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2013年5月31日

脳卒中のあとは視覚障害に注意だよ


Symptoms of stroke-related visual impairment.
2013  6月  イギリス

脳卒中のあとの視覚障害の頻度と種類を調べてみたそうな。

平均年齢70の脳卒中患者915人について視覚障害について申告してもらい、続いて視覚機能検査を行ったところ、


次のようになった。

・16%は症状の申告がなかった。

・しかし検査の結果、そのうち85%に視覚異常が見つかった。(視野欠損、眼球運動異常、受容異常など)

・視覚障害の申告のあった者(残りの84%)のうち、6.5%の検査結果は正常だった。


脳卒中のあとの視覚障害は、症状に気づいているか否かに関わらず、ちゃんと検査してみないとわからない


というおはなし。


写真:遠視




感想:

脳卒中を機に視力が1.5→0.4になった。

この問題は皆の関心が意外に低い。

2013年5月30日

睡眠が足りないと高血圧になる、しかも...


Linking Sleep to Hypertension: Greater Risk for Blacks.
2013  4月  アメリカ

睡眠時間と高血圧との関連を人種の違いも含めて調べてみたそうな。


18-85歳のアメリカ人25352人に面談調査した結果、


次のようになった。

・睡眠時間が6時間未満の場合、人種に依らず6-8時間睡眠を取る者に比べ高血圧が多かった。

・6時間未満または8時間以上睡眠を取る黒人は、同様の白人に比べ高血圧リスクが3割以上高かった。

・この関連は、年齢、性別、収入、肥満、飲酒、喫煙、ストレス、既往症を考慮に入れても変わらなかった。


十分な睡眠が取れないと高血圧になりやすくなる程度は、人種により異なることがわかった


というおはなし。


写真:睡眠と高血圧




感想:

そういえば高校の頃からいつも眠くて、授業を最後まで聞いた経験が数えるほどしか無い。


2013年5月29日

運動イメージ訓練で脳の働きが変化した


Cortical reorganization after motor imagery training in chronic stroke patients with severe motor impairment: a longitudinal fMRI study.
2013  4月  中国


運動イメージ訓練が脳皮質の働きに及ぼす影響を調べたそうな。


18人の慢性期脳卒中患者について、運動イメージ訓練あり、なしの9人ずつのグループに分けた。

運動イメージ訓練は1回30分間×週5日×4週間行った。両グループには通常のリハビリも施した。

その後上肢機能の評価と、脳機能MRIによる脳皮質の活動状況を調べ関連を解析した。


次のようになった。

・非損傷側の感覚運動野の活動が大きくなった。(イメトレ:6人、なし:5人)

・非損傷側の感覚運動野への依存度が大きくなった。(イメトレ:3人、なし:1人)

・この感覚運動野の拡がりと、上肢機能の回復程度との間に有意な関連が見られた。



運動イメージ訓練や通常のリハビリによって脳皮質の活動に変化が生じた。

患者はこういった変化を意識的にコントロールできるようになるかも知れない


というおはなし。




私の右手指動作時の脳皮質の活動



2013年5月28日

音楽サポート療法は可塑性を促す


Sensorimotor plasticity after music-supported therapy in chronic stroke patients revealed by transcranial magnetic stimulation.
2013  4月  スペイン

脳卒中リハビリへの音楽サポート療法の効果を検証してみたそうな。


20人の慢性期脳卒中患者について、

音楽ポート療法グループと比較グループに分けて4週間の訓練の後、上肢の動作改善度や皮質脊髄路の信号の伝わりやすさを評価、比較したところ


・音楽サポート療法グループで脳の可塑性を促すような改善が見られた、


というおはなし。


音楽サポート療法は、

電子ピアノと、電子ドラムパッドを使って簡単な曲を患者に合ったペースで演奏する訓練を1回30分間×20回行った。






2013年5月27日

脳梗塞発症時、頭痛があればラッキー!


Onset Headache Predicts Good Outcome in Patients With First-Ever Ischemic Stroke.
2013  5月  台湾

脳梗塞発症時の頭痛は悪い兆しなのかどうか、調べてみたそうな。


初回脳梗塞の患者11523人について、頭痛の有無、その後の脳卒中の進行、神経症状、自立度などを調査した結果、


次のようになった。

・脳梗塞発症時に頭痛があった患者は7.4%だった。

・アテローム性、心塞栓タイプの脳梗塞で頭痛が起きやすかった。

・頭痛は、若く、女性で、後頭部の梗塞患者で多かった。

・頭痛なしに比べ、頭痛があると脳卒中の進行が少なく、

・退院時の神経症状の回復度も大きく、

・自立度も高く、

・重症になるケースも少なかった。


脳梗塞発症時に頭痛があった患者は、予後がとても良いことがわかった


というおはなし。

写真:頭痛




感想:

脳卒中には頭痛が付き物と思いこんでいただけに、

自分の発症時に頭痛がなかったことを ??と思っていた。


実は頭痛がある方が珍しいんだね。


2013年5月26日

【太陽フレア】磁気嵐で脳卒中が増える可能性について


The influence of meteorological and geomagnetic factors on acute myocardial infarction and brain stroke in Moscow, Russia.
2013  5月  ロシア

気象条件と地磁気活動度が脳卒中と心筋梗塞に与える影響を調べてみたそうな。


1992-2005のモスクワの病院2施設での脳卒中患者1096人、心筋梗塞患者2833人について、発症当時の気象条件、地磁気活動度との関連を解析した結果、


次のようになった。

・心筋梗塞件数は、気温が上がると減って、地磁気活動度が上がると増えた。

・脳卒中件数は、気温やその変動幅が広がると増えて、地磁気活動度が上がっても増えた。

・低気圧や気圧の急な低下で脳卒中が増えた。

・磁気嵐の間の心筋梗塞、脳卒中のリスクは2-3割増加した。

・気温の低い時期には脳卒中件数が倍増した。

・影響度は、気温>気圧>地磁気 の順で大きかった。


脳卒中の発生は気象条件に影響を受けやすく、

また地磁気活動とも関連があることがわかった


というおはなし。




感想:

地磁気がそんなに変動しているとは知らなかった。



太陽フレアによって磁気嵐が発生し、地磁気が乱れる。

そして脳卒中も増える。


ついに脳卒中が宇宙規模の壮大な問題になってきたな...

2013年5月25日

舌や唇が麻痺したときも脳卒中の可能性があるよ


Numbness in the Tip of the Tongue and Lower Lip Caused by Thalamic Hemorrhage.
2013  4月  日本


高血圧の62歳男性が左の舌先と下唇に麻痺が起きた。

他には神経症状は見られなかった。


CTを撮ったところ、右脳の視床に小さな出血を見つけた。


そこは後内側腹側核と呼ばれる部位で、舌神経からの信号の通り道でもある。

この部位での出血が麻痺の原因と考えられた。


脳卒中でのこの種の麻痺は、通常は味覚障害である。

今後は舌先や唇麻痺のケースでも脳内の異常を疑ってみるべきだろう


というおはなし。





感想:

自分も左顔面の触覚が未だ鈍い状況なので関心を持った。

食事の時に左唇にご飯粒がついていても気づかない。

床屋で顔を剃られる時の左右の感覚差は驚くほどのものがある。



2013年5月24日

脳卒中で怒りっぽくなった患者を科学的に調べてみました


Factors associated with post-stroke anger proneness in ischaemic stroke patients.
2013  5月  韓国

脳卒中後に怒りっぽくなる患者の頻度と要因を調べてみたそうな。


脳梗塞で入院した508人の患者について、怒りっぽさを心理テストで判定した。並行して血液サンプルを取り、セロトニン輸送タンパク質やモノアミン酸化酵素に関連するDNAの特徴で分類できるか解析した。


次のようになった。

・15.1%の患者で怒り傾向が病的と判定された。

・脳卒中の既往歴、入院時の神経症状の重さ、モノアミン酸化酵素の量が関連していた。


脳卒中後に病的に怒りっぽくなるのはよくあることで、入院時の症状の大きさや、特定の遺伝子が関連しているのかも知れない


というおはなし。


写真:激おこプンプン丸


感想:

人の怒りっぽさみたいな特徴を適当に選んだDNAと関連づけて説明するこころみには、焼肉屋で寿司を注文するような違和感を覚える。


[感情失禁]の関連記事

2013年5月23日

大酒飲みは脳梗塞にめっぽう弱い


Influence of Chronic Ethanol Consumption on the Neurological Severity in Patients With Acute Cerebral Ischemia.
2013  5月  フランス

大酒飲みは脳梗塞が重症になるに違いない、と思ったので検証してみたそうな。


発症48時間以内の脳梗塞患者436人について、日頃の飲酒量と神経症状の重さとの関連を解析したところ、


次のようになった。

・60人が大酒飲みだった。(週に300g以上のエタノール摂取)

・大酒飲みというだけで、神経症状が重症化する危険率が2倍以上になった。


日頃やたら酒を飲む人は脳梗塞になったとき重症化することがわかった


というおはなし。



感想:

思ったほど大したことない、って感じ。

ちなみにエタノール300gはビール6リットル相当。

2013年5月22日

『妻が脳卒中に... orz』、医師『ただの偏頭痛でした』


Predictors of Acute Stroke Mimics in 8187 Patients Referred to a Stroke Service.
2013  5月  アメリカ

脳卒中の疑いで入院してきた患者が実は脳卒中ではなかった、ということがある。


その頻度をよーく調べてみたそうな。

10年間8187人ぶんの患者データを解析した結果、


次のようになった。

・30%が脳卒中類似症状の患者だった。

・彼らは、若く、女性が多い、脳卒中リスク要因がない、などの特徴があった。

・脳卒中類似症状患者は、白人よりも黒人で多かった。

・高血圧や心房細動、高脂血症がない場合、脳卒中類似症状の可能性が高かった。



脳卒中で入院してきた患者の3分の1は、実は脳卒中ではなかった


というおはなし。



感想:

じゃいったい何の病気なの?

と思って見つけた記事↓
救急隊員と脳神経科医の連携でstroke mimicsを適正に鑑別

2013年5月21日

早期リハビリって効果があるのかな...


Early Mobilization after Acute Stroke.
2013  5月  ノルウェー

早期リハビリがほんとうに良いのか調べてみたそうな。


発症後24時間以内に入院した脳卒中患者について、

・入院から24時間以内に移動訓練を始めるグループ(27人)

・入院から24-48時間経ってから移動訓練を始めるグループ(25)

に分けて、3ヶ月後の回復程度を比較した。

また、年齢、性別、神経症状の程度、脳卒中リスク要因などとの関連も解析した。


次のようになった。

・早期グループでは中央値で7.5時間後、比較グループでは30時間後に訓練を始めた。

・55%の患者で回復が良かった。

・良好な回復と関連のある要因は見つからなかった。



移動訓練を始める時間と予後との関連は見られなかった


というおはなし。

写真:早期リハビリ

追記:(2018)
【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない
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