2021年3月15日

くも膜下出血の身体拘束は転帰不良

2021  3月  日本


患者が勝手に呼吸器のチューブやカテーテルを外してしまわないようにベルトや柵 手袋などで動きを抑える 身体拘束(Physical restraint)は脳機能障害患者によく用いられる。

しかしくも膜下出血患者での身体拘束の安全性と有効性についてはランダム化比較試験はなく、転帰に及ぼす影響についてはいまだ議論があるので くわしくしらべてみたそうな。



2014-2020年に集中治療室で72時間以上治療を受けたくも膜下出血患者の記録を解析した。

入院後24-72時間に身体拘束した時間別に、拘束なし、断続的、継続的、の3群に分けた。

ただし、Hunt & Kosnikグレード5の重症患者は除いた。

身体拘束は 鎮静度のRASSスコアを基準に適用した。



次のようになった。

・101人の患者記録を対象とした。このうち51.5%はmRS 3以上の転帰不良だった。

・45.5%は身体拘束なし、25.7%が断続的、28.7%は継続的身体拘束だった。

・身体拘束なし群にくらべ、継続的身体拘束群の転帰不良のオッズ比は3.54だった。

・Hunt & Kosnikグレード1-3の重症でない患者に限定すると、この関連はさらに強くなった。


くも膜下出血の急性期において、身体拘束を継続的におこなうことは、その後の転帰不良と有意に関連していた、


というおはなし。
麻酔


感想:

重症だから拘束されるというわけではないようだ。

鎮静度RASSスコアが0以上になって意識がちゃんと戻っても拘束され続け、患者に不安の兆候が見えるとさらに鎮静剤や筋弛緩剤をうってRASSスコア-2の 傾眠よりも深い鎮静レベルを目指す、と書いてある。

これって、けっこう怖いことだと思う。

じぶんはくも膜下出血は頭痛をがまんしていれば勝手に治ると確信している変わり者なんだけど、
もし くも膜下出血でうっかり救急搬送されたら、意識を消されたまま身動きもできず手術拒否の意思をあきらかにするチャンスもなく、家族の同意だけでアタマ開けられてしまうってことなのか?