~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2013年11月11日

ヘモグロビンA1c はやや高いだけで脳梗塞の危険


Haemoglobin A1c even within non-diabetic level is a predictor of cardiovascular disease in a general Japanese population: the Hisayama Study.
2013  11月  日本

ヘモグロビン(Hb)A1cと脳卒中を含む心血管系疾患のなりやすさを日本人で調べてみたそうな。


40-70歳の2851人について7年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・この間に119人が心血管系疾患になった。

・HbA1cが5%未満の者と比較した場合、

・5.5-6.4%では心血管系疾患の危険率は2.26倍、

・6.5%以上だと4.43倍、

・糖尿病治療薬を処方されていると5.15倍だった。

・この傾向は特に、冠動脈疾患と脳梗塞で顕著で、脳出血との関連はなかった。


HbA1cは正常値範囲内にあっても、高めの値だと脳梗塞になりやすいことがわかった、


というおはなし。

図:HbA1cと脳梗塞

感想:

身近な人のHbA1cがやや高いらしいので関心を持った。

2013年11月10日

難しい理屈はいいからスクワットをやれ


Deep flexion activity training in a patient with stroke using task-oriented exercise: a case report.
2013  11月  インド

膝の深屈曲が必要な脳卒中患者がいたので特別なリハビリを考えてあげたそうな。


55歳で靴の営業職の男性が脳梗塞になった。
片麻痺のためしゃがむことができず、アジア式トイレやお客に靴を履かせる際の動作をいったいどうしたものか...と悩んでいた。

この状況を改善するために課題志向型のリハビリを行った。

具体的には、

*低い腰掛けを使って立ったり座ったりの動作を繰り返す。
*次の段階ではスクワットトレーニングを導入する。


6週間後、次のようになった。
・期待していた以上に回復して社会復帰もできた。


膝の深屈曲ができるようにリハビリをしたら自立も進み、社会参加が促された、


というおはなし。



感想:

たった一例の報告だけど、シンプルさに好感を持った。

自分もこの数年間、スクワットは ほぼ毎日やっている。

2013年11月9日

自宅でCI療法ができるビデオゲームをオハイオ大学が開発


Researchers develop at-home 3D video game for stroke patients
2013  11月  アメリカ

脳卒中で麻痺した上肢の回復訓練であるCI療法を自宅でもできるようにテレビゲーム化してみたそうな。

麻痺手にモーションセンサーグローブを、健常手には動きを制限するためのミットを着ける。

川下りのパドル動作を繰り返すことがリハビリになる。

これを2週間、計30時間行うことで上肢機能が改善する、

というおはなし。


これがそのCI療法ゲームだ。




感想:

突っ込みどころの多いビデオ。

ミットを着けてる意味がないし、太り過ぎ。

そもそもCI療法ってこんなんでいいのか?

2013年11月8日

動物さんが教えてくれた効果的なリハビリ方法とは


Meta-analysis of the Efficacy of Different Training Strategies in Animal Models of Ischemic Stroke.
2013  10月  ドイツ

脳梗塞のあとのリハビリ戦略とその適切な時期を、動物実験での結果をたよりに調べてみたそうな。

関連する過去の研究を検索して、それぞれを次のように分類し、解析しなおした。

・強制運動
・自発的運動
・CI療法
・課題学習型運動(熟練手伸ばし訓練)


次のようになった。

・対象動物計880匹、35件の研究を厳選し、データを統合した。

・運動によって梗塞体積は14%減少した。

・認知機能は33%改善した。

・神経症状は13%改善した。

・走行機能は7%改善した。

・強制運動でもっとも効率よく梗塞体積が減少し、走行機能も改善した。

・上肢機能の改善は課題学習型運動がもっとも効果的だった。

・発症後1-5日以内に運動を始めるのがもっとも効果的だった。


脳卒中にした動物を使った実験によると、運動によって梗塞の体積が減り各種機能回復が促された。特に、強制運動と課題学習型運動が効果的で、開始時期によって効果が変わった、


というおはなし。




感想:

動物さんは正直で空気を読んだりしないから、とても参考になる。


2013年11月7日

脳梗塞直後の出血は 肥満だと少ない


Paradoxical effect of obesity on hemorrhagic transformation after acute ischemic stroke.
2013  9月  韓国

肥満の患者は心血管系疾患の予後が良いことがわかっている。(肥満パラドックス)

急性期脳梗塞患者の出血性変化についてもこれがあてはまるか調べてみたそうな。


365人の急性期脳梗塞患者について、1週間後の出血性変化の有無をMRIで確認した結果、

次のようになった。

・59人、16.2%に出血性変化が見られた。

・肥満度が高いほど、出血性変化の発生は減少した。

・治療内容、重症度など関連要因を考慮にいれてなお、肥満度と出血性変化リスクはおおきく相反した。


肥満パラドックスは急性期脳梗塞患者の出血性変化についても言えることがわかった、


というおはなし。

2013年11月6日

両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


Bilateral Priming Accelerates Recovery of Upper Limb Function After Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  10月  ニュージーランド
Priming Before Physical Therapy Facilitates Stroke Rehab

脳卒中後の自立の可否は上肢機能の回復にかかっている。

そこで、PTリハビリ前の両手準備運動が脳のバランスと機能回復に影響するか調べてみたそうな。


亜急性期の脳梗塞患者57人について、次の2グループに分けた。

*両手準備運動グループ→PTリハビリのまえに、左右連動する器具を使って両手首を鏡対称に運動させる。
*比較グループ→PTリハビリ前に、前腕に電気刺激を間欠的に与える。

これを15分間×週5回×4週間続ける。

6,12,26週間後の上肢機能を計測、比較した。
また、両脳半球の興奮性をTMSで測定した。


次のようになった。

・12週時点で、もうこれ以上良くなりそうもないってレベルまで回復を遂げた患者の割合は、両手準備運動グループが比較グループの3倍以上だった。

・左右脳半球間のバランスも両手準備運動グループで抜群に良かった。


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが大いに加速することがわかった、


というおはなし。

写真:両手準備運動マシーン



感想:

そんな気がしてた。

だって両手、両腕を一緒に動かすと気持ちいいもん。

しびれた左手くんを右手兄さんが手本を示しながらサポートしてくれるような安心感、心地よさを 今でも感じる。

2013年11月5日

tDCSの失語症改善効果はゼロ


No effects of anodal transcranial direct stimulation on language abilities in early rehabilitation of post-stroke aphasic patients.
2013  10月  ポーランド

最近の研究では失語症患者の左脳皮質の興奮性の高まりと言語能力との間に関連があると言われている。

そこで、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の左脳へのプラス電極刺激が失語症の改善に効果があるか調べてみたそうな。


脳卒中で失語症の37人の患者について、左脳ブローカ野へのプラス電極刺激グループと、偽刺激グループに分けて3ヶ月後の言語能力を評価比較した。

tDCSは15日間継続した。両グループには通常の言語療法も行った。


次のようになった。

・両グループ共に改善したが、

・改善程度に差はまったく見られなかった。


脳卒中で失語症患者へのプラス極tDCSはなんの役にも立たなかった、


というおはなし。



写真:tDCS失語


感想:

似たようなことを研究して成果を出してるひとがいっぱいいるみたいだけど、

この研究者は業界の空気を読めなかったのかも知れない。

2013年11月4日

転んでも安全 水中療法の効果を確かめてみた


Effects of an aquatic therapy approach (Halliwick-Therapy) on functional mobility in subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2013  10月  ドイツ
水中療法のリハビリ効果を検証してみたそうな。


発症後2週目以降の脳卒中患者30人について、水中療法グループと比較グループに分けた。
水中療法は1回45分間×週に3回×2週間 +通常のリハビリを週に2回 行った。

比較グループでは、通常のリハビリを週5回×2週間行った。


次のようになった。

・水中療法グループでバランス能力の著しい改善があった者は83%、比較グループでは47%だった。

・歩行能力の改善程度も水中療法グループで非常に高かった。

・移動動作に関しては両グループで大きな違いはなかった。


水中療法は安全で 移動能力の改善に効果的かも知れない、

というおはなし。


脳卒中患者向け水中療法のシーン



感想:

2週間後じゃ入浴するだけでも多くの人の手を借りるのに、海パン履いてプールに浸かるなんて想像すらできない。

ぜんぜん安全じゃないと思う。

2013年11月3日

寒くなってまいりました 冬の脳梗塞は高齢者に厳しいことが明らかに


Association between winter season and risk of death from cardiovascular diseases: a study in more than half a million inpatients in Beijing, China.
2013  10月  中国

脳卒中を含む心血管系疾患での院内死亡率の季節変動をアジア人について調べてみたそうな。


中国の代表的な病院 32施設のこれまでの入院患者62万人あまりのデータを解析したところ、


次のようになった。

・冬季(11月-2月)に入院した高齢の心血管系疾患患者は5月入院の患者に比べ死亡リスクが30%から50%高かった。

・しかし若年患者についてはこのような季節変動は見られなかった。

・高齢患者の冬季死亡リスクの上昇は脳梗塞についても同様だった。

・このリスク上昇は呼吸器系疾患の有無には依らなかった。


中国では冬に脳梗塞患者の死亡リスクがかなり高くなることがわかった、


というおはなし。


写真:脳卒中死亡率季節変動
若いひとは季節に依らず死亡率ほぼ一定

 

2013年11月2日

手がまったく動かない...一生このまんまなのか...


The impact of time on quality of motor control of the paretic upper limb after stroke.
2013  10月  オランダ

脳卒中のあと6ヶ月間に、何日くらいで上肢動作が復活してくるのか調べてみたそうな。


44人の脳梗塞で やや片麻痺の患者について、1,2,3,4,5,8,12,26週間後の上肢の動作スピード、スムーズさ、正確さ等について3次元的に動作解析した。

この間、特別なことはしなかった。


次のようになった。

・最初の5週間に動作スピード、スムーズさ、正確さの点で大きな改善が見られた。


脳卒中後、おおむね8週間以内には麻痺上肢の動作が改善した。これは脳の自発的な回復によるもの、と考えられた、


というおはなし。




感想:

思い出すと1ヶ月と2週間くらいは手の指の開きが全くできなくて暗澹たる気持ちが続いたものだった。


2013年11月1日

みそ汁が濃いと塩分摂取量も多いのか?


東京近郊のがん検診受診者におけるみそ汁の味付けと塩分摂取量の関係
2013  11月  日本

高血圧を予防するためには過剰な塩分摂取を控えることが必要である。

そこで、みそ汁の味の濃さと一日の塩分摂取量との関連を調べてみたそうな。


40-69歳の健康な143人について食事調査と24時間ぶんの尿を採取して塩分排泄量を測ったところ、

次のようになった。

・濃いみそ汁を飲む人の塩分排泄量は多かった。

・濃いみそ汁を飲む人は加工食品の摂取頻度も高かった。

・しかし、1日の塩分摂取量は主に、食卓上のしょうゆを使う頻度や、麺のつゆを飲む量によって決まっていた。


みそ汁の味の濃さは一日の塩分摂取量と関連があった。
この原因は加工食品の摂取頻度よりむしろ 任意で調節可能な塩分関連行動によって説明できる、


というおはなし。


図:みそ汁の濃さと食塩関連行動



感想:

リハビリ病院を退院するときに栄養師の指導があって、

『ラーメンのスープだけは絶対に飲まないでください。』

と、5回ぐらい繰り返し言われたことを思い出した。



ブログランキング・にほんブログ村へ pv

過去7日間の人気記事10

回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』