
図:心房細動 死亡率 日本

感想:

まとめると、

再発予測スコアが低くても積極的にワルファリンを与えられる。

若いのによくわからない原因で突然死する患者が続出。

しかし再発率は抑えることができたのでビジネスとしては成功。

身を挺して集団に貢献する日本民族固有の医療観ということかな。

2017年3月26日

タバコと脳卒中後のせん妄


Cigarette smoking is an independent risk factor for post-stroke delirium.
2017  3月  韓国

軽い意識障害を伴い錯覚や幻覚を訴えるいわゆる "せん妄"は脳卒中のあとにおきやすい。せん妄があると入院が長引き死亡率も高いと考えられている。

脳卒中患者の10-30%がせん妄を起こすが そのリスク要因はよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


脳梗塞患者576人について調べたところ、


次のことがわかった。

・6.7%で脳梗塞急性期にせん妄が起きた。

・せん妄の患者は明らかに高齢で かつ喫煙頻度がひじょうに高かった。

・また、せん妄の患者は脳半球が広く損傷し 退院時と3ヶ月後の機能回復の不良率がとても高かった。

・せん妄の独立リスク要因は、高齢、喫煙、脳半球の広い損傷だった。

脳梗塞患者のせん妄は 入院して喫煙を急に止めたことがきっかけになっているかもしれない、


というおはなし。
図:脳卒中後のせん妄患者の機能回復度

感想:

ニコ中にとってタバコはくすりだからな、、

2017年3月25日

チョコレートと日本人の脳卒中


Chocolate consumption and risk of stroke among men and women: A large population-based, prospective cohort study.
2017  3月  日本

これまでチョコレートが脳卒中予防になるという西洋人を対象にした報告がいくつかある。

日本人で大規模にしらべてみたそうな。


44-76歳で健康な 男性38182人と女性46415人について、1995-1998年に食事調査を行いチョコレート摂取量を推定した。
13年間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。
・この間に3558人が脳卒中になった。

・年齢、体重、身長などを考慮してなお チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった。

・男性については統計学的有意な影響は見られなかった。

・この関連は脳卒中の種類(脳梗塞、脳出血)によらなかった。

日本人について大規模に調査した結果、チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった、


というおはなし。
図:チョコレートと脳卒中

感想:

こどもの頃とちがって もはやチョコレートにはスペシャル感のかけらもない。
体温で溶けてベトベトになるやっかいな食べ物のイメージ。

[チョコレート] の検索結果。

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